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【cinema】『ラブリーボーン』(試写会)

2010-01-26 01:50:00 | cinema
'10.01.18 『ラブリーボーン』(試写会)@東京厚生年金会館

yaplogで当選。いつもありがとうございます。これは見たかった。試写会プレゼントのお知らせを見た時はうれしくて、早速応募。見事当選した。

*ネタバレしてます! そして熱弁(笑)

「14歳のスージー・サーモンは会計士の父、母、妹、そしてまだ幼い弟の5人家族。ある日、トウモロコシ畑で近所に住む男に殺されてしまう。天国の手前でさ迷う彼女には、まだやり残したことがあった…」という話。いきなり少女が殺されてしまうという、ショッキングな内容ながら、見終わった後には、何となく温かい気持ちになる不思議な作品。それでいてしっかり毒も含まれていたりする。幻想的な場面が合わない人もいるかもしれないけど、個人的にはその世界観は好きだった。

監督は大好きな『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン。何かが起こるんじゃないかという不安感漂う画面や、ポップで幻想的だと思ってたら、一転寒々とした世界へと変わってしまうのも『ロード・オブ・ザ・リング』を少し彷彿とさせる。画の美しさは相変わらず。そして『乙女の祈り』で描いた少女の潔癖さとか、危うさとか、それゆえのエロティックな感じがすごくいい。脚本も『ロード~』と同じフラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン。

スージーはちょっと多感だけれど、同級生に恋する普通の女の子。家族でショッピング・モールに買物に行った時、恋する相手レイを見かける。派手好きな祖母はスージーに恋愛の素晴らしさを語る。そこに今は天国にいるスージーが、レイの瞳が美しいと語るナレーションが被る。このシーンは好き。まだ恋に恋してる感じ。そしてそれが奪われてしまった事実の重さ。そしてこのシーン、カメラはスージーと祖母のいる書店から、ウィンドウを通り越して、ベンチに座るレイに移動するけど、ウィンドウには「指輪物語」のポスターが! さすがPJ遊んでます(笑)

実はこのモールで犯人はスージーに目をつけた。チラシなどに犯人が載ってしまっているけど、予備知識なしで見た。だから、この段階では近所の男であることしか分からなかった。不特定多数の人が集まるモール。ほとんどが買物に来た善意の人達だけど、その中に悪意を持った人が紛れ込んでいたとしても、気づくことは難しい。その不安を、落ち着かないカメラの動きが煽る。すれ違う人々の顔をハッキリ映さないのもそういう狙いだと思うし、スージーの警戒心のなさも表しているんだと思う。何も知らず無防備なスージーの姿を見ると、子供を守るべき大人としては、かなり怖い。そして、同時にサスペンスとしても、良く出来ている。

犯人は近所に住む独身中年男。表向きはいい人を演じているけど、長い一人の時間、発作のようにスージーのことを考えている。彼は憎むべき犯人で、最低の人間だけど、この時点では彼なりに葛藤しているよう。そのイライラと落ち着かない病んだ感じを、彼の顔を見せない映像が効果的に伝える。スージーの笑顔が、頭から離れない。それはホントは、彼女の両親に向けられたもの。彼の育てるバラを前に、誕生日に買ってもらったカメラで両親を撮るスージー。「こっち向いて」のLook at me!が、彼にとって別の意味を持ってしまう。無邪気なスージーと、両親のほほえましいシーンが、ある人物の欲望に火をつけてしまう。回想シーンとして登場するこの場面は、ホームビデオのような手ブレ感のある、少ししゃがかかったような映像。それが運命の瞬間を感じさせて辛い。

そして運命の1973年12月6日。母親が編んだニット帽をダサイと言いつつ、渋々被って妹と学校へ向かう。いつもどおりの朝。チラシなんかで被っているあの帽子。個人的にはすごくカワイイと思うんだけどな(笑) 基本的にヒッピーっぽいスージーの服装は好きだった。あと、アイラインばっちりの'60年代風のおばあちゃんがカッコイイ。話がそれましたが(笑) この日は、スージーにとって最高で、そして最悪の日になってしまった。最高だったのは、初恋の相手レイが自分を思ってくれていることが分かったこと。直接的ではないけれど、ハッキリと分かる言葉で伝えてくるレイ。憧れの彼と話すだけで幸せなのに、気持ちがいっぱいになって舞い上がってしまい、ぎこちなく応えるスージー。イイ! このシーンはキュンとなる。デートに誘うレイに、早く「うん」って言いなよ! と、思いつつ、この感じがいい。こんな恋愛二度とできないし(笑)2人の顔が近づいた瞬間、教室を飛び出してきた少女。ここはまるごと後の伏線。知った後から思い出すと、より切ないけれど、知らずに見ていた時から切なくて、美しくて好き。

最悪のことはこの後起こる。レイとの週末デートの約束を胸に、ほんの少し前の幸福な出来事を繰り返し思い出しながら家路につくスージー。彼女は運命のトウモロコシ畑に差し掛かる。落とした本を拾ってくれた時、レイがそっと挟んだメモに気を取られて、犯人が潜んでいることに気づかない。この収穫の終わったトウモロコシ畑が、なんとも淋しくて怖い。この画はいい。メモがなかなか開かないので、近くをさっき教室から飛び出してきた同級生がいるのも気づかない。ここからずっと"もしあの時"の連続。それはサスペンスの王道ではあるけど、その運命に導かれているのが、少女であるというのが辛い。だから見ている側は、なんとか気づいて欲しいと願う。でも、その願いはむなしい。風に飛ばされてスージーが見ることが出来なかったレイからのメモには、インドもしくは中東系の自らをムーア人に例えて、「オセロ」からの引用が書かれていた。この2人は恋人どうしになったら、こんな感じのカップルになったんだろうな。芸術について語り合うような… そんな未来も奪われてしまう。

トウモロコシ畑と殺害現場が、あまりに子供、特にスージーのような好奇心旺盛で多感な少女の気を引く造りになっている。それもそのはずで、アイツが用意周到に準備したから。その腕前と時間はもっと有効に使えよ変態! と思いますが、敵ながらあっぱれ。警戒するスージーに、だったら他の子に見せると言って、虚栄心をくすぐったりもする。殺害現場に誘い込んだ後も、スージーを引き止めるのにあの手この手。彼なりに必死。もうホントに腹が立つ。一方、スージーの家では家族が食事を始めている。彼女の帰りが遅いことは、何度も会話にのぼるけど、意外にのんき。天国のスージーによれば、1973年代当時、子供の失踪や事件は稀だったのだそう。この対比は悲しいけど、スゴイ緊迫感。もしもあの時って後悔することはたくさんあるけど、スージーの"なぜあの時"は辛い。

彼女が殺害されるシーンはここでは見せない。トウモロコシ畑にいた少女ルースは、必死に走るスージーの幻影を見る。そしてスージーは天国の入口へ。自分の身に起きたことが理解できず、さ迷うスージー。彼女には父や母が見えるのに、あちらからは見えない。そんな彼女の元にホリーと名乗るアジア系(もしくはメキシコ?)の少女が現れる。ホリーは『ティファニーで朝食を』のホリー・ゴライトリーからとった。この不思議な少女の導きで、スージーは自分の死を自覚する。そして、天国とこの世との間の世界で遊ぶ。この世界観に関しては、私なんかの拙い文章では表現できない。スージーの感情の変化や、記憶の断片なんかがデフォルメされて現れたりする。この世界観は好き。たぶんピーター・ジャクソンはこれを見せたかったんだと思うので、これは大画面で見てほしい。暗く悲しい風景も含めて全部好きだったけど、1番好きなのは父と作ったボトルシップが巨大化して、海にたくさん浮かんでいる光景。そしてこの時、スージーは父とシンクロする。

父はここから、犯人探しに没頭していく。スージーが亡くなった事を受け入れられない母は、そんな父の姿に傷つく。父はあの祖母を呼ぶけれど、細やかに家事をこなし家庭を守っていた母に、常にタバコを吸い、お酒を飲みながら、ガサツに炊事洗濯をする実の母は、気持ちを逆なでする存在でしかない。そして家庭は崩壊する。そんな家族の姿を悲しく思いながらも、見守るしかないスージー。辛い場面だけど、祖母のコミカルなシーンや、スージーの世界のポップな感じなどで、見ていてそんなに辛くない。

警察の質問なども巧妙な手口でかわす犯人を、父と妹リンジーが疑い始める。父はスージーのあの写真から、リンジーは少女独特の勘。ここからまたサスペンス・タッチになる。犯人は憎いけれど、2人のことが心配なスージーは、解放してあげようと決心する。この決意は感動。そして、彼女がここにいるホントの理由を知る。彼女は家族だけでなく、ある人々も救う。そして、自分も。

冒頭、スージー達がルースの家の前に空いた巨大な穴に、粗大ゴミを捨てに来るところから始まる。これは実は伏線となっている。ラストここにあるものが捨てられようとしている。この時手伝ってくれる人が、PJカメオ出演じゃないかと思うんだけど違うかな… エンドクレジットで確認しようと思ったんだけど、見つけられなかった。話がそれましたが、スージーのやり残したことっていうのが、思ってた方向と違ってて、これはまんまとダマされた。と、同時にすっかり心が汚れていることを思いしらされた(笑) このシーンはいい。そんな自己主張は必要ないんだね。汚れのない魂に涙。

キャストが良かった。スーザン・サランドンが、派手でいいかげんなようで、きちんとしめるところはしめる祖母を、さすがの貫禄で演じている。だらしないのにカッコイイのはスーザン・サランドンのおかげ。犯人役のスタンリー・トゥッチが上手い。ホントにムカつくしキモい。父役のマーク・ウォルバーグがいい。娘を亡くした父の悲しみが全身から伝わってくる。犯人探しに没頭するあまり、家庭崩壊してしまうけど、そうしていないと心が潰れてしまうって感じもよく分かる。

そして何と言っても、スージー・サーモンのシアーシャ・ローナンがいい! 『つぐない』でスゴイと思い、今回も彼女が出てるからっていうのも応募理由の半分。もう半分はピーター・ジャクソン(笑) そんなに大芝居じゃないのに、気持ちが全部伝わってくる。多感でちょっと反抗期ながら、家族思いのスージー・サーモンにしか見えない。少女独特の好奇心と虚栄心、そして無知。自分が誰かの注意を引いてしまうことに気づかない、その危うさがエロティック。でも、本人はまだ恋に恋してる状態。その全部を自然に、でも的確に演じている。たがら、"天国"も違和感なく受け入れられる。素晴らしい。

アイツの結末が腑に落ちなかったけど、神の裁きを受けて、きっとスージーと同じところには絶対行けないってことだと思う。少女が殺される悲劇であり、犯人探し(分かってるけど)のサスペンスでもあるけど、ホントに描きたいのはそこじゃない。だからアレでOK。

実はとって重くて、深いテーマを扱っているのに、見終わった後、救われた気持ちがする。死ぬことをこんな風に受け入れたら怖くないかもしれない。とにかく映像が美しくて、残酷。その世界観が素晴らしい。オススメ!


『ラブリーボーン』Official site

2/11 追記しました
*あくまで個人的な見解です。

まず、この映画はサスペンスの要素はあるけどサスペンス映画でも、犯人探しの映画でもないということが大前提にあると思う。「殺されてしまった少女が、家族に働きかけて犯人に制裁を加える」もしくは、「殺された少女が、事件によりバラバラになった家族を再生させる」という"奇跡"を描いた作品ではないということ。そういう映画だと思って見ると、肩透かしのように感じてしまうかも。

これは実はとってもシンプルにスージー・サーモンが天国に転生する(仏教的に言うと成仏する)話で、遺族が立ち直る兆しを見出だす話なんだと思う。そしてそれは、それぞれが自分で立ち向かわなければならない。スージーの死因があんな悲惨な事件だったから、見ている側は何とか犯人に法の裁きを与えたいと思うし、家族にスージーが死んでしまったことを知らせたいと思う。それは当然のこと。もちろん、この映画で描きたいのは、犯人を許せということじゃない。アイツは間違いなく憎むべき存在。だから神(もしかしたら、彼女たちの思念)の裁きを受けた。まぁ、キリスト教の"汝の敵を愛せよ"という意味での"赦し"って要素はあるのかも。でもそれは、決してアイツのためじゃなくて、自分のため。確かに、腑に落ちないけど、ホントに描きたいのはそこじゃない。

ラストの金庫とキスの対比は間違いなく意図的にしたことで、それは彼女の魂が天国へ向かうことを受け入れたから、もはやBODYには未練がないということを現しているんだと思う。多分、このBODYは肉体と死体のダブルミーニング。肉体に固執するのは、まだこの世に未練があるということなんじゃないだろうか。誰ひとりスージーが死んでしまったことに気づいていないなら、間違いなく金庫だったと思うけど、この時点では皆彼女の死を確信している。わずかな望みにすがっていた父親でさえ、スージーとシンクロした時点で頭では理解したはず。だからこそ、犯人探しに夢中になったのだろうし。それは、スージーのためでもあり、自分のためでもある。皆が自分の死を受け入れていることが分かったなら、レイプされた無惨な死体をあえてさらしたくないと思うかも。あくまで、スージーを美しいまま天国へ逝かせようとした、このラストは好きだったんだけど、彼女の"やり残したこと"が、意外なことだったため、賛否両論になってしまった気がする。

見ている間は、やっぱり犯人が憎かったので、遺体が発見されれば、アイツを捕えられるのにとイライラしながら見ていた。スージーのやり残したことを知った時、正直「そっちかい(笑)」とも思ったけど、このシーンがすごく美しくて、こんな美しいことを経験できずに殺されてしまった少女の気持ちが切なかった。そして、スージーは悟りの境地みたいなところに達したんだなと思った。14歳の彼女にとって大切だったのは、家族や始まりそうだった恋愛という小さな世界。天国とこの世の間で、もはや自分とは関係のなくなってしまった世界を見守ることしかできないスージーは、時に愛しく思い、時に悲しみながら、自分を追い越して行く妹に少し嫉妬しつつ、自分の死を自覚していく。でも、まだ受け入れることができない。その象徴があの家。アイツの家。その家に入ることができないということは、自分の死を受け入れられないということ。でも、父親と妹の思いを知り、彼らが自分のために危険な目にあっているのを見て、彼女が出来る唯一のこと、彼らを解放しようと決心し、あの家に足を踏み入れる。だから、彼女には全てが見えた。アイツが何者で、自分が何故殺されたのか。アイツが追い詰められたことは、他の犠牲者を救うことになる。

家族は、妹の活躍でスージーが殺されたことをハッキリと受け入れ、そしてそれを一緒に乗り越えるべく歩き出した。それを見届けたからこそ、スージーは天国に行くことができる。でも、たった一つやり残したことがある。14歳の女の子として。そして、奇跡を起こす。これはホントに残酷で美しい映画だと思うんだけどな…

コメント (16)
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【cinema】『今度は愛妻家』(試写会)

2010-01-24 03:45:14 | cinema
'10.01.09 『今度は愛妻家』(試写会)@東商ホール

いつもお世話になってるrose_chocolatさんのお誘いで、試写会に連れていっていただいた。rose_chocolatさんありがとうございました!

*ネタバレしてます! 映画の性質上ネタバレしない方がいいかと思いますので、未見の方は鑑賞後にご覧下さい。

「40代のカメラマン俊介は、同じく40代の妻さくらと2人暮し。結婚10年目になる夫婦の間には子供はいない。愛情表現が下手な俊介は、明るく優しい妻に甘え、浮気を繰り返し、今は働く気力もない様子。ある日、旅行に出かけたままさくらが帰ってこなくなってしまい…」というあらすじには書けない部分がたくさんある。最後にどんでん返しがあって、その事実がより切なくやるせない感じにしているので… 著名人のコメントの中には、深読みすると何となく分かってしまうのもあって、実はこのオチについては何となくそうじゃないかなと思っていた。でも、秋元康がコメントしていたように、あえて分かったうえで見るっていう見方もいいのかなとも思う。他にも後から分かってくる事実なんがあって、そういうのもいろいろ伏線が張ってあるので、そこから推理するのも楽しいかもしれない。ということで、重要な要素ではあるけど、メインではないネタについては、そのままにしておく。いろんなネタが、何気ない会話とかにヒントがあって、特別勘が鋭いわけじゃないけど、分かったりしたけど、それでつまらなくなってしまうことはないので大丈夫。

登場人物も俊介とさくら、俊介のアシスタント、女優志望の蘭子、そしてオカマのおじさん。ほとんどの場面がこの5人。井川遥が出てたりするけど、カメオ出演程度。そこそこ重要な役で城田優が出てくるけど、5人以外で意味があるのはこの役くらい。場面もほぼ俊介の家のリビング。セリフも意外に説明的だったりするので、なんか舞台のお芝居っぽいなと思って見てたらそうだった。シネ通でチラリと紹介されたのを見ただけなので、詳しいことはよく分からない。でも、この舞台っぽい作りモノ感が、いい具合に作用して、大人のファンタジーと見ることもできる設定の違和感をなくしている。でも、現実味が全くないわけではない。この感じは良かったかも。ただ、苦手な人はいるかもしれない。

自分が語りたい事を語ろうとすると、どうしても核心に触れないといけないので、極力さけようと思っているけれどネタバレします! この映画で伝えたいことの最大のポイントはタイトルの「今度は」 の部分にある。極論するとこれが全てと言えるかもしれない。勘のいい人ならすでに分かってしまったんじゃないかと思う。"今度は"と言うからには今までは愛妻家ではなかったということで、では彼に今度があるのかといえば、結論から言うと今度はない。しかも永遠に。だから、これは一人の男性の決定的な喪失と、深い後悔、そして立ち直りの話。正直、俊介はダメ男ではあるけれど、愛妻家の男性でも同じ過程をたどるんじゃないかなと思う。どんなに仲睦まじくお互いいたわって暮らしていたとしても、あの時こうしてあげればよかったという後悔はきっとある。人間は後悔する生き物だと思うから。だからこそ、次には上手くできるようになるんだろうし。だから、俊介に共感するんだろうし、切なくなるんだと思う。それは今度がないことを知っているからかもしれないけれど。

冒頭、まるで昔の8ミリで撮影したような2人の沖縄旅行の様子が映し出される。カクカクとして音声のないその映像で、散歩に行こうと誘っても、星がキレイだと呼んでも、俊介は寝ていて全く相手にしてもらえない。そのさくらの姿がほんとうにかわいそう。俊介が無視し続けるのは実は理由があるんだけど、それはこの段階では分からないし、結局ハッキリした答えは語られないのだけど。次のシーン。またもや眠る俊介のケータイが鳴る。なかなか出ない。やっと出たと思えば、相手は若い女性で、しかもこれから家に来るという。ニヤニヤしながらOKし、食べ終わった宅配ピザの箱が山積みになったリビングをかたずけ始める。スゴイ嫌い(笑) そこへ箱根旅行に出かけたはずのさくらがひょっこり戻ってくる。なんとかさくらを追い出そうとするけれど、忘れ物を取りに来たといいつつ、足の爪を切ったりしてなかなか出て行かない。何か感じているのかと思いつつ、1度は出て行くさくら。電話の主、女優志望の蘭子の狙いは、最近ほとんど仕事をしていない俊介に、自分のオーディション用の写真を撮ってもらうこと。そのためには色じかけもじさない。イイ感じになって蘭子がシャワーを浴びている間に再びさくらが登場する。この辺りの入れ代わり立ち代わりは、舞台が元になっている名残だと思うけれど、実は重要な伏線でもある。個人的に、それは敏感に蘭子がいることを感じとり、10年間で10人と浮気したと詰め寄る部分すら伏線だと思う。

そしてさくらは「1年前からあなたのために料理をするのをやめた」と言う。そこから1年前のリビングへ戻る。ナチュラルな服装で健康オタクのさくらの趣味っぽいながら、きちんとかたずいたリビング。オープンキッチンでは、常にお茶が温まっている。健康に気を使った野菜のたっぷりの料理が食卓に並ぶ。でも、俊介は無関心。トマトは体にいいんだから食べてと口元に運べば、逆にさくらの頬に貼付けるしまつ。でも、少しだけ俊介の印象が変わってくる。俊介は意外にさくらを認めているし、口ではうるさいとか、めんどくさいとか言っているけれど、彼は彼なりにさくらと関わっていることが分かる。さくらの言動を否定してはいるけれど、無視してはいない。だからこの夫婦は危機的な状況かもしれないけれど、冷え切っているわけでも終わっているわけでもない。ホントにめんどくさかったら、そもそも話も聞いていないと思うから。

長々と場面説明を書いてしまったけど、この中にもかなり伏線がある。ここまでがほぼ前半30分以内に終了。あとは女優志望の蘭子と、アシスタントの誠がカップルになったりするけど、これも紆余曲折ある。正直、この2人にあまり共感できなくて、このエピソードは必要ないかもと思ったりするけど、女優になりたいと言いつつ、元カレとの間に子供ができちゃうなんて甘すぎるワガママ女を、愛してるから全て受入れるという構図が、ダメ男を受入れている俊介とさくらの逆バージョンとして対比しているのかなと思う。もう一人主要人物、オカマの文太さんについては、仕掛けがあるのであまり触れないけれど、俊介を何故見捨てないのか、会ったばかりの蘭子を何故助けるのか考えると切ない。きっと蘭子と誠の姿を通して俊介にも感じるところがあっただろうし、見ている側もさくらがただがまんして飲み込んでいただけでないことも分かる。彼女は彼女なりに俊介をコントロールしてた部分はあるし、彼女なりにしたたかに生きていたんじゃないかと思ったりする。若い2人のわがままで不器用な恋愛とは違う、俊介とさくらの関係が分かってくる。

でも、多分さくらは何となく過ごしてしまう毎日を変えたかったんじゃないかと思う。俊介は変えるのは面倒だったんでしょう。きっとそれなりに居心地がよかったんだと思うし。でも、それはやっぱり俊介の甘えだと思う。だから、さくらは耐えられなくなったんだと思う。男の人は女の人ほど年を取ることに危機感がないんじゃないだろうか。それは子供を生む側と生ませる側の違いだと思う。はっきり言ってしまえば、男の人は相手が若ければ年を取っても父親になれる。女性はそうはいかない。女の人は確実に子供が生めなくなるということで、自分の年齢と向き合っている。アラサーの婚活なんて少し面白がって言われたりするけれど、結婚して子供を育てていくことを考えれば、リミットがある。この映画でもさくらが「子供を作る気がないなら別れて」と言うけれど、40代のさくらには1年がすごく重い。でも、40代の俊介はまだ若いつもりだったりする。男性ではないので、何故俊介が子供を欲しがらないのか真意は分からないけど、何となく素直に応えられない性格だからなのかなと思ったりする。さくらはちゃんとそれを分かってたと思うし、俊介も言わなくても分かると思ってた。

さくらはうるさがられながらもトマトを食べろとか、まずいにんじん茶を飲めとか絡んでくるのは、やっぱり応えて欲しいからで、それに対して俊介が照れて憎まれ口をきいたとしても、ある程度までは大丈夫だし、ちゃんと分かっている。でも、その許容範囲を超えちゃったり、その中にいくつか本心で聞いてることがあって、ここだけはちゃんと応えて欲しいって部分をはずされてしまうと、女の人は一気に冷めてしまう。さくらにとってそれは子供のことだったろうし、俊介が不用意に言った「関係ないだろう」だったんだと思う。俊介にしてみれば日常の体にいいから食べろ、食べないなんだけど、さくらにとっては覚悟を決めての沖縄旅行で、ことごとく俊介に無視されての一言。そしてついに決定的な言葉を導き出してしまう。主演の薬師丸ひろ子が読売新聞のインタビューで、頑張ってきたさくらが「別れよう」と言ったら、後には引き返せない。気づいても遅いんです。と、語っていたけど。この言葉が全てな気がする。

結局、2人を別ったのは離別ではなくて死。1年前から俊介に料理を作るのをやめたのではなく、作れなくなった。この度々俊介の前に現れるさくらを幽霊と取るか、俊介が生み出した幻と取るかで、見方が分かれるところだと思うけれど、個人的には幻なんだと思う。それを思わせる俊介のセリフもあったし。幻を作り出したのは罪悪感や後悔もそうだし、もちろんさくらに対する愛情でもある。その全部ひっくるめて伝えたい言葉や気持ちがあるということ。だけど遅い・・・。失って初めて分かる大切さってあると思うけど、失くしてからでは取り返しがつかない。それでも人生は続くから、俊介としてはああいう風に立ち直るしかなかったんだと思う。まぁ、さくらがほんの少し手助けしてあげたと取れるセリフもあるので、作り手としてはどちらに解釈してもOKということなんだと思うけど。でも、肝心なことは1つ。伝えたいことはその時伝えないとダメだし、きちんと相手に伝わっていなければ意味がないということ。この映画では愛情表現が下手な日本人男性の代表として俊介を描くことで、男性を糾弾している感じになってしまっているけれど、それは女性側にも言えることなんだと思う。体にいいから食べろじゃなくて、あなたが大切だからって言えばいいのかも・・・。うーん。でも俊介に気持ち悪いって言われそう(笑)

キャストは良かったと思う。正直、場面がほとんど変わらない分、役者の演技に頼るところが大きかったと思う。オカマの文太さんを演じた石橋蓮司はさすがの存在感。その見事なオカマっぷりもスゴイけれど、自分を貫くために家族を捨てたという過去と、罪悪感や後悔を背負って生きている感じが伝わってきた。そして・・・。辛いことを乗り越えてきたから人に優しくできるし、悩んでいる人を放っておけない。その感じがすごく良かった。決してキレイなオカマではないけれど、こういう人いそうだし(笑)

やっぱり主役2人が良かった。俊介の豊川悦司はあんまり滑舌が良くない感じで、普段そんなに演技が上手いっていう印象なかったけど、ダラダラとやる気のないダメ男を演じても、この人は素直に自分を見せられない人なんだなと思えたのはトヨエツのおかげ。自分より妻のことを理解していた城田優(役名を失念)にキレてしまったり、最後には情けない感じになってしまうけど、それでもギリギリ嫌じゃない。それにホントに情けないのは強がっている時であって、初めて感情を素直に表した時にはちょっと感動(涙) そしてスタイルが良くてやっぱりカッコイイ。さくらの薬師丸ひろ子が良かった。前半の俊介にからむシーン。ここが女性から見てもウザくなくてかわいらしかった。それはきちんと大人のかわいさが出てるからだと思う。そこにはもちろん計算もあって、でもそれは若い女性のようにあざとくなくて絶妙だった。なのにぜんぜんかまってもらえないからかわいそうで・・・ さくらに感情移入できたのは薬師丸ひろ子のおかげ。ずっと頑張って明るくかわいく振舞うさくらが、時々見せる暗い表情がとっても効果的。この演技はいい。最期、無理して明るく振舞おうとする後姿がいい。これだけちゃんと写ってるていう演出もいい。写真を撮るシーンもよかった。「被写体に魅力があればいくらでも撮れる」(だったかな?)と言って、以前はさくらの写真をたくさん撮った俊介。久しぶりに彼女を撮ると夢中になってしまう。「もっと俺を見つめて」とファインダー越しに言われても複雑・・・ それは愛情表現でありながら、結局面と向かっては言ってもらえない。ここの2人の演技はいい。そして、クリスマス・イブの夜。最後までさくらの方が一枚上手というか、大人で俊介を包んでいるのもいい。薬師丸ひろ子はいい女優さんになったな。って、上からですが・・・(笑)

北見家のリビングの感じが、ちょっとやり過ぎな部分もあったけど好き。アメリカンな冷蔵庫とか俊介の趣味なのかな。ナチュラルな感じの中に、しっかり液晶テレビなんかのデザイン化された家電や、家具の配置もいい。住みたいかというと微妙ではあるけど(笑) みんながハキ出してしまう激マズにんじん茶を飲む時の、ファイヤーキングのカップがかわいい! ファイヤーキング欲しい(笑)

ラスト1人街を歩く俊介の手元がアップになる。そこにさくらの手が重なり、俊介が握り返す。いいなぁと思う。こういう何気ないことでいいんだけどなぁ(笑) 一緒にいるのが当たり前になってしまうと、いろいろ面倒になってしまうのかもしれないけれど、伸ばした手を握り返してくれる存在があるのはいいと思う。これ、あえて手元のみなのは、自分たちに置き換えて欲しいという意図があるのかなと思った。

はぁ・・・。気づけばまたもや大長文。しかも熱弁(笑) でも、是非これは男の人に見て欲しい。


『今度は愛妻家』Official site

コメント (6)
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【art】「清方ノスタルジア」鑑賞@サントリー美術館

2010-01-20 03:15:40 | art
'10.01.09 「清方ノスタルジア」@サントリー美術館

この日は16:15からNICE ONE!!のrose_chocolateさんのお誘いで『今度は愛妻家』の試写会へ行く予定。実は新年早々、前歯が欠けてしまい、予約が取れたのがこの日の12:00。ちょっと時間があるのでどうしようと考えたところ、行きたかった「清方ノスタルジア」があるじゃない!と思い出した。サントリー美術館は六本木ミッドタウンのギャラリア内にある。ギャラリアB1のイート・イン スペースにはお気に入りの刀削麺のお店があったんだけど、讃岐うどんのお店に変わってしまっていた。フード・コートでBLTサンドとヘーゼルナッツラテでランチ。急いで3Fのサントリー美術館受付へ。チケを買ってエレベーターで美術館入口の4Fへ。

鏑木清方は大好き。しかし「清方ノスタルジア」とはなんという素晴らしいタイトル! ノスタルジアっていうのは、そもそもは故郷を懐かしむことらしいけど、回顧展と書かれるよりノスタルジアの方がぜんぜんいい。そして清方の絵にはノスタルジアという言葉がピッタリだと思う。入口入って正面に見える「春雪」が素晴らしい。これ、早くも”本日の一枚”という感じ。帰宅した夫の黒の羽織をかいがいしくたたむ新妻。その少し傾けた顔の美しさ。こちらも大好きな上村松園の美人画は本当に美しくかわいらしいけど、清方の美人画は少し面長で、どちらかというと浮世絵の美人を思わせる。その表情自体はそんなに大きくないけど、その涼やかな目元と、少し開いた赤い口元、そしてほんの少しほほを染めている感じがなんともかわいらしい。夫の世話を焼くのがうれしいという、彼女の幸福感が伝わってくる。藤色の地に梅を散らし、裾には雪の模様を配した着物もいいけれど、素晴らしいのは帯。お寺の天井なんかに描かれている、曼陀羅のような模様も淡いパステルカラーみたいな配色なので、ぜんぜんきつくなくかわいらしい。輪郭線の緑青がいい。襟元の紗綾形の青色もきいている。ホントに美しい。あぁ、やっぱり来てよかった。

小さな作品が2~3続いた後、大きな作品「秋宵」がある。宵の薄暗いバルコニーのような所で、洋風の柱に寄りかかり、ヴァイオリンを弾く袴姿の女性のキリリとした姿がいい。袴の裾からチラリとのぞく足元には、ルームシューズのような形の靴を履いている。少し上を向いた日本髪の横顔が美しい。ヴァイオリンの美しい音色まで聴こえてきそうなこの絵は、新婚時代に描かれたそうで、新妻を描いたと言われているそう。だとしたら、かなり美しい方だったに違いない。この絵はリンとしていて好き。この絵の数枚先に「朝涼」がある。蓮など緑の草花の前に、藤色の着物に三つ編みの少女がたたずんでいる。この絵は何度か見ている。清方ファンにはおなじみの作品。この絵を描いた頃の清方は大スランプ。大正9年に購入した別荘で描かれたそうで、背景は金沢八景。この絵を描いたことでスランプを脱出できたのだそう。なるほど、そんな清々しさが感じられる。

「洋燈」は青地にユリの花が描かれたランプを点ける夜会巻の女性が描かれている。夜会巻は当時、中流以上の女性の間で流行した髪形。この女性の品のある姿も良家の奥方を思わせる。ランプを点けて読もうとしている本の上に置かれた左手の薬指には、大粒のエメラルドが! 黒の羽織の袖からのぞく桜柄も素敵。けっこう柄に柄を合わせて着ていたんだなと、興味深い。「遊女」は泉鏡花の「通夜物語」の丁山に題材を得たのだそう。泉鏡花は「高野聖」しか読んだことないし、調べてみたけどこの「通夜物語」がどんな話なのか不明。火鉢に肘をかけ、襟元を大胆に広げてしなだれかかる姿が妖艶。これはスゴイ。この2作並んで展示されていたわけではないけれど、対照的でおもしろい。

「薫風」は美しく清々しい作品。束ね髪に花柄ピンクの着流し姿に、松林を描いた薄い黄色の小袖を羽織っている。裾からは紫の足袋の足元がのぞく。このスタイルは桃山時代の流行だそうで、昔の風俗なども研究していたことがうかがえる作品とのこと。「初冬の雨」は傘をさした女性の後姿と、訪ねて来たその女性を、わずかに障子を開いて迎える若い娘。娘の顔がかわいい。彼女より少し年配と思われる女性の後姿がいい。この障子越しの構図は浮世絵の祖、鈴木春信の作品に多いそうで、春信は男女で描いている。清方は女性同士ににしたことにより、より清らかな感じがする。これは素敵。この後姿の女性から、恋しい男性の言伝でも聞いているのかも。なんて想像も膨らむ(笑) この構図は2枚組みの「廓の宵」では、廓の格子越しの構図へと変化。右の1枚には3人の女郎達。思いのほか配色は抑え目。杜若柄の白の着物がいい。その女郎達を格子越しに覗く頭巾姿の2人の男性を描く左の絵は、ほとんど墨一色と言えるくらい色がついていない。艶やかな世界と、外の世界の対比もいい。でも、華やかにし過ぎないのが清方らしい。

4Fの第1展示室の最後は、肖像画が並ぶ。「雨華庵風流」は三味線を前に、立てひざで座り、両手で膝を抱えるようにたたずむ老人。なんとこの雨華庵とは琳派の絵師、酒井抱一なのだそう。抱一は三味線の名手でもあったらしい。酒井抱一は大好きだけど、ぜんぜん知らなかった。「幸田露伴著『天うつ浪』の木版口絵」に描かれている、手あぶり(小さな火鉢)は柴田是清の蒔絵だそう。柴田是清は幕末から明治初期の絵師であり漆工。蒔絵が有名。いろんな作品を研究していたんだな。さすが!

階段を降りて3Fの第2展示室へ向かう。階段下のスペースには清方が挿絵を描いていた東北新聞がパネル展示されている。清方の父はやまと新聞を経営していて、その挿絵を描いていたのが師匠となる水野年方。この水野年方は歌川国芳の孫弟子。そして国芳の師匠が歌川豊国なのだそう。スゴイ! 新聞の経営が悪化したため、清方が挿絵を描いていたけれど倒産してしまい、東北新聞に挿絵を描くようになったんだとか。清方の挿絵なんて何と贅沢! ここでは清方が絵を描く工程もパネル展示されている。すごいたくさんの工程で描かれていることが分かり興味深い。

第2展示室はかなり狭い。「紫陽花」はその名のとおり紫陽花を描き、そこに文章が書かれている。ちょっと達筆すぎて何と書いているのか読めなかった(涙) 土用丑の日に門辺に紫陽花を吊るすと、家が栄えると言われていたそうで、清方はこの花が大好きだったらしい。ここでの見ものは勝川春章の「婦女風俗十二ヶ月」に触発されて描いた「明治風俗十二ヶ月」 前半と後半で展示内容が違うため、七月~十二月しか見れなかったけど、縁台に浴衣姿で腰掛けて話をする2人の女性を描いた「盆燈篭(七月)」と、人力車に乗り込み車屋さんにひざ掛けをかけてもらっている御高祖頭巾の女性を描く「夜の雪(十二月)」が好き。夏の蒸し暑さと冬の寒さが感じられる。勝川春章の「婦女風俗十二ヶ月」も四月のみ合わせて展示されている。これも素晴らしい。

「いでゆの春雨」が良かった。戦時中、美人画を描くことは禁止されていたけれど、反骨の画家清方は画室では描いていたそうで、これもその頃の作品。温泉地の宿の柵なのかな? そこに寄りかかり後ろを振り向くような姿勢で下を見ている。その顔の美しさ! 青地に梅モチーフの柄の着物と、花柄の帯が粋。確かに戦時中に不謹慎ではあったのかもしれないけれど、これを禁止してしまうなんてもったいない! 日本の宝ですよ! この絵の向かい辺りにガラスケース入りで展示されていた「小品集(草花風景スケッチ色紙)」も良かった。文字通り花などのスケッチ。その美しくかわいらしいことといったら! あんまりかわいいので唐辛子と桜の絵葉書を購入して、会社のデスクの前に貼って疲れた時に眺めて癒されている。

そして最後に”本日の一枚”について。これは第1展示室の後半にあった「二人美人図」 これスゴイきれいだった。花柄ピンクの着物の若い娘と、若衆髷の人物。二人美人となっているからにはこの若衆も女性なのかな。紫の着物の上に杜若が描かれた羽織を袖を通さずに羽織り、懐から出した手に煙管を持って、鏡を見つめている。その顔がキリリとしててキレイ。その若衆の後ろで膝をついて鏡を覗き込んでいる若い娘がなんともかわいらしい。紙で手をぬぐっている感じからすると、化粧が済んだのかな。ホントに美しい2人。胡坐をかいた若衆の膝の辺りに置かれた、煙草盆の杜若の蒔絵が素敵。この盆と若衆の羽織の杜若は「伊勢物語」を表しているのだそう。そして女性のように(この絵は女性?)なよなよと美しい若衆と娘という構図は、鈴木春信の浮世絵によるもの。第2展示室の入口には垂れ幕状のものに、清方が語ったと思われる言葉がいくつか掛けられていたけれど、その中の1つに「ボッティチェリの悩ましさも シャヴァンヌの純潔も 大和撫子や水仙の趣ではない それは只 我春信あるのみである」というのがあった。ホントにそうだと思う。清方も春信が好きだったと知ってウレシイ。

喜多川歌麿から上村松園まで、大好きな美人画家はたくさんいる。それぞれ美しく、かわいらしく、なよやかで、なまめかしいけれど、匂いたつように艶っぽいのに清々しいのは清方だなと思う。清方の美人は清々しい。今回発見したこと。ギリギリで半分見るの諦めていたけれど、行ってよかった。素晴らしかった!


「清方ノスタルジア」(サントリー美術館HP)

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【MJ】「みうらじゅんの100冊」

2010-01-20 02:35:43 | MJ
'10.01.04 「みうらじゅんの100冊」@パルコファクトリー

やっと2010年の記事に突入! 明けましておめでとうございます! これは1つ前の記事「みうらじゅんDSショー」と合わせた「みうらじゅんジャンボリー」の企画の1つ。DSショーのチケ代にこちらの企画展の入場料も含まれている。年末年始でお互い忙しくこの日にしたんだけど、諸事情によりbaruが行けなくなってしまった。決算期なのでこの日を逃すと、キビシイかもってことで、思ったよりも早く上がれたので、予定どおり1人で行ってきた。

パルコファクトリーは、PARCO6F。PARCOはそこそこ行くけど、ここは初めて。そもそもあるスペースなのかな? 6Fの奥にガラスのショーケースがあり、そこに顔がMJのヌー銅(ヌード銅像)が! ショーケースの左側に物販スペースがあり、レジ兼受付となっている。チケの半券を見せ、印鑑を押してもらい、カエルちゃんが描かれたしおりをもらって、見学開始。

狭い(笑) 着いたのは19:00頃、迷路のような狭い通路の両側に、天井から床まで展示されている。透明のケースの中にハードカバーの本と、文庫化されていれば文庫本、再版されている場合は再版分、そして手書きの原稿がきちんと展示されている。何度も書くけど狭いので、くねくね曲がってスペース有効利用しているようなので、奥までよく見えないけど、みたところお客さんは私の他には、おじさんが1人…。ジャンボリーって大騒ぎするって意味もあるらしいけど、これじゃできないね(涙) 個人的には自分のペースで見れるので、とってもありがたいけれど。

さっきも書いたとおり、本の他に原稿も展示されてるのがウレシイ。どうやらMJは今でも原稿用紙に鉛筆の手書きで原稿を書いているらしい。しかし、かわいらしい字。とてもオッサンの書く字とは思えない(笑) MJはマンガも書くので、マンガの原稿もあった。コマ割して描いた原稿の上に、薄い紙を被せて色の指定など細かい指示を書き込んでいるのがおもしろい。ホントに100冊あるのか数えなかったけど、この100冊には文庫化したものや、再版も含まれているような… でも、ファンには見応え満点。持ってる本も、持ってない本もあるけど、それぞれの生原稿や、それに関する資料が見れるのはウレシイ。

本のタイトルは忘れてしまったけど、仏像関連の本(MJは小学生の頃からの仏像好き。SIこといとうせいこうとは仏友で「見仏記」の共著がある)の原稿を何気なく読んでビックリ! その原稿を書いた時から13年前、MJはNHK教育の番組で仏像を彫ったのだそう。美大出身のMJではあるけれど、さすがに仏像が簡単に彫れるはずもなく、ほとんど先生が彫って下さったそう。撮影終了後、そのことでお詫びと、お礼を言うと、先生は快く受け入れて下さっただけではなく、いつか日本で1番大きな弁財天を彫りたいという夢まで語ってくれたのだそう。それから13年後、たまたま鹿児島を旅した時、最福寺というお寺に、18mの世界最大の木彫りの弁財天があると聞き、もしやと思い訪ねたところ、やはり先生松本明慶さんの作品だった。松本氏が12年かけて完成させたそう。MJは心打たれ、この12年間一体何をしてたんだろうと反省したのだそう。この松本明慶さんは、現代を代表する仏師、11月に船橋TOBUで開催された展示即売会で、初めて作品を見たけれど、そのふくよかで美しいお顔もさることながら、淡い色合いも美しい衣の造形が素晴らしかった。記事を書きたかったのだけど、忙しくて書けなかった… 意外なところでお名前を拝見してビックリ。MJと繋がっていたのもウレシイ!

突き当たりを右に曲がると、ここで本の展示は終了。奥のスペースに巨大ひな壇が! たしか「ビックリひな壇」とかいうタイトルがついてたと思うけど、上の段階にはトリピーなどのゆるキャラちゃんたちがびっしり、その下にはものすごい数のフィギュ和。フィギュ和とは、観光地のお土産屋さんなどで売られている、着物姿の女性の人形のこと。そのどこかチープな感じがスゴイ。ついつい、それらに目を奪われていると、MJが日光で自らをモデルに絵つけした"じゅんさんこけし"や、勝手に観光協会で高知県を訪れた時に購入した、闘犬のぬいぐるみペスもいる! これはスゴイ(笑) バカひな壇だけど、これだけ徹底していれば芸術だと思う。

そして次のコーナーがじゅん少年の作品群。手書き原稿のコピーが壁一面にところせましとびっしり張られている。これはスゴイ。「メランコリーじゅんちゃん」「ヘラクレスじゅんちゃん」などの作品の数々は圧巻。MJがポエムと同時に締切に追われていたマンガのカラーコピーが冊子状になって展示されていて、これは手にとって見ることが出来る。完成度は…だし、かなり読みにくいけど、よくこれだけ描いたなと思うと同時に、よくとってあるよなぁと思う。そして、惜し気もなく(恥ずかしげもなく(笑))発表してしまうあたりが、さすがMJ。なるほど自分バイバイなんだなと納得。

自分バイバイと言えば、MJのトレードマークの長髪とサングラス。これに帽子をセットした"MJセット"の販売を開始するらしい。10,500円。うーん(笑) 自分バイバイは物販スペースへと続く。会場限定の絵葉書セットと、クリアファイルを購入。絵葉書セットはbaruの分も購入し、お土産にする。MJ缶バッヂのガチャガチャがあったのでやってみる。他にお客さんがいなかったので、ちょっと気まずかったけど(笑)

というわけで、かなりディープなMJの世界観にファンとしては大満足。ただし、MJに興味が無い人には全く面白くないと思う。でも、その分かる人には分かるみたいな感覚は大好き。MJの世界を堪能した。

家に帰って買った品物を見たら、なんと例の「史上最大のCANペーン」のMJ缶が!おねえさんが何か言って、何かを袋に入れてくれたなと思ったら… どうやら2,000円以上買うともらえるらしい。って、これも自分バイバイの一環か(笑) 欲しかったけので、ウレシイけど複雑…


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【MJ】「みうらじゅんDSショー」

2010-01-20 01:07:22 | MJ
'09.12.21 「みうらじゅんDSショー」@PARCO劇場

ドトールで白チェブをゲットした後、PARCO劇場へ向かう。PARCOパート1では4,000円以上買い物すると、アーティストとコラボしたデザイン缶を買えるコインがもらえるキャンペーン中だった。せんとくん缶やBlythe缶なんかもあるけど、狙いはなんといってもMJデザインのカエル缶。時間があまりないけど、4,000円分の買い物だから妥協はしたくない(笑) ってことで、Bleu Bleutでラビットファーつきのイヤーマフと手袋を購入。最寄り駅までチャリ通なのでイヤーマフは欲しかった。これで4,000円ギリ越えたなと思いつつレジへ。なんと3,000円以上買うと20%OFF! 普段ならとってもうれしいけれど・・・。200円くらい足りない。そこからパニックになってしまって、すごいタイムロス 結局、パンダの4色ボールペンを購入。同じくちょっと足りなかったbaruも同じボールペンを購入。なんとかコインをゲットしてスペイン坂広場の「史上最大のCANペーン」自販機へ。しかし、そこで衝撃の事実が・・・。なんと、缶のデザインは選べないとのこと。マジ・・・ でも、やるしかないので、意味はないと知りつつもMJ缶のボタンを押す。・・・(涙) なんだこれ・・・。サラリーマン川柳缶。ヒドイ(涙) せめて黄色いヘアーもまぶしい美輪さん缶なら、ネタにもなったのに。40種類もあってよりにもよってコレ・・・。ちなみにbaruはPARCOデザインのダルマだった。ガッカリ で、そんなことをしてたら遅刻! あわてて行ったけど既に始まってしまっていた(涙)

2009.8.11にMJの著書「十五歳」を購入した人の中から抽選で400名をご招待して、開催した「みうらじゅんDSショー」の有料化イベント。って、書くとなんかイメージが悪いな(笑) 20、21日と2DAYS。それぞれ内容やゲストも違うらしいけど、20日は行けなかったので、今回は21日のみ参加。なので、20日はどんなことが繰り広げられたのか不明。この日はなんと会場に入ったら、舞台上にはMJとタキシード姿のTBS安住アナ。なんと、どうやら「第12回みうらじゅん賞授与式」が行われるらしい。みうらじゅん賞っていうのは、その年最もMJの心を掴んだ人々に、勝手に贈っている賞。過去の受賞者の中にはSAM、優香、そして『スネーク・フライト』のサミュエル・L・ジャクソンなどがいる(笑) MJのカエルちゃんがツッコミを入れているトロフィーがもらえる。もちろんサミュエル・L・ジャクソンにも送りつけたのだそう。ということで、どのくらい遅れちゃったのか分からないけど、なんとか授与式には間に合った。舞台中央に黒いシートのようなものが掛けられた台みたいな部分があり、その上にスクリーンがある。そのスクリーンに映し出された最初の受賞者はチョーさん。・・・ごめんなさい。どなたでしょう。と思っていると、スクリーンをくぐるようにチョーさん登場! チョーさんはNHK教育で活躍されている方なのだそう。MJは「たんけんぼくのまち」という番組が大好きだったらしい。調べたところによると、1984年から1992年まで放送された小学3年生向けの社会科番組。修行中の配達員チョーさんが愛用チャリ、チョーさん号で地域社会を紹介する番組で、チョーさんはこの番組から、芸名をチョーさんにしたのだそう。現在もNHK教育で活躍されているチョーさんは、MJと同世代とは思えないキレのある動きをされるのだそう。笑顔の優しそうな方だった。

2人目はポール・スミス。Paul SmithはMJがショップに全身着用して出かけ、店員さんから失笑されたというくらい大好きなブランド。だぶん、この日のスーツも花柄シャツもPaul Smithなんでしょう。たしかに細身のシルエットがカッコイイ! 3人目は『色即ぜねれいしょん』 MJ原案&田口トモロヲ監督作品第2弾。もちろん鑑賞し、イケてないDT男子だったMJそのままの主人公に、時に笑わされ、時に切ない気持ちにさせられて、グッときたのだった。バーターじゃないですよとMJは言うけれど、1.27DVD発売というタイミングを考えるとあやしい気もするが全然OK。しかも、トモロヲ監督は既にみうらじゅん最優秀親友賞を受賞しているので2回目。親友賞っていったい何?(笑) ちなみにトモロヲ監督はこの作品で新藤兼人賞も受賞している。この日はトモロヲ監督と、主演の渡辺大知くん、池山役の森岡龍くんが登場。トモロヲ監督カッコイイ! そうそう! 渡辺大知くんはこの役で日本アカデミー賞新人賞を受賞したとのこと。おめでとう。大知くんはかわいかった。

4人目は松本清張! 生誕100年ですもんね! MJは大の松本清張ファン。個人的にもそこそこ読んだ。MJによると女性の嫌な部分が見事に描かれているのだそう。たしかに分かる。でも、男性の嫌な部分やダメなところも描いていると思う(笑) ここでは福岡の”松本清張記念館”にスタッフがカエルちゃんトロフィーを届けに行き、館内を取材した映像が流れる。館内に完全に移築された清張宅がスゴイ。そして圧巻なのが吹き抜けの壁一面に貼り付けるように展示されたたくさんの著書! これスゴイ。今回この2DAYSのイベントはパルコ40周年+MJデビュー30周年ということで、同じPARCO内の6Fパルコファクトリーで開催中の「みうらじゅんの100冊」と合わせて「みうらじゅん100冊」と合わせて「みうらじゅんジャンボリー」という企画となっている。このチケの半券で「みうらじゅんの100冊」も見ることができる。って、チケ代に含まれてるんだけど(笑) MJの著書100冊を展示する企画だけど、その展示の仕方は、清張記念館の展示をパクっているそうで、そちらも楽しみ。

最後、5人目はビーグル38。もちろんご本人たち登場! 3人組のお笑いトリオだけど、能勢と加藤のおじいちゃん漫才コンビ"サバイバル"ネタはテレビで見たことあった。加藤が「うーん、うーん」言っているのを、能勢が「それはエアロスミスや」とツッコミを入れるという、見ている側はボケ自体を聞いていないのに、ツッコミを入れている感じと、エアロスミスっていうのがおかしくて笑った覚えがある。加藤が肺結核になってしまったとのことで、この日は能勢と中屋の2人で登場したけど、MJが好きなのはサバイバル・ネタみたいで、能勢はおじいちゃんのいでたちで登場。そして何とMJ自ら加藤の役でコントを披露。能勢が漫才ではなくてコントだと言っていたので、あえてコントと書きますが。MJ多分これがやりたかったんだろうなぁ(笑) でも、おもしろかった。ということで、以上5組が第12回みうらじゅん賞受賞者に決定し、賞状とカエルちゃんトロフィーをもらって帰っていった。いつもならダラッと終了だけど、この日は安住アナがきちんと締めて第1部終了。

いよいよ本題の「みうらじゅんDSショー」 舞台上にはスクリーンと3つのイスが設置される。そこに静かにMJと羽佐間道夫さん、野沢雅子さん登場。MJが中学生の頃から作家兼編集者として書いてきた膨大な量の詩を、羽佐間さんと野沢さんが交互に朗読し、MJがコメントするというもの。これは前回と同じで、そもそもこのイベントの元になったCSの番組「みうらじゅんDS」と同じ形式。DSとはMJによるとどーかしてるの略だそうなので、その名のとおりDSな詩が次々朗読される。しかし、これはスゴイ。前回は普通に笑えたけど、今回は若干心配になったというか、正直MJよく犯罪に走らなかったなと思った(笑) バレンタインデーにチョコが欲しくてたまらなかったみうら少年は、1個ももらえないのであれば自分で買いに行けばいいんだと気づき、その思いをつづった「チョコを買いましょう」なんて、まだかわいいモノだった。実はMJは誰かがふいにキスしてこないかと思いながら、好きになった女の子にすぐに渡せるようにラブレターを常備しているカバンを抱え、目を閉じて市電に座って通学していたんだとか。そんなにもMJが待っているのに、誰もキスしてこないので(当たり前ですが(笑))、何故誰も告白してこないのかと腹を立て、コンパスの尖っている方を壁に投げつけて刺したりしていたのだそう。大丈夫? 私自身は女子なので、バレンタインデーでそんなに追い詰められた経験はないんだけど、男性は少し分かったりするんだろうか・・・。今にも犯罪を起こしてしまいそうなにおいがぷんぷんしているけど、MJはこのDSとしか思えない詩を書く作業で、そういう鬱憤を吐き出していたのかも。

しかし、今回ビックリしたのは、上京した浪人時代にもポエム制作は続いていたこと。イヤ別にいい年してやめろとか、浪人中に何をやってるんだなどと、もっともらしいことを言ってるんじゃなくて、さっきから書いているようにMJがポエムを書いてしまうのは、DTゆえのモヤモヤやイライラを詩に書くことで発散しているんだと思っていたんだけど、浪人中に彼女ができたにも関わらず、MJにはいろいろ書きたい思いやテーマがあったみたいで、急に「俺は女に狂った!」という書き出しで始まる詩では、その思いのたけをボールペンで書きなぐっている。DSではあっても原稿用紙に鉛筆で書いていた頃より、文章も熱いし上手くなっている分、DS感が増しております(笑) この頃になるとタイトルとかもない。いきなり「俺はお前を愛してる」というような書き出しから始まる詩(なのかなすでに・・・(笑))では、その当時の彼女に対する思いを書きつづっていて、「お前はもっと女房のような感じになれないか」と書いているのが爆笑だった。女房のような感じになれと言われても・・・(笑) そんな自分を「1ピエロ」というのも爆笑。彼女と毎日のように会っていたので、もちろん2浪してしまうわけですが、一応フォローとして、756号(だったかな?)を打ち、世界記録を更新した日に「王さんがホームランを打った」という書き出しで、王監督のことを褒め称える詩では「俺はいったい何をしているんだ」と反省をしたりもしている。まぁ、ホームラン王と浪人を比べること自体がどうかと思うけれど(笑)

しかし・・・。こんなDSな詩を吹き出しもせず、感情を込めて朗読できる羽佐間さんと野沢さんはさすがにプロ。ご自分が読まない時には暗転した中で、時々笑っていらっしゃるので、やっぱりDSだと思っていらっしゃるんだとは思うけれど、ご自分が読んでいる時には絶対笑わない。素晴らしい! もちろん事前に読んだり、リハもされているとは思うけれど・・・。お2人とも滑舌も発声も素晴らしく、スゴイ聞き取りやすかったけど、お2人が読むより先にスクリーンの文字を読んで笑ってしまうんだよね(笑) そして、MJはこれらDS詩をこんな感じで公開してしまっていいんだろうか。まあ、MJは別にイケメン・キャラでもないし、ちょっとDSな部分が売りでもあるわけなので、そういう意味ではこちらの期待をはるかに上回るDSっぷりがうれしかったのだけど、今回同時開催中の「みうらじゅんの100冊」でも、この「ヘラクレスじゅんちゃん」「メランコリーじゅんちゃん」などのシリーズもののポエム作品も公開しているらしい。出版物の在庫処分的な部分も含め、それを自分売買 ⇒ 自分バイバイと呼ぶことにしたのだそう。なるほどこれは「みうらじゅんの100冊」も見に行かないと!

最後に「追憶のポルノ映画 恥戯のうた」に自らのイラストでアニメを作り、これを上映して終了。これはMJが友人の坂下と、池山と、西山とで(歌詞そのまま)ポルノ映画を見に行った時の、男の子どうしのおかしくも、ちょっとだけ切ない感じの歌。全体としてDSですが・・・(笑)

そして何とMJから素敵なプレゼント。「みうらじゅんの100冊」会場で販売している100冊を紹介した小冊子を、全員にプレゼント。これは100冊写真入でしかもカラー。うれしい。というわけで今回も笑った・・・。ちょっとほっぺたが笑いすぎて痛くなるくらい笑った。すばらしい。潔く自分バイバイできるMJ。素敵です!


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【cinema】『ニュームーン/トワイライト・サーガ』

2010-01-12 02:20:48 | cinema

'09.12.20 『ニュームーン/トワイライト・サーガ』@品川プリンスシネマ



yaplogで試写会が当たって2009.3.25にBちゃんと見た『トワイライト ~初恋~』の続編。今回は試写会募集もなかったし、個人的にもどうだろうかと思っていたんだけど、Bちゃんとやっぱり気になるよねってことで見に行ってきた。

 


*ネタバレしてます。ちょっと辛口かも・・・

「吸血鬼であるエドワードとの仲は順調ながら、誕生日を迎え彼の年齢を超えてしまったことで落ち込むベラ。エドワードを愛するベラは彼と釣り合う年齢のうちに、自分も吸血鬼になりたいと願うが、吸血鬼であることの辛さを知るエドワードはこれを拒む。そして、ベラに危険が及ぶことを恐れたエドワードから別れを告げられてしまう・・・」という、あらすじを書いててもビックリするくらい現実味のない話(笑) 全米では相変わらず大人気のようだけど、日本では前作はそこそこ話題になったものの、この続編はイマヒトツ盛り上がっていないような・・・。事実、公開から1ヶ月も経っていないのに、既にほとんどの映画館で上映終了。やっと見つけたのが品川プリンスシネマだった。うーん。ストーリー展開や主人公達の悩みが恋愛についてのみという点でも、もう完全に少女マンガの世界なので、日本人女性にウケる要素満載だと思うんだけど・・・。



うーん。やっぱり日本人にとって吸血鬼と狼男っていうのは何となくピンとこない感じはするのかなぁ・・・。もちろんドラキュラなんかは小さい頃から知ってたけど、外国モノという感じであんまり身近でない感じ。まぁ、身近でも困るけど(笑) 前作の記事にも書いたけど、アメリカはわりと吸血鬼 VS 狼男っていう伝説が好きみたいで、『アンダーワールド』とか『ヴァン・ヘルシング』など映画にもよく登場するテーマだったりする。やっぱりヨーロッパからの移民が多いから、その人達が語り継いだのか、ヨーロッパ的なものへの憧れか・・・。吸血鬼=美しく貴族的な感じ、というのも憧れる理由なのかも。でも、日本人もヨーロッパ的なもの好きな人は多いと思うけど、それと吸血鬼とは別だし、まして狼男となると・・・(笑) 吸血鬼はイギリス(正確にはアイルランド)の作家ブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」によりメジャー(?)になった。小説を読んだことないし、映画も見たことないのできちんとしたストーリーは知らないけれど、そのモデルとなったのはワラキア公国の串刺し公ことブラド・ツェペシュ。彼が串刺し公と呼ばれる背景には、国を守るという側面があるわけで、一概に狂王ということでもないようだけど、ドラキュラ伯爵誕生にはなんとなく暗く哀しいものを感じたりする。そして、処女の生き血を吸うというのは、なんとなくエロティックでもあり、十字架や聖水など宗教的なものを感じたりもする。狼男伝説については全く謎だけど(笑)



なんて、いきなりドラキュラの背景だの、宗教だのと書いたけれど、この映画自体はそんな小難しいことは一切ない。要するに恋愛映画であって、完全に少女マンガの世界。多分、この映画の見方としては少女マンガだと思って見るのが正解だと思う。もちろんバカにしてはいない。何度も書いているけど、少女マンガで育っているので、決して嫌いではないので。ただまぁ、この年になって、それを映画として見たいかといえば微妙ではあるんだけど(笑) で、前置きがすごく長くなったけど、結論から言えば、まぁおもしろかった。ただし、それはあくまで少女マンガであるという見方をした場合。まぁ、すでに1作目も公開されているわけだし、宣伝の仕方や、ポスターやチラシ、予告編なんかでの甘いセリフを見れば、エドワードが吸血鬼であっても、いわゆるヴァンパイア映画ではないことは分かるかと。望んでなったわけではないのだから、吸血鬼である苦悩もあるだろうけど、彼の苦悩は愛するベラとのことのみだし、敵対する吸血鬼一族や、今回からシリーズに登場したライカン(人狼族)と戦いも、今のところ全てベラがらみだし(笑) まぁ、ヴァンパイア VS ライカンについては、『アンダーワールド』にまかせるとして、少女マンガに徹しているのは、潔くていいと思う。って、多分原作がそんな感じなんだろうし、少女マンガを撮ったつもりはないと思うけれど・・・(笑)



冒頭、主人公ベラは18歳になる。18歳なら進学のこととか、将来のこととか、友人との人間関係とか、もちろん恋愛とか悩みはいろいろあると思うけど、ベラの悩みは永遠に年を取らないエドワードの年齢を超えてしまったこと。そして将来の夢はヴァンパイアになってエドワードと暮らすこと。スゴイです! そんなこと簡単に決めていいのかとツッコミたくもなるけれど、本人が望むなら別にいいか(笑) だって、これは少女マンガという意味でのファンタジーなので。本当のファンタジーは毒もあるし、実は暗くて重いものだったりするけれど、これはいわゆる一般的に使われている意味でのファンタジー作品。ただ、今回サーガと銘打ってしまったので、そう簡単に彼女を吸血鬼化することはできないようで、エドワードの家族である、カレン一家ほぼ全員がベラを吸血鬼化することに賛成なのに、エドワードのみ決断できず別れを選ぶ。うーん。少女マンガ! 彼を失ったベラは抜け殻のようになってしまい、危険なことをしようとする度、エドワードの幻覚が見えるようになり、彼恋しさにバイクで転倒してみたり、不良グループに近づいてみたり、崖から飛び降りてみたり、自分に気がある友達の元カレとホラー映画を見に行ってみたりする(笑) まぁ、大好きな人から一方的に別れを告げられれば、抜け殻みたいになっちゃう気持ちも分かるし、面影を探しちゃったりする気持ちも分かる。優しくしてくれる男子にすがっちゃう気持ちも分かりますが(笑) まぁ、これも意味があることではあるし、少女マンガとしてはOK。

そして、ここでにわかに急浮上するのが、前作でなんとなく匂わせていた幼馴染の長髪ジェイコブ。ネイティブ・アメリカンである彼にはある秘密があった。今回、彼はその内なる血に目覚めるわけで、それとほぼ時を同じくしてエドワードが去ってしまったことにより、フリーになったベラに以前からの思いを激しく、でも紳士的にぶつけてくる。でも、ベラそれはいくらなんでもヒドイよ! と、言いたくなるくらい何度もキス寸止めです。かわいそう過ぎる(涙) ただなぁ、一応イケメンということになっている、ジェイコブ役のテイラー・ロートナーのルックスが・・・ 好みは人それぞれなので、もちろん彼が好みの方もいらっしゃると思うけれど、個人的には・・・(涙) まぁ、今書いたようにかなり残念な役どころなので、役柄にはとっても合っていると思うけれど・・・。正直、エドワード役のロバート・パティンソンも個人的には・・・ なので、2人が好みのタイプだったらもう少し話しに入り込んで、少女マンガの世界に酔えたのかなぁと思ったり。って、かなり失礼だな。スミマセン(涙) あくまで個人的な感想です。



どうやらベラは人間の友達は失いつつあるけれど、吸血鬼の親友はできたようで、届かないメールを一方的に彼女に送りつけたりする。けっこうベラ、ストーカー体質かも(笑) この親友アリス役のアシュリー・グリーンが美人でかわいい。役柄もヴァンパイアと思えないほどかわいくていい人。彼女の働きでなんと舞台は一気にイタリアへ。一応、飛行機の映像が入っていたけど、チケやパスポートはどうしたのかというツッコミはなしで! 急遽イタリアに飛んだのは、ベラが死んだと思い込んだエドワードが、自暴自棄になり自らの死を望み、吸血鬼一族の裁きを受けようとしているから。これもスゴイ展開だけど、そもそもエドワードが、ベラが死んだと思い込んだのは、彼女の家に電話した際、電話に出たジェイコブが死をにおわせる発言をしたから。人の心が読めたり、寝室に勝手に忍び込んだり(前作参照)できるわりに、そこは電話なんだというツッコミはしちゃダメでしょうか(笑) ここからがCGもたっぷり駆使した見せ場であって、スピード感も迫力もあるけど、これも結局ベラのための戦いなので(笑) ここでダコタ・ファニングが登場するけど、全く気づかなかった・・・。どうした? まぁ、目真っ赤だったし(笑)



キャストの演技については・・・ まぁ、全体的に可もなく不可もなくという感じ。もちろん頑張っていたし、下手では全然ないんだけど。やっぱりこういう作品は演技の良し悪しが目立たなくなってしまう気がするので・・・。ベラ役のクリスティン・スチュワートは、前作よりちょっとアゴが長くなってないかな? 決して美人ではないけど、キレイだと思うし、人に媚びず頑固なベラに合っていると思う。抜け殻状態になってしまった時も、不良グループに近づいちゃう時も、イライラしたり、逆にクスッ(笑)となったりしなかったのは、彼女がベラの意志の強さを表現してたからだと思う。少女マンガによくある、ちょっと地味だけど、憧れの王子様から徹底的に愛される主人公という役どころを、きちんと演じていると思う。まぁ、少女マンガに出演しているつもりはないと思うけど(笑)



男子2人がなぁ・・・。イヤ演技は悪くなかったと思う。特別上手いとも思わなかったけど、「君なしでは生きていけない」みたいな甘いセリフもきちんとこなしていたし、その切なさなんかも伝わってきた。特にジェイコブ役のテイラー・ロートナーは報われない役だけに、余計に切なかったし、ルックス的にも、ネイティブ・アメリカンでライカンであるという役柄には合っていると思う。エドワード役のロバート・パティンソンも美しいヴァンパイアということで、顔も白塗り赤い口紅で頑張っていた。前作の感想にも書いたけれど、こういう役ってナルシストっぽくて、ちょっとキモイ方がいいと思うので、そういう意味ではピッタリという感じ。あくまでルックスについてなので、本当の彼がどういう人なのか不明ですが・・・。ただねぇ・・・。まぁ、もういいか(笑)



と、いろいろ書いてけなしてばかりいるようですが、決して嫌いではない。監督の真意は分からないし、原作も読んでないので、この感じが映画独自のものなのか、原作によるものなのか不明だし、いずれにしても少女マンガを作ったつもりはないと思うけど、これは少女マンガの世界。でも、日本よりはるかに愛情表現が豊かと思われるアメリカで、こういう作品が描かれてヒットするということは、やっぱり女性にとってこの世界観は憧れなのかなぁと思ったりする。まぁ正直、特別得るものもないし、感動もしなかったけれど、男子にモテモテ(吸血鬼と狼男とイケてない高校生だけど・・・)の女子高生が主人公の、少女マンガの世界にひたるのもたまにはいいかと。そういう意味では期待を裏切らない作品だと思う。



ただなぁ・・・。今回"サーガ"となっていたので予測はしていたけれど、エンドロールに次回作の公開予定を入れちゃうのはどうなんだろう・・・。次回作も見るのか私?(笑)



『ニュームーン/トワイライト・サーガ』Official site

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【music】『THEE SCENE -LAST HEAVEN 031011-』@STUDIO COAST

2010-01-11 03:06:09 | music
'09.12.15 『THEE SCENE LAST HEAVEN 031011-』@STUDIO COAST

映画館でフィルム上映されるけど、これは映画ではない。ジャンルとしてはドキュメンタリーってことになると思う。2003年10月11日に幕張メッセで行われたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの解散LIVEの映像。解散直後、CSなんかでいろいろ特番が放送されたので、多分そのどれかの映像だと思うし、間違いなく持ってる。何故、このタイミングで公開されるのかといえば、このblogにも記事書きましたが、ギターのアベフトシが亡くなってしまったから…(涙) 劇場でも公開されるけど、これはライブハウスで見る爆音上映会。まぁ、フィルムコンサートと言うべきだとは思うけど、ライブだから! そこはこだわります(笑)

いやマジよかったっす! 終わった後耳が聞こえなくなるようなライブ久しく行ってないし。なによりカッコイイ! もうホントにそれだけ。以上!



…というくらいよかった(笑) 忘れていたわけではなくて、1曲目がなんだったのかハッキリ覚えていたけど、改めて映像で見てしまえば、あぁ「ドロップ」だったんだよ! と思って泣いちゃうわけです。ファンでない方には興味がないと思いますが(笑) でも、あの日幕張で、彼らのライブは大好きだから見たいけど、でも始まっちゃったら終わっちゃうし。という複雑な気持ちでずっと待ってて、そんな思いもMAXに達して「ドロップ」だったわけですから、そりゃ始まった瞬間に泣きますよ! で、そんな記憶がきれいに甦って、また泣くみたいな(笑)

ギリギリになってしまったけど、ロッカーも空いてたし、後ろの方は結構余裕があった。でもチビッコには辛い(涙) STUDIO COASTは横に広い感じで、あんまり段差もないっぽい。もちろんギリギリだから、一段高くなったとこの柵なんて取れるはずもなく… 左端の後ろ、入口とは反対側の扉辺りで見ることにする。ステージ上のスクリーンに4人の姿が映し出されている。あぁ、やっぱりカッコイイ。本人達もこれが最後だったわけだから、気持ちの入り方も違ったんだろうな…。こんな切ない表情してやってたんだと思うと感慨もひとしお。

わりと早い段階で「バードメン」をやってたんだ。カッコイイ! このライブの時、入場しようと並んでいたら、後ろのおにいさんが後は飛ぶだけだなと歌詞を引用して話してたのを思い出す。曲は全部好きだけど、この曲は特に好きな曲の1つ。軽快なリズムがカッコイイし、歌詞も好き。この辺りは昔の曲が続いて、好きな曲ばかりでうれしい。盛り上がりつつ見てると大好きな「フリー・デビル・ジャム」が! これ多分1番好き。サビ手前でドラムのキュウちゃんがヴォーカルを取る。ドラムを叩きながら左上のマイクに向かって歌う首のラインがセクシーなんて思っていると、チバのヴォーカルがかぶってくるのがカッコイイ! ホントに大好きなのでつい入り込んでボーッと見てたら、ハイネケンをこぼしてしまった。急いで近くのトイレへ行き、トイレットペーパーを貰ってきて慌てて拭く。baruも一緒に拭いてくれて申し訳ない…。というわけで大好きな「フリー・デビル・ジャム」をほとんど聴けなかった(涙)

「よ、よく来たね。ホントによく来た。」という、いつもだったらプッとなってしまうチバのカミカミMCも、この日ばかりはそうだった! そんなこと言ってたよ(涙)となるのだった。初期~中期の曲が大好きで、アルバムで言うと「GEAR BLUES」が1番好き。だから、彼らの曲が少しずつ変化してきて、最後のアルバム「SABRINA HEAVEN」とかは、あんまり好きじゃないかもとか思っていた。でも、二度と4人揃って演奏するところを見ることはできないんだと思えば、やっぱり感動してしまう。最後のシングル「エレクトリック・サーカス」は悲しすぎて好きじゃなかったけど、淡々と歌うチバの後ろで、切なくドラムを叩くキュウちゃんの姿が映ったりすると、2人のこの感じはTHE BIRTHDAYでも同じ配置だけど、やっぱりこの曲やメンバーで見たいんだよと思って泣いてしまうのだった。そして、そんな時にこの切ない歌詞と曲がピッタリ合ってて辛い。4人も切ない表情。やっぱり特にアベくんの切ない表情が辛い。

しかし、ホントにラストだったこともあり、このセットリストはスゴイ! 前出の「バードメン」、「フリー・デビル・ジャム」はもちろん、ライブではめったにやらなくなってた「I was walkin' & sleepin'」も聴けたし、「ブラック・タンバリン」もうれしかった。「ストロベリー・ガーデン」も大好き。そして「深く潜れ」! もうカッコイイ! カッコ良すぎてこれは泣けた。あぁ、もう一度生で聴きたい(涙) 「ベイビー・スターダスト」、「スモーキン・ビリー」ときて「リリィ」が始まった時には、ああこれで本編終了だと思って切なくなる。「リリィ」は大好き。"雨ならシャボンに包まれたいねリリィ"ってチバにしか書けないよねぇ。いろんな意味で(笑) 「バードメン」の"背びれしびれたいなら"とかも、そうだと思うし。

なんて感慨深くなっているとアンコールで再登場。「GT400」「リボルバー・ジャンキーズ」はアンコール定番。これも定番の「ジェニー」は大好きなんだけど、いつもこれか「ダニー・ゴー」で終わることが多いので、当時から切ない曲でもあった。疾走する演奏に乗って曲が最高潮に盛り上がって"バイバイ ジェニー、バイバイ ダニー"、"バイバイ ケリー、バイバイ ビリー"と言われる。ジェニー呼ばわりされたのは覚えてたけど、ケリー呼ばわりもされていたのか。ウレシイ(笑) 最高に盛り上がって、一度退場。再度登場して彼らのデビュー曲「世界の終わり」で終了。…(涙) もうホントにこの演奏はスゴイ。まさに魂の叫び。ギターやベースを掻き鳴らし、ドラムを叩き、そして熱唱。歌が終わっても誰も演奏を止めない。感動。チバが途中でギターを置いて去っても3人は止めない…(涙) でも、終わるんだよね。だって終わったんだし(涙)

というわけで、やっぱりこれライブハウスで見て良かった! ライブに行ってもいつもはそんなに一体感を求めてないと思ってた。でも、今回はみんなで見て良かったなと思った。淋しくなかったよ(涙) これbaruの誕生日プレゼントにしたけどこんな切ないプレゼントで良かったのかな…。

はぁ…。やっぱりミッシェル最高です。ホントに叶わない夢だけどミッシェルのライブが見たい(号泣)


『THEE SCENE -LAST HEAVEN 031011-』(SMASH)

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【MJ】「みうらじゅん BEST OF SLIDE」

2010-01-11 02:57:55 | MJ
'09.12.12 「みうらじゅんBEST OF SLIDE」@茅ヶ崎市民文化会館

記事が前後してしまったけれど、鎌倉散歩の後、この日の本来の目的である「みうらじゅんBEST OF SLIDE」を見るため茅ヶ崎市民文化会館へ向かう。茅ヶ崎って名前はよく聞くけど行くのは初めて。サザンは全く聴かないけど、茅ヶ崎といえば"砂まじりの~"というイメージ。着いてみたら意外に都会でビックリ(笑) 茅ヶ崎市民文化会館は茅ヶ崎駅北口を出て徒歩10~15分くらい。駅前のロータリーをひたすら真っ直ぐ行く感じだけど、途中地下道を通ったりしておもしろい。会場も思っていたより大きくてキレイ。チケの座席番号は122列というビックリ番号。どんだけ後ろだよと思ったけど、普通に考えてそんなに列数のある会場なわけがない(笑) 1階22列ということだった。

オープニング・アクトはMJイベントといえば、ウクレレさんことウクレレえいじ。「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」でもおなじみのマニアックネタを披露。『ゴジラ』より志村喬、『七人の侍』より志村喬。似てるのか分からないけど笑える。マニアックでごめんね、ビミョーでごめんねとウクレレを奏でながら謝られますが、ホントにマニアック(笑) でも、それがウクレレさんなので。今回ウクレレさんはテーマソングを考えてきたとことで、3曲の中からどれがいいか選んで欲しいとのこと。サザン・バージョンとハードロック・バージョン、そしてナウシカ・バージョン。"レ、レ、レー、レ、レ、レ、レー"の「SMOKE ON THE WATER」(DEEP PURPLE)バージョンも良かったのだけど、やっぱり"レ、レレレ、レレ、レー ウクレレえいじ~"のナウシカ・バージョンにはかなわず。今回のテーマソングはこれに決定。さらにウクレレさんは最前列、真ん中の席で目をこすっていた彼をジョニーさんと命名。ウクレレさんはスタンディング・オベーションを受けてみたいそうで、まずウクレレさんが一度はけて再登場、テーマソングを歌う。"~ウクレレえいじ"と終わったところで、会場から「えいじ!」の掛け声、そしてジョニーさんが立ち上がり振り返って「ウクレレえいじ最高! だよね?」と拳を突き上げ叫んだら、全員でスタンディング・オベーションすることに。これはジョニーさんの頑張りもあって適度にグダグダしつつも成功したのだった。実際はマイクのコードが足りず、ウクレレさんは完全に退場できず、舞台上からのスタートだったのだけど(笑) 最後に売れる前の猫ひろしと、ウクレレさんが所属するワハハ本舗の先輩(名前を失念)の3人で行った、サウナの仮眠室で眠っている人の前でネタ披露という悪夢の営業2ステージを歌い上げて終了。おもしろかった!

さて本題のMJですが・・・。すでにほぼ1ヶ月経ってしまったため、記憶が・・・。しかし、ウクレレさんは覚えているのになぜ? 登場の仕方も、退場も全く記憶になくてビックリ! 何しに行ったのか(笑) たぶん、いつもどおりフワーっと出てきたんじゃないかな。普段、映画の感想とか記事とか書く時は、必要な情報を取りに公式サイトは見るけど、人のblogは書き終わるまで見ないことにしている。影響されて自分の意見じゃなくなっちゃう気がするから。メモを取ったりはするけれど、記憶力にはけっこう自信があったのに・・・(涙) あまりに記憶がないので、他の人のblogを2~3読んでしまった。それによるとMJはしれっと登場し、片山さつきに間違えられたことと、勝手に観光協会での視察旅行中に、中学生からTHE BEATLESに間違えられたエピソードを語ったそう。確かに語っていた! そして、どうして記憶になかったのか分かった! 片山&ビートルズネタは、もう何度もイベントなどで聴いているからだ(笑) それもう聞いたしって心の中でツッコミ入れてたし。どうやら記憶から抹殺していたらしい。と、書くとMJが手抜きしているみたいだけど、そういうわけではなくMJはいつものスタンス。ただし、今回はツッコミ担当のSIこといとうせいこうもしくは、一緒にトボケてくれるAHこと安斎肇氏がいないので、1人でも盛り上がれるネタを披露したということでしょう。まぁ、MJは別にお笑い芸人ではないので、笑えるネタを用意する必要もないとは思うのだけど(笑)

というわけで、BEST OF SLIDEと言うからには、当然といえば当然だけど、メインのスライドもほとんど見覚えのあるものばかり、でも笑ってしまう。最初のネタはバッチリ覚えている。足寄の松山千春邸。松山邸にはかなり大きな千春の顔が描かれたパネルが2枚、倉庫のような建物の屋根の上に掲げられている。しかも、サラサラヘアーでほっそりした若い頃の姿と、スキンヘッドで貫禄のある現在(ちょい前)の姿がピッタリ並んでいる。まさに「千春ビフォー・アフター」←は、MJが言ったのか自分の感想なのか分からなくなったけど、スライドに対するMJの語り口はひょうひょうとしつつも、時に毒ありでさすがおもしろい。何のネタのスライドの時だったか、整形しているという意味で「確実に市橋的なことをしている」という時事ネタも。ちなみに市橋的なことをしたのは人ではなかったように思うけども・・・。

これもSIとのコンビRockn’ Roll Slidersの「スライドショー」でも、AHとのコンビ勝手に観光協会のライブ時にも、そして「勝手にじゃらん」でも紹介されているスライド。今年の大河ドラマ「龍馬伝」の主役である坂本龍馬のロウ人形。高知県にある坂本龍馬記念館には、龍馬の一生をロウ人形で再現するコーナーがあるけど、資料が少なく、あの懐手でまぶしそうに斜め右を見上げている写真の顔で全て作られている。もちろん幼少時代も(笑) 「龍馬伝」でも登場した姉乙女が、龍馬に紐をつけて泳ぎを教えるシーンもあの顔で再現。乙女さんの資料ももちろんないので、姉も同じ顔! 中村獅童の女装にしか見えない(笑) こういう真面目にやっているのに、どこか間の抜けた仕上がりになってしまっているのって面白い。MJはそういうの拾うのホントに上手い。でも、決してバカにしているんじゃない。イヤ厳密にはしてるんだけど・・・(笑) そのバランスもいい。この坂本龍馬記念館はかなり気になる。

スライドショーでSIが大爆笑した「熊半額」もBEST OF SLIDEということで入っている。ハッ! 今書いてて思い出したけど、MJは久々のスライドだったので、何枚用意すればいいのか分からなくなってしまい、とりあえず持ってきたスライドが1000枚以上あったとのこと(笑) いくらなんでもそれは・・・(笑) 2007.9.25渋公改めC.C.LEMONホールで行われた「ザ・スライドショー10」で見た、看板で"みうらじゅん"が完成したスライドに再会。たしか石油ストーブとかを売っているお店(家電屋さんってこと?)が"みうら"で、美容院が"じゅん"。その間にミドルネームがあったよねって、ずっとbaruと悩んでたんだけど全く思い出せず。再会したので2年越しの悩みが解決。"サンポット"です! サンポットが何なのかは依然として不明。たしか東北の静かな町が舞台。ひらがな横書きで"みうら"、カタカナ縦書きで"サンポット"、そしてひらがな横書きで"じゅん"だったと思う。MJの本名はみうら・サンポット・じゅんであることになったような・・・。とりあえずスッキリ。

あとは・・・。埼玉県で催されているいろんなテーマで作られたかかしのお祭り? かかしのことをKKCと呼ぶことにしたきっかけとなったのがこのお祭り。数年前に話題になった中国のあの遊園地のことが言えるのか! とツッコミを入れたくなる光景が広がっていたそうで、だいたい合ってるけど全体的に違っていて、結果ものすごく怖い感じになってしまっている世界一有名なネズミや、もはや顔の輪郭すら定かでない下品な幼稚園児など、これはやっぱり何度見ても驚愕です。なんていうんだろう・・・。上手くいえないけど、コレはやっぱり趣旨としては真面目にやってらっしゃるんだと思うけど、その何というかいい意味で完成度の低い感じが素晴らしい。そのゆるさがサブカルなんだと思うし、これがメインカルチャーになることはまずないでしょう(笑) だって、やっぱりMJフィルターを通して、こういう形で見ているからこそ笑えるわけなので。

その他、MJが街中で見つけている「街角の神様」もあったし・・・。「街神様」っていうのはアレです。自販機の横に置かれている空き缶入れ。空き缶とペットボトルと分別できるタイプのアレ。アレがMJには神様に見えてしまったわけです。こう書くと何を言っているのかと思われるでしょうが、確かに見える。ちょっと宇宙的な神様。何か青いヘルメット的なものをすっぽり被って、目だけ出していらっしゃる感じ。目を半眼にしていらっしゃる。若干ロボット的でもある。と、なんだかおかしな方向に行きましたが(笑) このスライドは「ザ・スライドショー10」で披露された。ちょっと記憶があいまいになって、これが今回紹介されたか覚えていないんだけど、MJが神様を見つけたきっかけはこの写真。「ザ・スライドショー10」の記事にも書いたけれど、人間は生きていく上でコミュニケーションを取ることが重要なので、他の動物よりも顔認識能力が優れているんだとか。∵←こんな形を”顔”と思うのもそのため。と、考えるとアレを顔と思うのは不思議なことではないんだけど、それを神様と思うのがMJならでわ。

地方のお土産屋さんの手書き看板にあった人気キャラ・ベスト5に入っていた意外なキャラが何だったのか思い出せない。天狗だったかな? っていうか、もう今となっては全てが曖昧・・・(涙) そして、最後のスライドもなんだったのか・・・ そういえば、この日のスライドはシャッフル再生していたので、MJもどんな順番で出てくるか分からないって言っていた気がする。でも、例えばKKCとか、2009年にMJの中だけで流行っていたゴムヘビなど、同じテーマのスライドはある程度まとまって出ていたので、その辺は操作する人のさじ加減なのかも。とにかく最後のスライドが何を写したものだったのか全く覚えてないけど、MJも「コレで終り?」みたいな感じで終了したように思う。

というわけで、なんだか記憶が曖昧で、楽しくなかったみたいな記事になってしまっているけれど、決してそんなことはなく、SIと一緒の時みたいな盛り上がりや、キレというかメリハリはないものの、ゆるーく進行し、くすくす笑い、時に爆笑したりして楽しかったことは間違いなし! ちゃんと書けなくて悔しい(涙) ということで、記事は記憶がしっかりしている内に書く、もしくはきちんとメモを取っておこうと反省


miurajun.net

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【event】『アリス・イン・ワンダーランド』の世界展

2010-01-03 04:04:21 | event
'09.12.27 映画『アリス・イン・ワンダーランド』の世界展(ブロガー特別ご招待DAY)@日本テレビ2階ホール

yaplogで当選。4月17日に公開される映画『アリス・イン・ワンダーランド』の企画展。ティム・バートン×ジョニデ コンビによる映画化ということで、これは絶対見る! その世界展なのであれば、行くしかないでしょう! ということで応募。見事当選した。

12月23日から公開しているこの企画展は、世界の主要都市で公開済みで、日本が最後の開催地。他の都市ではマスコミのみの公開で、一般公開は日本だけなのだそう。しかも、入場無料。素敵(笑) ということで、連日90~100分待ちのこのイベントに、ブロガー限定のご招待。特典としては、一般のお客さんを入れないのでゆったりと見れる、本来は完全撮影禁止だけど一部撮影OKというもの。10組20名様ご招待に対して、200人以上の応募があったのだそう! うれしいっ! ホントにいつもありがとうございます。

一般のお客さんを入れる前の見学ということで、集合時間は9:00。9:15開場で10:30終了。一般公開は11:00から。というスケジュール。8:45新橋駅構内のソニプラ前で同行のYと待ち合わせ。日テレの場所がよく分からないので、早めに待ち合わせたけど、ソニプラのすぐ脇に入口があった。しかも「アリス・イン・ワンダーランドの世界展」仕様になっている(笑) エスカレーターを上がって2Fへ向かう途中の壁も世界展仕様。2Fホールはテレビ局のホールとしてはそんなに広くないし、意外に質素(笑) 入ってきた入口向かって左手に特設の入口と受付がある。少し時間があるので、入口の感じなどを撮影する。9:00少し前、受付開始。当選メールを見せて、名前と人数を告げると注意事項の書かれた紙と、ポスターとチラシが入った"帽子屋"ジョニデの写真がプリントされたビニール袋、"PRESS"と書かれたステッカーを渡される。ステッカーは見えるところに貼るように言われる。ポスターとチラシ、2月下旬にロンドンで行われるワールド・プレミア鑑賞の旅が当たる応募券は、ブロガー限定ではなく来場者全員がもらえるらしい。

入口を入ると大きな木の根元にある扉が。ウサギ穴です。この扉を開けてワンダーランドへ。この扉と、そこを抜けた先の螺旋状に落ちていくような空間は、ご好意により撮影させていただいたけれど、本来は撮影禁止とのことで、当blogでも写真UPは不可とのこと。左手の入口を入って振り返ると、巨大化したアリスの顔が! ここは「扉の広間」。右手の食器棚の中には、小さくなったアリス、通常のアリス、巨大化したアリスの3段階の大きさに合わせた、"不思議の国の鍵"、"ドリンク・ミー・ボトル"、"イート・ミー・ケーキ"がある。リアルでありながら毒々しい作りモノ感。いきなりのバートンの世界観にニヤリ。ここにはさらに、鍵が置いてあったテーブルが、巨大化したバージョンとともに置いてある。そして左手奥には巨大化した際の小さくなった扉がある。映画の主人公アリスはルイス・キャロルの描いた「不思議の国のアリス」から数年後、19歳のアリスが求婚者から逃れる際、再び不思議の国へ迷い込んでしまうという設定。アリス役を演じるのはオーストリア出身のミア・ワシコウスカ。彼女が着用した淡いブルーのドレスが展示されている。小さなパフスリーブがかわいらしい。裾には花などの模様が刺繍されている。たくさんのボタンで留める胸当てのあるドレスが素敵。チラシなどによると、ブーツが少し見えるような丈みたいなので、実際着用するともう少し背が高いのかなと思うけど、ドレスから想像する姿は華奢であまり大きくない。

次の間が「帽子屋のお茶会」 今回、唯一撮影OKだったのがここ。その名の通り、ジョニデ演じる帽子屋のお茶会を再現したお部屋。一応「不思議の国のアリス」は読んだことあったし、ディズニーのアニメ映画も見たことあるけど・・・。このお茶会ってどんなだったかな(笑) 全体的に物語自体もぼんやりしてしまっているんだけど・・・ 会場はそんなに広くない。会場自体も斜めというか台形のような変形。その中央に斜めにお茶会のセッティングがされたテーブルが、ドーンと配置されている。入口入って右手に主人席がある。形の違うテーブルを並べてテーブルクロスが掛けてある。その上に再現されたケーキやスコーンなどがリアル。スコーンがおいしそう! マジパンのケーキもかわいくてリアルだけど、食べたいかというと何となく微妙な気がするのがバートンぽくてニヤリ。この絶妙に悪趣味な感じが大好き。とはいえ、このお茶セットは悪趣味ではないし、どうやらイメージで再現されたものらしいけれど。主人席の後ろの帽子屋ジョニデが微笑んでいる写真が飾られているけど、これはもう素晴らしく悪趣味。白塗りで目の周りはショッキングピンク! 口紅もピンク! 眉毛と髪の毛がにんじんみたいな赤毛。しかも眉毛長っ(笑) トウィードルダムとトウィードルディーの双子のパネルもキモッ!

花園のバラが最高に好き! ピンクと黄色のバラの中央が顔になっているんだけど、泣きべそ顔がリアルでいい! しかも、絶妙にキモイ。この花園の近くには白い燕尾服姿のおねえさんがいる。ここのガイドの方。このおねえさんの説明によると、各部屋にはそれぞれをイメージした香りを漂わせているだとか。ここは甘い香りがしたけれど、そんなにいい香りでもなかったような・・・。壁には「キノコの森」や「芋虫の家」が描かれている。ちなみに芋虫の声を担当しているのはアラン・リックマン。出口付近、主人席を挟むように右手に帽子屋の赤毛のカツラ。左手に帽子屋の帽子が展示されている。帽子いいです。茶っぽいというか、緑っぽいというか微妙な色合いの山高帽だけど、聴診器の先みたいに先が広がっている形や、かんざしみたいなものが刺さっているのも、ホントにおかしい。でも、薄いピンクのサテン地の帯が効いてて、ぜんぜん変じゃない。このセンスはスゴイ! 何と言ってもこの部屋の目玉は、ジョニデ着用の衣裳。これイイ! 茶のベロアっぽい素材のロングジャケットがかっこいい。これ、まるでルノアールの絵みたいにいろんな色が混ざっている。袖の部分の飾りも素敵。左肩の辺りから右のポケットの辺りまで赤や青の鎖や、くるぶし丈のスリムなパンツもカッコイイ。黄金色の靴もぜんぜんハデじゃないのは、微妙に先のとがった靴の形がかっこいいから。そして、一番いいのが襟元の大きなリボン。赤や黄色の大きめの柄にも関わらず、ハデになり過ぎないのは、地の黒が引き締めているから。こんなにいろんな色を使っていても、ハデ過ぎないのはスゴイ! アカデミー賞受賞経験のあるコリーン・アトウッドはバートンだけでなく、ルイス・キャロルの世界観もきちんと表現している気がする。といっても、あんまり覚えてないのだけど(笑) 「不思議の国のアリス」の挿絵と言えば、ジョン・テニエルが一番有名だけど、たしかアーサー・ラッカムも描いたような気がする。最初の「扉の広間」にラッカムの絵があったような・・・。まぁ、余談ですが(笑) とにかく、この衣裳がハデ過ぎないのは配色の良さと、ジョニデのスタイルの良さだと思う。こんな衣裳着こなせるのはジョニデしかいないでしょう! まぁ、顔白塗りで赤毛のビックリヘアですが(笑)

次の部屋は「赤の女王の宮廷」 不思議の国の悪役、ハートの女王。彼女が座る玉座の背もたれはハート型になっている。これ、意外にかわいい(笑) 背景の窓に掛けられたカーテンも、床に敷かれた絨毯も真っ赤。だけど、落ち着いた黒っぽい赤なので意外に素敵(笑) 悪役の彼女の宮廷を悪趣味にしないところがいいかも。女王の宮廷のスケールモデルも展示されている。かなり広いらしい。赤の女王を演じるのはバートンといえばもちろん、ヘレナ・ボナム=カーター。彼女着用のドレスも展示されている。思っていたより小柄かも。黒の地に金色の胸当て、黒いパフスリーブの先の腕の部分や、腰の辺りから左右に配された金色も、それぞれ腕には黒と赤のレース、腰の部分には赤と黒で織り込まれた模様などで、金色のハデさが抑えられている。スカートの前部分の赤地に描かれた黒の縁取りのある金色のハートもぜんぜんハデじゃない。それは多分襟のシャツカラーみたいになっている部分の白が効いているんだと思う。どうやら白塗り、細眉、目の上の青いビックリアイシャドー、しかもサザエさんみたいなおちょぼ口紅のヘレナの顔をCGで巨大化させるらしい。楽しみ(笑) この女王の部屋はお化粧くさいというか、きつい香水みたいな匂いだった。

この「赤の女王の宮廷」のセットから続いて、同じ空間に「白の女王の宮廷」の展示がある。白の女王は赤の女王に立ち向かう良い女王。ここでは白い柱のスケールモデルが展示されている。白の女王を演じるのはアン・ハサウェイ。彼女のかわいらしいイメージそのまま、衣裳ももちろん白。少し青みがかって見えるのも白さを引き立たせるためかな。胸当て部分のレース使いや銀糸での刺繍もそんなに華美ではなく、ほぼ銀糸での刺繍のみ。これは素敵。そして、この向かい側にはアリスの甲冑が。よく分からないのだけど、どうやらこの度アリスは甲冑に身を包み戦うらしい(笑) この甲冑もアリス着用だけに、どこか女性らしい丸いフォルムで素敵。どうやら彼女が戦う相手はジャバーウォッキーというのだそうで、彼(?)を殺すことのできる唯一の剣"荘厳なヴォーパルソード"も展示されていたみたいで、そういえば確かに立派な剣があった気がするけど、ちょっとよく覚えていない・・・ すみません(涙) ちなみに、ジャバーウォッキーの声を担当するのはサー・クリストファー・リー! やっぱりリー様出演されてましたね。うれしい。チラシに名前がないのはシークレットってことではないと思うんだけど・・・。シークレットじゃないとしたら、バートン・ファンは、マイケル・シーンよりむしろリー様の名前を載せた方がニヤリな気がするんだけど・・・。私だけでしょうか(笑)

というわけで、展示はこれで終了。会場を出たところにチラシにもある"トウィードルディー&トウィードルダム"、"赤の女王"、"白の女王"、"帽子屋"、そして"アリス"の巨大ポスターと、お茶会シーンのポスターを展示したスペースがある。このコーナーでは予告編が上映されているのでお見逃しなく。

無料とはいえ、ファンじゃないと規模が小さいので、わざわざこのために来るとちょっとガッカリかもしれないけれど、バートン・ファンなら、その世界観にニヤリとなること間違いなしです。バートン&ジョニデ ファンなら是非!


★「アリス・イン・ワンダーランドの世界展」:日本テレビ2階ホール
★2009.12.23~2010.1.11 11:00~19:00


「アリス・イン・ワンダーランドの世界展」(日テレ)
『アリス・イン・ワンダーランド』Official site

★より詳しいレポはこちら:ヤプシネマージュ(yaplog)
映画『アリス・イン・ワンダーランド』の世界展その1
映画『アリス・イン・ワンダーランド』の世界展その2
映画『アリス・イン・ワンダーランド』の世界展その3

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