いよいよ私の葬送BGM/CD最後の曲だ。 サミュエル・バーバー(1910-1981)はカーティス音楽院を卒業後の1935年、イタリアに留学。留学中に「弦楽4重奏曲第1番:ロ短調」を作曲し、その第2楽章を編曲したのが<弦楽のためのアダージオ>になり、1937年に発表している。多彩な才能に恵まれた人であり、ピアノ演奏者/バリトン歌手としてレコードも残したらしい。作曲のヴァリエーションも幅広い。だが、どうやら今も多く演奏されるのは此の<アダージオ>と<ヴァイオリン協奏曲>のようだ。
20世紀に出始めたアメリカ人作曲家にしては(無調/12音/打鍵)などの実験的モダニズムは少ない方で、和声や楽式は前世紀のロマン派に近いというのが定評だが、なるほど、ヴァイオリン協奏曲/<アダージオ>どちらも、確かにそれは的を得ている。私には、プロコフィエフ、ショスタコヴィッチ、コープランドの作品を耳にする時のような異世界感がバーバーには無い。
ともかく重い。静かに湖底へ沈潜してゆく肉体をもわっと光と水に包まれる感じ、といえばいいだろうか。
色々あったが、まあ全てを閉じて御仕舞にしようや、といった雰囲気には一番の曲である。 棺の蓋を閉めるに相応しい音楽だと私は感じるので最後の曲に選んだ次第。 実際のCDは、この後に<エチュード#3、 別れの歌;ショパン>を再び重ね、締めた。
20世紀に出始めたアメリカ人作曲家にしては(無調/12音/打鍵)などの実験的モダニズムは少ない方で、和声や楽式は前世紀のロマン派に近いというのが定評だが、なるほど、ヴァイオリン協奏曲/<アダージオ>どちらも、確かにそれは的を得ている。私には、プロコフィエフ、ショスタコヴィッチ、コープランドの作品を耳にする時のような異世界感がバーバーには無い。
ともかく重い。静かに湖底へ沈潜してゆく肉体をもわっと光と水に包まれる感じ、といえばいいだろうか。
色々あったが、まあ全てを閉じて御仕舞にしようや、といった雰囲気には一番の曲である。 棺の蓋を閉めるに相応しい音楽だと私は感じるので最後の曲に選んだ次第。 実際のCDは、この後に<エチュード#3、 別れの歌;ショパン>を再び重ね、締めた。