練金術勝手連

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※ 練金術(ねりきんじゅつ)とは『週刊金曜日』練馬読者会的やり方という意味です。

○千葉法相による死刑執行に強く抗議し、死刑の執行停止を要求する市民の声明○

2010年07月29日 | 練馬の里から
  千葉法相による死刑執行に強く抗議し、死刑の執行停止を要求する市民の声明

            死刑廃止を求める市民の声
              井上澄夫(埼玉県新座市、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
              加賀谷いそみ(秋田県男鹿市、男鹿の自然に学ぶ会)
              奥田恭子(愛媛県松山市、心に刻む集会・四国)
              廣崎リュウ(山口県下関市、下関のことばと行動をつなぐ『海』編集委員)                                     2010年7月28日

 千葉景子法相は7月28日、東京拘置所で2人の確定死刑囚(篠沢一男さんと尾形英紀さん)の死刑を執行しました。私たちはこの暴挙に心の底から突き上げる憤りをもって強く抗議します。

 私たち「死刑廃止を求める市民の声」は昨年秋の鳩山連立政権発足の翌日(9月17日)、全国と海外在住の786人の個人と44の団体の賛同を得て、「千葉景子新法相に、死刑執行の停止を強く要求する市民の共同声明」を発しました。
 そして実際、千葉景子氏は法相就任以来、死刑の執行を行なってきませんでした。私たちはその姿勢を高く評価し、7月11日の参院選を経て次の内閣改造まで法相を続けることになった千葉氏が在任中は死刑執行に踏み切ることはないと思っていました。しかし千葉法相は死刑廃止を求める人たちの多くが抱いていたに違いない、そのような期待を、突然、踏みにじりました。

 千葉法相は「死刑廃止を推進する議員連盟」に所属していた死刑廃止論者でしたが、その自分自身の信念と今回の突然の死刑執行との、誰の目にも明らかな矛盾について、執行後の記者会見で「これからの議論で死刑廃止という方向が出ればそれは国民的な回答。私が考え方を異にするということではない」と開き直りました。また死刑を執行した日が、昨年7月28日に自公政権下で森英介前法相によって3人の死刑囚への死刑執行が強行されてからちょうど1年目であることには、誰もが法務省の作為や恣意を感じるところですが、それについても「時間をかけ検討し、この時期になった」としか答えませんでした。「国家による殺人」にほかならない死刑執行について誠意をもって説明責任を果たそうとしない千葉法相の傲慢な姿勢に私たちは強く抗議します。

 記者会見で千葉法相は死刑執行に立ち会ったことを明らかにし、法務省内に勉強会を立ち上げ、そこでは死刑制度の存廃を含めて検討するとし、勉強会の成果を公表し、広く国民的な議論を行なう契機にしたいとのべましたが、「国民的な議論」を行なうため、その前になぜ死刑を執行しなければならなかったのかについては、まったく説明しませんでした。死刑制度の存廃を公に議論するなら、まず執行の停止を明らかにしてから行なうべきであることを指摘せざるを得ません。
また死刑執行に立ち会った心境を訊かれて「私はあくまで指揮命令者として確認した」と氷のような冷たい言葉を返したことに私たちは戦慄を禁じ得ません。

 法務省は世論の大多数が死刑制度の存置を支持していることを執行の根拠にしていますが、すべての人が持つ「生命に対する権利」(世界人権宣言第3条)を世論調査の結果で奪うことは普遍的な人権への無理解を露呈しています。死刑廃止に向かう世界の大勢に逆行して死刑執行を続ける日本政府に、私たちは改めて執行停止を強く要求します。恥ずべき蛮行はもう終わりにすべきです。

★ 脱「脱官僚依存」??! ★ 読者会へどうぞ ★

2010年07月17日 | 読者会定例会

 参院選直前時点での6月例会は、おもに“第2次政権交代内閣”についての意見や見方を交換しました。そして選挙が終わってみれば…。
 唐突とも見える消費税増税論で財務省路線に乗って「オウンゴール」を決めた菅新総理。普天間問題で外務・防衛官僚に取り込まれた鳩山内閣に次いで官僚の掌中から脱出できず、結果、脱官僚依存の目玉であった国家戦略局もあきらめるという。いったい“政権交代に対する国民の期待”はどうなるのか?市民派出身の首相に期待するのは幻想なのか。
 7月例会は、『週刊金曜日』直近号(「参院選の『結果』そして日本の『これから』を読む」7/16号)などを材料に考えます。気軽に参加してください。

 日 時:7月24日(土)6:30から
 会 場:こみゅにてぃかふぇ和(なごみ)03-3924-5504
     西部池袋線大泉学園南口3分〈地図
 会 費:500円(ひき続き懇親会を予定=飲食代別途)
 問合せ:nerikinjyutu@mail.goo.ne.jp
     または03-3925-6039 近藤

★ あなたならどうする?★ 投票先が見えない参議院選挙 ★

2010年07月09日 | 壊憲STOP勝手連
 第22回参議院選挙投票日が目前にせまってきた。しかしにもかかわらず、投票先を選択しようにも基準が見えないという声がもっぱらだ。

 昨年8月の総選挙において政権交代を実現させた有権者国民の意思は「国民の生活が第一」の政治を実現することだったはずだ。「国民の生活が第一」の政治にむかって邁進?するはずだった民主党および3党連立内閣の足を引っぱったのは検察・マスゴミ・外務防衛官僚と“同盟国”、そしてマスゴミメディアに誘導された“世論”だった。

 菅直人総理は、民主党党首に選ばれた両院議員総会の場でかねてからの自論だという「最小不幸社会の実現」を口にしてはみたものの、その後の言説を聞くとスローガンに掲げた「強い経済、強い財政、強い社会保障」のなかみは財務省悲願の消費税増税を声高に語ることだったように見える。そして以後の民主党の政策もセフティネットを置き去りにし、所得の再配分政策を後退させる…。自民党や自民党派生新党(構造改革や上げ潮派)のそれと紛らわしいかぎりで、《政権交代》から10ヶ月で《政権後退》ではあまりになさけない。
 
 『週刊金曜日』発行人の佐高信はかって小泉・安倍時代の自民党支配に対して、「クリーンなタカ派よりはダーティでもハト派の方が」まし…と評した。その評価が小・鳩体制から替わった今の民主党内閣にそっくり当てはまってしまうのは、まことに残念だ。

 森永卓郎さんが「マガジン9条」ブログで「どこに投票すればよいのか分からない参議院選挙」と題して、菅民主党を日米同盟重視・法人税減税・消費税UPの民主党右派と、基地移転反対・経済的安定と平等・財政出動の民主党左派に、ザックリとわかりやすく“事業仕分け”しているので参考になる。
 《 森永卓郎の戦争と平和講座42
  
 参院選比例代表は個人名による投票ができるのだから、投票まえに個々の 候補者の主張が「国民の生活が第一」になっているか  よっくよく吟味すべきだ。投票態度として、メディアの世論誘導に乗ったりムードで投票せず、自分で考えて判断することがたいせつなのだが、もっともあぶない危険な選択は棄権することだということも、言うまでもない。

(練金術師)


◆ 臨検特措法の施行に反対しよう ◆

2010年07月06日 | 練馬の里から
みなさんへ

 マスメディアは参院選1色ですが、5月28日に成立した臨検特措法の施行を前に、海上保安庁は臨検の訓練を強行しました。菅政権は参院選では「経済」を前面に押し出し「普天間」を争点からはずすことに躍起になっていますが、その一方でこういう危険な挑発を行なっています。
 戦争の芽になりかねない動きを見逃さない立場で、私たち4人は抗議声明を発しました。同種の声明はほかに見当たりません。残念なことです。
                                  井上澄夫

  海上保安庁による臨検特措法施行直前の臨検訓練強行に抗議する市民の声明 

      井上澄夫(埼玉県新座市、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
      加賀谷いそみ(秋田県男鹿市、男鹿の自然に学ぶ会)  
      奥田恭子(愛媛県松山市、心に刻む集会・四国)  
      廣崎リュウ(山口県下関市、下関のことばと行動をつなぐ『海』編集委員)

                             2010年7月4日

 「国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案」(以下、臨検特措法と略)は去る5月28日、参院で成立した。私たちは同法案が衆院で可決された直後に参院が同法案を審議しないよう求める声明を発し、参院での成立直後には強い抗議声明を発した。
 ※ 法律の名にある「北朝鮮」は朝鮮民主主義人民共和国のことである。以下においては同国を北朝鮮と略記する。

 ところが去る7月2日、まことに遺憾な事態が起きた。7月4日の臨検特措法施行を前に、第7管区海上保安本部(北九州)と門司税関が、関門海峡の東側海域で臨検の合同訓練を強行したのである。7月2日付『西日本新聞』はこう伝えている。
〈(訓練には)巡視船4隻や海上保安官、税関職員計約150人が参加した。訓練は「北朝鮮向けのロケット部品を積んだ外国籍貨物船が日本近海の公海を航行中」との政府情報を受け開始。7管の航空機が船を発見し、巡視船が取り囲んだ。停船要請に応じないため、特措法に基づき、貨物検査のため港への回航を命令したが拒否したため、ヘリコプターが発射した警告弾の煙の中、海上保安官が乗り移った。その後、船長を回航命令違反容疑で現行犯逮捕、回航先の門司港での貨物検査でコンテナ内からロケット部品を発見するとの想定で訓練は進み、参加者は真剣な表情で取り組んだ。〉
同日付NHKニュースは訓練の参加者を「およそ170人」とし、「第7管区海上保安本部の安達貴弘警備課長が『有意義な訓練だった。船舶についての情報収集や税関との連携を強化し、法律の的確な運用を図りたい』と話した」と伝えている。
 『西日本新聞』は訓練は「関門海峡の東側海域」(NHKは「北九州市沖」としている)で、「北朝鮮向けのロケット部品を積んだ外国籍貨物船が日本近海の公海を航行中」との政府情報を受けて開始されたと伝え、NHKは「北朝鮮から輸出されたロケットの部品を積んだ疑いのある外国籍の貨物船が公海上で発見された」という想定で行なわれたと報じているが、6月25日付の第7管区海上保安本部広報は「公海上において北朝鮮特定貨物を積載した疑いのある外国籍貨物船に対する停船措置、回航命令等、回航させた外国籍貨物船に対する貨物検査等」と記している。いずれにせよ臨検の対象は「公海上の外国籍貨物船」だったが、臨検特措法にいう「北朝鮮特定貨物を積載していると認めるに足りる相当の理由」はその根拠さえ想定されなかった。

 今年3月に起きた韓国軍哨戒艦「天安号」沈没が「北朝鮮の魚雷」によるとする韓国政府の見解を日米両政府が支持しているが、北朝鮮政府はそれに激しく反発し、朝鮮半島の南北両国関係は現在、極度に緊張している。このような時期にあえて上記の訓練を強行したことは、北朝鮮との軍事的緊張を無用に激化させることであり、私たちは海上保安庁によるこの暴挙に強く抗議する。
 臨検特措法が成立した同じ日、参院は北朝鮮船籍船舶の入港禁止を来年4月まで延長する特定船舶入港禁止承認案件を全会一致で可決した。日朝間の国交正常化の努力をまったく行なわず、敵対関係の維持を国会が決議する異常な状況下で、戦争の火種に発展しかねない臨検の訓練を強行することは、北東アジアの軍事的緊張をわざわざ高める大愚行と断じざるを得ない。

 韓国李明博政権は当初、北朝鮮に対する国連安保理の非難決議を求めたが、政権が主張する哨戒艦沈没の原因については、国際社会でも韓国国内でも十分な支持を得ることができず、振り上げたこぶしの持っていきどころがなくなりつつある。鳩山前首相は米海兵隊普天間基地の移設先を沖縄の民意を足蹴にして辺野古に押しつけるために、まさにとってつけたように哨戒艦沈没事件を政治利用して「沖縄海兵隊抑止力論」にこじつけたが、あとを継いだ菅首相もひたすら米韓両国政府にすり寄り、北東アジアの政治的・軍事的緊張を少しも緩和しようとしない。
 今回の海上保安庁による訓練が訓練ではなく、そのまま公海上で実施されるなら、すでに危険水位に達している日朝間の政治的緊張が軍事的衝突につながりかねないことを、私たちは深く憂慮する。
 海上保安庁は二度とこのような「訓練」という名の政治的挑発を行なうべきではない。また北朝鮮に出入りする船舶を公海上で臨検するという危険きわまりない愚挙は断じて避けるべきである。パレスチナ自治区ガザに向かった人道物資積載の船舶に対しイスラエル政府が行なった蛮行が世界中から厳しく糾弾されていることを、海上保安庁はとくと凝視すべきである。以上、声明する。