今回から酒田地区支部の情宣の裏に掲載した、通称“裏情宣”シリーズを不定期に開始します。「あなたの時給~」は、はてしない時間外労働を不思議にすら思わない教員たちにちょっと皮肉をかますために特集したものです。発行は2002年7月でした。もう5年も前になるのかぁ。
お手元に、給与支給明細書があるでしょうか。そして電卓のご用意を。
左の一番上に【給料(報酬)】という欄があります。その額を、こむずかしい理屈はとにかく、
1.(あなたが教諭や養護教諭なら)まず1.04で割ってください。
2.次に12をかけて下さい。
3.そして最後に1,928で割って下さい。出ましたね?
→それが、あなたの“時給”です。
※こむずかしい理屈
(給料月額+給料の調整額+調整手当の月額)×12を、1週間当たりの勤務時間数×52-8×19で割るという計算なのである。
最後の19とは年間の祝日と12月29日~1月3日までの休日の計をあらわす。「給料月額」と「給料の月額」はちょっと意味が違う……あーこむずかしい。
明細書も電卓もない人のために、例を挙げてみましょう。教育職給料表(2)の2級19号給の人で考えてみます。え?何だ(2)ってですって?仕方ないな、そこから話を始めますか。
小中学校に勤務する県費負担職員はそれぞれ
事務職員……行政職給料表
栄養職員……医療職給料表(2)
その他の人は教育職給料表(2)の適用を受けます(非常勤と再任用をのぞく)。ちなみに(1)は高校の教育職。どっちが高いんだ、ということはあまり考えない方がいいと思います(笑)。
そしてこの教育職給料表(2)は1から4までの級があり、例外もあるのですが
1級……講師、助教諭、養護助教諭
2級……教諭、養護教諭
3級……教頭
4級……校長
こんな具合に該当しています。
さて、2級19号給の人にもどります。特殊学級を担任していたり、へき地に勤務していないかぎり、給料の欄には367,016円と印字されているはず。先ほどの数式にあてはめると2,196円。先の情宣で私たちは『月曜日から金曜日までの5日間、それぞれ8時間の勤務』と規定されていることはお知らせしました。いわゆる週40時間労働です。この40時間の1時間あたり、この額が支給されていることをまずお忘れなく。
どうお考えでしょう。学生時代のバイトや求人広告の給料額と比べれば、意外に高いんだなあ、と感じられるのではないでしょうか。
「でもそんなはずないぞ!全然実感と違う!」
そう言いたい気持ちもわかります。私も初めての給料をもらった時(といっても自分で袋詰めしたのですが)、額面と手取りのあまりの差に気が遠くなりましたし。
でも支給明細書をもう一度見てください。中ほどに法定控除と呼ばれる共済短期掛金(医療給付用の負担金)、長期掛金(これが年金用)や、所得税や住民税が差し引かれているのが印字されています。正規に雇用されているということは、このように給料総額から壮絶に天引きされるということでもあるのです。哀しいことにこれらは“天引き”されるためにあまり意識しないでいるだけなのですね。このあたりは年末調整の時期に『“源泉徴収”という罠』として特集しますのでお楽しみに。
あれ?でもその給料表に載っている額と支給明細書に載っている給料額はちょっと違うんじゃなかったか?と知っているあなたはよほど給料に意識的な立派な社会人だ。
教育給料表(2)の、1級と2級にいる人は、かの有名な(でもないのかな)教職調整額として給料額の4%を上乗せして支給されているのです。だからさっきの計算では最初に1.04で割ったわけ。そしてなかには“この4%が教育職の時間外勤務手当にあたる”と考えている人もいるようですが、これは間違いです。なぜかと言うと……おっと、この特集は長くなりそうだ。次葉繰越!
画像は「SMOKE」(’95 米)
この暗そうなジャケット(主演のハーヴェイ・カイテルとお婆さんのツーショット)の先入観が強すぎた。むしろ淡々としたクリスマスストーリーが核にあることを売り物にするべきだったのでは?
ごひいきウィリアム・ハートが出ていることなんか誰も教えてくれなかったし。懐かしのストッカート・チャニングと、あのアシュレイ・ジャッドも出ています。原作と脚本はなんとポール・オースター。
このご時世に煙草屋の話ってのがうれしいっす☆☆☆★★