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【art】「鳥獣戯画がやってきた!」鑑賞@サントリー美術館

2007-11-27 00:03:03 | art

'07.11.25 「鳥獣戯画がやってきた!」鑑賞@サントリー美術館

 



これは見たかった! 急に六本木に行くことになったので、少し早めに出て見て行くことに。日曜日の4時ごろなら空いてるかと思ったら甘かった。間近で見たい人は入口から列ができていて、一本目の展示に辿り着くまでに20分待ちという状態。



鳥獣戯画というのは、京都・栂尾の高山寺所蔵の甲・乙・丙・丁の4巻からなる国宝の絵巻物。兎や蛙などの動物を擬人化し、人間と同じ遊びに興じる姿を描いたもの。特別美術に興味のある人でなくても、一度は目にしたことがあるんじゃないかと思う。以前からその悦に入った動物たちが好きで、一度実物を見てみたいと思っていた。



実は甲・乙・丙・丁の4巻ものというのは知らなかった。一番有名な兎と蛙が描かれているのは甲巻。これが一番素晴らしい。すべて紙に墨一色で描かれている。一見簡単に描かれているように見える線には全く迷いがなく、ぶれもにじみもない。筆で一気に描くのは大変なことだと思う。擬人化しているからには人間を皮肉っているのだろうけど、滑稽でありながらかわいらしい。兎や蛙など動物達の生き生きとした動きが素晴らしい。これ、本当に大好き!



乙巻は馬や牛などが描かれ、かなり写実的。鷲などはかなり細かく描かれている。丙巻になると人間が登場してくる。丁巻に至っては人間しか出てこない。そしてこれはかなりタッチが違う。鳥獣戯画は鳥羽僧正の作とされてきた。近年この説には異論が出ているようだ。確かに甲乙丙丁どれも違う人が描いたように見える。間違いなく丁巻は違う気がする。でも甲巻の次に好きだったのは実は丁巻。一筆書きみたいなタッチがいいし、人々の表情もいい。



そもそも4巻しかないし、私の行った会期前半では、その中でも前半部分しか展示されていない。メインの甲巻でも5~6mくらいという感じなので、実は展覧会の早い段階で鳥獣戯画は終わってしまう。その後は模本として有名な長尾模本など、多くの模本が展示されている。中にはあの狩野探幽の写しもある。さすがの筆力。さらりと描いているようで、どの線にもまったく無駄がない。長尾模本はすごく興味深かった。特に甲巻には現在失われている部分があったことが分かったりと、資料としての価値もさることながら、美術品として楽しい。



3Fに戻って後半は鳥獣戯画の生まれた背景を探るということで、同時代に描かれた擬人画などを展示。作者とされいる鳥羽僧正の作品もあったけれど、専門家ではないので同一人の手によるものかは分からない。後半部も美術品としては素晴らしく、それなりに楽しかったけど「鳥獣戯画展」として、これで終わるのはなんとなく視点がぶれる気も・・・。まぁ、絶対数が少ない中のやりくりは大変なのかもしれないけれど、ならば鳥獣戯画全部を一挙に会期中じっくりと見せてくれればいいのになんて思ったりもする。



でも、とにかく本当に見たかった鳥獣戯画の一部でも見れたのはうれしい! 後半部分も是非見たい! と思うツボだったり(笑)



★鳥獣戯画がやってきた!:12月16日まで


サントリー美術館

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【art】「ティファニー 1837-2007」鑑賞@東京都庭園美術館

2007-11-24 00:27:12 | art
'07.11.23 「ティファニー 1837-2007」鑑賞@東京都庭園美術館

大好きな庭園美術館でTIFFANY展とあれば行かないと! ということで行ってきた。混んでる! 普段はチケット売場に列ができるなんてあまりない事なのに、列ができている。

いつもどおり、エントランスのラリックのガラスのレリーフにうっとり。右の方にひび割れ? 入口を通って大広間へ。混んでる! TIFFANY展なのでアクセサリーなどが中心。なのでどうしても展示品が小さい。間近で見ないと見えないので、余計に混んでしまう。大広間一番奥に目玉の一つ「バード・オン・ア・ロック」がある。これは1995年製作と比較的新しい作品。でも128.54カラットあるというイエローダイヤがすごい。その上に小鳥がかわいらしく乗っている。これすごくかわいい。

大広間から大客室へ。入って直ぐにリンカーンが夫人に贈ったというパールのネックレス、ブローチ、ブレスレット、イヤリングがある。細かいパールが楕円形と小さな円に配置されたものを、連ねたネックレスが素敵。豪華だけど真珠特有の慎ましさを感じる。「スイート」と名づけられた同じくパールのネックレスは更に豪華。でも、素朴なリンカーン夫人にはこちらの方が合っているかも。TIFFANYといえばアール・ヌーボーそしてアール・デコ、アール・ヌーボー、アール・デコは日本の影響を強く受けている。ここでも日本モチーフの作品が見られる。着物を着た人を描いた作品もある。印籠のような形のカードケースには鳥や草木が日本画タッチで描かれている。このアール・デコの館で、アール・デコ作品を見られる幸せにウットリ。

大食堂へ移動。女性達の胸元や髪を飾った宝飾品が並ぶ。草花をモチーフにしたダイヤモンドの装飾品はため息が出るほど美しい。よく知らなかったのだけど、ボディスという女性の服の襟元を飾るためのブローチがあるらしい。いわゆるブローチとどう違うのかいまひとつ分からないけど・・・。これはなかなかかわいくて、髪飾り、イヤリング、バングルなどとセットになっていることが多く、当時の女性のゴージャスな姿が想像できて楽しい。

2Fに上がる。混んでいるので順路を外れて見ることに。本当にこんなに混んでいるのは初めて。さすがTIFFANYという感じ。時代を追って進んできた展示も、夫人の寝室まで来ると現代のものに。現代のものは素材やデザインが斬新ではあるけれど、抽象的であまり好きになれない。順路にもどって1900年頃に遡ると、やはり豪華な中にも品があって素敵。

でもフツーのOLにとってTIFFANYのジュエリーはあくまで観賞用という感じなので、見ている分にはこういう豪華なものがいいけど、宝飾店としてはあくまで商品。売れなければ意味はないわけで、現代の顧客のニーズに合わせるとこういうデザインになるのかもしれない。なんて思ったりもした。

美術館自体狭い(個人宅としては広いけど・・・)ので点数としては少ないけど、美術館と展示物がこんなにリンクするのもめずらしいことなんじゃないかと思う。もう少し邸宅自体と作品が溶け込む感じで展示してもらえると嬉しかったけど、この混雑ぶりでは邸自体も美術品なので、そちらの保護に気を配るのは仕方がないか・・・。とにかく作品は素晴らしいので必見!

追記:喫茶コーナーのコーヒーと和風デザートが絶品。写真はコーヒーと白玉。黒蜜が甘すぎず濃厚で美味しかった。



★ティファニー 1837-2007:12月16日まで

東京都庭園美術館

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【cinema】『ある愛の風景』(試写会)

2007-11-21 23:14:37 | cinema
'07.11.19 『ある愛の風景』(試写会)TOKYO FM HALL

『アフター・ウェディング』のスサンネ・ビア監督作品。『アフター・ウェディング』は見たいと思っているので、こっちも気になってた。

「軍人の夫ミカエルと娘2人と幸せに暮らしていたサラ。ある日派遣先のアフガニスタンで夫が戦死したと知らせを受ける。深い悲しみと喪失感の中、刑務所帰りの義弟ヤニックと心を通わせる。そんな時、夫が帰還して…」という話で、チラシや雑誌などで紹介されているのは、だいたいこんな感じのあらすじ。このあらすじで3人が配されたチラシを見ると、三角関係の話なのかと思ってしまうけど、全然違った。かなり社会派。

なんというか感想が書きにくい。正直に言うと前半はウトウトしてしまった。この日インフルエンザの予防接種を受けたこともあるかもしれないけど…。夫は優秀な軍人で、弟のヤニックは銀行強盗をして服役し、冒頭出所してくる。夫と義弟の関係、夫の両親との義弟との関係。そして自分との関係…。そのすべてがギクシャクしていてかみ合わない。その感じを手持ちカメラ(たぶん…)で写し出す。そのカメラが落ち着かなくて、一つのシーンでも主人公達の横から撮ったり、やや上から撮ったりで正直疲れた。多分、不安定な家族の感じを表現しているのだと思うけど、結構辛くて集中出来なかった。

いろんな事が多弁ではなく、人につっかかってばかりいるヤニックの言葉ですら本心ではない。だからいろんなことを自分なりに解釈しないといけない。主題自体は「愛」で、それはホントにいろんな愛。そういうのは自分で感じた方がいいとは思うし、そういう意味ではとってもよくできてると思う。でも、見ているのが辛い。それは、辛い場面が多いからとか、そういう事でもない。こうなるともう好みの問題なのかもしれない…。

サラは平凡な主婦だけど、すごく素敵な人。演じている女優さんが素敵なので、余計そう感じるのかもしれない。母親としての強さと、女としてのもろさや、かわいさが同居していてすごく共感できる。彼女が夫の死を受け入れようと必死に闘っていた時に、支えてくれたヤニックを頼りにしても責められない。

ヤニックは出来のいい兄にコンプレックスを持っている。厳格な父親から愛されていないと思っていて、無軌道な生き方をして、とうとう刑務所へ。彼は自分の居場所がないと思っていたのだと思う。自分は厄介者で必要とされていないと思っていた。兄の死に苦しみ酔い潰れた彼を迎えに来たサラが、彼の前で涙を流した時、彼は自分を認めてもらえたと思ったのかもしれない。一番弱い姿をさらけ出してくれたから。そしてヤニックは居場所を見つける。サラとヤニックの間にあるのは恋愛ではない。恋愛しそうになるけど、そうはならない。

ミカエルは逆に自分の居場所を切り開き、守ってきた人だ。努力もしてきたので自信もある。彼は自分の行動が常に正しいと信じてきた。冒頭のシーン、ミカエルの行動にヤニックが激怒する。見ていた時はヤニックのキレやすさが気になったけど、後から考えればミカエルの自分本位な正義感がヤニックを追い詰めていたとも言える。もちろんヤニックが劣等感を抱いているのは、ミカエルのせいではないし、ミカエルが嫌な人物なわけでもない。でも、何となく出来過ぎの彼を嘘くさく感じたりもした。そんな彼が捕虜となり辛い体験をし、極限状態である選択を迫られた時、自分の信じていたものが全て崩壊した。

ミカエルのような体験をした人はたくさんいただろうし、今現在経験している人もいると思う。戦地で捕虜になるという極限状態じゃなくても、辛い選択を迫られることはフツーのOLにだってある。辛さの度合いや悲惨さは比べものにならないけど…。映画は彼が心に負った傷を癒す光明が見えたところまでで終わる。救いが見えた明るい終わりと見る人もいると思う。私はそこまで楽観は出来なかった。

彼の傷はいずれ癒えるかもしれない。でも、傷跡は残るだろう。彼のとった行動を責めることはできないけれど、受け入れることができるか自信がない。でも、自分が彼と同じ状況になったら…。難しい。でも、サラなら受け入れるかもしれない。それが愛。かなり究極な形ではあるけど。

見終わった後、いろいろ考えさせられる映画というのは、それなりの主張や問題提起があるわけで、そういう意味ではよく出来ていると思う。人間関係の微妙さや難しさを描き、多弁ではないけどきちんと伝わる。罪と罰についてもすごいところを突くよなぁと感心。でも、人の心が折れるのを見るのは辛い。ミカエルの体験は辛すぎて涙もでなかった。微かな光りは見えたとしても、折れっぱなしでは…。いい映画だけど、オススメするのは難しい。敢えて追体験出来る感じでもないので、自分がかなり元気じゃないと辛いかも。


『ある愛の風景』Official site

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【cinema】『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』(試写会)

2007-11-16 00:57:12 | cinema
'07.11.13 『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』@サイエンス・ホール(試写会)

「1956年ハンガリー。オリンピックを目指す水球選手のカルチは、ある日大学の集会で自由を叫ぶ女子学生ヴィキと出会う。彼女と恋に落ちたカルチは自由化への戦いに身を投じていくが・・・」という話。これまたズッシリ重い。

当時のハンガリーは旧ソ連(現ロシア)の事実上、統治下にあった。映画はカルチ達水球チームのソ連チームとの試合から始まる。この試合がまるで茶番で、当時の両国の関係や、ソ連の世界における位置をあらわしている。超大国ソ連は何をしてもおかまいなしというわけだ。カルチ達はそういう現状にイラ立ちや怒りを感じている。でも、やはりオリンピック候補選手として優遇されている部分もあり甘い感じがする。カルチはソ連選手といざこざを起こし、政府の役人から呼び出しを受ける。その時、かい間見た政治犯達への拷問や、感じた恐怖。そして優遇されているがゆえの苦しい立場を思い知らされる。そんな時ヴィキと出会った。

ヴィキは警察(多分ソ連でいうKGBみたいな存在)に両親を殺された。人一倍、社会主義とソ連を憎んでいる。女性でありながら戦士のようだ。こういう話は過激な人物が登場しそのカリスマ性で皆を扇動するという形で描くと分かりやすいけど、ヴィキにはあまりカリスマ性を感じなかったかも・・・。それは主演女優のカタ・ドボーに華がないから? そもそも、過激なことばかり主張して、異論を唱える人たちを意気地がないように言うような人物はあまり好きではない。そうやって人を追い込んで、結局参加せざるを得ない状況にした挙句、死に追いやる権利があるのか? と思うから。何かを変えようと行動(例えそれが戦闘であっても)する人達の勇気は素晴らしいと思うし、何もしないで優遇された状態でぬくぬくしている水球チームのメンバーにイラ立ちはするけれど、やっぱり共感はできない。カルチの行動にしても、最初は彼女への興味からだっただろうし・・・。なのでカルチとヴィキの思考や目的などが一つになるまでは、あまり誰にも感情移入ができず、お酒が入っていたこともあり眠くなってしまった・・・。

カルチ達や市民はナジ・イムレという人物を首相にすることを望み、彼に自由化への願いを託した。彼らが議事堂前の広場に集まり、明かり落とされたため、手にしていた紙などに火を灯すシーンは美しい。ただ、こういう美しいシーンや微笑ましいシーンの直後に急に銃弾が打ち込まれたり、装甲車が街を蹂躙したりする。その転回が早くてついて行けない。悲劇的になことは分かるし、対比としているのも分かるんだけど、あまりに唐突なので呆気にとられてしまう。でも、実際その場にいたらそんな感じなのかもしれない。日々、ソ連兵や警察の恐怖に晒されていたとしても、幸せなひと時はあっただろうし、そんな時に突然襲われれば呆然とするだろう。その感じを体験できているのならすごいのかも。そんな風に呆気に取られている内、ナジ・イムレが首相になり、ソ連が引き上げた時にはあまりにあっけなく、こんなものなのか?と思ったりした。

でも、本当にこの映画が語りたかったことは、この後だった。この後、ハンガリーに起こる悲劇と、カルチも参加したメルボルン・オリンピックの水球の試合の対比がスゴイ。「メルボルンの流血戦」と呼ばれるソ連との準決勝シーンと、祖国が必死に抗う姿が重なる。試合前は亡命することばかり語っていた選手達も、祖国のために闘う。ヴィキはヴィキなりの、カルチはカルチなりの闘い方で、祖国のためにソ連と闘うのだ。気がついたら涙が止まらなくなっていた。正義感は強かったけれど少年っぽく甘さのあったカルチが一人前の男になった瞬間、ヴィキが気高く自分の信念を貫いた瞬間。それぞれが悲しく美しい。

以前、ハンガリーを旅した時、ハンガリーの人達は親日家だと聞いた。その理由は日本が日露戦争でロシアを破ったから。正直、何故そんな昔の事を?と、その時は思ったけどよく分かった。

エンドクレジットに一遍の詩が映し出される。「自由に生まれた者には分かるまい」という言葉が胸に突き刺さって涙が止まらなかった。自由とはどんなにありがたく、得がたいものなのか・・・。この自由は傍若無人に振舞うということではない。ただ何者に脅かされることもなく生きるということ。自分の意思で生きるということ。この詩を見ずに席を立った人には分かるまい。責める気は一切ない。でも、この映画が言いたいことは、まさにここなのだと思う。


『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』

コメント (4)
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【MJ】「みうらじゅんマガジンvol.2 みうらじゅん先生サイン会」

2007-11-14 00:22:28 | MJ
'07.11.11 みうらじゅん先生サイン会@ブックスルーエ吉祥寺

みうらじゅん先生のサイン会です! これは絶対行かないと!! みうらじゅんマガジンvol.2の発売記念ということで、vol.1、2を購入すると、どちらにもサインして頂けるというもの。事前に購入もしくは、電話予約した先着150名が対象。baruが電話予約してくれたので無事整理券をゲット。

少し時間があったので会場を下見。会場は3Fのコミック・コーナーの奥。サイン会中は撮影禁止なので、写真撮影などして先生の到着を待つ。ルーエの担当者の人達が「先生にこちらに座って頂いて」と話しているのを、少し誇らしく思いながら聞く。自分全然関係ないけど(笑)でも、とかくサブカル的な物って低く評価されることが多い。一般的に自分達に理解できない物は、異端とする傾向があるように思う。まぁ、世間の評価なんてどうでもいいけど。私自身はMJを尊敬してるけど「先生」と思ったことはないし…。

話が逸れたので軌道修正。16:00からだけど、やや押してMJ登場。相変わらず飄々としたたたずまい。早速、サイン会開始。意外にみんな話し掛けたりもせず、淡々と進む。サインにはMJおなじみのカエルと牛のキャラが描かれる。あらかじめ整理券に書いて欲しい名前を記入しておけば、クッキー文字(縁取りで書かれる文字)で書いてもらえる。ペイントマーカーでぶっつけで書いていくのだけど、きっちりページ内におさめるのがすばらしい。そんな作業をもくもくと進めて、終わるとお礼を言って握手してくれる。特別愛想がいいわけでもないけど、決して上から目線ではない。

時々、話し掛ける人もいて、中には興奮のあまり意味不明の事を言ってしまう人もいるけど、きちんと対応してくれる。その感じも飄々としていてわざとらしくない。飄々と話しを合わせて聞いてくれる。あらためて感心。

そろそろ終わりの方になったし、1時間以上不自然な姿勢で立見していたので、疲れたので列に並ぶ。残り15人程度。頑張れ先生!

20分くらい並んで私達の番に。まずは先週「シンボルず」で作品が取り上げられたbaruから。もちろん確珍犯の件について話す。緊張のあまりかやや噛み合わない会話になっていたけど、MJはbaruの作品を覚えていた。なんだかうれしい。いよいよ自分の番。何を言おうかいろいろ考えてたけど、結局言えたのは「お疲れです」のみ(涙)

でも、しっかり握手してくれた先生の手の温もり絶対忘れないっす!(笑)


ブックス ルーエ
※ルーエのブックカバーや袋がかわいい! 絶対カバーしてもらうべき!

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【cinema】『約束』(試写会)

2007-11-12 00:34:56 | cinema
'07.11.09 『約束』@九段会館(試写会)

「北朝鮮ピョンヤンでホルン奏者をしているソノは、案内係のヨナと婚約し、幸せの絶頂だった。そんな中、南にいる祖父との手紙のやり取りがバレてしまい、亡命することになるが…」という話。試写状にもチラシにもその後の2人の運命が書かれてしまっているので、展開は読めるし、最終的にどんな結論を出したとしても、いわゆるハッピーエンドにはならないことは分かってしまう。となれば、そこに至るまでの過程をいかに見せるかってことになると思うけど、残念ながら成功しているとは言えない。

多分、2人の悲恋をあまり重くならないように描きたかったのだと思うけど、全てがお粗末という感じ…。悲恋を強調するために、ピョンヤン時代の幸せそうな2人が描かれる。それは本来有効なんだと思うけど、あまりに古臭い演出。しかも、恋愛にばかり重点を置いたため、ソノが脱北しなくてはならない状況に説得力がない。そもそも、2人は現状に対して不満はなかったようだ。ピョンヤンの人々にしても幸せそうに見える。せいぜい子供達に彼女が語る「将軍様のおかげ」などのセリフを不自然に感じるくらい。でも、そのくらいの知識は見る側にもある。町並みも、人々の感じも昭和30~40年代?という感じがするくらいで、とっても平和で不穏な雰囲気はない。それだけに朝鮮戦争時に生き別れた祖父との手紙のやり取りという、日本人の私達にとっては普通のことが、命取りになりかねないという状況が感じにくい。もちろん知識としては分かっていても、画からの緊迫感がない。後半の2人の悲劇を盛り上げようという意図の演出なのだろうけど、北の辛い現実を描いた上で、その中でも2人の幸せな姿を描くことはできるはず。脱北のシーンもあまり緊迫感がない。それなりに描いているんだけど、役者達の大袈裟過ぎる演技が逆効果。その辺りの命懸けの感じとか、ソウルに着いてからの苦労がしっかり伝わらないと悲劇が浮き立たないと思うのだけど…。

感情移入できない最大の理由は、主役のソノに全く魅力を感じないこと。純朴な青年にしたかったのかもしれないけど、あまりにやり過ぎじゃないかと…。やみくもに走り出してバイクにぶつかってみたり、いくらなんでもやり過ぎ。ソノ役のチャ・スンウォンは韓国のスターと書かれていたけど…。もっさりとした風貌は純朴アピールにしても、あの空回り感はチャ・スンウォンの演技のせいなのか、脚本なのか、演出なのか…。たぶん全部。

ヨナ役のチョ・イジンは原沙知絵似。彼女はしっかりとした演技で良かった。なんとか最後まで見れたのは彼女のおかげかも。役柄的にもヨナの方が全然大人。そういう面も含めての彼のズッコケぶりなのか? ソノが彼女に韓国人がよくやる仕草と言って見せたポーズに対して「子供っぽくて呆れる」と返したのは、彼女の心からのソノに対しての言葉だっただろう。ヨナが呆れて絶望しているのはソノに対して。ソノにしてみれば、あの局面での沈黙に対して何とかしなければと思ってのことだと思うけど、彼に会いたい一心で命懸けで脱北してきた彼女に対してあれはないだろう。

そういう彼の罪悪感や、彼女に対する愛情や、その愛情ゆえの辛い言葉だったりを描きたいのであろうシーンの全てが空回りでただのダメ男にしか見えない。それが20代前半なら許せるけど、30過ぎてるからね。全てにおいて子供っぽくて甘い。重要な決定は全て人が決めたことだし…。彼女の選択は大正解。でも、こんな男も意外に多い…。

いわゆる脱北者の過酷さや、引き裂かれた男女の運命の悲しさなんかを期待して行くとガッカリ。でも、隣のおネエ様達は号泣していたので、ハマる人はハマるのかも。


『約束』Official site

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