静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

天皇は男でなければならないと論理で証明できるか? 伝統という名の情緒で未来を逃げてはだめだ   イギリスやオランダのような女王では 何が具体的に・日本をまわしてゆくのに不都合なの?  

2024-04-26 22:07:07 | 時評
【毎日】▼ 皇族確保策、連休明けに議論開始 自民案提出、各党見解出そろう  【竹内望、川口峻】
* 自民案は、政府の有識者会議が2021年末の報告書で打ちだした確保策について「十分理解でき、妥当なもの」と明記し、了承した。
  報告書では①女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する②旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族とする――の両案を軸に記された。
* 自民を除く各党は既に見解を示しており、これで各党案が出そろったことになる。
  額賀氏は「この問題は国家の根幹に関わる問題であり、静かな環境で政争の具にせずにしっかりと議論をしていってもらいたい」と語った。
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 今回まとまったと言ってるのは<いかに皇族グループの中から男性を取り込み、傍系であれ男子を天皇候補に保つか>のアイデアだ。「とにかく男を確保すれば天皇制は守れる」此の信念しかない。
毎回繰り返すが、私には、どうしても此の男系固執の理由が論理でわからない。合理的にわからないとは、女性が天皇の地位について職務をこなすと、このように不都合だと反証できないからだ。
「万世一系」「不可侵の伝統」などと存在意義を論理では証明できず、情緒にすぎない呪文を唱える心情が、なにゆえ今も付和雷同を呼べるのか???

 イギリスのエリザベス女王を始め、ヨーロッパ諸国は王政打倒による国民国家の成立という嵐を経ながら男女とは別次元で存在意義を保ってきた。この経緯を「天皇男系固執論者」はどう分析したのか?
日本の明治維新は王政打倒から国民国家樹立へのステップとは逆だった。19~20世紀の欧州やアメリカ・ロシア・中国は王政にとって代わる統治スタイルを編み出したのに日本は逆行したのだ。
此の逆行が、明治維新このかた160年になろうとしている近代日本の根本的な障害ではなかったのか? 私は此の頃、そのように感じ始めた。
 明治の栄光を切り離した天皇制を求めてはどうか?
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日本経済の現状は、移民受け入れに反対することの国家的リスクを教えてくれる良い教訓

2024-04-25 10:48:05 | 書評
★【日経ビジネス】「日本は反面教師、米国にはもっと移民が必要だ」アン・O・クルーガー 米ジョンズ・ホプキンス大・高等国際問題研究大学院教授
 私は日本政府の外国人管理方針が国益に反する近視眼的な誤った姿勢だと繰返し訴えてきた。ここでクルーガー教授が述べる提言こそ日本政府は耳を傾け政策の根本的転換に生かすべきである。
 江戸いろは歌留多から諺になった『無理が通れば道理が引っ込む』という語句があるが、日本政府は国益から見ると筋が通らないな政策(=無理)を選び、科学的論議(=道理)を拒んでいる。
 その背景には国民の抱く<異人嫌い><共生・多様性の忌避><治安悪化の妄想>があるのだが、この感情を国民が本気で克服しようと思わない限り、経済停滞・人口/労働力減少は悪化するばかりだ。
  『移民の誘致競争=奪い合い』は既に始まっている。今の政策だと日本は増々「働く魅力のない国」に留まり、見向きされなくなる。それは子供でもわかる理屈だ。


* 日本経済の現状は、移民受け入れに反対することの国家的リスクを教えてくれる良い教訓になるだろう。第2次世界大戦後に急成長を遂げた日本の人口は2010年の1億2810万人をピークに(原文ママ。人口統計では日本の総人口のピークは
 2008年)、24年初頭には1億2400万人まで減少した。今後もさらに減少を続け、55年までに1億人を割り込むと予想されている。
 1990年代以降の日本の経済停滞の一因は人口問題、つまり生産年齢人口が93年の8680万人から2010年には8150万人へと減少したことだ。日本は当初、移民受け入れに反対していたが、やがて移民を奨励するさまざまなインセンティブを導入した。
  しかし、これらの施策はわずかな成果しかもたらさず、日本の人口は減少し続けている。

 ← 米国からは日本が「移民を奨励するさまざまなインセンティブを導入した」と映っているようだが、実態は名称と待遇改善を少し施しただけの臨時労働力確保策でしかないことは日本国民が知っている

* 人口と労働力の減少によって、労働者の生産性向上につながる新しい資本財に向けられるべき投資が労働者の補充に振り向けられるならば、経済成長を阻害する可能性がある。さらに、労働市場への新規参入者の平均学歴は定年退職者のそれを
 上回っている。米国で出生した米国人労働者数は2019年以降減少しているものの、米国の労働力人口全体は移民のおかげで2%増加している。米議会予算局の試算によると、高い移民率によって今後10年間の年間平均国内総生産(GDP)成長率を
 0.2ポイント押し上げる効果が見込める。
 歴史的な低失業率といつまでも続く労働力不足のさなかで、移民が米国人の仕事を「奪っている」と主張するのはおかしな話だ。同様に、移民は罪を犯しやすいという極右ポピュリストの主張を裏付ける証拠はほとんどない。
  それどころか、移民は米国生まれの米国人よりも法律を守る傾向があることが、研究によって繰り返し示されている。
 ← 感情的メディア報道ではなく、客観的な犯罪統計は日本にあるのか?

★ 短期的には混乱が生じる可能性があるにせよ、長期的に見れば移民は受け入れ国に経済的利益をもたらす。米国の公共政策の議論は、移民の悪影響について非生産的な議論に終始するのではなく、
 移民の最適な比率の決定や合法性の確保、(米国社会への)スムーズな適応の促進や、生産性の向上に焦点を当てるべきである。さらに政治家らは、移民や亡命希望者の出身国の経済成長を促し、
 所得水準を向上させる方法を探るべきである。 ← この提言は、そっくりそのまま日本政府にあてはまる

◎ 米国の合計特殊出生率(女性1人当たりの生涯出生数)が07年時点の2.1から20年には1.64に低下したことを考えると、現在のレベルの移民受け入れでも人口減少を相殺するには不十分かもしれない。
 足元の労働人口規模を維持するためには、米国は毎年160万人(人口の0.5%相当)の移民を受け入れなければならない。移民を受け入れなければ、米国の人口と労働力は毎年約0.5%減少するだろう。

◆ 自国において国民の労働力が減少していく中、その補充が急務と認識する国が増えるにつれ、移民の誘致競争は激化するに違いない。日本のような経済停滞の時代を迎えないようにするためには、
 先進国全体の政治的議論によって合法的な移民の受け入れを促し、より効果的な移民政策を採用する方向にシフトしなければならない。
  ← 果たして日本政府・霞が関官僚に、この国際的枠組みに乗り遅れないよう国民を説得する気概と準備はあるだろうか???
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政治家・安倍晋三の評価

2024-04-24 11:26:01 | 書評
  2022年7月8日、銃撃での落命からもうすぐ2年になる。銃や刀剣の所持規制が厳しい此の国での衝撃的な殺害だっただけに悲劇視され、首相としての功績を美化する傾向は未だに続く。
 外交面に功績あったと賞賛する人はいるが、拉致被害者はそのまま。北方4島は交渉を打ち切られ、得意げな(ニックネーム外交)は虚しかった。

 内政で唯一私が功績と認めるのは、一連の「安保法制」に関わる立法だけだ。<特定秘密保護法・国家安全保障会議(NSC)・国家安全保障戦略・防衛装備輸出3原則・開発協力大綱>
これらを盛り込んだ2015年9月の平和安保法は、日本の周囲を囲む3ヶ国(露・中・北朝鮮)の動向に照らすと妥当な立法である。
 犯人が暗殺に踏み切る動機となった「旧統一教会との癒着」問題は進展を今もみていない。これは安倍氏個人にとどまらず、歴代自民党幹部に責任はあるが、美化で隠れてしまったようにみえる。
 宗教と政治の癒着を起こさない枠組み作りが進まないのは、政治資金規制や裏金規制が本質に切り込まない政治家の体質そのものでもあり、病巣は根深い。

反対に失政と断じざるをえないのは安倍氏が日銀にやらせた「大規模金融緩和」である。政権復帰後の2013年からのマル10年、名目GDP伸び率は年率1.5%に留まり、極端な円安と、余剰資金の流入による株高を引き起こした。賃金は上がらず、日米金利差による円安で物価は上昇。「物価上昇を上回る賃上げを」と言っても、外貨が手に入る輸出企業以外にその原資はない。輸入物価の上昇で国富が流出する分、実質所得は下がる一方だ。ざっと、このような悪循環を10年にわたり繰り返した結果、国家経済は沈滞し、国際競争力の衰退が止まらない。そこへ人口減少が加わり内需は縮小、2025年、
日本のドル表示GDPは<米・中・独・印>の次の世界5位になると世界銀行は予測している。人口減少対策、移民政策、天皇継承危機、これら全ての抜本的変革を怠ったのも安倍政権である。

 日銀が国債や株式を買い込んだ結果、金融緩和の手じまいが難しくなり、日米の金利差も固定化するようになった。その結果、1ドル=150円台の円安水準が続く。世界銀行が算定する購買力平価ベースレート(物価が同じになるように計算したレート)は、1ドルが100円未満となっている。これはエネルギー、食糧、ソフトウエア、あるいは安倍氏の支持者が増強を求めていた武器などを海外から買うたび、本来の1・5倍以上の国富が海外に流出している計算だ。
 
 我々がこれを以前にまして強く実感するようになったのは、安倍氏が去ってからだ。しかも黒田前日銀総裁の任期終了を何故か待ってからの政策転換であり、またも時間を無駄にした。
それは岸田内閣にも責任はあるが、こんにちの国力低下という【亡国】の大元を創ったのは安倍晋三氏である。もう彼の虚像を論じるのはやめよう。
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喫 煙 今 む か し

2024-04-22 11:51:28 | 時評
 毎日【月議<getsu-gi>】たばことがんの探検家下桐実雅子(専門記者) 抜粋
* 新幹線がこの春、全面禁煙になった。最近の国の調査で、男性の喫煙率は25・4%、女性は7・7%。新幹線が開通した60年前(1964)、男性の喫煙率は80%以上もあった。
  1980年、たばこの煙による健康被害を訴える市民運動のメンバーらが、国や国鉄(今のJR)などを相手取り「全ての列車で半数以上を禁煙車両に」と求める裁判を起こした。だが、受動喫煙の害に
  ついての知見はまだ乏しかった。日本の研究者国立がんセンター(当時)で疫学部長を務めた平山雄さんが英国の著名な医学誌に「肺がんが増える」と世界で初めて発表し、大論争になった。

* 平山さんは、がんが多発する地域があると聞けば飛んで行って原因を探った。60年代から口腔(こうくう)がんの多い南アジアや中央アジアを巡り、懐中電灯で数千人の口の中をのぞいて回った
  そうだ。主な原因はかみたばこで、愛好家ほど発症リスクが高いことを突き止めた。30年以上にわたるそうした調査研究を、平山さんは著書で「がんの探検」と記している。
   探検に終わらせず、そこで得た知識は「社会で応用されなければならない」という信念も持っていた。喫煙で起こる疾患を「たばこ病」と名付け、「禁煙・菜食」を講演などで説いて回った。

  40歳以上の約26万人を14年間追跡した大規模調査から、夫がたばこを吸う女性の肺がん死亡率は、夫が吸わない女性に比べて高いとの結果を得た。米国の有力紙に「計算ミス」と報じられたが、
  数々の検証研究や実験を経て2004年、国際がん研究機関が環境中のたばこの煙の発がん性を認めた。たばこ規制の条約にもつながり、業績は今も国際的に高く評価されている。
  日本の対策の遅れに悲憤していたという平山さんは95年に他界した。ご存命なら、新幹線の全面禁煙を喜ぶだろうか、「遅すぎる」とあきれただろうか。
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「遅すぎる!」と平山さんは呆れるに違いない、と思う。30年前(1995)ですら喫煙率<全年齢平均>は50%強あった。かくいう私は変則的な喫煙履歴をもつので此の推移は興味深い。
  デヴューは16歳で26前まで。その後、45まで禁煙していたが、異郷に始まる転職ストレスからか再開。 帰国後も58遅くまで吸っていたが、会社の退職当日から今まで一切吸わない。
 肩身は狭くなったが禁煙できない人用に? 今では電子タバコと称する代替手段が見受けられるが、隔離された喫煙スペースに縮こまって吸うシルエット同様、あれも何となくうら悲しい。

 やめると喉や体全体、睡眠確保に良いことはすぐ自覚した。一方、煙を吸い込み、ゆっくり吐き出す刹那の快感も記憶している。あの快感は経験者でないと味わえない。
しからば、俗世からストレスフリーとなった今、あの快感は感じられないのだろうか? と自問するも、わからない。わかるのは体を損ねる度合いと速さは確実に増しているだろうな、との直観。

  よし!万一家内が先に旅立ち、この世への未練がいよいよ失せる日が来たら、バンバン強烈な酒をあおり肝臓や脳を潰し、煙草を吸いまくり肺癌 or 呼吸不全での往生を目指すぞ・・・。
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少年の野球選手減少が示す『スポ根精神論』の弊害  これは伝統墨守がもたらす弊害サンプルだ 

2024-04-22 07:56:00 | 時評
【毎日】🥎「大谷翔平人気、チャンスなのに…」 無くならない〝昭和野球〟【酒井志帆、塚本紘平】
*「まるで昭和の(時代の)ようだった」。母親がこう振り返るのは、名古屋市に拠点を置くチームの指導方針だ。母親によると、このチームでは監督に気に入られた子どもが試合に出場できた。
  どんなに野球がうまくても従順でない子どもは干されていった。保護者はお茶当番が回ってくると、監督やコーチの好みの飲み物を覚えて用意する。チームにとって監督は絶対的な存在。
  「あいつは、できない」といった監督の口癖を、気付けば息子もまねるようになっていた。息子は1年ほど所属したが、根性論が幅をきかすチームに嫌気がさし、半年前にやめさせた。

* 日本野球協議会によると、小学生野球から中学、高校、大学、社会人、還暦野球にいたるまでの各団体に登録している野球選手は2010年に約161万7400人だったのに対し、22年は約101万7500人
  と約60万人減少した。少子化に加え、サッカーやバスケットボールなど他のスポーツの選択肢が増えたことが影響する一方、スパルタ的な指導内容や保護者の負担も、その一因とされている。

* 日本野球連盟(JABA)は今春から、少年野球の指導者らを対象にしたコーチング研修会を始めた。東海地区連盟の北畑達也常務理事は「残念ながら野球界は、昔ながらのやり方をやっている団体が
  非常に多い。指導者の指導力を高め、子どもが笑顔でプレーできるよう変えていかないと、野球人口はますます減ってしまう」と懸念する。
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 慶應義塾高校が昨2023年夏の甲子園大会で優勝を飾り、その時の監督・森林貴彦氏の指導ぶりが話題になった。それは<体罰・投球過多・丸刈り強制>等が象徴する『スポ根』指導とは対極にある。
だが、日本野球協議会或いは日本野球連盟が仮に指導者たちに森林氏の著書「Thinking Baseball」を読めと薦めても、慶應義塾全般への反発心・やっかみもあり、浸透していないのだろう。

 しかし、ケイオーへの反発がスポ根指導を続ける理由ではない。真の理由は、現在の指導者たちの多くが「自分が受けた指導を必ずしも悪い内容ではない、良いところもあった」と信じているからだ
それは「古い・新しいからではない」固い信念である。その傾向は何もスポーツ界に限らない。<宝塚歌劇団でのいじめ自殺><PTA>が代表する【合理性とは真逆な理屈抜きの精神論】だ。
これが日本社会全体にはびこっており、それを「伝統」の名で守ろうとするので悪循環は終わらない
。最も端的な「伝統論」は≪ 男系天皇の死守 ≫に現れている。

★ 統治制度の一機能として大事だから守るのが天皇制であり<男系だから守る価値あり>ではない。野球人口の減少が示す伝統固執のもたらす報い。これを他山の石とせねば天皇制は危ない。
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