静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 西 国 の 旅 ≫ 5/〆           畿 内 に 秋 を 追 う

2022-11-19 10:18:58 | 旅行
 M君と別れた午前、安野光雅美術館へ。安野氏は鴎外、西周につぐ津和野出身の著名人。細密画を駆使した風景画集や絵本のほか、活躍した領域は本当に広い。妻と訪れた前回の記憶に無かったのが「きり絵」作品だ。展示室一つを費やして並べられているのは童話や昔話だが、図形のみならず主なフレーズを文字にして絵と同じ画面に切り抜いているのには驚嘆した。生憎、撮影禁止なので写真で紹介できないが、圧巻としか言いようのない表現である。絵柄と字面双方に安野氏ならではのセンスが溢れ、見飽きない。
 これと別に関心をもったのが『安野光雅の切り絵百首~俵万智と詠む恋の歌より~』なるタイトルで俵万智さんとコラボしたという本の存在。日本放送協会から1997年に出版されたとの説明があり、帰宅後Amazon で検索すると在庫ありというので注文する。楽しみだ。

 午後、津和野を発ち新大阪のホテルに落ち着く。翌日も幸運に恵まれ、連日の快晴続きに気をよくした私は、まず京都に紅葉を求めた。槙尾の西明寺から栂尾の高山寺へ。
       
 私のジャッジでは、西明寺(左)の紅葉が高山寺(2枚目)を上回っていた。敷地と高低差に勝る高山寺は広さゆえか、私にはまとまりを欠く印象だ。今回、神護寺は寄らなかったので、次に機会があれば訪れてみたい。

 翌日は、姫路城の西にある旧御屋敷址公園(3枚目)がモミジ名所とのTVニュースに思い立ち、行ってみる。人出の多さには閉口したが、確かに白鷺城をバックに堂々たる紅葉はみごとだった。続く翌日は奈良・桜井の長谷寺(右端)へ。大阪からだと電車で1時間半かかる。ここも実に久しぶりの訪問だが、前回は紅葉の頃ではない。
名だたる京のモミジに勝るとも劣らぬ景観が嬉しかった。

 近鉄の駅まで歩くうち、交差点の地名表示が漢字で「初瀬」と書かれ、ローマ字で(HASE)とあるのに気づく。川の銘板も「はせがわ」となっており、「長谷」は後世の当て字では?と閃く。果たして私の推測が正しいのか分からないが、「初瀬」の方が情緒豊かに響く。難波で下車、水掛不動を覗き、往時を暫し振り返った。    < 了 >
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ≪ 西 国 の 旅 ≫ 4/? ... | トップ | 【書評164】       も... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

旅行」カテゴリの最新記事