このところ番組表が心地よくなっているのでとてもうれしい
(笹井宏之) (【些細】)
はじめ、あまりのシンプルさに思わず笑ってしまったので
すが、何度か読み返しているうちに
「これはそう単純な歌じゃなさそうだぞ」
と思えてきました。
「番組表」とは、新聞の最終面にあるテレビやラジオの時
間割のことなのでしょうが、これが「読みやすく」とか「すっ
きりと」ではなく「心地よく」なっているというのは、どういう
状態なのか。
「このところ」は、「以前に比べて」と読むよりは「予測がつ
かないある一定期間内」という雰囲気があります。
つまり、以前はあまり心地よくなく、ちょっとしたことでまた
以前の状態に戻ってしまいかねない、ということ。
かっちりとプログラムされているはずの「番組表」には、あ
まり相応しくない言葉のように思われます。
下二句が全部ひらがななのも、単純なうれしさよりも「ほ
っとした、緊張から解放された」というニュアンスがあるの
では。
さて、この「番組表」は果たしてどんな「番組表」なのか。
興味は尽きません。
-----------------------------------
優しさはつけ込みやすさ腕組みをほどく間合いで冷麺が来る
(岩井聡) (North Marine Drive)
阿吽の呼吸と言いますか、この「つけ込」んでいる人は、絶
妙の間合いを計れる人なのでしょうね。
そもそも「冷麺」は、そう簡単に作れる料理ではありません。
様々な具を刻み、調理し、麺を茹で、スープを冷やし、盛り
つけ…。
間合いを間違うと、スープが生ぬるかったり、麺がのびてし
まったり。
つまり間合いを計っていると言うよりも、間合いをコントロー
ルし、冷麺がちょうど出来上がる頃合いに「腕組みをほど」か
せるよう仕向けているのではないでしょうか。
うーむ、達人だ。
これは個人的な好みですが、第一・二句がちょっと説明調っ
ぽいかなと感じました。
ではどうすればよいか、というと、なにも思い浮かばないの
ですが。
-----------------------------------
πとe唱えて傘を抜け出した彼らは天に近いひと組
(瀧口康嗣) (可燃性連鎖)
「円周率πと自然対数の底eは超越数である。超越数(ちょう
えつすう)とは、代数方程式
anxn + an-1xn-1 +…+ a0 = 0
(n ≥ 1, an ≠ 0 かつ各 ai は整数)
の解とならないような複素数のことである。有理数は一次
方程式の解であるから、実超越数はすべて無理数である。
超越数論は、超越数について研究する数学の分野で、与
えられた数の超越性の判定などが主な問題である。」
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
解りますか?僕にはぜんぜん解りません。あ、頭が痛い…。
つまり彼らは、人の支配から抜け出た特別な存在だという
ことでしょうか。
それを唱えつつ傘から抜け出した人々もまた、「天に近い」
存在であると。
しかしどうも僕には、πとeがふたり仲良く手をつないで雨の
中をスキップしているのどかな風景が(どこがのどかなんだか
よくわからないけど)頭に浮かんで離れません。
作者の意図とはだいぶかけ離れてしまう読みでしょうけれど
も。すみません。
(笹井宏之) (【些細】)
はじめ、あまりのシンプルさに思わず笑ってしまったので
すが、何度か読み返しているうちに
「これはそう単純な歌じゃなさそうだぞ」
と思えてきました。
「番組表」とは、新聞の最終面にあるテレビやラジオの時
間割のことなのでしょうが、これが「読みやすく」とか「すっ
きりと」ではなく「心地よく」なっているというのは、どういう
状態なのか。
「このところ」は、「以前に比べて」と読むよりは「予測がつ
かないある一定期間内」という雰囲気があります。
つまり、以前はあまり心地よくなく、ちょっとしたことでまた
以前の状態に戻ってしまいかねない、ということ。
かっちりとプログラムされているはずの「番組表」には、あ
まり相応しくない言葉のように思われます。
下二句が全部ひらがななのも、単純なうれしさよりも「ほ
っとした、緊張から解放された」というニュアンスがあるの
では。
さて、この「番組表」は果たしてどんな「番組表」なのか。
興味は尽きません。
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優しさはつけ込みやすさ腕組みをほどく間合いで冷麺が来る
(岩井聡) (North Marine Drive)
阿吽の呼吸と言いますか、この「つけ込」んでいる人は、絶
妙の間合いを計れる人なのでしょうね。
そもそも「冷麺」は、そう簡単に作れる料理ではありません。
様々な具を刻み、調理し、麺を茹で、スープを冷やし、盛り
つけ…。
間合いを間違うと、スープが生ぬるかったり、麺がのびてし
まったり。
つまり間合いを計っていると言うよりも、間合いをコントロー
ルし、冷麺がちょうど出来上がる頃合いに「腕組みをほど」か
せるよう仕向けているのではないでしょうか。
うーむ、達人だ。
これは個人的な好みですが、第一・二句がちょっと説明調っ
ぽいかなと感じました。
ではどうすればよいか、というと、なにも思い浮かばないの
ですが。
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πとe唱えて傘を抜け出した彼らは天に近いひと組
(瀧口康嗣) (可燃性連鎖)
「円周率πと自然対数の底eは超越数である。超越数(ちょう
えつすう)とは、代数方程式
anxn + an-1xn-1 +…+ a0 = 0
(n ≥ 1, an ≠ 0 かつ各 ai は整数)
の解とならないような複素数のことである。有理数は一次
方程式の解であるから、実超越数はすべて無理数である。
超越数論は、超越数について研究する数学の分野で、与
えられた数の超越性の判定などが主な問題である。」
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
解りますか?僕にはぜんぜん解りません。あ、頭が痛い…。
つまり彼らは、人の支配から抜け出た特別な存在だという
ことでしょうか。
それを唱えつつ傘から抜け出した人々もまた、「天に近い」
存在であると。
しかしどうも僕には、πとeがふたり仲良く手をつないで雨の
中をスキップしているのどかな風景が(どこがのどかなんだか
よくわからないけど)頭に浮かんで離れません。
作者の意図とはだいぶかけ離れてしまう読みでしょうけれど
も。すみません。