フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月16日(金) 晴れ

2007-11-17 02:28:59 | Weblog
  ここ数日続いた小春日和だったが、今日は少々冷え込んだ。電車に乗っていると足元がスースーする感じがした。夕方から市谷の私学会館で開かれる中学生作文コンクール(生命保険文化センター主催)の表彰式に出席。審査委員を代表して講評を述べる。今回(第45回)の全国賞入賞者は以下の通り。

  文部科学大臣奨励賞
   岩間優(桜陰中学校1年)
  全日本中学校長会賞
   古賀朋代(北九州市立田原中学校1年)
   牧原凛子(宮崎県立宮崎西高等学校付属中学校1年)
  生命保険文化センター賞
   尾上琳慧(函館市立北中学校3年)
   城内香葉(静岡県立清水第三中学校1年)
   青木昌子(京都女子中学校1年)
   西脇改(鳥取大学付属中学校1年)
   半藤偲季(熊本大学教育学部付属中学校2年)

  応募総数17,808のうちの上位8名である。8名のうち女子が多数(7名)を占めたことは例年通りだが、1年生が多数を占めたのが今回の特徴だった。目の前に並んで座っている一人一人に話しかけるように講評を述べたが、なんともかわいらしかった。しかし作文の内容はどれも実にしっかりしている。
  文部科学大臣奨励賞の岩間優さんの作品「母の生命保険」は、彼女の母親が主役である。自称「お母さんの着ぐるみを着たお父さん」である。この作品で印象的だったのは次の下りである。
  「母は仕事をし続ける限り、自分で生命保険料を払い続けることができることが自分の甲斐性だ、ときっぱり言う。当然、父も私と母のために生命保険に入っているわけで、なにも母まで入らなくてもいいのではないかと、私はつい思ってしまうのだが、そういう問題ではないらしい。」
  「生命保険は自分のためではなく、家族のために入るもの」というのはよく聞く語りである。ただし、父親の語りとして。それをここでは母親が語っている。それも母子家庭の母親ではなく、両親共働きの母親が語っているところが新鮮である。ひところ流行った「ダブルインカム・ノーキッズ」をもじって言えば、「ダブルインカム・ダブルライフインシュランス」である(これ、生命保険の新しいキャッチフレーズになりませんかね?)。この母親の語りに娘も共感して、「母の生命保険に対する覚悟の気持ちは、母の生き方そのものであるかもしれない。潔い気持ちの表れだ」と書いている。生命保険と働く女性のアイデンティティを結びつけて書かれた新鮮で、感動的な作文であった。会場には優さんのお母様も出席されていたが、美しい着ぐるみを着た方であった。後のパーティーのときにお仕事についてうかがったところ、出版社にお勤めの「働きマン」であった。
  
  夜、今日が締め切りだった論系進級希望届の最終集計の結果が学部のHPにアップされていた。

  多元文化論系         82
  複合文化論系        149
  表象・メディア論系      208
  文芸・ジャーナリズム論系 178
  現代人間論系        152
  社会構築論系        134

  わが現代人間論系は一次集計のときより15人増えて152人である。これは論系定員とほぼ同数であるから、学年末試験で進級に必要な単位をきちんと取れば、希望は叶うであろう。取りこぼしのないように頑張ってほしい。
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