森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

母へ

2007-10-01 00:00:05 | 詩、小説

所詮、
いつかは誰もいなくなってしまうのですよ
お母様もわたくしも

そして、それでも
風がざわざわ
草をならして通り過ぎていくように
人の世も変わらなく過ぎていくのです

今日、
わたくしを道路の向こうから見送ってくださったあなたが
あんまり可愛らしく手を振るものだから、
わたしはさっさと手を振って、足早に立ち去りましたよ

だって、いやじゃあないですか
あなたをじっと見つめたら
いつかの終わりのその時に
きっと、何度も繰り返し思い出してしまいます
可愛らしく手を振って、道路の向こう側に立つあなた

でも、
きっとだめですね
わたくしはきっと思い出す
何度も何度も思い出す
ずっと、わたくしの背中に向かって手を振ってくださった
あなたの姿を

所詮、
いつかは誰もいなくなってしまうのですよ
お母様もわたくしも

そして、それでも
風がざわざわ
草をならして通り過ぎていくように
人の世も変わらなく過ぎていくのです

だからといって、
お母様もわたくしも
いなかったと言うわけではないのです。







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6 コメント

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良い詩ですね! (iseッチ)
2007-10-01 10:44:12
何とも言えず、こみ上げてくるものが
あります。
風のように、草木のように、自分がこの世
からいなくなっても変わらないのですよね。
昔読んだ、五島勉の『ノストラダムスの大予言』
にも同じ様な事が書いてありました。
それでも
『いなかったと言うわけではないのです』よね。

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 (YAN)
2007-10-01 16:00:47
kiriyさん、こんにちは!
私はどうも「母」という言葉に弱くて、
ちょっと鼻の奥がツンとなりましたよ。

所詮、形がなくなるのなら、
思い出だけでも、たくさん作っておけばいいと思うんですよ。

可愛らしく手を振るお母様、
振り返ってもそこに立っているお母様、
そんな思い出が心にインプットされたという事は、
ちょっとした変化が実はあったという事だと思います。
返信する
iseッチ様 (kiriy)
2007-10-02 09:07:40
おはようございます。
コメントありがとうございます。

五島勉の『ノストラダムスの大予言』、私も本当に大昔読みました。そして、ブルブル震えました。それなのに覚えている事は、アンリとか言う国王の死に様を当てたとか言うようなことばかりです。他にも、いろいろ書いてあったのですね。
今になって、あの本を読みたい人って、あまりいないかもしれませんが、私はちょっと読み直して見たいと思っているんですよ。

せっかく素敵なコメント書いてくださったのに、ずれたお返事でごめんなさい。
でも、9,11のあの恐ろしい光景を見たとき、
「恐怖の大王が空から降りてくる」と言う一文を思い出してしまいました。それに続く戦争・・
なんだか、読み直してみたい本なんです。その本のお名前が出てきましたので、つい、書いてしまいました。

「風林火山」はまだ見ていないんですよ。なので、ブログ周りは少し控えめです。あまり良いことを言っている感想がないような・・・どうだったのでしょうか。
返信する
YAN様 (kiriy)
2007-10-02 11:17:41
おはようございます。
>私はどうも「母」という言葉に弱くて、

わかりますよ~。
この詩を書き終わって、読み返しているときに、私はYANさんの事をふと思い出していました。
若いとき美人でいつも微笑んでいたYANさんのお母さん。今も頑張っているお母さん。
さりげない場面の一こま一こまで、何も大きな出来事なんかなくても想い出は積み重なっていると思いませんか。

パッと見ただけで、ドギュ―ンと記憶に入り込んでくる光景ってあるじゃないですか(少年漫画の効果音みたいですが・・・)でも、母もそんなに若いというのではないので、そういう時私はちょっと怖くなるのですよ。


でもまあ、手を振る母がいて、それを見ている私がいてそんな思い出が増えていく。私たちは愛おしい生き物ですよね。そして、確かに私たちは今を生きているのです。今日も、お互いに素敵な一日だといいですね。既に半日過ぎてしまいましたが。
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お母さん (まーこ♪)
2007-10-03 14:00:32
kiriyさん こんにちは。
私は 結婚して 遠くへ来た時から
母と 別れる時 心の中が「ざわざわ」します。

母は いつも 笑顔でバイバイと 大きく手を
振ってくれます。

この人をここに置いてていいのかな・・・?とか
自分の心の中の声を 無視して 車は走り出します。

母は いつまでも「私お母さん」です。
でも 確実に 老いてます。
そんな事を思いつつ 読ませて貰いました。

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まーこ♪様 (kiriy)
2007-10-04 01:59:32
こんばんは。
まーこさんはお母さまとは、離れて暮らしていらっしゃるのですね。
別れる時に心がざわつく気持ち分かりますよ。私はそんなには遠くではないのですが、もう、一年に何回も行かなくなってしまいました。だから、別れる時の印象が強いのかも知れませんね。

確実に老いていく母たち。親と言えども、一期一会の気持ちになってしまいますよね。
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