・*・ etoile ・*・

🎬映画 🎨美術展 ⛸フィギュアスケート 🎵ミュージカル 🐈猫

【art】「ミナペルホネン / 皆川明 つづく」@東京都近代美術館

2019-11-29 00:17:43 | art

【art】「ミナペルホネン / 皆川明 つづく」@東京都近代美術館

 

 

ミナペルホネンの企画展が開催されると聞き、これは絶対行きたいと思っていた。なんと公開2週目に肉部の活動で清澄白河に行くことになり、ならばその前に見ようと考えた。肉部メンバーYukiちゃんと一緒に行ってきた! 

 

ミナペルホネンはデザイナーの皆川明(Wikipedia)が立ち上げたブランド。オリジナルプリントのテキスタイルを使った洋服やバッグなどの小物が人気。特に北欧好きさんたちの間で大人気で、自分は北欧インテリアにハマってから好きになった。KLIPPANとのコラボHouse In The Forestも持ってる✨(記事はコチラ)

 

これね😍 

 

 

一応、章分けがされていて、それぞれのテーマで展示されいたのだけど、展示リストもなかったのでメモも取っておらず、また絵画のように作品名があるわけではないのでザックリした感想となっておりますが、感想Tweetしておいたのでそれに追記する形で記事にしておきたいと思う。

 

また、2つ目のTweetにあるとおり、今回撮影OKな展示スペースがあり、ものすごい量を撮影してきたのだけど、入口に"個人で楽しむためのみ"という注意書きがあったので、TweetでのUPは自粛した。ただ、ブログ記事にするのに画像がないのは悲しいので、今回の企画展の紹介記事に掲載されていた画像と同じような映像のみアップしておく😌 不都合があったら削除します。

 

 

 

東京都近代美術館は初めて。木場から行ったけど清澄白河と中間くらいかな? とてもモダンな美術館だった。展示スペースは2カ所あるのかな? 1階でも別の企画展が開催されていた。今展は3階。エスカレーターで上がると、突き当りの半円形の壁一面にびっしりとクッションが! これは圧巻の展示。タンバリンもちょうちょもアレもコレも😍 どれも素敵で写真撮りまくりでココに20分近くいたかも😅 ちなみに出口もココなので、戻って来てからも写真撮りまくり。イヤ、見る前は気にならなかった柄も展示見て来ると撮りたくなるのです。

 

最初の展示室はミナペルホネンと言えばのタンバリン柄について。ちょっとだけスマホのメモに残しておいたんだけど、いきなり一反=6760の意味が分からない💦 1反につきタンバリン柄が6760個ってことかな?🤔 かなり大きな機械がタンバリン柄を刺繍する映像が流れていたけれど、この機械で1輪を刺繍するのに6.37分かかり、糸の長さは1輪で6.93mも使っているのだそう。そりゃ高いはずだわ。後の展示室で年配の女性がこの柄を古いミシンで刺繍してたけど、これは大変な作業。☆を描く時に対角線に線を引くと思うのだけど、そんな感じで何本も対角線を重ねて1つの〇が出来て、それをつなげて輪にする。これはスゴイ! そりゃ高いはずだわ!(2回目)

 

 

次の展示室がまた圧巻! 楕円形の天井画高いかなり広い展示室なのだけど、上から下までびっしりと洋服が並ぶ。それらがどれも素敵✨ ワンピースもあれば、シャツやセーターとスカートやパンツの組み合わせ、そしてコートやジャケットもある。とにかく全部カワイイ😍 もう写真撮りまくった! もうおばちゃんだから自分で着るのは無理というワンピースも多いけど、若い娘さんが着てたらかわいいだろうなとか、イヤむしろおばあちゃんが着たら素敵かも✨などと思いながら見ていた。ここだけで30分以上いたと思う。

 

途中でNHKの撮影が入った。若いきれいなタレントさん?が英語で紹介していた。カメラマンさんたちとは日本語で話していたのでハーフの方かな? 最近の若いタレントさんは全く分かりません🙇

 

この展示室を出ると次の展示室は映像展示。ミナペルホネンの服を纏う女性たちの日常を映し出す短編が繰り返し流れている。そこに置かれている椅子はArtek×mina perhonen! Artekの木製の椅子って座り心地が良さそうに見えないのだけど、安定感があって座りやすいんだよね。最前列にはソファがあったので座っておいた。これはハンス・J・ウェグナーのGE290だと思う。ソファというかデイベッドなのかな? 座面にいろんな生地がパッチワークしてあって素敵だった✨ 



次の部屋には皆川明が影響を受けたものたちや、雑貨類などの作品が展示されている。ここはもうホントにおもちゃ箱みたいな楽しさ。そし一番奥にはモデルルーム的な展示が。テーブルは分からないけど、スツールはArtek スツール60だよね。タンバリン柄のスタンドライトも素敵だし、キッチンも機能的なのにカワイイ✨ キッチン上のロフトにはベッドが置かれているのだけど、残念ながら上がることはできず見れない💦 かわりに映像展示されていた。

 

最後の展示室は個人所有の洋服たち。それぞれの想い出の言葉を添えて展示されている。決して安くはない洋服。みなさんご褒美的に買われていて、そこにはお子さんとの思い出や、頑張った自分への思いなどがつづられている。展示されている服たちが新品ではないのも味。最後に年表と、皆川明が今企画展について語る映像展示があるのだけど、そこで語れていたテーマである「つづく」という意味が、この展示にとても込められている気がする。

 

 

 

 

物販は1階エントランスから続いていて、ここはチケット買わなくても入れる感じ。ぬいぐるみやTシャツなども売られているけど高い😣 マステも欲しかったけど、結局もったいなくて使えないので買わず。ポストカード2種と手ぬぐい2種購入。この手ぬぐい一般的な手ぬぐいより大判だった。自分は手ぬぐいをハンカチ代わりに使っているので、この大きさだと使いずらい。なので手ぬぐいサイズにカットして、余った布ははぎれとしてスマホカバーにしたりしようかなと考え中😌

 

とにかく見応えありの展示! 展示スペースの規模としては大きくないけど展示数がスゴイ! 13時20分頃には見始めたと思うけど16時くらいまでかかった。着いた時にはチケット売り場も1人待ちくらいで買えたけど、帰りには列が出来ていた。会場内はそんなに混んでなかったけど物販はまあまあの混み具合。

 

この日が寒かったこともあるかもしれないけど、おそらく作品保護のため会場内結構寒い。特に洋服展示スペースが寒かった。コートをロッカーに預けてしまったけど、寒いので上着はあった方がいいかも?

 

ミナペルホネン好きな人は絶対絶対楽しめるので、絶対絶対絶対行った方がいい!


そうそう! ポスターのあやとりしてる手は皆川明氏の手なのだそう😌

 

🦋ミナペルホネン/皆川明 つづく:2019年11月16日~2020年2月16日 @東京都近代美術館

ミナペルホネン/皆川明 つづく

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」@東京国立近代美術館

2019-11-27 00:40:10 | art

【art】「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」@東京国立近代美術館

 

 

 

44年ぶりに発見された鏑木清方(Wikipedia)の「築地明石町」の特別公開を見に東京国立近代美術館に行ってきた! 鏑木清方は好きな絵師。絵画は洋の東西を問わず好きだけど、日本画の方が好み。繊細で大胆なところが好き。

 

東京国立近代美術館によると「築地明石町」は戦禍を免れ清方のもとに戻り、清方本人が仲介する形でしばしば展覧会に出品されていたけれど、1972年に清方が亡くなった翌年から3回にわたりサントリー美術館で開催された企画展を最後に、1975年から行方不明になっていたのだそう。


発見の経緯については、こちらの記事(44年ぶりに発見。鏑木清方の名作《築地明石町》など3作品を東京国立近代美術館が新収蔵、公開へ美術手帖)によりますと、東京国立近代美術館はずっと捜索を続けていたそうで、今年に入って個人所有者から画廊を通じて購入。また、同じく所在不明だった《新富町》《浜町河岸》もあわせて3点で5億4000万円で購入したのだそう。なんと個人で持ってたのか😲


ということで、今回も感想をTweetしておいたので、追記する形で記事として残しておく😌

 


いわゆる展覧会とは違い、常設展の企画展というイメージが近いのかな。3階の所蔵品ギャラリー第10室での展示。なので点数としては少ない。でも、当然ながら全て鏑木清方の作品で、初めて見る作品ばかりだったのでとても見応えがあった。点数が少ないこともありサラリと見れるからか、あまり混んでなかったので自分のペースで見ることができて良かった。

 

うっかり単眼鏡忘れてしまったけれど、ガラスケース内に収められているので若干距離があるし、着物の柄などとても細かく描かれているので、これは単眼鏡で見たかった💦 

 


画像が見つけられなかった😣💦 床の間に飾るサイズのお軸2つ。「弥生の節句」も「端午の節句」も支援者だった日本橋の織物問屋堀越勘治の長女と長男に贈ったもの。どちらも描き表装と呼ばれるもので、表装自体も一緒に描いてある。これは幕末から明治の江戸琳派(Wikipedia)で流行った手法なのだそう。鏑木清方が琳派の流れを汲んでいるのかは知らないのだけど、昔ながらの手法を用いたというのは興味深い。


「弥生の節句」はひな人形の"絵"と"表装"の間に5㎝幅程度に描かれた梅の花がかわいかった。「端午の節句」は左上から右下まで斜めにこいのぼりが描かれていて、これも雄大で素晴らしい。

 


鏑木清方「初冬の花」


今作のモデルは日本橋鶴藤家の芸者小菊。泉鏡花(Wikipedia)を囲む会で知り合ったのだそう。この会について詳しい説明はなかったけれど、泉鏡花を囲む会というのだから鏡花本人も出席したのかしら? 素敵な会が開催されたのね。この小菊は古風な立ち居振る舞いで目を引く女性だったそうで、清方は彼女に明治風の装いをさせたそうで、「新富町」と同じ縞の着物に黒の襟が描かれているとのこと。初冬の花というのは山茶花のことで、表装のへりに描かれている。


これは本当に日本女性の所作の美しさを描いていて好きだった。明治時代の旦那様はこんな風に迎えられていたのだとしたら、帰宅がとても楽しみだったことでしょう😌

 

 

「新富町」「浜町河岸」そして「築地明石町」 は三部作として描かれたそうで、思い出深い町の風情をモチーフに似つかわしい女性像を描いたのではないかとのことだった。

 

鏑木清方「新富町」

 

新富町は劇場を抱えた土地柄で花街でもあった。描かれているのは新富芸者。縞の着物に小紋の羽織を重ねているのだけど、チラリと覗く袖口の花柄が素敵✨ 背景に描かれている建物は新富座で、清方が生まれた年に新築され、ガス燈・絵看板・櫓のない建物が特徴の劇場だったけれど、関東大震災で被災し廃座となってしまったそうで、清方が本作を描いた時には既になかった。思いでの風景を粋な芸者と共に描いておきたかったということなのでしょうかね。

 

鏑木清方「浜町河岸」

 

日本橋浜町は明治末に6年間暮らした場所だそう。この女性は踊りの稽古帰りの町娘に声をかけてモデルになってもらったのだそう。浜町には踊りで有名な2代目藤間勘右衛門(Wikipedia)が住んでいたそうで、その辺りのことを描きたかったのではないかとのこと。


背景には隅田川が描かれており、対岸の左には深川安宅の火の見櫓、右には新大橋が描かれている。この新大橋は本郷龍岡町に引っ越した年に鉄橋になったそうなので、昔の風景を残したかったということなのでしょうかね。

 

歌川広重「大はしあたけの夕立」(参考資料)

 

っていうか、新大橋で深川安宅が見えるってことは、これはフィンセント・ファン・ゴッホ(Wikipedia)も模写したことでおなじみ、歌川広重(Wikipedia)の「大はしあたけの夕立」の橋だよね? しかも良く見ると「大はしあたけの夕立」にも火の見櫓が描かれてる!😲 その辺りのことも描きたかったのかな?🤔

 

町娘をモデルにしているということで「新富町」の芸者とは違う華やかさがある。袖も長いし帯も華やかでかわいい。踊りをしているから体幹がしっかりしていてポーズも美しい。

 

 

鏑木清方「築地明石町」

 

築地明石町は明治時代は外国人居留地だったのだそう。女性の脇の青い柵は、洋館が立っていることを象徴しているそうで、背景の帆舟のマストも異国情緒を表しているとのこと。女性はラシャメン(Wikipedia)じゃないかと言われ強く否定したのだそう。髪型は夜会巻もしくはイギリス巻と呼ばれるそうで、さらに指輪をしていることで、上流婦人として描いているのだそう。

 

江木ませ子

 

モデルは清方夫人の女学校時代の友人であった江木ませ子で、珍しくスケッチをしたとのこと。この方の写真も展示されていてたけど、とてもきれいな人。江木ませ子で検索すると、異母姉の江木欣々(Wikipedia)という人物が出て来るのだけど、号は欣々となっているから俳人なのかしら? この方も美人の誉れ高かったのだそう。


この着物、画像だと単色に見えるけれど、よく見ると小紋の着物でびっしりと柄が描き込まれている。これはどの作品の着物にも言えることで、とにかく細かく柄が描き込まれていた。そして、胸元と脇の辺りにチラリと見える赤が絵を引き締めている。こういうのが粋なんだね。臈長けた美しさというのはこの絵のような女性をいうのかしらね。


三人のタイプも境遇も違う女性を、それぞれの町に合わせて描くことで、日本の美も表現したかったのかなと思う。これは本当に美しくて匂い立つような、でもとっても清々しい美しさ。

 

 

鏑木清方「隅田河舟遊」

 

画像が見つからなかったので、自分が撮影してきた画像で説明。メインは3階の展示室なのだけど、4階の常設展にも1点展示がある。「隅田河舟遊」という六曲一双の屏風で、江戸時代の舟遊びを描いた文展出品作。屏風なので当然大きい。

 

 

右隻は女性たちの人形舞の宴を描いているそうで、これは華やかな美しさ。この女性たちがどういう人たちなのか説明がなかったのだけど、見る人が見たら髪型や着物などから判断できたりするんでしょうね。自分には全く分からない😢 でも、人形を使っている女性はかわいらしい人だな。

 

 

左隻は旗本の若侍と歌妓(コトバンク)が描かれているのだそう。歌妓の1人が右隻の女性たちの人形舞を見えている構図で、若侍は興味がないのか背を向けているのもおもしろい。これは迫力があって見応えのある作品だった。

 

4階の展示室は撮影禁止マークのない作品は撮影可能ってことで、今作も撮影できた。これはウレシイ。もしかしたら3階の展示もOKだったのかもしれないけれど、なんだか撮影してしまうのは気が引けてしまう清々しさが清方作品にはある。

 

 

Tweetにもあるとおり、当時人気の美人画の巨匠として"西の松園、東の清方"と呼ばれていたと聞いたことがある。洋の東西を問わず結構な数の絵画を見たと思う。美女を題材にした作品と言えばヨハネス・フェルメール(Wikipedia)の「真珠の耳飾の少女」やレオナルド・ダ・ヴィンチ(Wikipedia)の「モナ・リザ」も見た。でも、自分が一番好きな作品は上村松園(Wikipedia)の「娘深雪」なんだよね。なので、美人画の顔としては松園の方が好きなのだけど、清方の清々しさはやっぱり唯一無二。


上村松園「娘深雪」(参考資料)

 

東京国立近代美術館が所蔵したわけだから、これからも三部作が見られる機会はあるのかなと思うけれど、これは絶対見た方がいい! ホントに清々しい気持ちになるので。 

 

🎨鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開:2019年11月1日~12月15日 @東京国立近代美術館

鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開|東京国立近代美術館

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【tv】ぶらぶら美術博物館「ハプスブルク展」

2019-11-25 00:45:37 | tv

【tv】ぶらぶら美術博物館「ハプスブルク展」

 

 

現在開催中の展覧会を紹介する番組。今回は国立西洋美術館で開催中の「ハプスブルク展」を取り上げていた。東京国立博物館で開催中の「文化財よ、永遠に」も同時に取り上げていたので、そちらは感想記事内(コチラ)に追記しておいた😌

 

日本とオーストリアの友好150周年を記念して開催された展覧会。今回の講師の中田明日香さんによりますと、ハプスブルク家のコレクションはウィーン美術史美術館が一番所蔵しているそうで、今回はそのコレクションを中心とした企画展とのこと。

 

ハプスブルク家について詳しくはWikipediaを見ていただくとして、山田五郎氏によりますとヨーロッパでハプスブルク家の血が入っていない王家はないと言われているのだそう。有名なのはマリア・テレジアとその娘マリー・アントワネット、そしてミュージカルでもおなじみエリーザベトだけど、ポスターにもなっているスペイン王女マルゲリータもハプスブルク家の血筋なんだよね。確かにスゴイわ。

 

「ヴュルテンベルク公ウルリッヒの実戦および槍試合用溝付き甲冑」

 

先ずは甲冑コレクションから。360度見れるのが画期的展示なのだとか。この「ヴュルテンベルク公ウルリッヒの実戦および槍試合用溝付き甲冑」という大変長いタイトルの甲冑は、有名な甲冑師が製作したものだそう。出演者たちはシェイプされたウエストに注目していて、これは当時の流行りだったのだそう。オシャレ用なのかとの質問もあったけれど、実戦でも使える作りになっているそうで、肩の形が左右で違っており、左は防御用に大きくなっていて、右は剣を振りやすくデザインされている。目はどうしてこうなったといういう質問もあり、これはカーニバルでも使われていたそうなので、装飾用でもあるということなのかな🤔

 

もう1つスカートのように裾が広がった甲冑も紹介されていたのだけど、タイトルが「徒歩や〇り試合」としかメモ取れてなくて画像が探せず正確なタイトルも分からない💦 裾が広がっているのは馬に乗ったからではないかとのことだった。

 

これらの甲冑を集めたのはフェルディナンド2世で、何とか言う名前のコレクション部屋を宮殿内に持っていたとのこと。クンスト・カマーとメモがあるのだけどこれが部屋の名前かな? 検索してみたら"驚異の部屋"(Wikipedia)というのが出て来た😅

 

「グリフィンの鉤爪」

 

象牙の盃。鉤爪のことについて説明してたけど全くメモが間に合わない。もうホントに最近字が書けなくて💦 出演者から尻尾の先のような部分がパイプの口のようになっているが?という質問があったけれど、液体をこの部分から注いでいる絵を見たことがあるので、そのように使われていたのではとのことだった。テレビ画面ではその絵が映っていたけれど、タイトルや作者をメモ取れていない😢 なんだか人の顔に液体を注いでいたけど何かの儀式? 

 

ジュゼッペ・アルチンボルド「ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世」

 

フェルディナンド2世に影響を受けたのが甥っ子のルドルフ2世(Wikipedia)。このジュゼッペ・アルチンボルド(Wikipedia)による肖像画で有名だけど、今回この作品の展示はないのかな? 

 

「スプーン」

 

「スプーン」です。「フォーク」もありますが画像が見つからず💦 これはポルトガル王家に嫁いだ大叔母カタリナからもらったのだそう。セイロンってメモがあるけど、セイロンで作られたということかな? 本体は水晶で出来ており、金の装飾がほどこされルビーが埋め込まれている。ルビーはフォークに55個、スプーンに77個使われているのだそう。スゴイね😲

 

アルブレヒト・デューラー「ヨハネス・クレーベルガーの肖像」

 

アルブレヒト・デューラー(Wikipedia)は当時ヨーロッパで人気の画家だったのだそう。このヨハネス・クレーベルガーというのは商人。成金で雇用主の未亡人に結婚を迫ったりして評判が悪かったらしい。人気のデューラーに肖像画を描かせることで、自分の力を誇示したかったのではないかということだったと思う。

 

円からはみ出て描くことで奥行きが出ている。裸体で円形なのは古代の王のコインをイメージしているのではないか? 左上の記号はしし座を表している。当時占星術は科学として扱われており、しし座は将来大成する星なのでそれをアピールしているのではないか。文字の最後にXXXXと描かれているが、これにより40歳の時の肖像であることが分かるのだそう。

 

ディエゴ・ベラスケス「青いドレスの王女マルガリータ・テレサ」

 

ディエゴ・ベラスケス(Wikipedia)の作品は4点来日しているそう。スペイン王家にもハプスブルクの血が流れており、当時の王フィリペ4世(Wikipedia)もハプスブルク家。フィリペ4世待望の王女がマルガリータ・テレサ(Wikipedia)。「ラス・メニーナス」でもおなじみの王女。ベラスケスは3歳、5歳、8歳の3回王女を描いていて、この肖像画は8歳の時。

 

何故、3回も王女を描いたのかというと、嫁ぎ先であるオーストリアのレオポルト1世(Wikipedia)のもとに、成長記録として送られたため。このレオポルド1世は叔父にあたり10歳以上年上だったため、結婚後も叔父さんと呼んでいたらしい。15歳で嫁ぎ21歳で死去。悲運の王女なのだった。

 

実は、この絵に並んでベラスケスの娘婿で弟子のデル・マーソが模写した「緑のドレスの王女マルガリータ・テレサ」も展示されているのだけど、よい画像が見つけられなかった💦 山田五郎氏をはじめ出演者たちは、並べられたことで圧倒的な技量の差が分かると語っていた。「緑の~」にはコピー感あ漂い、ビロードの表現などに差が出ているとのこと。

 

近くで見るとただの線の集合が、引きで見ると形になっているというのは油絵の特徴ではあるけれど、ベラスケスのビロードの表現はこの最たるもので粗いタッチで描かれたものが、引きで見るとビロードの質感まで感じられる。エドゥアール・マネ(Wikipedia)が"画家の中の画家"と呼んだ理由が分かるとのこと。

 

ヤン・ファン・デン・フーケ「甲冑をつけたオーストリア大公レオポルド・ヴィルヘルム」

 

ヤン・ファン・デン・フーケ(Wikipedia)が描いたレオポルド・ヴィルヘルム(Wikipedia)はオーストリア大公で、絵画を1,400点収集していたそうで、ウィーン美術史美術館はこの方のコレクションが土台になっているのだそう。

 

パオロ・ヴェロネーゼ「ホロフェルネスの首を斬るユディト」

 

ヴェロネーゼと言っていたのでパオロ・ヴェロネーゼ(Wikipedia)のことだと思う。テレビの放送を見ながらメモ取ってたのだけど、画面表示は直ぐ消えちゃうし、もう字が全然書けなくて💦 このタイトル自体もメモ取れてなかった😣 ユディトというのは旧約聖書のユディト記(Wikipedia)に描かれている敵の将であるホロフェルネスに酒を飲ませて寝込んだところの首を斬ったという話。ユディトで検索すると、いろんな画家がこのシーンを描いた作品が出てくるので、好んで描かれたテーマなのだと思う。

 

出演者たちはこのユディトの表情が冷静で優美であることを指摘していて、この表情によりこの殺人が神の意志の殺人であることを示唆しているのではないかとのことだった。ホントに美しい顔だけど、腕や肩が意外に逞しいのがちょっと気がかり😅

 

マルティン・ファン・メイテンス「皇妃マリア・テレジアの肖像」

 

マルティン・ファン・メイテンス(Wikipedia)によるこの作品"皇妃"となっているけど、マリア・テレジア(Wikipedia)って女帝なのかと思ってた! Wikipediaによるとハプスブルク=ロートリンゲン朝の同皇帝フランツ1世シュテファンの皇后にして共同統治者ということで、共同統治者だったのね?😲 で、この方の娘といえば・・・


エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン「フランス王妃マリー・アントワネットの肖像」


エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン(Wikipedia)は革命でロシア亡命した画家。盛って描く特徴があるためマリー・アントワネット(Wikipedia)のお気に入りだったらしい。母マリア・テレジアに近況報告として送るために描かれた。出演者たちによるとかなり大きな作品のようで、運ぶのが大変だったのではと感想を述べていた。おそらく巻いて運んだのだろうとのこと。マリア・テレジアは娘がちゃんとやれているのか心配していたそうで、ちゃんとやれてなかったねと話す出演者たち。髪の飾りやドレスが派手過ぎないか? でも顔色がいいからいいか😌 などと、マリア・テレジアの気持ちを妄想していて笑った。

 

ヨーゼフ・ホラチェク「薄い青のドレスの皇妃エリザベト」

 

ヨーゼフ・ホラチェクという画家は知らなかったし、Wikipediaも見つからず😢 皇妃エリーザベト(Wikipedia)はヨーロッパ王妃の中では一番美しいと呼ばれた人物。172cmで体重は50kg以下ウエスト50cmを保つため、ジムのような器具を使ってトレーニングしていたのは有名な話。悲劇の皇妃とも呼ばれており、フランツ・ヨーゼフ1世(Wikipedia)と恋愛結婚するも、皇帝は多忙であり、宮廷生活にもなじめず辛い思いをする。また息子のルドルフ皇太子(Wikipedia)は不倫心中事件を起こす。暗殺説もあったけれど近年では不倫心中説が有力なのだそう。ヨーロッパ中を旅し、67歳の時ルイジ・ルケーニ(Wikipedia)に暗殺される。この辺りのことは山田五郎氏が嬉々として語っており、最後にはミュージカル見て!と言っていたので、『エリザベート』好きなんだなきっと😀 しかしこの絵、なで肩過ぎないかね? 腕も太いぞ💦

 

ヴィクトール・シュタウファー「オーストリア=ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の肖像」

 

ヴィクトール・シュタウファーも知らなかったしWikipediaもなし。タイトルがやたらと長いけど、この方が皇妃エリーザベトの旦那様。なんと在位68年で1916年に86歳で亡くなったそうで、今作は最晩年に描かれたということでしょうかね。ウィーンの街が出来たのはこの方のおかげで、リングと呼ばれる環状道路を作ったり、ウィーン美術史美術館もこの頃出来た。今日のウィーンを作ったと名君と言えるけれど、逆に財政が圧迫した部分もある。

 

ルドルフ皇太子が変死したことにより、カール1世(Wikipedia)が皇帝となり、その息子フランツ・フェルディナンド(Wikipedia)が皇太子となった。このフランツ・フェルディナンドが1814年にサラエボで暗殺されたサラエボ事件(Wikipedia)により、第一次世界大戦(Wikipedia)が勃発。帝国内で独立したいチェコやハンガリーの存在や、イギリスの介入などによりオーストリア=ハンガリー帝国は滅亡。一般的にフランツ・ヨーゼフ1世が最後の皇帝と言われているけれど、実はカール1世が最後の皇帝で、在位2年の間に敗戦処理をさせられたりと不運な方だったのだそう。

 

ということで、かなり見応えのありそうな企画展。もうベラスケスの「青のドレスの王女マルガリータ・テレサ」が来るというだけで見に行く気満々だったのだけど、これは近々見に行く予定!

 

ぶらぶら美術博物館:毎週火曜日 21:00~22:00 @BS日テレ

BS日テレ - 「ぶらぶら美術・博物館」番組サイト

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「コートールド美術館展 魅惑の印象派」@東京都美術館

2019-11-21 00:38:30 | art

【art】「コートールド美術館展 魅惑の印象派」@東京都美術館

 

 

東京都美術館で開催中の「コートールド美術館展」に行ってきた。レーヨン産業で成功したイギリスの実業家サミュエル・コートールドが、1932年にロンドン大学付属コートールド美術研究所を開設。後に自邸ホームハウスと自ら収集した美術品を寄贈し美術館とした。2019年秋から1年間続く「UK in Japan 2019-2020」の一環として開催された企画展。

 

いつものように感想Tweetしておいたので、それに追記する形で記事として残しておく😌

 

 

コレクションの成り立ちなどについて、得た知識を少し記載しておく。そもそもコートールド家は17世紀末に宗教的迫害を受け、フランスからイギリスに移住してきたのだそう。サミュエル・コートールドが印象派絵画に魅せられたのはそういう土壌があったからかもしれない。印象派の絵画が人々を幸せにすると考え収集を始めたそうで、国が美術品購入をするための基金も作ったのだそう。この基金で購入された中にはナショナルギャラリー所蔵フィンセント・ファン・ゴッホ(Wikipedia)の「ひまわり」もあるのだそう。それは良いことをされましたね😃

 

大きな作品が多いこともあるけれど、Tweetにもあるとおり作品自体は約60点と少な目。その分余裕をもって展示されていたし、「フォリー=ベルジュールのバー」などいくつかの作品は、大きなパネルに見どころなど画像を使って展示しており、とても分かりやすかった。そんなに混んでいなかったし、展示に余裕があることもあり、ストレスなく自分のペースで見ることができてよかった😌

 

 

ポール・セザンヌ「カード遊びをする人」

 

Tweetにもあるとおり、コートールドはポール・セザンヌ(Wikipeida)が好きだったようで、作品点数は一番多かったと思う。最初に買ったセザンヌ作品2点のうちの1点も展示されている。この「カード遊びをする人」は気に入った題材だったようで、5点ほど描いているのだそう。これはパネル解説があったので、その辺りを重点的に鑑賞。

 

ポール・セザンヌ「パイプをくわえた男」

 

「パイプをくわえた男」は素朴な感じで好きだった。セザンヌというと故郷の山を描いた作品など、風景画の印象が強いけれど、人物画の方が自分は好みかもしれない。この男性が「カード遊びをする人」の左側の人物なのだそう。この人物につていの説明はなかったように思うのだけど、友人とかなのかしら。

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール「桟敷席」

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール(Wikipeida)の「桟敷席」は今回のお目当ての1つだった。これだけ独立して展示してあり、やはり人が集まっていた。こちらもパネルで説明があったのでポイントをおさえて鑑賞。男性のモデルは弟のエドモンで、オペラグラスを使って客席を見ている。この辺りは当時を風刺しているのかな。女性のモデルはニニ・ロペスで、上流階級の女性もしくは高級娼婦を演じているのではないかとのこと。女性の腰のあたりにはアーミン(オコジョ)の毛皮が置かれている。ドレスは白と黒のストライプに見えるが良く見るといろいろな色が使われているとのこと。単眼鏡で見てみると確かに緑やピンクなどの色が使われている。それが全体的に見ると光沢のような印象を与えているのが興味深い。

 

 

エドガー・ドガ「舞台上の二人の踊り子」

 

エドガー・ドガ(Wikipedia)は好きな画家。バレエモチーフの絵が大好きで、ブログタイトルのetoileもドガの「エトワール」からもらった。この作品の特徴としては、高い位置から見下ろすように描かれており、余白を多く取った斬新な構図は日本美術の影響ではないかとのこと。左端に三人目の踊り子が見えることで、舞台の広がりと奥行きを感じさせる効果があるとのこと。確かに! 19世紀後半に人工照明が登場したそうで、それにより陰影が出たそうで、その辺りを表現しているのだそう。

 

この花をあしらったチュチュと首の黒いチョーカー、そして花冠は「エトワール」の踊り子と同じだけど、当時はこういういでたちで踊ることが多かったのかな? それとも同じ踊り子を描いているのかしら?🤔 いずれにしても、毎日のように通ってデッサンしていただけに、ダンサーの動きをよくとらえている。そして二人がとてもかわいらしい。

 

 

ポール・ゴーガン「ネヴァーモア」

 

ポール・ゴーガン(Wikipedia) はゴッホが精神を病んでしまったきっかけの一つとなってしまった人という印象で、タヒチを舞台とした作品もあまり好みではなかったこともあり苦手だった。でも、この「ネヴァーモア」で少し印象が変わった。左上にゴーガン自身が書いているようにNevermoreで二度とないというタイトル。エドガー・アラン・ポー(Wikipedia)の「大鴉」が主題だそうで、背景に描かれている鳥は悪魔の鳥なのだそう。横たわる裸婦は西洋美術の伝統的主題でだけれど、このタヒチの娘は装飾的であるとのこと。装飾的とは思わないけど、確かにマネの「オランピア」などとは違っているよね。

 

「オランピア」も娼婦であることを示唆したりと物議をかもした作品なので、比較として正しいチョイスなのか微妙だけど😅 でも、同じように女性がコチラを見つめてくるけど、どこか「ネヴァーモア」の女性の方が開放的というか、自由な印象がある。あくまで個人的に作品から受けた印象。

 

エドゥアール・マネ「オランピア」(参考 今回展示なし)

 

 

ウジェーヌ・ブーダン「ドーヴィル」

 

ウジェーヌ・ブーダン(Wikipedia)は"空の王者"と呼ばれていたのだそう。確かに空が美しい。これ実物はもっと空の色が美しくて、雲の表現も素晴らしい。油絵作品の多くは離れて見ると形になるように描かれているけれど、近くで見るとただの線だったりする。今作もまさにそんんな感じだけど、この画面の奥行とかスゴイなと思う。手前の馬たちと波打ち際にいる人々の距離感が感じられる。ドーヴィルの海岸を描こうと思ってこの構図っていうのは斬新で好き。

 

ジョルジュ・スーラ「クールブヴォワの橋」

 

ジョルジュ・スーラ(Wikipedia)といえば点描画だけど、今作はその点描技術を画面全体に使った最初の作品なのだそう。スーラは色彩が網膜上で混ざり合い知覚されることを目指していたそうで、かなり科学的な実験なども行っていたらしい。点描はスゴイと思うけれど、有名な「グランド・ジャット島の日曜日の午後」も特別好きな作品じゃない。でも、今作の素朴な感じはカワイイと思って好きだった。

 

ジョルジュ・スーラ「釣り人」

 

今作含めてスーラの作品が5点まとめて展示されていたけれど、その中の1つ「釣り人」は「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の習作なのだそう。

 

ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(参考 展示なし)

 

中央左より木の向こう側に立ってる男性が「釣り人」かな? 釣りしているようには見えないけども・・・

 

 

 

アメデオ・モディリアーニ「裸婦」

 

アメデオ・モディリアーニ(Wikipedia)の「裸婦」で検索するとあまり画像が出てこなくて、どうやらこれ「座る裸婦」という名前だったのかな? 1917年に個展を開いた際、公序良俗に反するということで一部の作品が警察から撤去を求められてしまったのだそう。今作もその一部なのかな? たしかにかなり官能的。目元などは灰色の下塗りをしてから描いているそうで、それにより陰影が出ている。X線で見るとお腹のあたりは筆を押し付けたような丸いうろこ状になっているのだそう。それで下腹が少し出ているのが感じられるのかな。女性は痩せていても下腹がポッコリしがちだからね。美化しすぎていない裸体がとても好きだった。

 

 

エドゥアール・マネ「フォリー=ベルジェールのバー」

 

今回、この展覧会を見に行こうと思ったのは、エドゥアール・マネ(Wikipedia)「フォリー=ベルジェールのバー」を見たかったから。以前、何かの番組で今作が取り上げられていて、いろいろな矛盾点があることを指摘していて気になっていた。今展の開催にともないNHKの「日曜美術館」でも同様のことが指摘されていたので、記事(コチラ)にしてある。

 

パネルに書かれていた見どころは

①鏡のズレ

バーメイドの頭頂点と三角形の構図

鏡の中では男性と向かい合っている

 

②鏡の中の世界

バーメイド以外の背景部分は全て鏡に映った光景

 

③桟敷席の女性

マネのモデル・友人・恋人のメリー・ロランではないかと言われている

 

④ワインボトルのラベルに"manet1882"のサインがある

 

⑤人工照明を早い段階で描いている

柱に描かれた円形の物が人工照明

 

フォリー=ベルジェールは1885年発表のギ・ド・モーパッサン(Wikipedia)の小説「べラミ」にも登場する劇場で、今作の舞台になっているのはミュージックホールのバー。バーメイドのモデルはジュソン。亡くなる前年の1882年に描いている。

 

広めの壁には今作のみの展示。さすがに混んでいたけど、例えば「真珠の耳飾りの少女」のように最前列で見るには列に並ぶというようなことはなく、問題なく最前列で見れた。見どころポイントを参照にしつつ、ポイントをちょこちょこ変えて鑑賞してきた。

 

確かにいろいろ不思議。鏡の中に観客が映っているということは、観客は女性の方を向いているということで、となると鏡の中の男性とのやり取りも見ているということ。バーメイドは当時体を売るというようなことがあったそうなので、おそらくこの男性との会話はそういうことかと。それを観客が見ているというのはシニカル。

 

左上に描かれた足のみのブランコ乗りについても、すべてを描かないということで虚構であるというようなことを表しているのかな? うまく言えないけど、幻想的ということではなくて、すべてが嘘の世界だというか、俗物的というか。当時の一大アミューズメント施設であっただろうフォリー=ベルジェールに対して、マネは皮肉めいた思いを抱いていたのかなと勝手に思った。女性のどこかあきらめたような微笑みが印象的だった。

 

 

 

 

会場出ると物販コーナー。そこを出ると撮影コーナーがあった。コートールドのサロンを再現しているということなのかな。「桟敷席」の複製がかけてあったので接写してみた。 

 

 

 

 

 

 

入り口脇には大きなパネル。女性のアップと見どころとして説明された部分を接写しておいた。マネの恋人でもあったモデルのメリー・ロランと、マネのサイン。

 

 

 

音声ガイド借りないことが多いので今回も借りなかったのだけど、三浦春馬だったら借りればよかった😣 グノーとかドビュッシーがBGMというのも素敵だったかも🤔

 

 

お土産はポストカード3種。モディリアーニのはすごく迷ったのだけど、迷うなら後悔しないように買っとけ!と思い購入。今回はフランスとイギリスのお菓子や小物などのコーナーがあって、フランスのクッキーの方が少なめで食べやすそうだったのでこちらをチョイス。普通においしかった。

 

17:30頃から見始めて、メモ取りながらじっくり鑑賞。少し並んで物販購入して下りエスカレーターに乗ったのが19:30頃。全体的にそんなに混んでなかったのでストレスなく見れてよかった。

 

印象派は人気があるから毎年必ず展覧会があるので、少し食傷気味ということもあるけれど、でもやっぱり見てよかったと思う。お目当てがあったので絶対行く予定だったけど、お目当て以外にもゴーガンとか再認識した感があってとても良かった。

 

毎回書いているけど、見れる機会があるなら本物を見た方がいい。本物は絶対違う。

 

🎨コートールド美術館展 魅惑の印象派:2019年9月10日~12月15日 @東京都美術館

コートールド美術館展 魅惑の印象派|東京都美術館

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【Googleのロゴ】プラド美術館 200周年

2019-11-19 01:44:43 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!


 

 

プラド美術館200周年

 

もちろん知ってるけどWikipediaから引用!

 

プラド美術館(プラドびじゅつかん、西Museo del Prado)は、

スペインマドリードにある美術館

歴代のスペイン王家のコレクションを展示する美術館である。

 

メインとなるビリャヌエバ館の建物は、1785年にカルロス3世が、

自然科学に関する博物館を作るため、

フアン・デ・ビジャヌエバに設計させたものである。

しかし博物館として使われることはなく、

カルロス3世の孫のフェルナンド7世 (スペイン王)

マリア・イサベル・デ・ブラガンサの進言を受けて美術館とした。


コレクションの基礎はフェリペ2世フェリペ4世が築いた。

1819年11月19日に「王立美術館」として開館。

1868年の革命後「プラド美術館」と改称された。

現在は文化省所管の国立美術館。

ベラスケスゴヤ等のスペイン絵画に加えて、

フランドルイタリア等の外国絵画も多く所蔵している。


とのこと。


プラド美術館行って見たいわ~😍


検索画面のロゴはこんな感じ


Feliz aniversario!🎊


寝ようとしてチェックしたら変わっててPC立ち上げたよ😢

もう寝る😌

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【cinema】『ボーダー 二つの世界』

2019-11-18 01:03:42 | cinema

2019.10.21 『ボーダー 二つの世界』鑑賞@ヒューマントラストシネマ有楽町

 

存在を知ってから見たいと思っていた作品。試写会あったかな? 見かけた覚えがない。テアトル会員なのでいつでも1300円で鑑賞可能ってことで、翌日が御即位で休日となるこの日見に行ってきた

 

ネタバレありです! 結末にも触れています! 長文です!

 

「並外れた嗅覚を持つティナは手荷物検査官として働いている。彼女は容姿が醜いことで他人と距離があったが、ある日手荷物検査をした男性に強く興味を引かれ、彼に自宅の離れを貸すことにする。そして、ティナは衝撃の事実を知ることになる」と、あらすじとしてはこんな感じかな。この情報は自分が見る前に知っていた事で、ここから想像しながら鑑賞していたわけなのだけど、まさかの展開にビックリ😲 そう来ましたか! イヤ、さすがに『ぼくのエリ ~200歳の少女』の原作者の作品だわ。ボーダーというタイトルはあらゆる事の境界線を表していて、それを越えるか越えないかってことがとっても重要で切ない。これはとても良かった。

 

アリ・アッバシ監督作品。調べてみたけどWikipediaも英語版しかなく、フィルモグラフィーも3本でうち1本はショートフィルムらしい。前作『Shelly』もデンマーク映画で、第66回ベルリン映画祭で上映されたっぽい? 『ぼくのエリ ~200歳の少女』(感想はコチラ)の原作者ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの短編をもとに、作者本人と監督、イザベラ・エクルーフの3人で脚本を手掛けたらしい。

 

作品について毎度のWikipediaから引用しておく。『ボーダー 二つの世界』(Gräns)は、アリ・アッバシ監督による2018年のスウェーデンのファンタジー映画である。ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのアンソロジー集『Pappersväggar (Paper Walls)』に収録されている同名の短編を基にアッバシ、イサベラ・エクルーフ、リンドクヴィストが脚本を執筆した。第71回カンヌ国際映画祭ではある視点賞を獲得した。第91回アカデミー賞外国語映画賞にスウェーデン代表作として出品されたものの落選したが、一方でメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされた。とのことで、後はキャスト情報と受賞情報が載っているのみ。

 

さて、今作はとても不思議な話で、それぞれのシーンにはちゃんと意味がある。でも、例えば主人公が森の中を歩くことが好きで、動物の存在とか何かを感じ取ることができることは、とっても意味があるのだけど、それはセリフなどは一切なく、ただ主人公が森を歩き動物に遭遇する映像を見せられて、見ている側が感じ取るという描き方。といっても難しいことはなく、ちゃんと分かるように描いているので、難しく考えなくても伝わるはず。ただ、そういうシーンを文章にして上手く伝えられる自信がないので、適当に割愛したりします。毎回、どうでもいいと思うけれど、一応断り書きとして書いておく😌

 

主人公のティナ(エヴァ・メランデル)は港の手荷物検査官。醜い容姿。おでこが出ていて目が落ちくぼんで小さく、大きな鼻の下には突き出た口があり、乱くい歯。容姿に恵まれていなくても明るい雰囲気の人もいるけれど、ティナはどんよりとした雰囲気が漂っている。ティナは人間の気持ちを臭いで感じることができる能力があるそうで、その能力を生かして手荷物検査で不正持ち込みを検挙している。

 

ある日、ティナは身なりが良く人当たりの良い人物を呼び止める。見ている側もかえって怪しいと思うのだけど、手荷物には不審な物はない。するとティナはスマホを見せてほしいと言う。スマホの臭いをかぐティナ。そしてスマホケースの中からSDカードを発見する。慌てた男はそれを飲み込もうとするけれど、同僚の検査官に取り押さえられる。実は中には児童ポルノが入っていたのだった。こりゃスゴイ。

 

今作は2つの流れがあって、それが最後に絡まってくるのだけど、そのうちの1つがこの犯罪について。全体的にはダークファンタジーなのだけど、この犯罪の流れがあるためにサスペンスタッチになっていて、かなり衝撃的な方向に向かうけれど、現実に引き戻される形になっている。その物語運びが上手いと思った。

 

手荷物検査の前をティナに良く似た風貌の男が通りかかる。ティナは何かを感じて呼び止めるも、何も発見することができない。ヴォーレと名乗るその男性(エーロ・ミロノフ)はティナに虫の羽化装置を見せるなど不思議な雰囲気。ティナが手荷物検査に現れた男性に惹かれていくことは知っていたので、この人物なのかと思うのだけど、かなり不思議な人物でビックリ。そしてティナと容貌が似ていることは知らなかったので驚いた😲

 

ティナは森に近い郊外の家に彼氏のローランド(ヨルゲン・トーソン)と暮らしている。ローランドは犬のブリーダー的なことをしているようだけれど、ほとんどヒモ状態なのかな? でも、晩御飯の準備などはしてくれる。前述のようにティナがヴォーレに惹かれるという情報があったため、2人が恋人になる話だと思っていたので、同棲相手がいてビックリした。でも、ローランドとしては生活のため、ティナとしては一人でいるのは寂しいからという感じっぽい雰囲気。それでもローランドは夜にティナを求めてくるけど、ティナはかたくなに応じない。それには理由があった。

 

ティナには父親(ステーン・ユングレン)がおり、今住んでいる家は父親から譲り受けたもの。少し痴呆の症状がある父親は施設に入っており、ティナが訪ねるのを楽しみにしている。そして、ローランドに利用されているのではないかと心配している。ローランドとの関係をたずねると、自分には欠陥があるからとティナが語り、ティナは子供が産めない体であることが分かる。これは後の伏線なのだけど、この時には単純に婦人科系の問題なのかと思わせる。ティナは常に無表情で感情をほとんど表すことがないので、父親に対しても温かさのようなものは感じないけれど、お互いを思いやっている感じは伝わる。しかし、この父親が実は重要なカギを握る人物だった。

 

ティナは警察に呼び出されアグネータ(アン・ペトレン)という女性刑事からSDカードに児童ポルノ動画が収められていたことを聞かされ、何故中身が分かったのかとたずねられる。ティナは自分には人間の感情が臭いで分かるのだと答える。アグネータがその答えを受け入れたのか微妙な感じではあったけれど、とにかくティナに協力を求める。彼らのアジトの大体の場所は分かっているのだけど特定できていないため、ティナに嗅ぎ取って欲しいということらしい。

 

ティナが仕事に戻ると、再びヴォーレが現れる。見ている側にも不審な雰囲気がプンプンするけど、荷物からは何も見つからない。それでも何かがあるとティナが主張するため、同僚が別室で身体検査をする。そして同僚は意外なことを言う。ヴォーレは実は女性だと言うのだった。イヤイヤどう見ても男性なんだけどと見ている側が思っていると、腰に傷があったとも言う。ティナはそれに少なからずショックを受ける。自分にも同じように傷があるからなのだった。顔立ちも似ている2人はどういう関係なのか?

 

ティナには人間の気持ちが嗅ぎ取れるだけでなく、動物と心が通じる能力がある。それはペットの気持ちが分かるとかいうことではなく、もっと神秘的なもの。ティナは近所のステファン(Tomas Åhnstrand 読めない😢)から妻のエスター(ジョゼフィン・ネルデン)から産気づいたので病院に連れて行ってほしいと頼まれる。病院へ向かう途中で車を止め、急いでほしいと言うステファンに少しだけ待ってと答えると、野生の鹿が現れて道路を横切る。他にも森に入ると鹿が現れて触れ合うとか、夜寝ていると窓の外にキツネが現れたりする。本筋とはあまり関係ないそういうシーンが時々差し込まれる。それは後の伏線ではあるのだけど、見ている側にファンタジックな不思議な感じを抱かせる。

 

ある日、簡易宿泊所で偶然ヴォーレを見かける。施設の庭の木から虫を取って食べてしまうヴォーレ。キモッ🤮 ティナも顔をしかめるけれど、ヴォーレは何故か食べてみたいくせにと不敵な笑いを浮かべながらティナに虫を差し出す。するとティナはそれを食べてしまう。うわー💦と思っていると、話が急展開する。

 

ティナはヴォーレを自宅の離れに住まわせることにする。この離れには小さいけれどキッチンもあったりする。シーンが変わると2人で離れにいたので、どういう話をしてヴォーレを連れて来たのかは不明。いきなり住むことになっていた。ローランドはヴォーレの容貌や雰囲気に不気味なものを感じているようだけれど、居候の身だから強くは言えない様子。そして、ローランドはドッグショーに出場するため出かけて行き、少しの間ヴォーレと2人きりになる。ちなみに、後にティナはローランドを追い出す。

 

ヴォーレはティナの顔にヤケドの跡を見つける。雷に打たれたのだと告げると、自分も雷に打たれた跡があると胸をはだけて見せる。どういうつながりなのか?

 

ティナは警察に同行して捜査に協力する。そこへある男性が自転車で通りかかると、ティナは彼から臭いを感じ取る。彼の後をつけてアパートを訪ねるも、女性が出て来て不快感をあらわにされる。この時点では捜査令状もないので協力が得られなければ退散するしかない。報告を受けたアグネータはティナの強引さを注意するが、ティナは赤ちゃんひどい目に合っていると主張。同行した警官も赤ちゃんの泣き声を聞いたと言う。間違いなく怪しい。

 

ティナとヴォーレは森に出かける。自分は醜く子供が出来ない体だと話す。ローランドに対する拒みっぷりなどから、なとなく体に異常があるのではないかと思っていて、この時点で両性具有なのかなと思っていた。後に衝撃的なシーンがあり、当たらずも遠からずという感じだった。

 

これも衝撃的なシーンだったのだけど、ヴォーレは暗い森の中で赤ん坊を産み落とす。え? 確かにヴォーレは女性だったとティナの同僚が言っていたけれど、女性としての機能までが備わっているとは思っていなかった。ヴォーレを演じているのは男性だったし、言動も女性とは思えなかったので。男性になった女性という風にも描いてなかったし、ならばなおさら出産するというのも不思議で、さらに森の中で出産するという行為が動物的。

 

例のアパートの住人が留守の間に、ティナと警官が捜索する。ティナはビデオカメラを発見。警官が確認し酷いとつぶやく。見ている側には見せないので、どんな内容なのか不明だけれど、赤ちゃんが酷い目にあっているということなのかな。酷い奴らだ(*`д´) しかし、よく分からないのだけど、令状もなく勝手に忍び込んで得た証拠でも逮捕出来るものなの?

 

ティナが家に戻ると雨が降り出し雷が鳴る。ティナは怯え家中のコンセントを外して回る。ヴォーレを家に入れて2人でテーブルの下に隠れる。共に雷に打たれた2人なので、気持ちは分かるけれどテーブルの下に隠れたら大丈夫なものなの? 電気なのに? そして何故2人は被雷したのか?🤔

 

雨が止んだので2人は森へ向かい、そこで激しく求め合う。ティナの股間がアップになると、なんと男性器が出現する! コレよくモザイクかからなかったね。作り物だからいいのか? かなり衝撃的なシーン。前述したとおりローランドをかたくなに拒む感じで、そういうことかなと思っていたのだけど、実際見るとビックリ。そして2人は獣のように交わる。

 

見ている側も驚いたけど、どうやらティナ自身もビックリだったらしく、自分が何者か分からないというティナに、ヴォーレは衝撃の告白をする。なんとティナとヴォーレはトロールなのだという。え 人間じゃないのね? なるほどこれは北欧の伝説に基づいているのかと妙に納得。トロールといえば有名なのがムーミンだけど、ムーミンはフィンランドの作家トーベ・ヤンソン作。でもスウェーデンにもトロール伝説はあるのね。

 

腰の傷は尻尾を切除された跡で、この尻尾により人間の感情を嗅ぎ取る能力が備わっているそうなのだけど、ティナの尻尾は切り取られてしまっているのに効力発揮するものなの? ちなみにヴォーレの尻尾も切られている。雷に打たれやすいのもトロールだから。何故トロールが雷に打たれやすいのかは不明。どうやらトロールは集団で暮らしているらしく、ヴォーレは彼らと接触しようとしているのだそう。ビックリ展開😲

 

ヴォーレの両親は人間に捕まり実験対象とされ長い間苦しんで亡くなり、ヴォーレは施設で育てられた。この経験から人間を憎んでいる。ティナは子供を性的虐待し、さらに映像に収めている人物たちを逮捕したこと話す。でも、自分の父親は悪い人間ではないと言うが、彼もティナに嘘をついていたじゃないかと言われてしまう。なるほどティナがトロールなのだとすれば、父親だと思っていた人物は本当の父ではないことになる。

 

ティナはヴォーレがいない間に離れに忍び込む。すると冷蔵庫の扉がガムテープで止められていた。躊躇するもテープをはがして開けてみると中に箱が入っており、その中にはなんと赤ちゃんが入っていた。その顔はティナやヴォーレ同様額が突き出てており鼻筋が太い。間違いなくトロールだった。

 

一方、例の児童虐待犯を乗せた車が襲われ、犯人が無残に殺されてしまう。現場に残った臭いからティナはヴォーレの犯行であることが分かる。人間に憎悪を持っているヴォーレの怒りが、ティナから聞かされた子供を虐待する犯人に向かったものと思われる。ここ結構残虐シーンだった。

 

ティナは森に向かいヴォーレを探す。ヴォーレは人間を殺したことを全く後悔していない様子で、ティナはそれに不快感を表す。冷蔵庫の中の赤ちゃんについて尋ねると、自分が生んだと答える。無精卵だと言っていたと思う。トロールについてまとめると、女性と男性の機能が人間と逆であり、出産するのは男性だけど、人間とは違い無精卵の子どもを定期的に産み落とすということらしい。そもそものトロールの設定がそうなのか、原作者のオリジナル設定なのかは不明。

 

どうやらヴォーレは定期的に産み落とした子供を、人間の子どもとすり替えているらしい。すり替えた子供をどうするのかと尋ねると、売るのだと言う。どこに売るのかティナは聞かなかったと思うので、見ている側にも分からないのだけど、子供たちが幸せになる方向ではないことは分かる。ティナは怒りに震え獣のような叫び声を上げる。ティナのこの反応が人間的なのか、トロールとしても許せないのか、その両方なのか。でも、この怒りはスゴイ。

 

サイレンの音がし、エスターの家で何かがあった様子。エスターが泣いており、家の中には警官がいたように思うのだけどちょっと記憶が曖昧。重要なのはティナが赤ちゃんを見ると、そこにいたのはヴォーレが生んだあの赤ちゃんだったということ。要するにヴォーレがすり替えてしまったということ。うーん🤔

 

ティナは急いで離れに向かうと既にヴォーレの姿はなく、フェリーでティナを待つという主旨のメモが残っていた。なるほど、それで港が度々出てたのね。まぁティナの職場ということもあるけれど。

 

ティナはフェリーに向かい船内でヴィーレを見つける。ヴォーレは2人で種族を増やそうという主旨のことを言うが、ティナはそれを断る。ヴォーレは自分を人間だと思っているのか的なことをティナに言うけれど、ティナは誰も傷つけたくないと答える。そして、それが人間的な感情なのか的なことを言うけどヴォーレはそれには答えなかったように思う。

 

ティナが合図すると警官たちが現れ、ヴォーレに手錠をかける。しかしヴォーレは海に飛び込んでしまう。いろいろビックリ展開ではあるのだけど、何となくヴォーレは生きているんじゃないかと思いながら見ている。

 

翌日、ティナが父親を訪ねると、父親がティナの生い立ちについて話してくれる。父親は以前看護師をしており、その施設にはトロールたちが収容されていた。ティナの両親がどういう経緯でその施設に入れられることになったのか、また何をされていたのかは語られなかったので不明だけど、おそらくヴォーレの両親と同じなのでしょう。両親は長く生きられないことが分かっていたため、娘が欲しいと思っていた父親は、両親にティナを養女にすることを申し出たとのこと。

 

父親に自分の本名を尋ねるとリエヴァだと教えられる。両親は施設の裏庭に埋葬されたと教えられ、訪ねてみるとたくさんの石が並べられていた。こんな施設があって秘密裏に実験が行われていたとして、それが隠しおおせられるものなのかしら? そして、たくさんのトロールが捕らえられたのだとしたら、その当時大々的なトロール狩りのようなものがあったと思われるけど、それについて一般人は全く知らずにいたということ? など、ツッコミどころというか謎も残るけれど、物語に引き込まれているので気にならない。

 

ティナの表情からはティナが父親のしたことについてどう思っているのか読み取るのが難しいのだけど、ティナが自分で思うところの"人間的"な部分というのは、この父親に育てられた過程で培われたものだと思うし、それはやはり父親が娘としてティナに愛情を注いだからだと思われる。ただ、本当の両親のことを思うと辛いのは間違いない。

 

ティナが森から戻ると、玄関に箱が置かれており、中には尻尾のあるトロールの赤ちゃんが入っていた。ハッキリとは示されないけれど、赤ちゃんを置いたのはヴォーレであり、赤ちゃんを産んだのもヴォーレなのでしょう。そして、きっとこの赤ちゃんはティナとの間に生まれた子ということなのだと思われる。

 

ティナは赤ちゃんを抱いて森に向かう。虫を捕まえて赤ちゃんに食べさせると、赤ちゃんは機嫌よく笑う。その姿を見てティナも笑顔になる。ティナが笑顔を見せたのは初めてかもしれない。映画はここで終わる。

 

何とも不思議な話。トロールという伝説の生物を描く時、いろいろなアプローチがあると思う。前述のムーミンのようにかわいらしい方向でのファンタジーにもできるし、怪獣的な存在として描くこともできる。今作は人間社会に紛れて生きる存在を描いている。とはいえ、ティナもヴォーレも自分で望んだわけではなく、人間によって自分たちの世界から引き離されてしまい、人間社会でもトロール社会でも異端者になってしまっている。これは、本来自分が属するはずだったカテゴリー、例えば家族とか学校とか社会などからはみ出してしまった人たちを象徴しているのかなと思う。

 

また、トロールと人間では性別による機能が逆ということも興味深い。この辺りはジェンダー問題とかを表しているのだと思う。またトロールたちが動物や自然ととても近しい存在であることも、人間と自然界とのあり方を揶揄しているのかなと思う。そういう、いろいろな隔絶を"ボーダー"としているのかなと。

 

その観点で行くと、ティナは人間として生きることを選んだように見えたけれど、ラストカットを思うとその間で生きていくのかなとも思う。ティナにとって醜い容姿や普通の体でないことは、人と違う自分を強く認識させるものだったけれど、それこそが本当の自分であるトロールの特徴であることを知り、自分のアイデンティティを確立できたわけなので、ここから自分の道を歩んで行くのかなと思う。人間社会でトロールの子供を育てることはとても難しいことだと思うけれど、映画としては希望の持てる美しい終わり方だったと思った。

 

キャストはそこそこ登場人物がいるものの、主演2人以外に重要なのは父親くらいかな。同居人のローランドにしてもティナの特異さを説明するための存在という感じなので。とはいえいい加減なのに何故か憎めないローランドをヨルゲン・トーソンが好演していたと思う。父親のステーン・ユングレンも良かった。ティナの運命を大きく変えた人ではあるけれど、娘を愛する父親であることに変わりはない。そして、彼に引き取られなければティナも両親と同じ運命だったかもしれない。そう感じさせた。

 

ヴォーレのエーロ・ミロノフは登場時は得体の知れない感じで、中盤ティナと心を通わせ恋人になるのかと思いきや、まさかの残虐性を発揮するという難役をこなしていた。不思議な魅力。エヴァ・メランデルはティナの複雑な心の動きをほぼ無表情で演じきった。これはエヴァ・メランデルの演技プランなのか、監督の演出なのか不明だけど、ティナの動きには覇気がなく、どんより鈍くて見ている側をイラ立たせるものがある。その感じが絶妙で、イライラしてしまうというより、なんとなく違和感があるという感覚。おそらくこの感覚が人を差別したり、いじめたりしてしまう原因の一つなのかもしれない。もちろんだからといっていじめをするのは言語道断だけど、誰にでもその根っこはあるっていうことかと。イヤ、この感覚を持ったの自分だけなのかな? でも、この違和感を持たせたことがスゴイと思ったので。

 

エヴァ・メランデルもエーロ・ミロノフも4時間かけてメイクして撮影に臨んだそうで、彼らの自身の部分は瞳と唇のみなのだそう。人間としては醜いということでティナは劣等感を持っていたわけだから、このメイクはとても重要。しかもエヴァ・メランデルは体重も増やして役作りしたのだとか。体型を変えたこともとても意味があると思うので、やってくれて良かったと思う。ホント役者ってスゴイと思う。

 

そもそもが北欧伝説に基づいていることもあるけど、この作品は北欧でしか撮れなかったと思う。全体的にどんよりと暗い感じや、森の神秘的な感じとか。街の中なども出て来るけど、とにかく森や湖の映像が印象的な妖しさ。

 

これはやっぱりダークファンタジーなのかな。あらすじなどからヒューマンドラマ系を想像しちゃうとちょっと違うってなるかも。イヤでもヒューマンドラマでもあるのか。でもヒューマンじゃないか🤔 一般ウケする作品ではないけど、ダークファンタジー好きな方にオススメしておく😌

 

『ボーダー 二つの世界』公式サイト

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【動画】宇野昌磨選手 ロステレコム杯 2019 FS

2019-11-17 23:44:17 | 【動画】ShomaUno

⛸【動画】宇野昌磨選手 ロステレコム杯 2019 FS⛸

 

 

 

モスクワで開催されたロステレコム杯2019での宇野昌磨選手のFS演技。SP4位から巻き返しなるか?!とテレビ的にはそうだけど、個人的にはもう昌磨の納得する演技ができますようにと祈るばかり。

 

冒頭の4Fを4Sに変更。しかし残念ながら転倒。GOEは-4.85点。試合後のインタビューによると、この転倒で靴の中で足の位置がズレてしまったそうで、このままだと次のジャンプが跳べないけどどうしようと思っているうちに、4Tからのコンビネーションをスルーしてしまったらしい😣 ジャンプの抜けがめったにない昌磨にしては珍しいミス。

 

でも続く3Aをキレイに着氷して落ち着いたのかな? これは2.74点の加点がついた。3Loも着氷して1.33点。単独4Tも着氷! 2.04点。後半3本の1本目3S+3Tは0.43点。そして大技3A+1En+3Fを着氷 でも3FがURでGOEも-0.46点。でも、前回2本とも転倒した3Aが戻って来たのがウレシイ! そしてなんと最後に予定外の4Tチャレンジ! 残念ながら転倒😣 これはジャンプの重複で基礎点が下がり、GOEも-3.80点。

 

スピンは3つともレベル4でそれぞれ0.73点、0.90点、0.90点の加点。ただ、ステップがレベル3で1.04点。うーん。この取りこぼしは何故なんだろう?🤔


2回転倒はあったものの、フランス大会とは別人のような動きと表情だった。終わった後の表情も清々しかった。164.95点。トータル252.24点で4位。最後の4Tを3Tにしていれば表彰台だったけど、でも4Tに挑戦したことはとても大きいと思うし、それでこそ宇野昌磨だと思う😃

 

ジャンプもう1本跳ぶというのは自分でも考えていて、どこで跳ぼうかと思っていたら最後になってしまったと語っていたけど、ランビ先生からももう1本跳べという声がかかっていたらしい。先生まさか4T行くとは思ってなかったみたいだけど😅 とてもいい関係が築かれている。

 

 

 

キスクラではランビ先生のおふざけもあったり、とってもいい感じ😃 GPF出場はなくなったと思うので、全日本選手権まで時間ができた。またランビ先生のところに行って練習するとのこと。新コーチ発表は年明けになるそうなので、現時点では誰になるのか分からないれど、昌磨としては全日本選手権のキスクラにランビ先生に座って欲しいと語っている。ランビ先生は島田幸四郎選手のコーチだから全日本選手権に来るはずなので、きっとまたこのツーショットが見れると思う。

 

昌磨のロステレコム杯FS動画探しているのだけど、見つかったのは客席から撮影されたこの動画のみ。途中で音が切れてるけど、著作権問題とかあるのかな?🤔 まぁ客席目線も貴重なのでウレシイのだけど、キスクラ部分がないのが悲しい😢

 

ということで、動画をドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

Shoma Uno FS Rostelecom Cup 2019 Moscow

とりあえずホッ😌


追記


EX動画の記事に書こうと思っていたのだけど、全く見つからないのでここに追記😌


2週間前のフランス大会。FSで転倒を繰り返す昌磨に会場は温かった。励ますように拍手してくれたし、キスクラで1人で耐える姿にShomaコールが起きた。昌磨はふがいない演技をしたのに称えてくれた観客に感動して涙を流し、必死に笑顔で手を振った。その姿がまた見る者の胸を打った。

 

今回のロシア大会。ロシアの昌磨ファンの方が日本語で「昌磨くんはひとりじゃない。みんなで応援しているよ!」というバナーを掲げてくれたり、日本から応援に行くファンのためにバナーを用意してくれたりと本当温かい対応だった。会場の声援も大きかった。本当にありがたい。

 

ファンは勝手に応援するだけだけど、それでも応援したくなる、少しでも支えになりたいと思わせるのは、やっぱり昌磨がどんな状態でも試合から逃げず、ジャンプを跳び続ける姿に心打たれたからだと思う。

 

フランス杯からロシア杯まで、ランビ先生のもとでとてもよい練習が出来たのは、ランビ先生の存在はもちろん、ファンの存在も大きかったんじゃないかなと思う。


ずっと見守っているからガンバレ昌磨!!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【動画】宇野昌磨選手 ロステレコム杯 2019 SP

2019-11-17 02:08:30 | 【動画】ShomaUno

⛸【動画】宇野昌磨選手 ロステレコム杯 2019 SP⛸

 

 

 

モスクワで開催中のロステレコム杯での宇野昌磨選手のSP演技。2週間前のフランス杯ではSP、FSともジャンプでミスが続き、自身最低の8位となってしまった昌磨。SPの時はFSが残っていたのでそこまでショックではなかったけど、FSは氷に叩きつけられるような転倒を繰り返し本当に辛かった。1人でキスクラで耐える昌磨の姿に、自然と観客から「Shoma」コールが起き、ふがいない演技をしたのに温かく見守ってくれたことに対して涙を流していた。でも、観客の心を動かしたのは、おそらく着氷できないと分かっていながら、決して途中で開かず立ち向かった昌磨の姿なんだよ!

 

この温かい声援に後押しされて、そのままスイスのステファン・ランビエールのもとで練習してきた昌磨。良い時間を過ごしたようで、表情が全く違っていた。

 

とはいえ、どん底の状態からわずか2週間。まだまだ本来の状態ではなかったとは思う。冒頭4Fは転倒。プロトコル見ていないので動画上のカウンターの情報のみなのだけど、この時点では基礎点からのGOE-5.50点。点数からするとUR取られたかも? 続く4T-2Tはキレイに着氷して2.53点の加点。そして、フランス杯ではSP、FS合計3本全て転倒してしまった3Aを着氷 2.53点の加点がついた。

 

試合後、昌磨自身が語ったところによると、最初のスピンが間違えてしまって途中で変えたとのこと。これはレベル3でGOEが-0.22点となっていたけど。スピンでGOEマイナスって初めて見たかも?🤔 残り2つのスピンはレベル4で、それぞれ0.91点と1.20点の加点がついた。しかし、ステップがレベル3で0.99点。87.29点で4位。うーん💦なぜステップのレベル取りこぼしがあるんだろ?

 

このSPはとても斬新な振付だし、ステップとかつなぎとか難しいことたくさん入れているのだと思う。技のレベルを落として出来栄え点を狙うというのも作戦の1つだと思うし、現行のルールではその戦い方の方が有利なのもたしか。でも、それってスポーツとして正しいあり方なのかなとも思う。

 

自分は誰よりも難しいことを誰よりも美しく実施した人が勝つべきだと思っていて、そういう意味で現世界王者がネイサン・チェン選手であることはとっても納得している。昌磨もそれが分かっているから、ネイサンを尊敬していて大好きだと公言してはばからない。そして、きっとネイサンとは違う自分の武器を見つけたいと思っているんじゃないかと思う。そして、それは近々きっと叶うと思う! 例えそれが、昌磨以外には"負け"て見える結果だとしても、昌磨が出来たと思える演技が絶対出来るハズ! 頑張れ!!

 

 

 

そして、今回キスクラにはランビ先生が座ってくれた。やっぱり迎えてくれて、一緒に喜んでくれる人がいるのはいいね。ランビ先生と昌磨の感じがとてもいいので、これは新コーチはランビかな。すごくいいと思う✨

 

ということで、動画をドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

Shoma Uno Rostelecom Cup 2019 SP 宇野昌磨 【会場音】

ガンバレ!!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【dairy】『永遠の門 ゴッホの見た未来』鑑賞(感想は後日)

2019-11-17 01:19:22 | dairy

【dairy】『永遠の門 ゴッホの見た未来』鑑賞(感想は後日)

 

 

 

存在知った時から見たいと思っていた作品。11月8日の公開時に見て帰ろうと思っていたら、残業になってしまって行けず😢 ってことで、婦人科の病院🏥行ったついでに見に行ってきた! 

 

 

 

ザックリした感想はTweetどおり。感想は後日UPする予定だけど、もう感想書けてないの溜まり過ぎてどうなることやら😣 とりあえず『ボーダー 二つの世界』がもう直ぐUPできるから頑張る!

 

おまけ😃

 

 

 

角川シネマはいつも上映作品にちなんだ壁展示をしてくれるんだけど、今回はこんな感じになってた。素敵✨

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【動画】チバユウスケ×東京スカパラダイスオーケストラ

2019-11-14 20:18:40 | 【動画】music

【動画】チバユウスケ×東京スカパラダイスオーケストラ

 

 

YouTube急に出て来てビックリ😲 チバユウスケと東京スカパラダイスオーケストラのコラボ動画。どうやら、この記事(スカパラ×チバユウスケ、18年ぶりにフィーチャリング決定!|Rockin'on.com)によると、WOWOWのスペインサッカー19-20のイメージソングで、2019年8月3日から番組内で流れているのだとか。全く知らなかった💦


11月20日に発売されるスカパラのデビュー30周年記念オリジナルアルバム『ツギハギカラフル』に収録されているらしく、そのプロモーションの一環で動画UPされたのかな?

 

18年前のコラボといえば、最近カバーされたっぽい「カナリヤ鳴く空」で、これはめちゃめちゃカッコ良かった。確か何かのイベントで生で聴いた覚えがあるんだけど違ったっかな?🤔 

 

今回はサッカー番組のイメージソングということで、めちゃめちゃノリのいい曲。キュウちゃんことクハラカズユキと一緒にTHE MIDWEST VIKINGSとして発表した「VAMOS TOKYO!」を思い出した😌 ちなみに¡Dale Dale!というのは、イケ!イケ!とか、もっと!もっと!的な意味らしい。

 

しかしチバちょっと見ない間に白髪まじりになっててビックリ! すでにおじいちゃんの佇まいだわ😵 でも、めちゃめちゃ笑顔。楽しそうで良かった😌

 

ってことで、動画をドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

「¡Dale Dale! 〜ダレ・ダレ!〜 feat.チバユウスケ」Music Video / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする