今日からかおりの息子・文人のツアーが始まる。
かおりは俺が塾を始めたときに最初に担当した中3・・・つまりは1期生だ。
「今まで行ってた塾の先生がすっごく怖くって・・・」
後から分かったことだが、それが紀平先生の塾だと知って驚いた。
紀平先生はきちんとしていれば怖くない。
多分、かおりが宿題やってこなかったんだろう。
香介(9期生・ヤマハ発動機)も言ってたっけ、「宿題を忘れたときの親父は怖いよ」
まあ、滅多に宿題を出さないいいかげんな俺だ。
いいかげん繋がりで相性が合ったのかもしれない。
三陸沖の潮目について説明した。
その後、文人にささやくように言った。
「オマエのお母さんが中3のときにな、知り合いの鳥羽の塾に連れてったんや。そしてな、鳥羽の塾の生徒たちといっしょに試験をした。社会の試験でな、今日やったとこ・・・『暖流と寒流がぶつかりあうところを何といいますか』・・・潮目が答になる問題があったんやけどな、お母さんは答えられへんかった。いや、ウチの生徒はみんな答えらへんかった。でも鳥羽の生徒は、場所が相差という漁師町やしな、みんなが正解やった・・・俺はショックやったな」
初めて文人が笑った。
笑顔を眺めながら、改めて文人が母親に似ていると気がついた。
かおりは高校入試の直前に家出をしでかしたという華麗なる経歴?を持っている。
あの時は大変だった。
それ以外にもいろいろやってくれたっけ。
そんなこんなもあって、将来は相当な女傑になるはず・・・そう睨んではいる。
しかし今んところは、当たり前の母親を演じている。
ありゃ、演技だよ。
さて文人。
午前11時頃に姿を見せ、昼食を食べに家に戻り、再び午後に姿を見せる。
いつまでもつかいな?と思いつつ中3と合同授業をしてみる。
日本の漁業の概略を終え、セントヨゼフの過去問へ。
こと、社会の地理や歴史に関しては私立中学と高校入試の間にさほどのレベルはない。
砂保や星哉や結香にとれば、手ごろなレベル・・・どころか、苦しんでいやがる。
そんななか、征希登場。
腰痛で苦しむこなつの治療が始まる。
森下から電話・・・セッティングは整ったとのこと。
来週の件だ。
来週の土曜日は塾を休みます。
今から3年前にマージャンの手合わせをした『あげた亭』のマスターから挑戦状。
マスターのリベンジ戦に、臼井ともども紅葉の盛りを過ぎた京都に乗り込む。