静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 外国人の定住受け入れ覚悟が国民にあるか? ≫      ≪ 元号騒動と天皇制の政治利用 ≫

2019-03-31 08:34:58 | 時評
◆ 【毎日・社説】就労外国人 新制度あすスタート 日本社会が変わる転換点 https://mainichi.jp/articles/20190331/ddm/005/070/022000c?fm=mnm
・ <背景にあるのは、少子高齢化と人口減少が同時に進行する日本の構造変化だ。国立社会保障・人口問題研究所によると、2015年国勢調査で
  1億2700万人の人口は、半世紀後の65年、8800万人と推計される。 さらに、65歳以上の高齢化率は15年の26・6%から、65年には
  38・4%に上昇する。長寿化を反映した人口構成となり、元気で働ける層は割合、絶対人数とも減る。>
 * 技能実習制度の反省生かせ
  安い賃金で都合よく労働力を使おうとすれば、この政策転換は早晩、頓挫するに違いない。実習とは名ばかりの技能実習生が置かれてきた低賃金、
  長時間労働の現実は、失踪の多発など社会にひずみを生んだ。その反省を生かさねばならない。← 更に、非就学外国籍児童等の増加は地雷のように危ない

・ <受け入れ企業の意識改革が欠かせない。また、労働者としてだけでなく、生活者として日本人と同等の権利を認め、必要な支援をすべきだ。>
 ⇒ 『市況変動に対応する人件費調節弁』として始まった派遣労働者に関する様々な法改正と、今回の就労外国人拡大は延長線上にあり、一時しのぎで
   人手不足緩和と賃金抑制を得ようとする基本マインドは変わらない。だが、これ自体は市場経済原理であり日本固有の動きでもない。
 ⇒ >私がもっと本質的で日本固有の民族的課題と考えるのは、”一時しのぎ”の発想が”外国人の定住嫌悪”心理とセットになっている点だ。これは企業人に限らず、 color="blue">新元号公表 color="blue">天皇制を政治に利用しないというのが現行憲法の基本理念。なるほど、戦後の保守政権は軍国主義や海外拡張のシンボルとしての天皇制は捨てた。 color="red">新天皇は弟君と手を携えて「政治に利用される王権」にだけはならぬよう努めて貰いたい。 そして、国民は、天皇を国家主義の方向に利用する
  策動は誰によるものであれ止めさせねば、自分の首を絞めることになると肝に銘じたい。
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≪ 今朝の3題 ≫  改元手続経緯の公文書化  警察取り調べの透明化   ”お人よし”を捨てた欧州連合(EU)

2019-03-29 08:52:25 | 時評
★   新元号:手続きを公文書 1~30年保存 将来公開も https://mainichi.jp/articles/20190329/ddm/001/040/163000c?fm=mnm
・ <政府は新元号を考案した学識者や、選ばれなかった元号案は公表しない。だが、同法によると、公文書は「1~30年」の保存期間後、国立公文書館に移管
  されれば原則公開となるため、将来的に公開される可能性がある。ただ、菅義偉官房長官が新元号を発表する際に掲げる元号名を記した「墨書」については、
   原則永久保存が義務づけられる「特定歴史公文書」として公文書館に移管し、できるだけ早期の公開を検討している。>
・ <一連の会議の内容や懇談会などで示された候補案、考案した学識者の名前なども盛り込んだ公文書を作成する。ただ、政府内で新元号の候補案をどのような
  過程で数個に絞り込んだかや、絞り込む前の段階で出ていた候補案は記録に残さないこととした。>
 ⇒ ”行政における文書化の一歩前進”ではあり、全過程の完全な公開ではない憾みは残すも、良い事だ。 
   ジャーナリズムに身を置く人、そして国民の仕事は、30年後の公開が本当に行われるよう監視を続けることだ。


★★  【余禄】イノセンス・プロジェクトはDNA鑑定で…https://mainichi.jp/articles/20190329/ddm/001/070/129000c?fm=mnm
・ <イノセンス・プロジェクトはDNA鑑定で冤罪(えんざい)を晴らす活動をする米国のNPO団体という。その集計によると、無実が立証された人々の25%
  以上がやってもいない犯行の自白や有罪申し立てをしていたのだ▲自白を「証拠の王」とする危険を物語る数字だろう。では日本の警察や検察が一度得られた
  自白に反する証拠を手にしたらどうするのか。自白の信用性が傷つかぬよう、反証を抱え込んでおく--それがこの事件での「答え」だった>
 ⇒ 『取り調べの可視化』の現実はどうなのか? 前に進んでいるのか? ここが変わらぬ限り、冤罪の悲劇は無くならない! 

★★★ 【金言】お人よしでない欧州=西川恵 https://mainichi.jp/articles/20190329/ddm/003/070/025000c?fm=mnm
・ <外来語「ナイーブ」は日本では「純粋で傷つきやすい」「感受性があり素直」といった、どちらかというと良い意味だ。しかし英語やフランス語では
  「単純な」「だまされやすい」「幼稚な」というマイナスの意味合いで使われる。
マクロン仏大統領が習近平・中国国家主席の訪欧を直前に控えた今月22日、
  欧州連合(EU)首脳会議後の記者会見で、「(中国に対して)欧州がナイーブな時代は終わった」と語った。「お人よしだった時代」という意味だ。>

・ <訪仏した習氏を迎えたマクロン氏が、メルケル独首相とユンケル欧州委員長をパリに招いて習氏と3対1で向き合ったのも、「欧州は一つの声で語る」
  とともに、「仏だけが欧州を代表して語ることはしない」というEU重視のマクロン氏らしい演出だ。
    東南アジア諸国連合(ASEAN)ともそうだが、中国は加盟国全体と向き合うことを嫌い、各個撃破で分断してきた。マクロン氏の3対1の会談提案に
  中国側は意に染まなかっただろうが、融和的対応をせざるを得なかった。>
 ⇒ 西川氏はきっと日本国・日本人に対する警鐘の意図で此の記事を寄せたに違いない。中国市場への依存度を下げても回る経済構造に日本は早く転換せねば、
   いつまでも中国への「お人好しの時代」を止められまい。
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≪ 独居老人になる日に備えて 予行演習? ≫    男やもめ あれこれ  

2019-03-26 11:33:18 | トーク・ネットTalk Net
 未亡人になった旧友を訪ね、妻が暫く不在に。 出てゆく前に<食事の用意と後片付け、ゴミ出し、風呂掃除、トイレ掃除、洗濯と干し方、植木鉢への水やり>を
 教わる。だが、とても空で覚える自信は無いので、全てメモ用紙に書いた。それらを器具や扉の傍に貼りつけ、ようやく安心・・・。

 さて、気のせいか、昨日も今日も車の通る音が少ないようで、無音に近い。アパートの上の階の物音が大きく感じられる。無色の時間に囲まれた気分。
『これはまるで設備が整った独房に居るようなものかな』と、一人ごち。皿洗いを極力減らすべく、夕食のオカズや酒のツマミは大皿に盛り合わせる。朝も昼も
 同じ配慮で同じ皿を使う。

 朝も昼も夜も、FMラジオやテレビを気まぐれに点けては、気を紛らわせる。何よりも普段と違うのは、家の中で言葉を発しないことだ。自分の声を聞かない時間が流れる。楽器を鳴らすのと、テレビやラジオから人の声や音が出てくる、唯それだけ。

★ 老いて一人暮らしになるとこういう時間が流れるのだな、と実感をもって噛みしめる・・。男の方が先にオサラバする確率は依然高いので、自分も若し
 其の例に入るなら、残された妻は同じ感覚を味わうことになる。いや、多くの女性は友達をしっかり離さずマメにつきあい、こういう日の為に備えることは
 フツーにできるのだろうな、多分。・・施設でお世話になる場合、此の時間感覚、いや経時感覚とでもいうか、変わるのだろうか?同類の朋輩が居るので、
 今感じているのとは違う時間が流れるのだろうか? ・・・などなど、よしなしごとを思いめぐらせては、空腹で音を出す自分の腹に呆れている。

 妻が周りに居る生活を日常と呼ぶなら、此の数日は<非日常>そのもの。外出して人と会うことはあっても、非日常は変わらない。配偶者が亡くなると、
 此の<非日常>を生きてゆかねばならない。 心底からそれにも慣れるのだろうか?  本当に? 
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≪ 難病における”終末期の定義”と 患者の意思 ≫    透析中止事例で問われている「生の尊厳」「自裁選択の自由」

2019-03-26 08:09:42 | トーク・ネットTalk Net
 透析中止に新ガイドライン策定へ 医学会、福生病院の主張否定 https://mainichi.jp/articles/20190325/k00/00m/040/281000c?fm=mnm
・ <日本透析医学会(理事長=中元秀友・埼玉医大教授)は25日発表した声明で「終末期でない患者の意思決定プロセスなどを追加して(学会のガイドラインを)
  改訂する時期に来ている」として、透析治療中止に関する新たなガイドラインを年内に策定する方針を明らかにした。> 
・ <2018年に改定された厚生労働省の終末期向けガイドラインは、患者の意思決定について(1)患者の同意だけでなく、家族や医療従事者らが患者の人生観、
  価値観を探りながら何度も話し合う「協働(共同)意思決定」(2)望ましい治療やケアに関する話し合いに健康時から取り組む「人生会議」
  ――などの考え方を推奨している。
  終末期の定義について、東海大病院安楽死事件(1995年)の横浜地裁判決(確定)は「回復の見込みがなく死が避けられない状態」と認定している。>

▲ 「終末期とは回復の見込みがなく死が避けられない状態」と定義を再確認したわけだが、この確認は、手術や施薬が効果をもたらさない末期ガン等と、透析さえ
  続けていれば死ぬことはない腎臓病を峻別するように聞こえる。”死なないからベターだろう。”との解釈である。若しそうならば、末期ガン患者に施される
  (ターミナル・ケア=終末加療)と同じ考え方を他の疾病には適用しない決意と解釈できる。


 だが、透析患者本人が”死なないからベター”とは思わないケースにどう向き合うのか? 学会の示した基本姿勢のまま≪終末期ではない患者自身の意思決定≫を
尊重することが本当に両立可能だろうか? 

(1)患者の同意だけでなく、家族や医療従事者らが患者の人生観、価値観を探りながら何度も話し合う「協働(共同)意思決定」
(2)望ましい治療やケアに関する話し合いに健康時から取り組む「人生会議」などの考え方を推奨している。≫

 (2)は良いとしても、(1)では家族や医療関係者らが加わった「協働(共同)意思決定」となれば、患者本人の意思が歪められる恐れは当然あり得る。早い話が、家族の誰かが本人の人生観をなじり、否定にまわる場合、協働にはならない。そんなケースが発生した時の本人の辛さを想像すれば、実に酷いことではないか?

* 私は日本尊厳死協会の会員で、意思表示が可能な限り、いかなる傷病であれ、延命措置の辞退を申し出る覚悟であるし、既に近親者には自分の意思を10年前から繰り返し伝えてある。遺言書にも明記した。それでも、家族ではなく医療従事者が己の価値観から私の意思に沿わない場合、私は生かされてしまう。それは生を終える自由を他者に奪われる事であり、最も許せない行為だ。 報道のような学会が有る限り、私の不信感は消えない。
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≪ 自惚れから目を覚まそう!≫  日本はもう世界最高品質でも「経済大国」でもない  ゆでガエル ♨

2019-03-25 12:53:33 | トーク・ネットTalk Net
【風知草】バイカル湖に寄せて=山田孝男 https://mainichi.jp/articles/20190325/ddm/002/070/109000c?fm=mnm
・ 昨年の春。プーチン露大統領側近が旧知の日本政府関係者にささやいた。
  <「日本人は勘違いしている。経済協力と引き換えに領土交渉--なんてあり得ない。経済協力は今や量も深さも中国の方が上。単なる投資なら、
  ロシアは日本無しでも困らない」 こうも言った。
  「ほしいのは、日本ならでは--の技術を駆使した協力だ。たとえばバイカル湖の水質浄化、汚染防止というような……」>

・ <中国が国内総生産(GDP)で日本を追い越し、世界2位に浮上したのは9年前。3位・日本との差は見る見る開き、中国経済の規模は17年の統計で
  日本の約2・5倍である。ロシアへの直接投資の件数、総額で日本は中国はおろか韓国にも及ばない。「経済力がないのに経済で取引できるという国民的錯覚が
  ある。日本は自己認識を誤っているというロシアの指摘は正しい
  くだんの日本政府関係者のタメ息は深い。>

 ⇒ そう、「日本が自己認識を誤っている」とは、ロシアだから言ってくれた貴重な冷水である。狡猾な外国人はおだて続けるだけで本音は言わないものだ。

* ずいぶん前になるが、私は「ああ、日本の社会と人の質(しつ)が落ちてしまった」と帰国直後の感想を書いたことがある。奇しくも、同時期に私同様、
  外国で長く働き帰国した友人も同じことを漏らしたので鮮明に覚えているのだ。
◆ 人の質(しつ)が落ちたとは、工業製品における安全・高品質の神話が崩れ去り、成長期には発生しなかった不正やデータ捏造が大手企業からボロボロ出始めた
  事に留まらない。落ち着いて物事を考える人々が減り、その場しのぎの暮らしに溺れる知的退化の進行と軌を一にしている。
   この知的退化は『律儀に、きちんと、馬鹿正直に基本を守る人間がバカにされる社会風潮』を蔓延させた。それは今も続いており、ひどくなる一方だ。

▽ 国際競争力の喪失は、何も新興国の追い上げだけが原因ではない。要は、国際市場に日本ならではの製品を出せない開発力の低下であり、低下の遠因は
  上に述べた知的退化を伴う「人の質の低下」だと私は確信するようになった。憲法を変えてみようが、国粋愛国教育を強めようが、知的退化はとめられない。
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