静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 中国で”令和”商標申請殺到 ≫   中国政府の 日中関係改善及び知財批判への対応本気度が測れる

2019-04-30 13:19:39 | 時評
◆ 「令和」商標申請 中国で殺到 28日までに1200件超 大半は却下か https://mainichi.jp/articles/20190430/k00/00m/030/039000c?fm=mnm

・ 辛亥革命(1912年)から100年以上、中国人は王制を離れた国家でやってきた。中華民国となってからも、共産革命で現在の体制になってからも、
  王を戴く暮らしを国民の誰も知らない。従い、すぐ隣の日本に王制が続いていることへの認識は殆んどゼロに等しいだろう、と私は想像している。
・ 経済構造は実質的に共産主義を捨てながら、1党独裁を守るうえで、西欧型デモクラシーは無論、王制の肯定は禁句であり、大衆にとり王制など、遠い別世界の
  ものでしかあるまい。
・ 平成天皇が皇太子時代、中国を訪問した際のフィルムをたまたま昨夜TVで視た。珍しいモノ見たさ・好奇心に満ちた大衆の眼差しと、此の商標登録の動きを
  比べるとき、日本人は複雑な想いにとらわれるに違いない。 非難や怒りなど、感情的に色々でてくるかもしれない。

* 何でもゼニ儲けのネタにしようとする、それは国・民族を問わず、人類普遍だ。”中国人だから”と一方的に論難しても当たらない。日本国内の改元フィーヴァー。
  まさに国内で現在進行中のバカ騒ぎを考えたら、ゼニ儲けなら何でもやる習性を責めるのは「天つば」だ。反中・嫌中であろうがなかろうが、同じ醜い姿は
  我々自身のすがたでもある。


▼ 要は、中国政府は、自分とは例え相容れない体制であっても、天皇制を続ける日本国への敬意を自国民が損ねることは互恵平等の基本原則に立ち返り、
  放置しないとの態度を示すかどうかだ。 日本の天皇制が「元号」を伴う限り、元号を商標にすることが相手国民にとり<非礼>ならば、止めさせるか? 
  それは、知財保護をめぐり国際的に非難を受けている事態への対処であると同時に、日本との関係を本気で改善しようと考えているかの試金石でもある。

  
* 此のコラムをどれほどの中国人が読んでいるかわからないが、尋ねたい。
   若し、日本国内で「毛沢東」「鄧小平」「習近平」などが日常消耗品で商標登録されたら、中国人はどう思うだろうか?
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≪ 天皇の退位と憲法の整合性 ≫  国民の総意が象徴天皇としての姿と公務を支持するのだから 憲法規定を変える番だ

2019-04-30 09:46:31 | 時評
★ 陛下と保守派「天皇像」に食い違い 政府は対応苦慮 30日退位 https://mainichi.jp/articles/20190429/k00/00m/040/095000c?fm=mnm
・ <明治政府は天皇を中心とする近代国家を制度設計する際、天皇の意思で政治が左右されない仕組みを目指した。1889年に大日本帝国憲法とともに定めた皇室
  典範で、天皇が終身在位になって以来、戦後に制定された憲法や現在の皇室典範にも退位の規定はない。退位の実現には法整備が必要だが、憲法4条は
  「天皇は国政に関する権能を有しない」と定める
。メッセージを直接の契機に法整備に動くと、違憲と指摘されかねない。>
  此の青い色にした文字の部分、ここが私には納得できないのだ。

 ⇒ 明治憲法を創った際、元首と戴きつつも政治に介入させないとの意図が前面にでた背景には、鎌倉以来の天皇家と武士階級の政権闘争の歴史が念頭にあった。
   鎌倉幕府創設から明治維新まで700年の長きにわたり天皇家は日本の政治に絡み、争いの一端で有り続けた。徳川幕府を倒し、挙国一致で西欧列強の
   植民地化を防ぐ為には極度の中央集権国家樹立が急務だった時、再び天皇家が政治を左右しては困る、これが皇室典範制定の裏にあった。これは分かる。
    
   では戦後の新しい日本で何故、明治の皇室典範と同じ精神を維持し続けようとするのか? もう介入する余地も意思も天皇自身にはない。それどころか、
   平成天皇自身が父であった昭和天皇のバックボーンとなった明治天皇制の否定から出発したことは明白なのだ。なのに、何故、後生大事に明治の皇室典範を
   守る必要があるのだ? たぶん、保守派に守るための論理など無い。有るのは、”戦後の新しい日本の在り方そのものの是認・肯定を拒否したい心情”だけだ。


 憲法改正すべきは、自衛隊の位置づけなどではなく、国の在り方の基本にかかわる根本的仕組みを時代の変化に合わせる事ではないか? 中央集権の是正である
広域道州制による地方自治の拡大とならび、新しい民主国家に相応しい王制(=天皇制)の姿に皇室を変えてゆくのも重要な改正ポイントだ。それには、皇室典範
並びに憲法規定の改正が必須になる。 其の筆頭が<男性でなくば天皇にしない>条項だ・・・ 此の根拠とは何だ? 元々ありゃしない。 


* 無根拠だけではすまない。女系天皇の否定は、明治には無かった理念:基本的人権の否定である<性差別>そのものだ! 昭和天皇の人間宣言を忘れたか?
 「天皇は御簾の向こうで唯祈っておればよい存在」などとほざく渡部昇一には、嗚呼、そこまで耄碌したか・・・と慨嘆するしかない。

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≪ ドナルド&シンゾー ≫   笑えぬ漫才コンビ  『天皇の代替わりの重さ=スーパーボウルの100倍大事』  嗚呼、知性の無さよ

2019-04-27 19:19:11 | 文芸批評
★ 代替わりは「スーパーボウルの100倍大事」首相が説明したとトランプ明かす https://mainichi.jp/articles/20190427/k00/00m/010/099000c?fm=mnm
   唯、ひとこと・・・・晋三よ。 阿呆か、お前は? いや、阿呆以上に、とんでもない天皇制への侮辱だぞ。。
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≪ 産休・育休取れない or 長くは取れぬ大多数の非公務員 ≫  ”官も民も低生産性ゆえ休暇とれないのは同じなのに” という不公平感

2019-04-27 17:26:33 | トーク・ネットTalk Net
◆ 「給料泥棒」「ずるい」 7年産休・育休のNHK 青山アナ退職、バッシング殺到の背景は? 
   https://mainichi.jp/articles/20190426/k00/00m/040/139000c?fm=mnm
・ バッシングの理由を挙げれば、これでもか、というほど多い。順不同でゆくと・・・
 (1) 7年に亘り連続して産休ならびに育休を取らせるNHKの雇用慣行への驚き/呆れ・・営利企業で此のゆな寛大さは先ず存在しまい
 (2) 例え期限付きの本給の50%であれNHKは産休手当を出し、雇用保険からは「育児休業給付金」が支出された事への驚き
      ・・・MHK産休手当の源は国民から徴収した「視聴料」であり、雇用保険で支払われた「育休給付金」は国税からである
 (3) 産休及び育休の法的存在理由は、育児終了後の「復職」が前提なのに退職した・・・これへの怒り並びに『退職金も払ったのだろうな』との憤怒
 (4) 大多数の民間企業では産休&育休どちらも満足には取れないのが哀しい現実なのに、なぜNHKでは7年間も可能なのだ? やっぱり官庁なんだ、所詮
 ⇒ ざっと上に挙げた怒りの理由4つが「給料(または税金)泥棒!」「ずるい!」をカヴァーするだろう。

▼ 此の”やりきれない官尊民卑の不公平感”・・これは拡大する一方の”所得/生活格差感”と質は違うけれども、≪守られている一部の人たち≫に向けられる怨嗟の念では通底している。  高度成長が停止してから20年余り。中産階級の縮小が”社会の安定感の揺らぎ”をもたらしているが、其の揺らぎの底では、此の<怨嗟の念>が黒いマグマとなってくすぶっている。 これは怖いぞ~

◎ 休日・祝日の日数で日本は既に世界一だ。それなのに、年間労働時間は長いまま、有給取得率はOED諸国で相変わらず低いまま。ヴァケイションの名に値する
  長期休暇など、逆立ちをしても一般庶民は取れない。西洋映画に描かれるように優雅にエンジョイできているのは相変わらず「一部の人たち」だけ。何故?

   答えは明快。;;;『官民そろって労総生産性が主要国に比べ極めて低いので、同じ労働時間ではモノもサービスも売れない』 That's It !
* じゃ、何故、いつまでたっても日本の労働生産性は上がらないのか? 数え上げたらキリがない。海外で働いた事の有る人なら直ぐに出てくるだろう・・・

 ⇒ <生産性を落とす作業慣行><業務文書化の不備・敬遠><作業能率/効率の論理的評価手順の不備または忌避><評価不備に守られた低生産性勤労者の放置・
   温情><作業評価重視では解雇/降格させない労働法体系(特に公務員)><春季一括採用と途中入社忌避><民間との人材交流を阻む官庁の報酬体系> 
   <過剰品質の無駄を美点と錯覚><馬鹿丁寧なサービスへの依存><論理より情実を美徳と憚らない気質>
・・・この辺でやめておこう。夕飯が拙くなる。
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≪ 小選挙区制移行に失敗し政党政治が崩壊したのが平成の歩み:令和で教訓をどう活かすか? ≫   ≪ 生前退位から皇室典範の是正へ ≫

2019-04-26 19:23:16 | トーク・ネットTalk Net
    今日は内容の優れた論説2題に心打たれたので、ご紹介し、皆様と一緒に考えたい。
◆ 毎日【社説】平成を送る 政治改革の30年 今また原点を見つめる時 https://mainichi.jp/articles/20190426/ddm/005/070/089000c?fm=mnm
・ 平成の30年;日本の民主主義、国会、国政の推移を振り返れば、此の30年は「二大政党制」を主導した1990年前後の自民党にみられた謙虚で真摯な
  姿勢がいつのまにか自民党から失われ、政党政治・国会の在り方まで却って歪めた30年となった。其の責任は無論自民党だけでなく野党勢力全体にもある。
・ 此の歪みの原因を民主党の失敗の責任だけに負わせることはできない。政党政治の改革をもくらみながら混乱に終始し、1990年当時の謙虚な反省と姿勢を
  かなぐり捨て、反動的な国会軽視に傾いた安倍政権の大きな罪が逆に浮かび上がるのだ。

   社説が30年を総括した本文でいう「原点」とは、”1党独裁ではなく、多様な価値観を認め合う前提に立つ政党政治を育てよう”と唱導した当時の姿勢だ。 
  自分と異なる考えを持つ相手を揶揄・無視し、排除するかのような安倍首相の傲岸不遜な言動は、1990年とは真逆であり、政党政治を壊してしまった。
 

 * 有権者に今なお苦い記憶で残る民主党政権の失敗。鳩山由紀夫ほか民主党政権幹部の罪は万死に値する。 今の後輩たちがどこまで払拭できるのか?
  国民の全てが自民党スタイルを本心から支持してはいない。政権交代への落胆と失望が余りにも巨大だった反動が今でも続いているだけであり、それを覆す
  インパクトを野党は明確な国家ヴィジョンで如何に表現できるのか? 

 せめて次の選挙では小選挙区制下でも衆参両院で自民独裁を止めさせるところまで有権者は牽制して欲しい。何も政権交代までしなくてもいい。
  さもなくば合法的な独裁政権の弊害は更に悪化し、今の自民党では冗談ではなく、国の道を誤りかねない。


★ 毎日【金言】良かった生前退位=西川恵 https://mainichi.jp/articles/20190426/ddm/002/070/030000c?fm=mnm
・ <両陛下の最後の姿を目にとどめようと、訪れる先々で待ち受ける人々が異口同音に語ったのが「ありがとうございました」「ご苦労さまでした」だった。
  「これからはお二人の生活を楽しんでいただきたい」というのもあった。両陛下に対する国民の思いが凝縮した言葉だった。
・ <退位特例法が成立して1年10カ月、国民一人一人にとっては皇室を考え、両陛下の歩みを改めて振り返る機会となった。同時にこの1年10カ月は、
  次の時代を迎える心構えを作るプロセスでもあったように思う。>
・ <終身在位の天皇の場合、その「死」によって時代が断ち切られ、喪失感の中で次の時代が始まるのが宿命付けられていた。しかし今回はそのような断絶や
  喪失感はなく、次の時代に入っていく。人々と触れ合ってきた天皇、皇后両陛下にふさわしい見送りがなされ、新天皇を迎える。もちろん時代が変わっても
  貧困、格差拡大、少子高齢化など問題は山積しているが、生前退位に限って言うなら良かったのではないかと、ゴールを目の前にして思う。>

* そう、生前退位は、天皇制の在り方と今後について平成天皇自身が国民に投げた問いだ。今回の退位を特例法で政府は処理したが、本丸は「一世一元」
「皇位継承を男子に限る=女性天皇の否定」此の二つを核とした皇室典範の時代錯誤であり、明治の皇室典範精神は平成天皇の自主退位で実質的に葬り去られた。 
    この現実を国民自身が肯定するならば、もはや皇室典範の改正しかないだろう。 合理性なき明治精神の墨守が放置されてよい理由はもう無い。
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