『 HARD & LOOSE 』 れいめい塾 津市久居

塾頭の『れいめい塾発 25時』
三重県津市久居にある学習塾『れいめい塾』の塾頭のブログです。

お知らせ

津・松阪地区で高校入試における内申でお悩みの方は、無料相談承ります。
メール(reimei.nakayama@gmail.com)またはお電話(059-255-1123)で、れいめい塾まで『内申の件で』とご連絡ください。

8月31日

2006年08月31日 09時41分44秒 | Weblog

目覚めたのは午前8時半。
いつものように森下がパソコンを叩いている。
21日に京都から戻ってきてからずっと規則正しい生活。
真夜中に論文を書く。
日中に塾の片隅で捨てられた犬のように仮眠を貪る。
電信柱みたいな森下ゆえに場所は取るのだが・・・。
その森下、ここ数日はとみに緊張感に溢れている。
論文作成が佳境に入っているのかもしれない。

論文とは別に森下が懸念している問題・・・大西君。
大西君と連絡が取れないこと。
森下と大西君は部屋をシェアしている。
京都と離れた久居からの連絡方法は大西君の携帯かシェアしている部屋の電話。
これが繋がらない。
両方とも繋がらない。
朝も昼も晩も繋がらない。
真夜中も繋がらない・・・。
大西君は抑鬱剤と眠薬を併行して飲んでいる。
その大西君、出版予定が決まっている書籍に掲載する論文の締め切りを越えている。
その締め切りは2日前だった。
大西君の論文が出ないと出版社に持ち込めない。
全ての原稿が出揃い、あとは大西君の原稿を待つ状態。
頭を下げて出版社に待ってもらっている状態なのだ。
皆が必死に大西君に連絡を取ろうとしている。
行きつけの『あげたて』のマスターは先週の土曜日に店に来たと森下に証言。
昨夜、森下が俺に言う・・・「3日前って微妙やな」
「なんで」
「人は3日では死なへん。その意味では安心、でも微妙なとこや。飲まず食わずで寝てるんとちがうかな」
「たしかにな」
「予定では日曜日あたりに京都に帰るつもりやったんやけど、論文の仕上がり次第やけど、明日あたり帰ることになるかな」

起きぬけの冬眠から覚めた俺に森下がボソッと言う。
「大西さん、つかまったよ」
「何しとったんや。やっぱ部屋で寝てたんか」
「病院・・・入院しとった」
「そうか、今までもやっと連絡とれたら入院してたってことあったよな」
「うん・・・2日前にまさかと思ってその病院に直接連絡したんやけど」
「その時はおらんかったんか」
「うん・・・」
「で、原稿は」
「できあがってるって」
「そりゃ良かった」
俺の安堵に森下が緩慢な笑みを返してくれる。
まだまだお楽しみはこれからだ・・・そんないたずらっ子の笑み。


とまれ8月31日・・・やっと終わった。
夏休み・・・も終わった。
しかし、それよりも俺のダイアリーがとりあえずは終わった。
去年の9月から「せめて今年一杯は毎日書こう」と心に決め・・・。
年が明け、受験真っ只中の硝煙の匂いを残しておこうと、「3月末まで書こう」と。
そして4月に入り・・・行きがかり、それでも「1年間続けてみようか」との目標を掲げて・・・。
やっと今日で1年・・・。
毎日日記を書く行為、とことん俺にはむいてへんわ。


午前9時半、郁が登場。
当たり前だ。
試験まで1週間切っているのだ。


森下が格闘しているテーマはアメリカ初期の環境問題。
高校生の教室の一角にベースキャンプを設けている。
その位置からよく見えるところにホワイトボードがある。
ここに環境問題に関する難解なタームが書き連ねている。
門外漢の俺には全く分からない。
まず、字が下手やしな・・・。

その森下、いつものようにボソッと言う。
「論文エントリィに投稿したんさ」
「今書いてるやつか」
「いや、今書いている内容の概要を400字で書いただけなんやけど。先輩からは採用されるのはコネが多いって聞いてたから期待もしてへんかったんや」
「で、どやった」
「受かった」
「そりゃ、すごい。何人くらい採用されるねん」
「はっきりとは・・・4、5人かな」
「全国で!」
「うん」
「そりゃ、ホンマすごい!」
「でさ、締め切りが4日なんや。てっきり落ちると思ってたからもう一本発表予定の論文もあってさ」
「その締め切りは」
「11日・・・」
「めちゃくちゃ大変やん」
「まあ・・・」
素直に喜びゃいいのにマージャンで2600和ったような顔をしやがって・・・。

森下もそうだが、大西君も、前田も・・・みんなみんな学士さんは身体を削って論文書いてまっせ。
好きやなきゃできへん仕事やな。

その森下のベースキャンプ、昼過ぎから無人・・・。
書きかけの論文がそのまま、ノートパソコンもほったらかし・・・。
午後8時になっても無人のまま。
この緊急時、これだけのエスケープはない。
異常事態勃発?
大西君の様子を見に京都までひとっ走り・・・その線はある。

午後8時半、森下登場。
「どこへ行ってたんや」
「うん?・・・家」
「あ・・・そう。俺はてっきり京都まで大西見舞いショートサーキットかって」
「いやあ、・・・生きてるってのが分かったんやから、そこまでしなくっていいでしょ」
学士さんの生活・・・わき目もふらず我が道を行く・・・厳しい道でんな。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月30日

2006年08月30日 15時18分19秒 | Weblog

一週間遅れでお袋の誕生プレゼントを持っていった。
今までは奥さんの裁量に任せていた。
しかしエスティマ、冷房が効かない。
仕方なく奥さんについて婦人服売り場を歩く。
俺にとっては月世界・・・ぎくしゃくと歩く。

物心ついた時から親父やお袋に誕生日プレゼントなるものを贈った記憶がない。
それどころか、親父やお袋の誕生日すら知らない。
不思議なものだ。
俺の奥さんは知っている。
それだけならまだしも三人の娘も知っている。
受験生としての資質には問題がある。
しかし親不孝を絵に描いたような俺に比べれば、遥かによくできた娘たちだ。
そのことには感謝している。


塾に戻ると俺の留守中に杉野(10期生)が来ていたらしい。
娘のれいに言ったとか・・・旅立ちますって先生に伝えといてよ。
ついに杉野の新しい生活が始まる。
来春の国家試験に向けての神戸での生活。
目的が明確であるぶん、日々の単調さにめげることはないはず。
去年から今年にかけての半年の貯金よ、貯金たれ!
ニューリアルした杉野に見(まみ)えることを切に願う。

郁が昼飯持参で塾に来ている。
週に一度の歴史の試験を経て、ちったあ逞しくなったか。
弁当持ちは母親からの強制か、はたまた郁の自主的な行動か。
どっちだっていい。
弁当持参?誉めてやる気もない、至極当然のことなのだ・・・。

夕刻、さつきを見舞う。
お土産は中学数学図形分野の参考書。
これが方程式の問題集なら鉛筆も必要だろうが、図形の参考書なので平面や空間のイメージを病院のベッドで寝転びながら研鑚してもらおうかとの趣向。
退院は4日あたりとか・・・。

さつきと話したのは西病棟の食堂。
階は違うが、俺が入院したときの定位置・・・入って突き当たりの左の2人掛けのテーブル。
3年前に入院したときはこのテーブルで全治3か月の小6の少年に数学を教えていたっけ。
さつきには数学を教えずに塾のネタ。
高1の瞭と中3の久保を引き合いに出して「いい意味でのズボラさがいかに受験勉強では大切であるか」というテーマで延々と話す。

一週間ぶりの英語の授業。
先週は自転車旅行やらマレーシアやらで出席者数名。
今日はそこそこ。
テーマは関係詞のちょっとムズイ系・・・、先行詞が文やら句やらなんでもありの which から始まり as やら but やら whatever などの ever 系まで。
健斗はまだ京都から帰ってへんのやな。

まん中の部屋では里恵が中1相手に陳述の副詞をやってる。
中2よりも早いやん。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月29日

2006年08月29日 20時34分01秒 | Weblog

ホームページの更新人数がここ数日消えていた。
理由は分からない。
23万3千台に乗ったときは覚えている。
しかしそれから昨日までの3日間ほど消えた。
そして昨日蘇った数字は23万3千台・・・その3日間のブランクがカウントされていなかった。
最近ウチのパソコンはクーラー同様におかしい。

昼間につらつらと中2のどうしようもなさを書いていた。
かなりの分量になりつつも書きあがった。
内容が内容だけに達成感とはほど遠い感情・・・。
「投稿」をクリックする前に冷蔵庫に冷やしてある豆乳のパックを取りにいった。
豆乳をフタを開け、振ったが出てこない。
冷蔵庫がキンキンに冷えていて豆乳は凍っていたのだ。
俺は豆乳の塊を持ってパソコンの前に座った。
消えていた・・・豆乳が? いや、中2の悪口が・・・いや、中2のあるがままの事実が・・・。
ホームページをアップして俺のダイアリーをクリックする。
一縷の望みに賭けてみた。
冷蔵庫へ行く前に「投稿」をクリックしている自分に賭けたのだ。
しかし最新記事は昨日の記事・・・昨日は昨日で昨日の気分がぶり返した。
暗くなった。
凍った豆乳を片手に持ちながら考えた。到底あの文章を再現できるだけの気力は今の俺にはない。
再び神のお加護を盲目的に信じて豆乳を振った。
豆乳の塊は依然として厳粛なままで塊である自分の意志を貫いた。
ついてない。
今日はついてない・・・。
こんな日は・・・何もすることが思い浮かばなかった。
こんな日もある。



福井のほうからチャチャを入れてきた輩がいるから少々・・・。
アキちゃんがかつてウチの掲示板に書き込んできた。
今(2、3年前だが)最も熱い作家!という鳴り物入りの登場・・・舞城王太郎。
ここ数日、熱に浮かれたように文庫本を読んでいる。
一日3冊以上のペース。
横山秀夫はあらかた読んだ。
文庫本になった馳星周の「M」も読んだ。
そんな想定内に少しばかりの冒険・・・ここ最近会っていないアキちゃんへの鎮魂歌?
舞城王太郎の本を初めて手に取った。
デビュー作の「煙か土か食い物」
ここで登場してくる町・・・西暁町・・・敦賀から北陸本選でしばらくいった場所にある。
メキシコ帰りの主人公・四郎が武生の病院に入院。
入院先から殺人者を求めて365号線を南下する・・・西暁町を目指して。
西暁町・・・福井県の架空の街で大量殺戮が起こる町。
疾走するメキシコ帰りのドクター四郎。
西暁町・・・どう考えても福井県の今庄あたり。
やたら福井弁が飛び交うミステリー。
極力読点を抑え漢字が道祖神の役割を担う。
リフレインを多用しては文章にドライヴ感や疾走感を注入していく。

上に書いた日記の文体。
舞城大太郎の根暗バージョンで書いてみた。
それがついてない今日に、唯一思い浮かんだこと・・・。

とまれ、滋賀県の米原あたりから8号線をはずれて北陸街道へ。
北陸街道、すなわち365号線。
「信長の棺」にもあった木下藤吉郎が殿(しんがり)を努めて名を挙げた道。
そのいわくの道をおんぼろエスティマで走ってみようか。
架空の町・西暁町を目指して。
冷房どころか通風機能すら死に絶えたおんぼろエスティマで。
それもまた一興ではある。

ちなみに今、舞城王太郎の三島由起夫受賞作「阿修羅ガール」を読んでいる。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月28日

2006年08月28日 14時01分09秒 | Weblog

昨夜から塾に泊まっているのが久保とダイキ。
そこそこの緊張感はあるやもしれぬ。

今日から津高は学校が始まる。
前期後期の二期制だから夏休みではなく、前期の途中の長い長い休みが明けただけという認識。ゆえに今日の実力テストが終わっても、明日からは昼までではなく正規の授業が始まる。
津西は明日から・・・だから真中の部屋ではグッチが宿題を仕上げるのに大忙しである。
俺は携帯が代わった。かといって番号は今までと同じ。

午後1時50分、中3の全県模試が始まる。
降りしきるセミの鳴き声がクーラーの音にかき消される。
クーラーの音に違和感の感じる夏だった。
そろそろ取り替え時期なんだろうか。
低音が教室内に漏れ出すなか、鉛筆の音が響く。その向こうにセミの声・・・。

もうすぐ新しい一日が始まる頃になり中3の全県模試が終了。
やはり時間が足らなかったぶんだけ実力の幅が細い・・・脆弱な知識・・・これに尽きるかな今年の中3。
センスめいたものはそれなりに評価している。
しかし、腹筋が足らない。
どうせ家ではやらないだろうからと塾でさせる。そこが他の塾とは違うわけだ。
享楽追求型の現代の個室では到底勉強する環境にない・・・これが俺の本音だ。
生徒ができないのを感じつつ、塾の復習や予習を自宅学習に任せるのは無責任極まりない。
絶対に成績を上げる・・・これがプライオリティである以上、塾でさせることになる。
しかし一向に塾に靡かない中3とのせめぎあい、これが21年目の夏だった。
明日から中3は自由だ。
宿題の残りと格闘するのか、実力テストの勉強をするのか・・・各自が各自で決める自由な3日間が始まる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月27日

2006年08月27日 19時18分18秒 | Weblog

盛大な葬式だった。
全日本プロレス社長の武藤敬司、新日本プロレス社長のサイモン・ケリー、小川道場の小川直也など・・・蒼々たる格闘技界の著名人たちからの献花。
そして当然、寛水流の寛の字をとった猪木寛次・・・アントニオ猪木から送られた豪勢な献花が一際人の目を引く。

久しぶりに会う直嗣(鈴鹿医療3年)は来賓の一人一人に頭を下げていた。
視線の交錯、・・・驚いたかな。
出棺を待つ人のなかに南条(13期生)を探していた。
悠と成人式の司会を務めた仁志(13期生)の姿も気にはなった。
しかし俺にとってはいつしか平行線になった俺と南条という二つの線が今日、この場所で交錯するチャンスを窺っていた。
しかし南条の姿はなかった・・・。

400名ほどが出棺を待つなか、喪主の挨拶。
葬儀社の人に誘導されて直嗣が皆の前にやって来る。
マイクを取る。
「今日はどうもありがとうございました」
そして直嗣は再び会館の中に戻っていく。
えっ・・・それで終わりなん?
オマエは海賊男か!
大阪府立体育館やったら暴動やで・・・。

葬送会場からの帰り、島田の田舎道を一人で歩いた。
たまたま直嗣の家の前の道に出た。
直嗣が中3の頃、深夜毎日のように送った家・・・今はひっそりとしていた。
これからは直嗣があの家を背負っていく・・・。
少々頼りない気もするが、持ち前の愛嬌でしのいでくれや。



橋本ドクター、大立ち回りを演じている。いやはや・・・。
鳥羽では鳥羽のセンセが第二回プロデュースだとかで悦に入っている。その熱さがうらやましいねえ・・・。
長崎では越知(4期生)が食の逞しさを縦横無尽に見せつけてくれる。げっぷが出そうや。
そして福井では事の後先を考えてしまう自分にいらだつアキラの親父がいる。この姿には十分感情移入できますな。
今日は珍しく谷の姿がない。午前中は塾に出没したが午後からは隠密行動。「兄サン(谷)さんおらへんね」と言いつつ、舞と里恵と森下がいつものように夕食に出かけていく。

明日はいよいよ中3の全県模試。
思うようにとれない中3の時間、それでも常に効果的な道をまさぐり続けた夏休みだった。
果たしてそれが正しかったのかどうか・・・。
答えは明日出る。
そして中2の全県模試・・・用意した問題用紙、アホらしくて全部ゴミ箱に捨ててもた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1992.10.27ケーキ投げ大会!