練金術勝手連

「練金術」のページへようこそ。

※ 練金術(ねりきんじゅつ)とは『週刊金曜日』練馬読者会的やり方という意味です。

  ★★★ 6月は木賊温泉読者会 ★★★

2008年05月29日 | 読者会定例会
 練馬読者会5月例会は“自由と生存のメーデー”の報告をうけ、プレカリアート運動の感想や社会の二極化について論議。
 『週金』の誌面については連載ものについて意見が出されました。
 随時連載のシリーズ《格闘する思想》その4に登場した本田由紀さんの記事は読み応えがあった。「家庭」「教育」「仕事」の“連環”とプレカリアートの現実についての考察は働くことの意味や生きることの意味を考えるとき参考になる…、など。

●シリーズ《格闘する思想》(ナビゲーター:本橋哲也さん)
 その 1 萱野稔人さん 2007年1月12日号~1月19日号
 その 2 海妻径子さん 2007年5月25日号~6月1日号
 その 3 廣瀬 純さん 2007年12月21日号
 その 4 本田由紀さん 2008年5月12日号


 また、新たに始まった表紙裏の連載「金曜日の素朴な疑問」について賛否の意見。これは、伊藤真・「伊藤塾」塾長の日本国憲法逐条解説(単行本)の後を受けて始まったシリーズで、誰しも行き当たる疑問について個性派作家・映画監督・学者などが考える企画。(人は何のために生きる・フツーって何?など)
(イトヤン)

 6月の練馬読者会例会は温泉読者会に合流します。28(土)~29(日)一泊二日。宿は奥会津 木賊(とくさ)温泉「井筒屋」です。申込み〆切は25日。申し込み問い合わせ先 
nerikinjyutu@mail.goo.ne.jp 
または 03-3925-6039 近藤。

週刊金曜日へのリンク


  ★★ あなたもどうぞ! ★★★ 読者会案内 ★

2008年05月12日 | 読者会定例会
 日々のニュースに接して納得できることが少なすぎる今日この頃。自称「ウソ発見誌」の記事を材料に、月一回第四土曜日に例会を続けています。『週刊金曜日』定期購読者である必要はありません。気軽に参加してください。初参加歓迎!
(イトヤン)

5月の例会は24日(土)19時~、西武池袋線大泉学園北口前喫茶店ノヴェルにて。費用は喫茶代のみ。予約不要。

6月予定。温泉読者会のため通常の例会はおやすみ。

温泉読者会》の次回日程が決まりました。
 6月28~29日一泊二日。海抜1000Mの河原に自噴する共同浴場が温泉好きにはたまらないという奥会津の秘湯 木賊(とくさ)温泉。宿は「井筒屋」一泊税込みで11000円。…と+α。(要予約=詳細については下記まで)

4月例会報告(文責・S)
 映画「靖国」の上映をめぐる騒動は日本の「表現の自由」の危うさを端的に示した。ただ映画館側の対応に批判があるが現実的に営業妨害が想定されるなかでの判断は難しい
 中国・チベット問題と北京五輪。チベット問題は以前から存在していたが北京五輪直前の抗議活動は世界に知らしめるには効果的。所謂「反中国的」な言論とは異なる次元での中国政府への批判は積極的にすべきだ。

 以上について問い合わせは nerikinjyutu@mail.goo.ne.jp 
     または 03-3925-6039 近藤まで。



 ★★ 坂の上のクモと坂の下のクモ ★★

2008年05月09日 | ホントノデアイ
 公的資金とゼロ金利でバブル後の破綻を乗り切った?金融機関は、いま空前の利益を上げている。バブル崩壊から現在まで続くゼロ金利政策によって庶民の懐から銀行へ所得移転された金額は300兆円をゆうに上回っている。にもかかわらず、預金金利は限りなくゼロ近くに張り付いたままだ。
 庶民のなけなしの貯蓄にはゼロ金利のムチ(鞭)がはいり続け、金融機関(銀行・証券・保険・金貸し)は庶民のムチ(無知)につけ込む。
 そして、声をあわせて“貯蓄から投資へ”と誘う。庶民のなけなしをリスクマネーに誘い込むことで、金融機関やプロの投資家にとっての利益最大化をねらうとしか思えない。
 いったい金融とは何だ?…。かつては産業の潤滑油といわれた「金融」だが、いまやバブルマネー(グローバル投機資本)と一体化。IT(情報技術)を駆使し、FT(金融技術)という錬金術により、人々が汗して働くことによって支える“実体経済”という屋台骨をむさぼり、飲み込む勢いだ。言い換えれば、米国追従の規制緩和(金融・会社法制)が促進する“経済の金融化”。これが「グローバル化」の本体だ。ガソリン石油・穀物、食料の相次ぐ値上げも、投機マネーの蠢き次第…。
 
 世界は「帝国化」・「金融化」・「二極化」し、「1国単位ではもう何も見えない!」 「1995年から、大航海時代にも匹敵する『世界経済システムの変革』が始まった」という声が、そんな金融界の真ん中から聞こえる。声の主は、三菱UFJ証券チーフエコノミスト水野和夫さん。
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人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
水野和夫著/日本経済新聞出版社/2007.3/2200円


もくじ
第1章 覆される戦後経済の常識 分水嶺となった1995年
第2章 重層的に二極化する世界経済 再来する帝国の時代
第3章 長期循環の「超」長期化と短期循環の「超」短期化 不安定さ増す世界経済
第4章 「大きな物語」の終わりと「バブルの物語」の始まり ストックがフローを振り回す時代
第5章 資本の反革命における2つの選択 成長か定常状態か


 そのようなグローバル化の結果、なにが起きつつあるのか。ここへきてはっきりしたことは、一億総中流といわれたこの国の庶民(若者・老人・非正規・正規)を、次々と貧困化の坂を転げ落とす仕組みがつくられたこと。それは小泉政権以来の新自由主義路線をみれば一目瞭然。…規制緩和(労働法制)がもたらす《労働者の奴隷化》と《人権無用の負担の付け替え=“役立たず”(弱者)の切り捨て》という格差拡大政策であった。
 自殺者年間3万人といっている間にも、文字通りの餓死者が年間100人を突破する勢いといわれる信じがたいこの国の現実。おにぎりが食べたいと言い残した餓死者の近所にもコンビニはある。そう、コンビニでは毎日おにぎりを廃棄処分しているのだ。

 こんな歪んだ格差社会の現状と問題点を掘り起こし、流れを変えていこうという実践的な取り組みや提言をまとめるのはご存じ社民党党首の福島みずほさん。本書では、このほかひとりでも入れる非正規労働者運動から“連合”の会長選をあらそった鴨桃代さん、タクシーの規制緩和とたたかう待鳥康博さんとの対談を収録するほか、資料として労働関係法制の流れを掲載。

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格差社会を変える-あたりまえに働きたい!安心して暮らしたい!

福島みずほ著/明石書店/2007.12/1200円

目 次
まえがき
1.社会から格差をなくすために
 はじめに
 1 格差は隅々にまで広がっている
 2 格差はなぜ生じたのか
  地域格差―地域から、鉄道が、病院が、学校が、郵便局が消えていく
  所得格差―富める者はますます豊かに、そうでない者は……
  福祉格差―「自立支援」という名の弱者切り捨て
  健康格差―医療の沙汰も金次第
  教育格差―親の財布の中身で教育の機会が決められる
 3 格差を是正するために
  税制を変える
  働くための法律を変える
  ●わたしが提案する解決策
  1.正社員化への道をつくる
  2.均等待遇の実現
  3.パート派遣・契約労働者とフルタイム労働者との間の非差別原則の実現
  4.労働者派遣法の改正
  5.有期契約の規制
  6.割増賃金のアップ
  7.残業の規制
  8.最低賃金の引き上げ
2.チャレンジすらできない労働構造―非正規雇用の現実(鴨桃代×福島みずほ)
  「やりがい」という名の過剰労働
  変わらない「フルタイムのパート」という矛盾
  「社員その二」と呼ばれて
  仕事の現場で、「できること」の積み上げを
  どこの家にも非正規労働者がいる
  労使関係をごまかす偽装請負
  生活する権利を踏みにじる非正規労働
  「もの言わぬ人」を強いる仕組みをどうするか
  自分を大切に生きるための知識を伝えたい
 〈コラム〉若者就労支援の現場から(綿引幸代)
3.仕事への誇りも安全も奪う規制緩和―タクシードライバーの現実(待鳥康博×福島みずほ)
  始まりは規制緩和
  過剰労働を生む基盤がつくられている
  仕事への誇りも安全も奪う規制緩和
  決して諦めない。それが、流れを変えていく
  格差社会の構造が隅々にまで広がっている
資料 労働関係法制の流れ


(練金術師)

   ★★★ 丸ごと憲法 ★★★

2008年05月02日 | 今週の注目記事
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 『週金』5/2・5/8合併号は“まるごと憲法特集号”です。

◆今重要なことは、憲法9条を称えることでも誇ることでもなく、具体的に実現していくことです「見せかけの平和に潜む非常事態を捉えよう」(高橋哲哉・東京大学大学院教授)
◆憲法の「生存権」が危うい!(大村アスカ)“新憲法制定議員同盟”名簿付
◆「生活と平和は譲れない」加藤多一/越田清和/杉浦ひとみ/高橋哲哉/道幸哲也/雨宮処凛/佐高 信/北村 肇 「4・20札幌憲法シンポジウム」

 伊藤真さんの逐条解説と長倉洋海さんの写真で『週金』に2年間連載してきた「日本国憲法」が、単行本になったとのこと。目前に迫った“9条世界会議”分科会で、2人のトークセッションが実現します。

 「憲法9条と地球市民」 ―伊藤真と長倉洋海の初トーク―
   ◆出演:伊藤真と長倉洋海 /司会:佐高信
   ◆日時:2008年5月5日(月)12:30~14:00 
   ◆会場:幕張メッセ 国際会議場201A室 (海浜幕張駅5分)
   ◆主催 『週刊金曜日』
   ◆問合せ:「9条世界会議」日本実行委員会TEL03-3363-7967
        金曜日(業務部) TEL03-3221-8521


“9条世界会議”前売チケット1,000円は、http://whynot9.jp で、買えます。(当日券は1,500円)。

 このほか『週金』今週号は、合併号まるごと特集らしく、考える材料は豊富。手に取る価値は充分ありそうです。たとえば…。

 ●.図解 国民生活を破壊する自衛隊の危険な変質(成澤宗男)
 ●「生存権裁判」が問う第25条の精神(平舘英明)
 ●警察と病院が排除する釜ヶ崎の労働者・野宿者(佐藤万作子)
 ●「自由と生存」の風は、地球の裏側から吹いてくる  対談 雨宮処凛・廣瀬 純
 ●「嫡出」という概念が子どもから平等を奪う(宮本有紀)
 ●マイノリティ女性に対する複合差別(元百合子)
 ●自らの使命より摩擦回避を重視する公共機関(藤田和恵)
 ●憲法を伝える、活かす、わたしのアイデア2008
 ●「9条出前講座」樫田秀樹/「大阪憲法ミュージカル」・「憲法音頭」久保
 ●『靖国』上映を明言した劇場(今井一)


(イトヤン)

    ★★★ ことしの憲法“記念日” は ★★★

2008年05月01日 | ホントノデアイ
 伊藤塾・塾長が日本国憲法を逐条解説する本書(長倉洋海・写真)。まだ手にしてはいませんが、『週金』連載中から話題となり、単行本化が待たれていた本です。
(イトヤン)
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『伊藤真・長倉洋海の日本国憲法』

  伊藤真・長倉洋海 著/金曜日/2008.5/ 1890円


あとがきより―
●人は理想や志を掲げてそれに向かって進み現実を変える力を持っています。
その力をどう使うかは私たちの自由であると同時に、この憲法の下で一定の利益を享受しながら今を生きる者の責任です。
私も微力ながらその責任を果たしていきたいと思っています。伊藤真
●単行本用にレイアウトされた1ページ1ページのコピーを編集部の大机にずらりと並べてみると、それはまさに地球曼荼羅。
その上で、人間が、人を支える自然が、そして、共に生きる動物が、その上で踊っていました。
こうした存在こそを、日本国憲法は守ろうとしてきたのだと思います。長倉洋海
〔内 容〕
  前 文
  第1章  天皇 1~8条
  第2章  戦争の放棄 9条
  第3章  国民の権利及び義務 10~40条
  第4章  国会 41~64条
  第5章  内閣 65~75条
  第6章  司法 76~82条
  第7章  財政 83~91条
  第8章  地方自治 92~95条
  第9章  改正 96条
  第10章 最高法規 97~99条
  第11章 補則 100~103条
  まとめ