泥濘の肌吸い尽くす熱帯夜シーツに巻かれた君は鍵っ子
(紫女) (クロッカスの歌)
正直に言って、読み切れませんでした。申し訳ありません。
体が泥のように感じるほど暑い夜でも、鍵っ子はシーツに
くるまって寂しく眠る…
そんな風にも読んだのですが、この歌の持つ、ねっとりと
した中に埋もれた静けさには届きません。
ただ、ひとつ。
熱風吹く大地では、水筒に、泥に浸した布を巻いておくと、
数時間でキンキンに冷えているとか。気化熱の作用だそうで
す。
この歌とは関係ないように思いますが、なぜかそんなエピ
ソードを思い出しました。
----------------------------------
まよいこむとかげのかげの鍵穴にあわない鍵を持ったまま、春
(小軌みつき) (小軌みつき-つれづれ日和-)
とかげのそばに鍵穴があって、そのそばに鍵を持った主体
がいる。
意味を考えればこういうことでしょうが、この歌の場合、
意味を考えても余り意味がないように思います。
「カ」音の連続に身をまかせて、最後に「、春」の不安定
さに浸る、そんな愉しみ方が合う歌ではないでしょうか。
とかげは鍵穴から迷い込んできて、そのとかげは鍵を持っ
た主体でもある。
そんな輪廻的構造が見えてくるようです。
----------------------------------
もうなにも覚えてません 鍵盤が浅く沈んだそのあたりから
(笹井宏之) (【些細】)
一読して、うっとりしてしまいました。
下手な読み込みは不要ですね。おそらく、最初の一音
(限りなく透きとおったピアニシモ)で、主体は別の世界
へ行ってしまったのでしょう。
セクシュアルな雰囲気も感じ取れて、非常に官能的で
す。
あくまで個人的な好みですが、第五句の「その」は、
他の語からも類推できるので、外してもいいのではない
かと感じました。
(紫女) (クロッカスの歌)
正直に言って、読み切れませんでした。申し訳ありません。
体が泥のように感じるほど暑い夜でも、鍵っ子はシーツに
くるまって寂しく眠る…
そんな風にも読んだのですが、この歌の持つ、ねっとりと
した中に埋もれた静けさには届きません。
ただ、ひとつ。
熱風吹く大地では、水筒に、泥に浸した布を巻いておくと、
数時間でキンキンに冷えているとか。気化熱の作用だそうで
す。
この歌とは関係ないように思いますが、なぜかそんなエピ
ソードを思い出しました。
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まよいこむとかげのかげの鍵穴にあわない鍵を持ったまま、春
(小軌みつき) (小軌みつき-つれづれ日和-)
とかげのそばに鍵穴があって、そのそばに鍵を持った主体
がいる。
意味を考えればこういうことでしょうが、この歌の場合、
意味を考えても余り意味がないように思います。
「カ」音の連続に身をまかせて、最後に「、春」の不安定
さに浸る、そんな愉しみ方が合う歌ではないでしょうか。
とかげは鍵穴から迷い込んできて、そのとかげは鍵を持っ
た主体でもある。
そんな輪廻的構造が見えてくるようです。
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もうなにも覚えてません 鍵盤が浅く沈んだそのあたりから
(笹井宏之) (【些細】)
一読して、うっとりしてしまいました。
下手な読み込みは不要ですね。おそらく、最初の一音
(限りなく透きとおったピアニシモ)で、主体は別の世界
へ行ってしまったのでしょう。
セクシュアルな雰囲気も感じ取れて、非常に官能的で
す。
あくまで個人的な好みですが、第五句の「その」は、
他の語からも類推できるので、外してもいいのではない
かと感じました。