練金術勝手連

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※ 練金術(ねりきんじゅつ)とは『週刊金曜日』練馬読者会的やり方という意味です。

★ 抑止力とは?★ 国民には鳩山首相の暴走を抑止する義務がある ★

2010年05月26日 | これだけは言いたい!
 米軍普天間基地の“移設”問題で、「最低でも県外」、「自然に対する冒涜」と言い切り、くり返し「沖縄の民意を聞いて決める」と言っていた鳩山由紀夫首相が23日、辺野古への移設を初めて明言。仲井真弘多知事に「代替地は県内。具体的には名護市辺野古の付近にお願いしなければならない結論に至った」と述べた。
 これに対し、仲井真知事は「大変遺憾。(辺野古移設は)極めて厳しい」と述べ、つづいて稲嶺進名護市長は「普天間飛行場の名護市辺野古への移設は到底受け入れられるものではない。断固反対する」とあらためて移設を強く拒否した。

 これでは、基地強化案を“移設”という“迷惑施設のたらい回し的”発想で実現できるはずがないことを身をもって示したにすぎず、環境アセスを改めて行わないということは、ゲーツ国防長官の恫喝(09年10月)「普天間基地の移転先は辺野古しかない。日本は2006年に米側と合意したとおりにやってほしい。」の線に逆戻りしたことになる。

 06年の合意(現行計画)は、普天間の海兵隊8000人をグアムへ移す替わりに名護市辺野古沿岸部を埋め立てて、固定翼チルトロター機MV-22オスプレイ(参照<> <2>)が使用できる2本のV字形滑走路や、住宅密集地の普天間基地には置きえない弾薬庫(=辺野古弾薬貯蔵庫)、および原子力空母も接岸できる港湾施設等からなる海兵隊基地を辺野古に新設強化するのが実体で、“移設”とはほど遠いものだ。訓練の一部を県外に…というのも発着回数の増加等により騒音・墜落の危険性を増すだけで“負担軽減”になりえないことは明らか。
 鳩山首相はそれらのことを分かっていて、アメリカ目線の暴走をするのだろうか?“抑止力”について学んでいるのなら、まず自らの暴走を抑える抑止力を発揮すべきだった。いまからでも遅くない。自公政権とブッシュ国防省の合意に戻るのではなく、民主党が練り上げてきた《沖縄ビジョン》に戻ることを心より期待する。


【追記】辺野古への基地建設を許さない実行委員会 より5/28(金)緊急行動の呼びかけがあった。本記事コメント欄に詳しい内容あり。

(練金術師)


◆◆ 集会の呼びかけ ◆ いまこそ沖縄戦を考える ◆◆

2010年05月23日 | これだけは言いたい!
【温泉読者会の募集はしめ切りました】

 軍隊の存在が決して“抑止力”にならないことを実感すべき今、一人でも多くの方の参加を期待します。
(イトヤン)


   沖縄戦を考える練馬の集い---今、沖縄戦に学ぶ---


 2007年3月に高校歴史教科書に対し、沖縄戦における「集団自決」は軍の強制によるものだというそれまでの記述を削除させる検定意見が出されました。沖縄を始めとする全国からの抗議によって、同年12月に一部記述の回復がなされましたが、今もなおその検定意見は生きており、政権交代後も検定が見直されるきざしは残念ながら見えません。
 今回私たちは、国内では唯一の激しい地上戦が行われ、20万以上の犠牲者を出した沖縄戦とはどのような戦いであったのかを改めて学び、何度も繰り返される<歴史の事実を歪める動き>に対してねばり強く抗して力としたいと考えます。

 また、敗戦後の米軍占領下に「銃剣とブルドーザー」で接収され、今も<世界でもっとも危険な基地>と言われながら閉鎖・返還されない普天間基地と新基地建設問題に県民あげて反対を続ける沖縄の現在についても一緒に考えたいと思います。どうぞみなさん、ご参加下さい。

日時:6月4日(金) 開場18時15分 開演 18時30分
会場:豊玉リサイクルセンター多目的室(西武池袋線桜台駅南口下車徒歩5分ー地図ー)
    
 模擬授業 <沖縄戦とはどんな戦いだったのか>講師 牛島 貞満さん
 感想&報告<はじめて沖縄の地を踏んで>
  5月の平和行進に参加されたメンバーからのHotな報告・感想を伺います。
主催:沖縄戦を考える練馬の集い実行委員会
連絡先:練馬区職員労働組合内 03-3993-5405
    柏木090-8311-6678 Email:okinawasen-nerima@mail.goo.ne.jp

牛島貞満さんプロフィール
  牛島貞満さんは大田区の小学校の現職教師。沖縄戦で日本軍を指揮した牛島満司令官(中将)の孫に当たる。沖縄を初めて訪れたのは1994年。祖父のことを考えると「沖縄 は、一度訪れるだけで終わり」と思っていた。しかし、「沖縄の人は、(祖父の)孫とし て責任を追及できるはずだ。でも出会った人たちは、私が自分で答えを見つけられるよう 支えてくれた」。そして「訪れざるを得なくなった」。
 牛島さんは祖父について「家では穏やかで、子煩悩な人だったようだ。沖縄でも当時、長 勇参謀長らと比べて穏やかで軍人らしくない軍人といわれているようだ」と語る。しか  し、なぜ住民犠牲が出る南部撤退を指示したのか、という疑問がある。子どもたちに平和 を伝える小学校の教師と遺族という二つの立場で思い悩みながら、祖父と向かい合い、平 和を伝える言葉を探してきた。「僕は、沖縄に来るのが嫌だったのは、そういうことを聞 かれても、どうしていいかわからない自分が嫌だったからだと思う。でも今は、沖縄の人 と一緒に考えていきたい。時間はかかったが、自分の沖縄戦に対しての立場ははっきりし ている。沖縄戦を美化したり、利用していこうという動きを警戒しないといけない」
 沖縄をはじめ、各地の学校で「牛島満と沖縄戦」や、51年前の1959年6月、米軍のジェッ ト機が故障して石川市(現・うるま市)の宮森小に墜落し、児童11人を含む17人が死亡し た事件を題材にした授業をしている。沖縄戦体験者からきつい言葉を言われたこともあ  る。しかし、これまで二十年間余、障害のある子もない子も一緒に教育を受ける統合教育 に取り組んできた経験から「一人ひとりの思いや人権を大事にすることが大事。戦争が起 こったら、子どもが真っ先に被害を受ける」という立場を明確にし、「自衛隊も含め、軍 は決して住民を守らない」と訴え、共感を得ている。



◆ 第3次アピール ◆ 平野長官の暴言は許せない! ◆

2010年05月19日 | 練馬の里から
 ● 徳之島への米海兵隊の訓練移転に関する平野官房長官の許しがたい暴言 
   ─徳之島空港を拡張するため「周囲の住民に立ち退いてもらう」─

鳩山首相に徳之島への米海兵隊基地移設を断念することを求める署名運動にご協力下さい!

   奄美・徳之島にも、沖縄・辺野古にも、米軍基地をつくらせない市民の会    
                     呼びかけ人  福元洋子 奄美・徳之島
                            吉玉誠一 奄美・徳之島 
                            浦島悦子  沖縄・名護市
                            鈴木雅子  沖縄・名護市 
◆普天間基地の辺野古移設は米海兵隊訓練の徳之島移設とセット
 鳩山首相は「最低でも沖縄県外」という自らの公約をかなぐり捨てて、名護市辺野古(へのこ)に普天間基地を移設しようとしていますが、その案は徳之島への米海兵隊訓練の移設とセットです。
 徳之島では4月18日、住民の6割、1万5千人が参加して米軍基地移設反対郡民大会が開かれ、鳩山政権にはっきり「移設NO!」を突きつけました。さらに徳之島・天城・伊仙の3町長は5月7日、首相官邸で首相と会談し、「普天間の機能の一部を引き受けてほしい」という首相の要請をきっぱり拒否しました。

◆徳之島の民意を切り崩し、米軍訓練を強要する平野官房長官
 これほど鮮明に徳之島の民意が示されたにもかかわらず、鳩山首相はなおも移設強行の姿勢を崩しません。5月12日、平野官房長官は鹿児島市内で5人の徳之島町議に会「500人規模のヘリ部隊訓練」の受け入れを要請しました。さらにその三日後(15日)には、同市内で徳之島の経済界や各種団体の住民9人と、続いて農業や建設業者8人と会談し、徳之島空港の拡張について「空港に隣接した干潟を埋め立てる」ことを明らかにしました。しかもその翌日(16日)には「誘致推進協議会」のメンバー14人と面談し、同空港の滑走路の横幅を今の2倍、300メートルに拡幅するとのべ、そのために干潟を埋め立てるか、「周囲の住民に立ち退いてもらう」とのべたのです(5月17日付『西日本新聞』)。
 なんという暴言でしょう。住民の立ち退きについて、空港のある天城町の大久町長は「移設の弊害が早くも表面化した。政府側と接触することはない」と反発しています(同)。

◆徳之島は「県外」ではなく沖縄と同じ琉球弧
 沖縄では4月25日の県内移設反対県民大会に9万人以上が参加し「県民の総意」を政府に突きつけましたが、5月4日に沖縄を訪問した鳩山首相はその切実な思いを一顧だにせず「また、ご負担をお願いする」と通告しました。鳩山首相は徳之島についても移設反対の民意を切り崩し、米海兵隊の訓練移設を強行しようとしています。
 徳之島は行政上は鹿児島県ですが、奄美諸島はもともと琉球文化圏に属します。鳩山首相は徳之島は沖縄「県外」と考えているようですが、沖縄と奄美はもともと一体です。沖縄・辺野古で座り込みを続けるヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんは「徳之島は、琉球弧の兄弟島である。琉球史を知らぬ官僚どもの提案は、断じて許せない。徳之島は琉球圏内であり、県外ではない。徳之島の皆さんと沖縄県民、全国の人々とともに立ち上がっていきす」と明確にのべています。
 戦後8年間、日本から切り離されて米国の施政権下にあった奄美諸島の人びとは沖縄の苦しみをよく知っています。4月18日の郡民大会決議文は「米軍基地移設問題は、沖縄県民の基地の整理・縮小・撤去の意思に反するもので、文化を共有する沖縄県民と奄美の人々を愚弄する、基地のたらい回しに他なりません」と鮮明にのべています。
 私たちは鳩山首相に対し、「奄美と沖縄の民意」に応えるよう強く要求するため、5月8日に下記の署名運動を始めました。全国のみなさんがふるってご協力下さるよう、心から訴えます。

◆ 鳩山首相に奄美・徳之島と沖縄・辺野古への米軍基地移設を断念するよう求める署名

 内閣総理大臣 鳩山由紀夫様

 私たちは、あなたが進めている米軍普天間基地の移設計画に反対し、あなた自身の「最低でも沖縄県外」という公約の実現を要求します。沖縄・名護市辺野古とともに米軍基地の移設候補地に挙げられている奄美諸島の徳之島は沖縄と同じ琉球文化圏にあり、奄美と沖縄は一体です。徳之島が鹿児島県大島郡であるからとりあえず「県外」と考えるのは、一体感を共有する奄美と沖縄の人びとの生活感覚、歴史と文化への無理解に基づいています。私たちは以下のことを、あなたに強く要求します。

 ●徳之島への普天間基地の移設および訓練の移転を行なわないこと
 ●沖縄・名護市辺野古への普天間基地移設案を撤回すること
 ●米国政府に「世界一危険な」普天間基地の即時閉鎖・返還を毅然として要求すること

■以下にメールによる署名の要領を記します。

  【メール送信による署名の方法】
◆署名は個人・団体(グループ)を問いません。
 ○ 署名していただける方は、氏名と住所をお知らせ下さい。
 ○ 団体(グループ)署名の場合は事務所の所在地ないし連絡先を記して下さい。
 ● 署名の送付先   tokunoshima.isetsu.no@mbr.nifty.com
      ※ 署名送付の際に「賛同します」とご明記下さい。
◆賛同の期限
 5月31日(月)です。署名簿の提出は賛同期限の直後を予定しますが、徳之島移設をめぐる政治情勢の変化に応じて5月内に鳩山首相に届けることもあり得ます。しかしその場合も、署名運動は5月31日(月)まで続けます。

  【ご協力のお願い】 この署名運動に賛同される方にお願いします。海兵隊訓練徳之島移設反対の声は徳之島以外では、まだそう大きくありません。このメールをできればみなさんの友人やお知り合いの方々にご転送下さい。またツイッターやご関係のメーリングリストやそれぞれのブログ、ホームページでご紹介下さい。どうか、よろしくお願いします。
 ※ たとえばツイッターの場合、レイバーネットのホームページに私たちのアピー
ルが掲載されていることをご紹介下さい。
   http://www.labornetjp.org/news/2010/1273411701825staff01

◆〔個人情報の保護について〕
 署名者の氏名と住所および署名団体名とその事務所の所在地や連絡先をインターネット上で公表することはありません。ただし署名の件数については、署名簿の提出後、みなさんに報告します。

● 「奄美・徳之島にも、沖縄・辺野古にも、米軍基地をつくらせない市民の会」の連絡先 当会の活動はメール署名運動ですので、連絡先は署名の送付先と同じです。     
   tokunoshima.isetsu.no@mbr.nifty.com

 ※ なお「署名のタイトルと趣旨および要求項目」をプリントアウトして、お名前とご住所を記し、首相官邸に郵送したり、FAXで送ることも歓迎します。首相官邸のご意見募集コーナーにメールで送信することもできます。  
■首相官邸 〒100-0014 千代田区永田町2‐3‐1
   Fax: 03‐3581‐3883
   Tel:03‐3581‐0101/03‐5253‐2111
   ご意見募集 https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

(井上澄夫)

● 正論だけでは問題は永遠に解決しない ● 普天間基地問題 ●

2010年05月13日 | みんなの日記
 普天間問題について様々な議論がなされている。従来通り辺野古への移設推進、県内・県外など国内他地域への移設、国外への移設、移設を伴わない廃止などだ。

 反対派の論調としては政治の現場から遠ざかるにつれ、普天間基地の廃止に止まらず国外への移設も反対するものや、日米安保の見直しまで含めた勇ましいものも多く見られるが、実現可能性から見た場合どうだろうか。

 筆者ももちろん理想としては、普天間基地は移設を伴わない廃止が望ましいと思うし、日本の国益の観点から米国一辺倒の現状には疑問も感じる。だが同時に、過去の経緯や現在の日米間の力関係、そして様々な思惑、理想で動く市民団体を含めた様々な勢力間の力関係を無視して、一足飛びに理想に近づくことなどほぼ不可能であることも理解している。

 従って現段階としては、すでに滑走路を持つ伊江島、下地島、嘉手納などへの規模縮小を伴った移設や、テニアン、グアムなど国外への移設は、沖縄の地域社会そして日本社会全体にとって、さらには自然環境保全上の意義からいっても、理想的ではないにしても現状よりはマシであり、妥協案たり得ると考えている。いやそのレベルの妥協にしたって、いまの権力から引き出すのは至難。それが現実なのだ。

 正論は大切だが、理想に向かって現状でも実現可能だと思わせる道筋を同時に示し、努力することによって、正論ははじめて輝きを放つ。地に足のついたプランを示すことができない単なる正論は、夢想あるいは妄想であり、国民的支持を得ることはできないことは歴史が証明済みだ。政治的には革命でも起こさなければ無理だろう。方向性が異なるだけで、批判されることが多い宗教的原理主義やいまの社会を疲弊させている拝金的な経済主義と同じ、原理主義というメンタリティは変わらない。

 普天間基地の問題に限らず、日本の古いタイプの市民運動は得てして、運動を含め全ての社会活動は政治の一部であるということを忘れたかのような、非妥協的な傾向があるが、今日の衰退の原因にそうした体質があることに、現場の皆さんはそろそろ気付いた方がよい。いまは21世紀なのだ。

(まきがい)



◆ 社民党のサイパン・テニアン移設論について ◆

2010年05月10日 | 練馬の里から
サイパン島とテニアン島は北アリアナ諸島に属します。北マリアナ諸島の政治体制は通常「北マリアナ連邦」と記されますが、同諸島は「コモンウェルス」、つまり形だけの自治領で、米国と対等の連邦関係にあるわけではありません。ですから「北マリアナ連邦」という表記は不正確で誤解を招きます。住民は「コモンウェルス」の住民にすぎず、米大統領選挙の投票権を持ちません。グアムは米国領ですが、実態は米国の軍事植民地です。しかし北マリアナ諸島はそのような米国領でさえないので、政治体制を表記する場合は「北マリアナ・コモンウェルス」とするしかありません。
 サイパン島は北マリアナ・コモンウェルスの首都ススペがある同諸島最大の中心的な島です。面積は約115平方㎞で、沖縄(本)島(約1207平方㎞)の1割に満たない小さな島です(人口は約5800人)。テニアン島はサイパン島の南西約8㎞の距離にあり、面積は約101平方㎞、沖縄島の8%です(人口は約3500人)。
 社民党の照屋寛徳国会対策委員長は4月12日、記者会見で「北マリアナのサイパン、テニアンを視察した結果、(普天間基地の)移設実現の可能性を強く確信した」と語り、社民党はその後「グアム、テニアン」への移設を声高に主張しています。
 すでに多くの報道がありますが、グアムの先住民(チャモロの人びと)は8000人の米海兵隊員の受け入れにも反対しています。普天間基地の丸ごとグアム移転など問題外です。1898年、米西(アメリカ・スペイン)戦争の結果、戦利品として米国領に編入されたグアムは、日本軍が占領し島民を虐待した31カ月を例外として、約110年間、米軍の支配に苦しめられてきました。沖縄の倍近い日々、沖縄と同じ苦しみを味わってきたのです。

 社民党は、合わせても沖縄島の2割に満たないサイパン・テニアンにどのような新基地を押しつけようというのでしょうか。米国の版図内の最も弱い立場に置かれている人びとに「沖縄の苦しみ」を押しつけることに痛みを感じないのでしょうか。それは、徳之島はとりあえず鹿児島県大島郡の一部だから沖縄県外であり、普天間のヘリ部隊を移転したり訓練を押しつけてもいいと考える鳩山首相の発想とどこがちがうのでしょうか。
 ちなみに鹿児島県大島郡=奄美諸島は琉球文化圏、琉球弧の重要な一部であり、奄美と沖縄は歴史と文化を共有し生活感覚において一体です。沖縄の人びとにとって徳之島は「兄弟島」です。奄美諸島はアジア・太平洋戦争後、日本から切り離され、8年間、米軍統治下で苦しみました。
照屋議員が沖縄の苦しみは当事者である自分たちが誰よりもよく知っていると言うなら、それゆえにこそ、同じ太平洋に浮かぶ小さな島じまに自分たちの苦しみを強要することはとうていできないと主張すべきではないでしょうか。
 先日、市民運動出身のある社民党参院議員に「グアム・テニアン移設論を撤回しなさい」と言ったら、「最近グアムを訪問したとき島の人たちは海兵隊員8000人の移転は受け入れられないと言っていた。個人としてはグアムやテニアンに持っていくのは反対だが、政党は政策で勝負せざるを得ないのだから仕方がない」と答えました。路上の立ち話でしたから、それで終わりましたが、同党の先行きはその対応が暗示していると強く感じたものでした。(井上澄夫)

◆鳩山首相に徳之島への米海兵隊基地移設を断念することを求める署名運動にご協力を!

 奄美・徳之島にも、沖縄・辺野古にも、米軍基地をつくらせない市民の会

           呼びかけ人    福元洋子 奄美・徳之島 吉玉誠一 奄美・徳之島 
                    浦島悦子 沖縄・名護市 鈴木雅子 沖縄・名護市 
           事務局 加賀谷いそみ(男鹿市) 奥田恭子(松山市) 井上澄夫(新座市) 廣崎リュウ(下関市)

 鳩山首相は「最低でも沖縄県外」という自らの公約をかなぐり捨てて、名護市辺野古(へのこ)に普天間基地(米海兵隊の飛行場)を移設しようとしています。そしてその案は「徳之島に普天間の航空部隊の一部、もしくは訓練の一部をもっていく」案とセットになっています。
 しかし徳之島では4月18日、住民の6割、1万5千人が参加して米軍基地移設反対郡民大会が開かれ、鳩山政権に「移設NO!」を突きつけました。それでも鳩山首相は移設を断念しようとせず、4月28日、地元に影響力を持つといわれる元衆議院議員の徳田虎雄氏に会い、移設への協力を求めましたが、徳田氏は「無理だ」と断りました。さらに徳之島・天城・伊仙の3町長は5月7日、首相官邸で首相と会談し、「普天間の機能の一部を引き受けてほしい」という首相の要請をきっぱり拒否しました。その際3町長は島の人口の約8割に当たる移設反対署名を鳩山首相に手渡したのですが、首相は今後も移設を求める姿勢を崩しませんでした。
 その姿勢は、9万人以上が参加した4月25日の沖縄県民大会で示された「県内移設反対」の固い意思、沖縄の民意をあざ笑うかのように、5月4日、沖縄を訪問して仲井真県知事らに辺野古移設を通告した動きと軌を一にしています。
 徳之島は行政上は鹿児島県ですが、奄美諸島はもともと琉球文化圏に属します。鳩山首相は徳之島は沖縄県外と考えているようですが、沖縄と奄美は一体です。沖縄・辺野古で座り込みを続けるヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんは「徳之島は、琉球弧の兄弟島である。琉球史を知らぬ官僚どもの提案は、断じて許せない。徳之島は琉球圏内であり、県外ではない。新たな闘いを徳之島の皆さんと沖縄県民、全国の人々とともに立ち上がっていきます」と明確にのべています。
 戦後8年間、日本から切り離されて米国の施政権下にあった奄美諸島の人びとは沖縄の苦しみをよく知っています。4月18日の郡民大会決議文は「米軍基地移設問題は、沖縄県民の基地の整理・縮小・撤去の意思に反するもので、文化を共有する沖縄県民と奄美の人々を愚弄する、基地のたらい回しに他なりません」と鮮明にのべています。
 私たちは鳩山首相に対し、「奄美と沖縄の民意」に応えるよう強く要求するため、下記の署名運動を始めます。全国のみなさんがご協力下さるよう、心から訴えます。

◆ 鳩山首相に奄美・徳之島と沖縄・辺野古への米軍基地移設を断念するよう求める署名

 内閣総理大臣 鳩山由紀夫様

 私たちは、あなたが進めている米軍普天間基地の移設計画に反対し、あなた自身の「最低でも沖縄県外」という公約の実現を要求します。沖縄・名護市辺野古とともに米軍基地の移設候補地に挙げられている奄美諸島の徳之島は沖縄と同じ琉球文化圏にあり、奄美と沖縄は一体です。徳之島が鹿児島県大島郡であるからとりあえず「県外」と考えるのは、一体感を共有する奄美と沖縄の人びとの生活感覚、歴史と文化への無理解に基づいています。私たちは以下のことを、あなたに強く要求します。

 ●徳之島への普天間基地の移設および訓練の移転を行なわないこと
 ●沖縄・名護市辺野古への普天間基地移設案を撤回すること
 ●米国政府に「世界一危険な」普天間基地の即時閉鎖・返還を毅然として要求すること

■以下にメールによる署名の要領を記します。【メール送信による署名の方法】

◆署名は個人・団体(グループ)を問いません。
 ○ 署名していただける方は、氏名と住所をお知らせ下さい。
 ○ 団体(グループ)署名の場合は事務所の所在地ないし連絡先を記して下さい。

 ● 署名の送付先
    tokunoshima.isetsu.no@mbr.nifty.com
      ※ 署名送付の際に「賛同します」とご明記下さい
◆賛同の期限
 5月31日(月)です。署名簿の提出は賛同期限の直後を予定しますが、徳之島移設をめぐる政治情勢の変化に応じて5月内に鳩山首相に届けることもあり得ます。しかしその場合も、署名運動は5月31日(月)まで続けます。

◆〔個人情報の保護について〕
 署名者の氏名と住所および署名団体名とその事務所の所在地や連絡先をインターネット上で公表することはありません。ただし署名の件数については、署名簿の提出後、みなさんに報告します。

● 「奄美・徳之島にも、沖縄・辺野古にも、米軍基地をつくらせない市民の会」
 の連絡先 当会の活動はメール署名運動ですので、連絡先は署名の送付先と同じです。     tokunoshima.isetsu.no@mbr.nifty.com
 ※ なお本記事の「署名のタイトルと趣旨および要求項目」をプリントアウトして、お名前とご住所を記し、首相官邸に郵送したり、FAXで送ることも歓迎します。首相官邸のご意見募集コーナーにメールで送信することもできます。  

■首相官邸 〒100-0014 千代田区永田町2-3-1
   Fax: 03-3581-3883
   Tel:03-3581-0101/03-5253-2111
   ご意見募集 https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

★ テニアンとはどんな島 ★

2010年05月07日 | これだけは言いたい!
 5月7日、鳩山総理は徳之島の3町長と会う。15日は再び沖縄入りするという。この期に及んで説明することはあるのか? 5月4日初めて沖縄を訪れた鳩山由紀夫総理は、稲嶺進名護市長との会談で「今日から日米で協議が始まっています。私どもとしては政府の主張をしっかりとアメリカに伝えて、日米同盟を確かなものにするためにも、沖縄の加重負担を軽減させて頂くことが大事という論調の中で議論したい。将来的に、いつになるかは分からないが、将来的にはグアム・テニアンへの完全な移設もあり得る話かと思っているが、現在の北朝鮮を始めとする北東アジア情勢、アジアの情勢を鑑みたときに、やはり日米同盟を維持していく中での抑止力の観点から沖縄の皆さん、沖縄の周辺の皆さんに引き続いて負担をお願いせざるを得ない状況になってきていることも、政府の考え方と申し上げないといけません。」となどと述べた。このなかには聴き捨てにしてはいけない点が2つある。
 ○ 今の段階で連立相手の合意もなしに政府の考えをのたまうのは間違っていること。
 ○ 公式に海外移設候補先(グアム・テニアン)についてふれたこと。

 この間大手メディア(マスゴミ)は鳩山内閣追求の報道姿勢をエスカレートするばかりで、事の本質が見えてこない。(参考
 情報を整理しておこう。

 連立の一翼を担う社民党が首相官邸にたいし米軍普天間飛行場の移設先として、米自治領の北マリアナ諸島連邦のサイパン、テニアンを日米の政府間交渉で検討するよう申し入れた。
 ◆移設先「サイパン、テニアン検討を」社民(4.15 読売)
  http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100415-OYT1T00919.htm

すると、北マリアナ上院議会は米軍普天間飛行場の移設先の最適地として北マリアナを検討するよう日米政府に求める誘致決議を全会一致で決議し…、
 ◆テニアン「最適地」 北マリアナ 上院が誘致決議 (4.22 琉球新報)
  http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-161169-storytopic-3.html

水面下での日米交渉の一端をかいま見せる一方…、
 ◆普天間移設で日米攻防 米側「怒り心頭」機密漏洩に厳重抗議 日本「メモを取るな」首脳会談の記録残さず( 4.26 産経)
  http://sankei.jp.msn.com/world/america/100426/amr1004260130000-n1.htm

アメリカ軍準機関紙〈スターズアンドストライプス〉は「日本ではすべての場所が海兵隊普天間飛行場の移設を受け入れられないと言っているが、テニアン島では議員らが誘致のための推進運動をしている」などと〈テニアン案〉を好意的に報道しているという。
 ◆米軍の準機関紙がテニアン移設案を好意的に報道(4.23 世田谷通信)
  http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2010/04/post-5d14.html

 ちなみに、テニアンとはどんな島か。人口約3000人、 面積101.8k㎡、大規模なカジノがあって日本人ダイバーのメッカとなっている北マリアナ連邦(米国自治連邦区)のテニアン島は、戦前日本軍が造った南洋最大の飛行場が日本本土爆撃(空襲)のためのB-29爆撃機発進基地となり、広島・長崎へ原爆を投下したB-29もここから発進したという因縁もある。
 普天間基地移設候補地とする場合、3000人という人口規模を、18000人以上の人口(大半が日本人)と8500人の皇軍兵士を抱えていた日本敗戦前と対比して考えてみることも必要だ。
 そして、1999年には土地の3分の2を国防総省と賃貸契約を結んでいる。米軍再編の関連用地の取得と考えるのが自然だ…。
参考:普天間『移設』問題の真相参照:ウィキペディア
(練金術師)

● 憲法記念日に思う ●

2010年05月03日 | みんなの日記
【練馬読者会5月例会は温泉読者会:5月29日(土)・30(日)
●「改憲に期待」50% 毎日調査
 http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1196425&media_id=2
●憲法9条「変えない方がよい」67% 朝日調査
 http://www.asahi.com/national/update/0502/TKY201005020275.html
●憲法改正原案、自民提出へ…発議要件緩和
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100502-00000726-yom-pol
【憲法96条は、国会が憲法改正を国民に発議する際の要件を「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」と定めている。自民党は憲法改正を容易にするため、これを「過半数の賛成」とする方向で調整している。】

過半数でOKというのは国家の基本法たる憲法の扱いにふさわしくなく、これまで通り3分の2が望ましいと思います。自民には思い通りに行かないからといって、駄々をこねないでもらいたいですね。これまで議席数に甘えて力押しばかりしてきたので、異なる立場の人を説得する根気や能力が無くなってしまったのでしょうか。

しかし憲法だって所詮は人間が作ったもの。施行から63年も経っているし、社会変化に応じて変えること自体には何ら不思議はありません。そういう意味では『十戒』を扱うがごとくの熱情で改憲に反対する方々の気持ちも良くわかりません。まあ議論からはじめてみてはどうなのでしょう。

◎議院内閣制から大統領制に
小中くらいで習った三権分立はウソ。当時から、「議員から内閣の首班指名するから分立してないじゃん」と思っていました。閣僚が議員活動と掛け持ちで、国会答弁に時間を取られるから、官僚に操られやすくなり、政治主導のダイナミックな行政改革ができいないのです。昨年郵政選挙の裏返しのように勝ちすぎた感すらある民主党を中心とした政権交代が起こっても、なかなか改革が進まない理由の一つは、この制度的なものだと思います。

◎立憲君主国から共和国に
自立した市民による熟議の民主主義を進展させるためにもその方がいいでしょう。
天皇さんの政治利用を許さないためにもその方が安全。伝統を重視するなら京都の御所に帰って頂いて、自然や伝統文化など古き良き日本を維持・啓蒙することを職務とする、特別な重要無形文化財にでもなってもらえばいいかと思います。

◎現実的な平和憲法に
軍隊のない平和な世界が理想ですが、警察が無くなっても、泥棒や暴力や殺人などの事件が起こらないくらい人間性が良い方向に変化しないと実現は難しいと思います。

だから残念ですが、今はまだ、人間社会は多様で、信じられないような悪い人もいるし、誰も望まないのに戦争が起こることもあり得るという想定で、日本に限らず各国は最小限の軍事力は、現状では持つべきだと思います。で、軍隊を持つならシビリアンコントロールでがんじがらめにするために、その根拠法は作るべき。

あくまで憲法9条の戦争放棄・平和主義的な理念は希求し、コントロールされた暴力装置は持ちながら、世界平和に貢献する道もあるはずだと思います。そういう意味では憲法9条の改憲も、議論はされてもおかしくはないと思います。もちろんこの哀しい現実世界で平和主義を少しずつでも進めるためによりよい方向にという意味で、戦争をしやすくするためではありません。

温泉読者会でおおいに議論しましょう。
(まきがい)


★ 練馬読者会 5月例会は《温泉読者会》へ!★

2010年05月01日 | 読者会定例会
○お詫び
 当会の呼びかけ人でもある近藤が大泉学園駅前に「こみゅにてぃかふぇ (なごみ)」というささやかな甘味処をオープンしました。その関係で4月例会の会場が変更になり参加者にはご迷惑をかけることになりました。お詫びいたします。

○「温泉読者会」に参加します。
 参議院選挙をひかえ鳩山民主党政権の何を見るか、どう見るか、歴史的な“政権交代政権”の評価が別れ始めている。
 「温泉読者会(参考)」の、棄てがたいところは日常を離れて時間の制約なしに議論できることであり、各種のテーマについてじっくり議論ができることだ。今回、温泉読者会で向かう先はこれまで行ったうちでも特に再訪の要望が多かった那須岳麓の北温泉。湯量豊富な3種類の源泉を掛け流す昔ながらの一軒宿だ。そんな湯治場でおおいなる議論?をしませんか。皆様の参加を呼びかけます。

 北温泉読者会
  日時:5月29(土)~30(日)
  場所:北温泉旅館(栃木県那須郡那須町湯本151)
      http://www9.ocn.ne.jp/~kitanoyu/mokuj.htm
  費用:実費(宿泊費一泊2食10000円前後、その他交通費等
  問い合せ、申し込み:22日(土)までにnerikinjyutu@mail.goo.ne.jpまで
  その他:第4土曜日の練馬読者会例会は中止とします


(練金術師)