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【cinema】『Mr.タスク』

2015-07-22 00:50:22 | cinema

'15.07.19 『Mr.タスク』鑑賞@シネカリテ

 

自分はほぼノーマークだった今作。お友達のmigちゃんとランチ計画してたら、映画を見ようということになり、前日公開の今作を見ることになった。セイウチ人間の話ってムカデ人間みたいな話か?と、若干心配しつつ見に行ってきたー

 

 

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

「人気ポッドキャスターのウォレスは、『キル・ビル』のマネをして誤って脚を切り落としてしまった少年を取材するため、L.Aからカナダへやって来た。しかし、少年は自殺してしまっておりガッカリ。急遽、別のおもしろネタを探すことになったウォレスは、たまたま入ったバーHのトイレで元船員の手書きの広告を見つける。おもしろい話が聞けそうだと連絡を取るが・・・」という話。おもしろかった。爆笑!ヾ(≧∀≦ )ブハハッ!!って感じでもないし、怖い!ガクガク((( ;゜Д゜)))ブルブルって感じでもないけど、うーんとか、クスッとか、えーとか思いつつ見ていると、最後に意外にもホロリとしてしまう。そしてバカ映画。自分の中のカテゴリーとしては、おバカ映画ではないけれど、狙いとしてはおバカ方向なのかも? 上手く言えないけど、自分の中では"おバカ映画"はホメ言葉ではないので・・・ あくまでも個人的な基準。っていうか、使い分け?

 

『チェイシング・エイミー』、『ドグマ』のケヴィン・スミスが監督・脚本・編集を担当。監督作品を見るのは初めて。自身の作品だけでなく『ダイ・ハード4.0』にも出演したりと役者でもあるのだそう。出演作も見てなかった そもそもは、ケヴィン・スミスがスコット・モイヤーと共同運営している「SModcast」にある情報が寄せられたことから始まった企画。自分は以前セイウチに命を助けられたことがある、セイウチの皮で着ぐるみを作ったので、宿泊料の代わりにこれを被り自分にエサを与えさせて欲しいという広告が、イギリスのネット上の掲示板に載せられたというのだった。後に、これは情報提供者のクリス・パーキンソンによる自作自演であると、本人が申告するのだけど、とにかく広告を見た瞬間から、ケヴィン・スミスとスコット・モイヤーの間でどんどんストーリーが膨らんでいったそうなので、クリス・パーキンソンのこの発想が今作を生み出すきっかけになったことは間違いない。話は膨らんだものの、受け入れられるか自信がなかったケヴィン・スミスは、Twitterで映画化を望むなら#WalrusYesをつけてtweetして欲しいとつぶやいたところ、翌日には数千件のtweetが見つかり映画化を決意したのだそう。毎度のWikipediaはなかったし、公式サイトにも記載がなかったように思うけど、Rotten Tomatoesでは85%以上の評価を得ていたような・・・あれ?(o゜ェ゜o) 

 

ウォレスと友人のテディがやっているのはPodcast。自分の中でのPodcastってラジオ番組のまとめ的なものという印象だったのだけど、ラジオ番組自体がPodcastっていうこと? 2人が収録しているのは完全にラジオブースのような場所。どうやら、素人投稿のおもしろ動画を紹介しては笑いものにしている感じ? 取り上げたのは日本刀を振り回し『キル・ビル』のマネをする少年。なんと少年は誤って自分の右脚を切り落としてしまう。日本刀は確かに切れ味鋭いけど、さすがに骨は切れないよね?(笑) 確か骨は折るのだって聞いたことがあるような・・・ まぁ、それはいいけど(o´ェ`o)ゞ 映画の中では本物の動画ということになっているけど、本当だとしたら笑いごとではないよね? でも、大笑いしながら紹介する2人。鼻も鳴っちゃってる┐(´∀`)┌ヤレヤレ どちらもいい人とは言い切れないけど、ウォレスをより嫌な人に見せる演出。上手く言えないけど、例えば動画の選択や、それを笑ったりを2人でしていたとしても、見ている側にはウォレスが主でテディが従に見えるっていうか・・・ そういうことって、日常でもある。ウォレスがリーダーっていう印象だからかな? イヤ、ウォレスの方が過剰だからかな? うーん、上手く言えないな・・・

 

後に出てくるウォレスと恋人アニーの会話によれば、ウォレスは以前は平凡なサラリーマンで、優しくておとなしい性格だったらしい。何故、彼が過激なポッドキャスターになったのかは、一応示唆されてはいるものの、ハッキリとは語られない。負け犬になるのが嫌だったとかそんなところかな?  なので、ちょっと虚勢を張ってしまうのだと思う。こんな過激なポッドキャストを発信しちゃう俺はダメじゃない!みたいな? テディは太っているけど、後にアニーと浮気してるし、特別悲観してはいないようなので、ことさらスゴイ俺アピールする必要はないから、人を笑ったりちゃかしたりしているけど、自然でやり過ぎていないのかも? 多分、テディがカナダに取材に行ったなら、あんなことにはならなかったかもしれない。

 

キル・ビル少年を取材しようとカナダまで出かけて行くと、少年は自殺してしまっていた。どうやら少年の方からオファーしてきたようだけど、何故自殺してしまったのかは謎。必要以上に大声で泣く母親など、ちょっとコミカルに描いている。ホラーコメディというわけでないと思うけれど、分かりやすいものから、ブラックなものまでコメディ要素はかなり入っている。ウォレスが新しいネタを探していると、たまたま入ったバーH(この名前も何かありそう?)のトイレの壁に貼られたチラシ中に、便箋にビッシリと書かれた手書きの文章を発見。気になって読んでみると、自分は元船員でおもしろい体験話が出来るという内容。何故ウォレスがこの広告に惹かれたのかは謎だけど、彼はこの広告主と連絡を取り、そこから車で2時間ほどかかる場所まで行くことにする。スマホのGPS機能ってホント便利。

 

指定された場所は、海外にありがちな屋敷や敷地の名前が装飾になっている門がある邸宅。この名前も何かを示唆してたかもしれないけど、覚えていないので分からない 重厚な部屋には鎧などが置かれている。趣味がいいのか悪いのか微妙なところだけど、悪くはないと思う。電動車椅子に座った老人が、ウォレスをセイウチ人間にしてしまうことは、見ている側は分かっているので、彼がいつどういう行動に出るのかドキドキ。ウォレスが動くたび車椅子の向きを変えるので、そのたびドキッとするけど特に何もない(笑) ウォレスは老人が入れてくれた紅茶がおいしいとガブガブと飲んでしまう。茶葉をウィスキーにつけておくのが秘訣だと言っていたけど、見ている側としては紅茶に睡眠薬が仕込まれているのは分かっているわけで、おいしかった理由が本当なのかは謎。本当にその方法で美味しいならやってみたい

 

ハワード・ハウと名乗るこの老人が語ったおもしろ話は2つ。1つ目はヘミングウェイとのエピソード。ノルマンディー上陸作戦に向かう船に調理場担当として乗っていたハウ青年は、作戦への参加許可が下りずイライラしていたヘミングウェイと話す機会があった。ヘミングウェイのある有名なセリフは実はハウ老人に対して発せられた言葉だというのだ。この話なかなかイイ話だったのだけど、ハウ老人のモデルになった人(セイウチ人間の件は別として)がいたのか、セリフ自体も作られたものなのかは謎。名言集的なもので調べようにも、セリフを忘れてしまったので無理 次に語られた体験が、ハウ老人を暴挙に駆り立てたきっかけ。ハウ青年が乗ってい船が氷山に激突し沈没、辛うじて助かった彼はセイウチに助けられたというのだった。このセイウチがMr.タスク。要するに彼はこのセイウチにもう一度会いたいと思っているのだけど、何故セイウチ人間を作ってまでセイウチに会いたかったのかは後に語られる。ハウ老人が子供の頃施設で虐待にあっていたって話は、この時点で語られていたっけ? いずれにしても、その体験が人格形成に影響を与えてしまったことは間違いない

 

さて、まんまと紅茶に仕込まれた眠り薬で眠ってしまうウォレス。目が覚めると広い部屋で車椅子に座らされている。なんと左脚が切断されてしまっている!ガ━━━((゜Д゜;))━━━ン 毒グモに噛まれてたので、医者が適切な処置として切断したと言うけど、縫合跡も酷いし患部むき出しってあり得ない(笑) しかも、脚を切断するなんて結構大変な手術なのに入院もせずに車椅子に座らせて放置なんてないよね? パニックになりつつも電話を掛けさせてくれというウォレスだけど、安静にしてなきゃいけないから医者がスマホを壊してしまったと言われてしまう。イヤ、手術直後の患者を車椅子に座らせておいて安静もなにも(笑) しかも、ハウ老人は何か牙状のものを磨いている・・・ これは? 再び眠気に襲われて意識を失ってしまうウォレス。もちろん、左脚切断だけで済むはずもない・・・

 

再び目覚めると何故か食卓。お金持ちの食卓でよくある長いテーブルに主人と向かい合わせで座るアレ。食事は出されているけれど、手が動かなくて食べられないと言うウォレス。厚手のカーディガンを着せられていて見えないので、既に腕も切断されてしまったのか?と思うけれど、そうではないらしい。言い争いになり車椅子に座っていたはずのハウ老人が立ち上がり、素早く歩いてきて平手打ちされてしまう。やだ偽装車椅子だったのね  三たび気を失ってしまうウォレス。

 

目覚めると元の居間。変な着信音で電話がかかってくる。恋人アリーからの電話だったが間に合わない。折り返しかけるも今度はアリーが気づかない。留守電にカナダのある都市から2時間の場所にいること、バーHで広告を見たこと、ハワード・ハウという人物に捕えられているとのメッセージを残す。泣きながらではあるものの、かなり的確なメッセージ。次にテディに電話を掛けると、なんとアリーの洗面所でウォレスと同じ変な着信音が鳴る。直前にアリーがカメラ目線で鳴きながらウォレスが不実であること、カメラの主になぐさめて欲しいと訴えている映像が入っていたけど、この相手がテディだったのね? テディがアリーの姿を録画していたってことではないと思うけれど、他人の個人的な感情ですら、動画の対象としてしか見られないというか、冷めた目線でしか見られないっていうことを揶揄しているのかな? ちょっと話が反れてしまったけれど、要するにウォレスは2人に直接コンタクト出来なかったけれど、メッセージは残せたので希望はつながった。でも、見ている側としてはセイウチ人間になってもらわないと困る(笑) テディへのメッセージの途中でハウ老人に襲われ、意識を失ってしまう。いよいよか

 

次のシーン。手術台に乗せらたウォレス。既に両脚と両腕は切断されており、残された腕の部分は体に縫いつけられている。嬉々として縫合作業を進めるハウ老人。老人が紳士的な雰囲気だけに怖い 『ムカデ人間』(感想はコチラ)も紳士的だったけど、一見きちんとしている人の狂気って怖い。しかし、この縫い目は・・・ 『ムカデ人間』では、その粗い縫い目が悲劇へ繋がってしまうけれど、今作では特に縫い目の粗さは関係なし。←どうでもいいけど(笑)

 

ハウ老人の手術が進む頃、浮気中のアリーとテディにも朝がやって来る。留守電のメッセージに気づいた2人は慌ててカナダへ飛ぶ。警察に連絡しながら、ウォレスが最初に訪ねた街へ向かうも、イタズラ電話だと思われて切られてしまう。でも、2人は真剣。カメラロール内のウォレスの写真を見せつつ、レンタカー店やバーHなどで目撃情報を探す。警察にも行くけど、信じてもらえない様子。留守電メッセージを聞かせて、やっと半信半疑っていう程度。そこで刑事が思い出したのがある探偵。どうやら、似たような状況で行方不明になった人物を探していたそうで、連絡先を教えてもらう。

 

早速連絡を取ってみると、現れたのは頬も赤い酔いどれ探偵。より目になっちゃってるのは酔っているからなのか? バーガーショップで3人前くらい注文をして、何故かバーガーをぺったんこにつぶして食べる。このバーガーにこだわりがあるようだけど名前を失念←スライダーであることが判明 この探偵がギー・ラポワンテで、フランス語なまりの英語を話す。この役を演じているのがジョニー・デップ。ノンクレジットで出演しているというのはmig情報で知っていたけど、思いのほか重要な役でビックリ。ギー・ラポワンテは、有名なホッケー選手が行方不明になった事件を追っているらしい。彼によると人には自分でも気づかないクセや習慣があるそうで、長距離ドライブに際してウォレスがしそうなことは何か? そういえば、コンビニの変な飲み物が好きだった! ということで、雑貨店(?)に行ってみる。まんまとセイウチヒゲのウォレスの目撃情報を入手。言い忘れていたけど、ウォレスはヒゲを生やしている。そして、こちらも言い忘れていたけど、この時応対した女子店員の1人がリリー・ローズ・メロディ・デップで、ジョニー・デップの娘ちゃん。演技は下手だけどカワイイ 基本はバネッサ・パラディだけど、ジョニデに似ているところもある。ウォレスがこの店でメモを取っていたという情報を得て、そのメモと鉛筆を借りる。鉛筆でメモをこすると、直前に書かれた文字が浮き出してくるというアレ。まぁ、ありがちな手ではあるけど、今作としては『ビッグ・リボウスキ』のパロディであり、リリー・ローズたちが「スゴイ!」と感心すると、ジョニデが「『ビッグ・リボウスキ』だ」というシーンも(笑)

 

浮き出してきた文字は、ハウ老人の宅の名前。手がかりを得た3人はハウ老人宅を目指す。道中ギー・ラポワンテがこれまでの捜査状況を語る。ギー・ラポワンテは元刑事で、行方不明となったホッケー選手の捜査をしていた。彼の遺体は両脚と両腕を切断されており、両腕は体に縫い付けられていた、さらに口の中に穴が開いていた。自分はその穴に何かを取り付けたのではないかと思っている。おそらく犯人に会っている、そして多分その時ホッケー選手は家の中にいたのだと思う。ここで回想シーンが入るのだけど、その時の家はもっとカントリー調だった。ハウ老人は引越ししたのか? どこでそんなお金を?とかツッコミたくなるけど、それはOK。この辺りはジョニー・デップの演技を楽しむところ。それを聞 いているテディ役のハーレー・ジョエル・オスメントも、特別笑える演技はしてないけど、なんとなくおかしい(笑) そして、要するにホッケー選手を救えなかったことが、ギー・ラポワンテが警察を辞めて探偵となり、ハウ老人を追っている理由であるということ。

 

シーン切り替わってハウ邸。とんでもない光景が映し出される! 室内に設けられたセイウチ用のプール。動物園によくあるプールと、陸が併設されているアレ。そこでギャーギャーと声にならない叫び声を上げているのはセイウチ人間にされてしまったウォレス。このセイウチの姿に驚愕((( ;゜Д゜)))フ イヤ、セイウチ人間にされてしまうのは分かって見ているわけだから、一応想像はしていたけど、てっきりセイウチ一頭分の皮を剥いで、それを被らされているのかな?と思っていた。ところがセイウチの皮をつぎはぎにしてあって、その皮と完全に一体化していた! そしてタスク=牙も取り付けられていた。 タスクって牙っていう意味なのね。あと、セイウチってWalrusでウォルラスだけど、ウォレスとかかっているのかと思ったけど、ウォレスはWallaceだか違うか・・・(´・ω・`)ショボン ウォレスと一緒に泳いでご満悦のハウ老人。よかったねとは言い切れないウォレス驚愕の姿。この造形は「ウォーキング・デッド」の特殊効果を担当したKNB Efx Group代表グレッグ・ニコテロと共に働いていたという、ロバート・カーツマンが担当。彼にレザーフェイス・セイウチをとリクエストしたのだそう。レザーフェイスって『悪魔のいけにえ』に出てくる殺人鬼だよね? 映画見てないので、よく分からないけど、ビックリな姿であったことは間違いない(笑) しかも、この牙ってウォレスの脚の骨でできてるんだよね? 削ってたもんね? 何その情熱

 

なんとかハウ邸にたどり着いたテディたち。庭を探っていると屋敷の中からウォレスの悲鳴が聞こえてくる。ギー・ラポワンテが貸してくれた銃を手に屋敷の中に突入して行く2人。声のする方向へ進むも、屋敷は広くてなかなか見つからない。階段の上から下を覗き込むカットって、何かの映画のオマージュだったりするのかな? まぁ、よくあるカットではあるけど、この映画オマージュとかパロディとか多そうな気がする。

 

一方、セイウチ人間ウォレスのもとには、セイウチの皮を被ったハウ老人が現れ、なんとウォレスに襲いかかる。反撃しろ! 向かってこい!的な言葉を発しつつ、ウォレスを水に沈めたりするハウ老人。泳ぎを教えたり、生の魚を食べさせたり、やり方はどうかと思うけど、ハウ老人なりにかわいがっていたのに、これは一体?と思っていると、彼の口から意外な言葉が・・・ 遭難した際、体を温めて自分を救ってくれたMr.タスク、その恩人(?)の肉を食べて彼は生き延びたのだった。そのことを生涯悔いていたハウ老人は、Mr.タスクを作り上げ復讐を遂げて欲しいと思っていたのだった。うーん。まぁ、ハウ老人としては、彼なりに筋が通った理由があってセイウチ人間を造ったってことは分かった。ちょっと切なくもある。でも、やっぱりどうかしてるよね(笑) 最初は戸惑っていたウォレスだけど、アニーとテディの声を聞き、助けが来たことを悟ると、牙=タスクでハウ老人の胸を突く。

 

場面変わって、ある施設をアニーとテディが訪ねてくる。希少動物保護施設だったかな? 建物のバルコニーから外を見ると、プールと小屋のある檻が見える。「ウォレス、姿を見せて!」と呼びかけるも現れない。生の魚を投げ入れると、ウォレスが現れむさぼり始める。その姿を切なさとともに、嫌なものを見てしまったというような、なんとも言えない表情で見つめるアニーとテディ。2人を見上げて悲痛な鳴き声を上げるウォレス。ハウ老人に舌を抜かれてしまったため、話せないのだけど、話すことが出来たらなんと言ったのだろう? 殺してくれかな? でも魚食べちゃってるし つぎはぎだらけのセイウチの皮と、ウォレスの体がどういう縫合具合なのか分からないけど、元の姿に戻すことはできなかったってことだよね。そもそも、セイウチ化が可能のなのか、セイウチ化してしまった後、例え両手両足のない姿でも、人間の姿に戻すことが可能なのかは不明だけど、映画としてはウォレスが元に戻れない終わりのほうが絶望的でおもしろい。人を見世物にしていた彼が、見世物になるという皮肉でもあるだろうし・・・

 

キャストは皆よかった。とんでもない話を受け止める恋人アリーのジェネシス・ロドリゲスは、この脚本を読んで即答で出演を決めたそうなので、ご自身もどうかしているのかも(笑) ホメてます! セクシーで優しいけど、寂しさから浮気してしまう部分もあり、でも最後は誰よりも強いアリーを好演していた。『俺たちサボテン・アミーゴ』(感想はコチラ)に出てたのね テディ役ハーレー・ジョエル・オスメントは、劇太りが話題だけど、天才子役と言われた演技力は健在。普通の人を適度なさじ加減で演じていた。こんな言い方はなんだけど、やせても特別イケメンになるとも思えないので、逆にこのデブキャラの方が役があるかも?と思ってみたり(笑) ノンクレジットで出演のラポワンテ役ジョニー・デップはメイク顔ではあるけど、白塗りではないので一安心 酔いどれ探偵を不思議演技で演じていたけど、やり過ぎていなくて良かった! ここ最近見た出演作(直近の『チャーリー・モルデカイ』は未見)の中では一番良かったと思う。ジョニデのラポワンテのおかげで、ちょっとまろやかになった気がする。


ジャスティン・ロングは何故この役を受けたのか?(笑) どうやら、このキャラの元ネタはケヴィン・スミスの同僚で、もっとエロキャラらしいけれど、その部分で自分では合わないのでは?と意見したそうで、打ち合わせを重ねてデジタル時代のいじめっ子というキャラになったのだそう。まぁ、合っているような気はする。最後はとんでもない姿になってしまうけれど、ウォレスの目に後悔が見えて素晴らしい。ハウ老人役のマイケル・パークスが素晴らしい。全体的に静かな狂気。紳士然とした佇まいの中に、セイウチ人間を造るという、どうかしている感じを出さなければならない。それはヒシヒシと感じられた。『キル・ビル』や『ジャンゴ 繋がれざる者』など、クエンティン・タランティーノ作品常連だそうだけれど、全く覚えていない この役良かったって言われるのがどうなのか?って気もするけど、やっぱり良かった。こういう作品こそ俳優の演技がダメだと目も当てられなくなってしまうので、そういう面でとても良かった


見る人を選ぶってこともないけど、万人受けする映画ではないので、好みがハッキリ分かれるとは思う。ただまぁ、セイウチ人間を造る映画を見ようと思っているからには、ある程度の覚悟はしているはずだよね?(笑) なので、あえてオススメもしませんが、個人的にはおもしろかった。ただまぁ、年末BEST 10には入らないけど(o´ェ`o)ゞ 

  

『Mr.タスク』Official site 

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2 コメント

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Unknown (mig)
2015-07-23 18:36:38
詳しく書いたね~!

その恩人(?)の肉を食べて彼は生き延びたのだった。そのことを生涯悔いていたハウ老人は、Mr.タスクを作り上げ復讐を遂げて欲しいと思っていたのだった

そうそう、ここはポイントだよね。
私の方では詳しく書かなかったけど、ただやたらにセイウチ人間を創りたいというのではなく理由があったよね 笑

マイケルパークスはキルビル2だけじゃなく、1では警部だったわ~いつも何かしらタラのに出てくる爺さん 笑
あのあと、ジャスティンロングも過去作に出してたからと気づいたわ。
面白かった♪わたしは想像以上に満足
>migサマ (maru♪)
2015-07-24 00:45:34
アッサリめに書こうと思ったけど結局長文

そうそう! 一応、ハウ老人の中では理由があって、筋が通ってるんだよね!
一般的にはどうかしてるけど(笑)

『キル・ビル』の1と2両方出てるの? あのイッちゃってる目がよかったわ~

ジャスティン・ロングもタラのに出てたってこと? ケヴィン・スミスの作品に出てたってこと?

そうだね! 若干心配してたけど、おもしろかった

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