フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月4日(土) 晴れ

2024-05-05 12:49:06 | Weblog

7時半、起床。

チーズトースト、スクランブルエッグ、トマト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

昨日のブログを書いてアップする。

10時半ごろ、家へ出て、西新井へ(上野からスカイツリーライン接続の日比谷線に乗って)。人生で初めて降りる駅である。

なぜ西新井なのかというと、ここは卒業生のミフミさん(論系ゼミ9期生)の地元で、今日は彼女の案内でカフェ巡りをするのである。最初に案内されたのは駅から歩いてい数分のところにある喫茶&レストラン「シルビア」。

2階に上がっていく。

けっこう広い。そしてけっこう客で埋まっている。レトロなインテリアで、TVドラマのロケでときどき、最近では『春になったら』(木梨憲武と奈緒が親子役で出ていた)で、使われてたそうである。

定食類が充実している。私は海老ビフライ定食を注文(ソースは私が掛けたもの)。けっこう大きなエビが3本使われている。

ミフミさんは海老ドリアを注文。

1時間半ほど滞在し(食後のデザートは頼まなかった)、彼女の近況などを聞く。昨年末にそれまで勤めていた出版社を辞め、1月から旅行関係の会社に転職したそうである。

西新井といえば西新井大師である。大師とは弘法大師・空海(真言宗の祖)のことで、川崎大師が一番有名だが、西新井大師はそれに次ぐだろう。ここに千葉の観福寺(最寄り駅は佐原)を加えて「関東の三大厄除け大師」と呼ばれている。

西新井駅から西新井大師までは大師線という一駅だけの電車があるが、これは帰りに乗るとして、行きは20分ほどの道のりを散歩がてら歩くことにした。ずっとバス通り(環七)を歩いたが、陽射しが厳しかった。途中から気づいたのだが、日陰のある反対側の歩道を歩くべきだった。

大師が近づくと趣のある商店が目につくようになる。

ここは飲み屋。

達磨の専門店。

「昭和遺産」的な店構えの甘味・飲食店。思わず引き込まれそうになったが、「先生、先にお参りをしましょう」とミフミさんに止めらえる。はい、ごもっともです。

参道入口。参道には草団子を売っている店が目に付く。

山門。

山門は仁王門とも呼ばれる。二対の金剛力士像は江戸時代後期の作である。

山門をくぐるとすぐ右手に塩地蔵がある。

塩をかぶった姿は雪の女王のように見えなくもない。イボ取りに霊感があるそうである。

境内には露店が並んでいる。

水洗い地蔵。

ミフミさんがいきなり地蔵の頭に手をやったて撫でた。「頭がよくなりますように」の意図らしいが、「水洗い地蔵」なのだから、頭に水を掛けるのが正しいやり方ではないのか? 私も彼女の流儀に倣って地蔵の胸に手を置いた。「心臓がお悪いのですか?」と彼女に聞かれたが、いいえ、心がきれいになるようにです(笑)。

大本堂の中ではちょうど祈祷が始まろうとしていた。私たちも休憩がてら(本堂の中は涼しいので)、靴を脱いで、畳の上に座った。複数の僧侶が念仏を唱えた。天井が高く、空間が広いので、僧侶の声が響き渡って、ゴスペルを聴いているようだった。

大本堂の横にある出世稲荷。

キツネはお稲荷様(稲の神様=五穀豊穣)の使いである。

定年退職間際の私は「出世」には関心がないが、転職をしたばかりのミフミさんには大いにキャリアアップを目指してほしい。

境内にはぼたん園があると聞いていたが、見あたらない。諦めて(もう咲き終わったのかな)境内を出ることにした。総門近くのお店で草団子を家族の土産に買った。

さて、「かどや」に入ろう。うっすらと「清涼飲料 甘味」という文字が見える。

経年劣化が半端ない。修繕しようとしない覚悟がすごい。

壁にはメニューの書かれた短冊がいっぱい。「代金は品物と引換えにてお願いします」とある。注文したものが運ばれてきたらその都度支払うということであるが、私は後から気づいた(店を出るときに支払った)。

私はクリームあんみつ、ミフミさんはあんみつを注文。懐かしい味である。

もうなくなってしまったが、梅屋敷通の商店街の末端、銭湯の向かいに、この「かどや」と同じたたずまいの「福田屋」という店があり、何度か行ったことがある。昔はこういう店が方々にあったように記憶している。

口直しに焼きそばを注文する(彼女は一口だけ)。みかけほど味は濃くない。テーブルの上のソースをかけて食べる。

総門の正面の道に「きままかふぇ」という名前のカフェがある。珈琲メインのカフェのようである。ちょうどいい。ここを本日最後のカフェにしましょう。(外観の写真を撮り忘れたので、「食べログ」から拝借しました)

ここに店を出した由来がボードに書かれている。面白そうな店主さんである。

イラストからマスターがやっているお店かと思ったら、マダムのワンオペの店のようである。私はモカの中煎りをハンドドリップで、ミフミさんはカフェオレ。

マダムと話をする。最初、私がマダムに「マダム」と話しかけたとき、そういう呼ばれ方に慣れていないのか、自分のこを言われていると気づかなかったようである(笑)。ミフミさん曰く、「そうい呼び方をするの先生独特だと思います」。えっ、そうなの。「店主さん」と中性的な言い方の方がいいのかな。あるいは「奥さん」かな。いや、やっぱり「マスター」「マダム」が一番しっくりくるんですけど。

でも、話始めると、とても話好きな方で、一年前にこの店を始めたときの経緯や、珈琲の「発酵」について、近隣のカフェの話などたくさん話を聴けた。びっくしたのは「タビビトの木」のマスターとお知り合いだったこと。なぜ「タビビトの木」の名前が出たのかというと、私たちが店に入ってきたとき、お父さんと娘さんかなと思ったそうで、しかし、「どちらからいらっしゃいましたか」という質問に私が「こちらの方が西新井にお住まいで、私は大田区の蒲田からやってきました。カフェ巡りの案内をしていただいているのです」と答えたから、親子ではないのだ・・・では、どういう関係なのかしらとあれこれ考えているときに、それを察したミフミさんが、「大学のゼミの先生と卒業生です」と答え、「そうなんですね! どちらの大学?」「早稲田大学です」となり、「タビビトの木」の話につながったのである。世間は狭い。マダムにわれわれの写真を撮っていただいた(後から写真を見て、「親子と言われるとそう見えなくもない気がします(笑)」とミフミさんは言った)。

マダムのお名前は志自岐悦子(シジキ・エツコ)さん。珍しいお名前である。旦那さんとは交代交代で店に出ているのだそうだ。

あとからご夫婦のインタビュー記事がヤフーニュースに載っているのを見つけた→こちら

店を出るとき、自家焙煎の豆(モカ)を浅煎りと深煎り、二種類購入した。

深煎りはミフミさんに差し上げ(手回しのミルをもっているが一度も使ったことがないのだそうだ。是非この機会に)、私は浅煎りをお土産にした。

マダムにボタン園の場所を教えていただいた。境内ではなく、総門の外にあったのだ。

かなり花は切られてしまっているけれど、まだ咲いている一画があった。

こちらはシャクヤク(芍薬)。「花木の女王」と呼ばれている。

帰りは大師線に乗る。西新井の駅から一駅だけの線である。昔の池上線みたいだ(いまは五反田までつながっているが、最初は蒲田から本門寺に参拝する人たちを運ぶ一駅だけの線だった)。

立派なホームである。年始にはここに人があふれるのだろう。

電車を待ちながら。10分間隔で入ってくる。

入ってきました。

当然のことながら、始発の電車である。そして次は終点だ。彼女とは西新井の改札で別れた。今日は楽しかったですね。ありがとう。「きままかふぇ」のマダムと出会えたのもきっと大師様のご利益でしょう。次回はどこの街に行きましょう。また西新井でもいいけどね(笑)。

日比谷線直通の電車ではなく、間違えて半蔵門線直通の電車に乗ってしまい、帰りは少し時間がかかった。

帰宅して、さっそくお土産に買ってきた草団子を妻と食べる。

12個入りで500円。

あんこは食べるときに上にのせる。

夕食はカロリー軽めに、焼き魚(鮭とシシャモ)、蓮根と挽肉のピリ辛炒め、マッシュポテトのサラダ、筍とワカメの味噌汁、ごはん。

食事をしながら『9ボーダー』第3話(録画)を観る。コウタロウ(松下洸平)の話し方がどうしても『いちばんすきな花』の椿(松下洸平)のそれと重なって聞こえてしまう。

「コウタロウの本名は春木椿と判明!」

今日撮った写真の整理。

原稿へのコメントを書く。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

2時、就寝。