その1はこちら。
三川イオンシネマで鑑賞。平日の朝イチの回だというのに、けっこうお客さんは入っている。上映前に庄内映画村のCMが入り、客席がどよめくので、どうやら知り合いが出演してたり、映画村に行ったことのある客が多かったのだろう。
わたしとしても、かつて訪れたあの場所やあの場所(吾郎ちゃんが殺される場所は案内人が示したとおりでした)が出てくるのはうれしかった。
某人物が死んだときに、その顔にハエがとまるのを、ドラマ的には正しいのに「どうもすみません!」と内心あやまっていたのは地元の人間だからです(笑)。ハエにまで責任はとれないけど。
チャンバラ的にすばらしかったのは伊原剛志で、強くて強くて仕方がないものだからあんな感じで死ぬしかなかったのが納得できる。その役を旧作で演じたのが西村晃。まさか敵役の市村正親が、西村の付き人だった過去があるなんて知らなかったからびっくり。劇団四季だけの人じゃなかったんだなー。
もっとも旧作の匂いを受け継いでいるのはもちろん松方弘樹。なにしろ近衛十四郎の息子ですから。ただ、華麗なチャンバラの呼吸はこの作品にとって正しかったかは難しいところだと思う。スリークォーター気味に斬りまくる東映調アクションよりも、不器用に剣を叩きつける殺陣に説得力を感じていたので。その意味で、山田孝之は満点。
稲垣吾郎はその嗜虐的な生活に飽き飽きし、刺客たちはサムライとして死に場所を求めている。武士たちが太平の世に慣れきっているからこそ成立した計略、というストーリーはみごとだと思った。イーグルスが「ならず者」(わたしの世代にとっては『デスペラード』ではありませんよ)の使用を許可したのも納得できる。
この作品に激怒している人もいるらしい。しかしわたしは圧倒的に支持する。身びいきで言うわけではないが、三池崇史が、なにより腰をすえて庄内で本格時代劇を撮りあげようとした気概がうれしいもの。
もちろん、登場人物が全員英語で話したり(「スキヤキウエスタンジャンゴ」)、ラストの一騎打ちで核爆発が起きたり(「DEAD OR ALIVE))しても、それはそれでうれしいんだけどさ。必見ですっ!
その18「デンデラ」スタート!につづく。