正さん日記

世の中思いにつれて

後藤さん、遂に殺害される、政府の救出工作実らず

2015-02-01 16:20:08 | 世界

 日本時間2月1日午前5時過ぎ、イスラム過激派組織「イスラム国」とみられる犯行グループが仙台市出身のジャーナリスト、後藤健二さん(47)を殺害したとする新たな映像をインターネット上で公開した。

 後藤さんを殺害した人物は、今まで、アメリカ人やイギリス人のジャーナリストを殺害し、日本人人質の映像でも後藤さん、湯川遥菜さん両人の映像や、後藤さん単独の映像の横にナイフを翳していた推測イギリス系の兵士と見られている。

 この人物は、後藤さんを殺害する前に1分程度、イギリスなまりの英語で、安倍晋三首相を名指しし、後藤さんの死は、日本がアメリカの有志連合に参加したための報復だと言い、今後、日本人はどこにいてもイスラム国の標的になり、日本は闇黒の時代に入ったと脅した。

 イスラム国は、1月29日、映像なしで、後藤さんの口を介してヨルダン政府に対し、イラク時間29日日没(日本時間同日深夜)までにサジダ・リシャウィ死刑囚を所定の場所に連れてこないと、ムアス・カサスベ空軍中尉と後藤さんを処刑する意味の通告をしてきたが、カサスベ中尉の生存を確認することが先決だとするヨルダン政府は、リシャウィ死刑囚の移送を拒んでいた。その後2日ほどイスラム国は沈黙していたが、結局、後藤さんが殺害されると言う最悪の事態になった。

 政府は、後藤さん殺害の映像は信憑性があると判断、安倍首相は、この暴挙を非難し、日本は今後ともテロに屈せず、国際社会と共に断固戦い、必ず償いをさせると言明、合せて、国民の安全確保に意を尽くすと語った。

 しかし、安倍首相がこう言うと、日本は、今後、アメリカの有志連合国として世界でテロ組織と戦っていくという正に集団的自衛権行使を地で行くように聞こえる。勿論、後藤さんの死は痛ましいが、これをきっかけに日本も戦う国になっては亡くなった後藤さんも決して喜ぶまい。

 政府は、昨年10月段階で湯川さん、後藤さんがイスラム国の支配地域に入って、若しかしたら拘束されたかもしれないことを知っていた筈だ。しかし、安倍首相は1月に入って何にもないように中東を歴訪、エジプトでイラクなど難民に2億ドルの支援をすると演説、イスラム国は、これを敵対行為と強弁し、日本政府に湯川さん、後藤さん2人の人質解放に2億ドルの身代金を要求してきた。そうしてあげくの果ては湯川さん、後藤さんの2人が殺害された。

 疑問視されるのは、昨年年末段階でイスラム国に拘束された湯川さん、後藤さんの身柄解放のため、日本政府は何らかの工作をしたか否かである。

 また、ヨルダン政府に対し後藤さんの解放のためさまざまな工作をした筈だが、結局、ヨルダン政府は自国のパイロットの生存確認を優先し、後藤さんとの人質交換要員である女性死刑囚の保釈をしなかった。これは止むを得なかったとは言うものの、あたら後藤さん救出のチャンスを逃した感も拭い切れない。この検証も適切に行わなければならない。

 後藤さんは、極めて誠実で有能なジャーナリストとして、周りから多大な敬愛を集めていた。後藤さんの死を無駄にしないよう、この事件に対する政府の真剣な検証と、今後国内外で日本人の安全が保障されるため万全の対策を急がなければならない。「関連:1月30日

 

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