事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

庄内映画事情その18~「デンデラ」スタート!

2011-01-09 | まち歩き

Ruriko02 その17「十三人の刺客」PART2はこちら

浅丘ルリ子70歳初スッピン 映画デンデラ(日刊スポーツ)

老人役の女優50人が激しいアクションを披露する異色映画「デンデラ」(天願大介監督、6月25日公開予定)が、浅丘ルリ子(70)の主演で製作されることが7日、分かった。

倍賞美津子(64)山本陽子(68)草笛光子(77)らベテラン女優も集結。70歳を超えた老人を山に捨てるという古代日本の「姥(うば)捨山伝説」を題材に、死んだと思われていた老婦人50人が奇妙な集落を築くという物語を展開する。

山奥の厳しい生存環境と懸命に戦うというリアリティーを追求するため、高齢キャストが体力の限界に挑む過酷な撮影現場になりそうだ。

……ついにプレス発表。これで情報を解禁してもいいってことかな。これからは“宣伝”になるんだしね。

日刊スポーツには悪いけど、この見出しには間違いがひとつ。確か浅丘ルリ子は70年代にNHKのスペシャルドラマでスッピンやってます。

この映画の噂は、例によって庄内映画村のサポートメンバーになっている出入りの業者からもたらされた。落ちたけどエキストラに応募していたのだ。

「なんかね、50才以上の女性をいっぱい募集中なんだって」

「タイトルはなんすか?監督は?オーディションのときに会ったでしょ。」

「うーん。全然わかんない。でも『楢山節考』の続編みたいなのだって」

「……ひょっとして今村昌平がらみかな……監督はこういう顔をしてませんでした?」

Tenganimg01 とディスプレイに画面検索をして見せてみる。

「うん、こんな感じ。この人は誰?」

天願大介。今村昌平の息子なんだ」

われながら勘は鋭かった。彼は「十三人の刺客」の脚本もやってたから庄内に縁もあるしね。しかしまさかこんな豪華キャストだとは。40年前なら超大作だ(笑)。

でもね、今日も庄内は大雪。わたしがひたすら願うのは、どうか撮影中に死者がでなければいいなあ、と。いろんな意味で。

その19「デンデラ」につづく

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「写楽 閉じた国の幻」 島田荘司 新潮社刊

2011-01-09 | ミステリ

51tscg8kl_2 一度、ギブアップしました。

息子の死、幸せとはほど遠かった結婚生活、仕事のゆきづまり……これらに痛めつけられる主人公の自己憐憫がしんどかったから。

ところが、現代と交互に語られる江戸のパートがあまりにもすばらしかったので、見切りが早すぎたんだなあ。

主人公の歴史研究家が、謎の絵師である写楽の人生を解明するたびに、江戸パートは進行。

最初は(これ、言っていいのかな)平賀源内ではないかというツカミは効果的。しかし島田荘司が主張する写楽の正体にはさすがに驚愕。蔦屋重三郎の心意気には感動すらおぼえる。編集者、出版人への島田の皮肉も入っているのかも(笑)

なぜ、売れるはずのない、美化されていない役者絵を蔦屋は大々的に売り出したのか、なぜ写楽の“活躍期間”が圧倒的に短く、しかも傑作は初期に集中しているのか。確かに島田説なら説明がつく。

強引なトリック、東京という都市へのこだわり、およそありえない名探偵(それは写楽の正体ともリンクしている)、日本人への絶望……島田荘司エッセンスがこれでもかとつめこんであります。

用意していたもうひとつのネタが『計算違い』で入れることができなかったというあたりもいいですな。島田復調。うれしい。

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