事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

ふたりの知事~人勧特集4

2007-10-09 | 情宣「さかた」裏版

Sinntaro  二人の知事がいる。同じ大学を卒業し、どちらも衝撃的な処女作で文壇にデビュー。かたや国会議員として国政にコミットし、もう一方は阪神大震災や神戸空港の問題にボランティアとして参加。どちらも文学者として社会的な発言をくり返してきた。

 国会議員の方は何を思ったか議員をやめ、日本の首都に君臨する形で政界に復帰。外形標準課税やホテル税といった一般受けする政策を掲げ、中国や北朝鮮を徹底的に攻撃するお得意のタカ派的発言で人気を得ている。次期首相の最有力候補とまで言われている彼にとって、拉致問題はまたとない追い風だ。

 ボランティアの方は、そのナンパな私生活を揶揄されながら、閉塞した県を革新するために知事として県政にかかわり、記者クラブ廃止や脱ダム宣言といったおよそ誰も思いつかなかった(思いついてもできなかった)手法で改革を進め、しかし公共事業主体の従来の“地方政治”から脱却できない勢力から不信任を突きつけられ、失職。そして対立候補にダブルスコアに近い数字で勝って復帰したのはご存知の通り。

Yasuo ただ、この二人、その職員の給与に対する態度は正反対だ。おそらくは職員のことを“臣下”だと思っている首都の方は、いち早く職員の給与を下げ、都民の喝采を浴びた。先日は公立の高校にタイムカードを導入するなど、その管理体制を強固なものにしている。
 失職した方は「人件費を下げるより、公僕としての持てる能力を最大限県民のために発揮してもらう。」と発言している。

 さて、あなたはどちらの知事の下で働きたいだろうか。あるいは、どちらの知事の方が頭がいいと考えるだろう。
   
 東京と長野の例を引くまでもなく、公務員の給与は、実はきわめて政治的な存在となっている。竹中や福田といった閣僚が地ならしをした経緯は前に説明したとおりだが、人事院にしても今回、わざわざサンプリングする事業所を小規模なものにシフトするなど、最初から「今年は公務員の給与を下げる」ことが既定の路線だったのだ。

 ここで公務員側がものわかりよく、民間の皆さんが大変なときだから仕方がない、とあきらめるのも一つの選択肢だ。だが今一度考えてほしい。バブルの号でも言ったように、労働者の側が声をあげずにいることで、それでは現在の政財界が、財政再建に向けてキチンと動いていくと楽観できるだろうか。むしろ、こんなときだからこそ、労働組合の強力なはたらきかけが必要と言える。人事院勧告の経緯を長くお伝えしてきたが、あの数字のなかに、わたしたちの先輩たちのどれだけの苦難がこめられているか……

Photo  まして人事院勧告の影響は、公務員だけでなく、私立学校職員、農協などの諸団体職員、そして厚生年金・国民年金の受給者、生活保護対象者などにまで及ぶと言われている。バブルが破れた後のことは失われた10年(Lost Decade)と呼ぶが、さらなるデフレスパイラルを加速させることで、これからの10年をも失うことがあってはならないはず。秋闘への参加を、ぜひお願いします。
【人事院勧告検証終了】

画像は「トレーニングデイ」Training Day(’01)
 伏線バリバリのハリウッド娯楽方程式。それなりに効く。悪くなければやっていけないと新人を諭す前半のデンゼル・ワシントンはうまい。しかしそれなりに勧善懲悪におさまってしまうのはどうだろう。
                                                     カリスマを気どるヤツにろくなのはいないけどね☆☆☆★★

コメント (2)
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