処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

レッドクリフ partⅠ

2008-11-29 20:43:07 | 映画

原題:赤壁  英題:RED CLIFF

 

          

 

広州生まれの香港育ち、ハリウッドに進出して今や世界で指折のアクション映画監督・ジョン・ウーの里帰り大作。

 

確かに「三国志」は、物語の展開や歴史的意味、英雄・豪傑譚など、映画的興趣に溢れており、中国人なら最先端の技術を駆使して作品化したいのは当然だろう。夢と誇りがそうさせる。

封切りは北京オリンピックと同時期。中国を世界の一等国家に名乗りをあげさせた文化的イベントと言えなくもない。

 

が果たして三国志が、アジアとりわけ日本では広く長く親しまれて来たのに比べ、欧米では、どの位知られているのだろうか。中国歴史の理解の素地によって、観た感想は異なることだろう。

 

かつて日本の我々が、「風とともに去りぬ」「十戒」「ベン・ハー」「アラビアのロレンス」などの映画で彼の国々の歴史・文化に開眼したごとくに、この「レッド・クリフ」は機能するのだろうか。世界が中国の4000年の歴史をより理解する契機になれば素晴らしい。

 

                            

 

当初の予定通り、諸葛孔明役はトニー・レオンであって欲しかった。周瑜を演じることによって、part2の妻・小喬への曹操の横恋慕の原作にない話が生きてくることとは思うが・・。金城武の諸葛孔明、ブログの多くは好評だが、奥深さに欠ける。劉備玄徳は爺過ぎる。もっと若くなければ・・。関羽、張飛、趙雲はほぼイメージ通り。曹操役には渡辺謙の話もあったとか。言葉の壁で実現しなかったのは残念。

 

           

 

収穫は、小喬役のリン・チーリン。台湾のモデルNO.1。2004年から5年連続で 'ビジット・ジャパン・キャンペーン' の台湾親善大使をつとめているという。映画初出演。ジョン・ウーが美貌と才能に惚れ込んでの起用。落ち着いた美しさ。彼女の東洋の美を世界は認めるか。残念ながら今の日本には、及ぶ女優は居なかろう。

 

ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘  80点

 

 

 

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盛本

2008-11-24 00:28:54 | 舌鼓

        

 

銀座八丁目にある居酒屋。

「割烹」の冠がついてはいるが・・・実態は大衆酒場。

山口産のあがりたて鮮魚を直送。

美味くてリーズナブル。

出店26年目。初めて訪れたのは15年くらい前だったか。全く変わらない。

今日もおじさんたちのオダが賑やかなことだろう。

我ら呉越同舟の4人、呑んで喰って論じて、大いに盛り上がったのだった。

 

          

 

 

 

 

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絵を描く日常

2008-11-21 23:41:47 | 

玉村豊男 著  東京書籍 刊

 

          

       

 

玉村氏をはじめて知ったのは、TBSの『ブロードキャスター』だっただろうか。この番組はレギュラーあるいはゲストの魅力に寄るところが大きかった。

 

昨今、お笑いではなくジャリではなくタレントでもなく、自分の言葉で世間の変化や事件の背景、善悪を語れる人を探すのは難しい。その意味で氏のコメントは印象深かった。

 

ある時フラリ入った感じのよい小さな美術館が彼のミュージアム。そこで氏の作品に目を見張る。氏への関心は、本書によって、氏のDNAや絵描きとしての履歴、動機、画家と画商など充分に満たせることになった。特に、日常の生活における創作の模様や技法の試行錯誤などが、氏自身も書いているように、多くの人に役立つ 書き方になっていて有難い。

 

               

 

それにしても、肝臓を患ったために運動量の少ない、高校生以来の絵を手に染め、物書きの余技としての絵描きが、本業以上に実を結び、ガレリア・プロバとの契約に繋がり、売れる作家となる。何と幸運な人生であることか。人さまざま、世さまざまである。

 

 

 

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かま家

2008-11-16 11:31:10 | 舌鼓

「舌鼓」のカテゴリーに分類したが、実は、近場温泉の超穴場。

 

      

 

釜飯の店。メニューは「かに」「とり」「かい」「穴子」「サケ親子」「梅じゃこ」の6種類の釜飯。これに季節により「かき」が加わる。どれも1580円。

 

他に刺身、お新香、鯖煮など単品少々。

 

   

 

釜飯は、キャンプでよく利用する固形燃料。炊けるまで40分。その待ち時間にお客は温泉に入る。入浴料は700円。勿論、はいらずに食事だけでもOK。

 

湯は仙石原特有の白濁湯。熱めの温泉に浸かったら、汗を拭き拭き生ビール。少々おこげの入った釜飯が何とも言えない。

 

オーナーらしきおばあちゃんに近所のおばあちゃんたちが手伝ってるふう。座敷の座テーブルに 釜が置かれると、燃料の四辺を木片で風を遮り、タイマーを仕掛ける。

40分経過のブザーがなるとOK。この庶民性がたまらない。

 

            

 

食べログ

 

 

 

 

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畏るべき昭和天皇

2008-11-15 11:41:56 | 

松本 健一著、毎日新聞社刊

 

              

                                 松本健一氏

 

著者が竹内好論を書き始めた頃から、同時代の、いや同世代の評論家として目が離せないと思ってきた。「北一輝」をはじめとして、いい仕事をしてきている。この著作も、充分楽しませて貰った。齢を重ねた分だけ味のある文章になっていると思う。僭越ながら。

 

私達が普段知ることのなかった昭和天皇の発言や判断・行動について、歴史の事実の上からその畏るべき能力(さらに存在そのもの)を明らかにする。そして著者は、「あえて言えば」と前置きして、その畏るべきところを、 「二・二六事件のとき、北一輝から軍隊を奪い返し、戦後GHQ=マッカーサーを押し返し、自衛隊に突入した三島由紀夫を黙殺したたたかい振りにあった」と指摘する。

 

 

       ニ・ニ六事件         マッカーサーと昭和天皇

 

一、自らはアメリカからの短波放送に耳を傾け、軍の報告の欺瞞性を見抜い

  ていた。

一、二十歳の皇太子時代、初訪欧のバッキンガム宮殿における挨拶は、格式

  の高さと礼節と朗々たる音声で、参会者を驚嘆させた。 

一、戦時中、日本軍の南進の際、参謀総長はじめ軍首脳は、中立国タイへの

  上陸が国際法違反になることを気づかなかった。ただ一人天皇だけが知

  っていて下問した。

一、東条英機ら主戦論を前に、本来出席資格の無い重臣を大本営の御前会

  議に出席させて、挙国一致による戦争回避を狙った。

一、GHQに逮捕されることを嫌って近衛文麿首相は服毒自殺をした。この

  報告を受けて天皇は「近衛は弱いね」と述べた。

などのくだりは、ある種の感動を持って読んだ。

 

           

               昭和天皇 

 

著者が昭和天皇を「畏るべき」との形容詞が相応しいと思ったのは、1975年のエリザベス女王の来日の際の一シーンだと述懐する。

 

エリザベス女王と天皇の通訳をしたのは、外務省から派遣された通訳官・真崎秀樹。彼が、二・二六事件で蹶起青年将校から軍人政権の首班と推された真崎甚三郎陸軍大将の息子であると確認した時であったと言う。反乱軍の首魁の息子の起用は、天皇制が国内の権力闘争を越えて存続するシステムとなるための措置であったという。

 

著者結語。「昭和天皇は、現実政治を越えた彼方の虹であろうとした。そして実は、それ以外に天皇制が近代政治を越えて生き延びる制度的方法はないのである。昭和天皇の生涯は、そのことを身をもって示したのだった」

 

ところで、文中、日本が生んだ世界的名指揮者小澤征爾の名は、小澤の父開作が親交のあった陸軍の軍人板垣征四郎(関東軍参謀長、陸軍大臣)と石原莞爾(陸軍中将)から一字づつ貰って名付けたという記述があった。公知の事実だろうが、初めて知った。意外ではあった。

 

       

     板垣征四郎              石原莞爾

 

     

        小澤征爾     

 

 

 

 

 

 

 

 

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へぎそば処 越後屋

2008-11-12 09:27:41 | 舌鼓

   

 

病院入院中の友の見舞い帰りに寄る。三年振りくらいか。

 

このご時世、無くなっているかもと思ったが、果たして大盛況。

相変わらず中年のおじさん達の喧騒が店内一杯。

 

       

  壁に張られた品書き                 左からあしたば天婦羅、うに、かき酢、一夜干し

 

あしたばの天婦羅 460円

焼はたはた  490円

生うに 900円

かき酢 580円

新さんま刺身 590円

いか一夜干し 500円

へぎそば(1.5人前) 1300円

越之寒梅 900円

 

1979年から御徒町駅前で営業。庶民を相手に旨い物を安く。だから不景気など何処吹く風。

ありがたい。

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玉村豊男ライフ・アート・ミュージアム

2008-11-09 00:04:57 | 美術・絵

           

         

        エントランス                                  リーフレット

 

思えば、ここにふらりと入って氏の水彩画を観たのが、中学校以来描かなかった絵を、最近になって描き始めた遠因になっているかも知れない。

 

氏は、料理をやり、ワイナリーを持ち、本を書き、絵を描き、TVのレギュラーもやる。それらの集大成的な施設がこのミュージアム。近作が楽しめて、関連グッズのショップもある。

 

                      

                                 玉村豊男氏

 

手がけるすべてが成功しているという、おじさん達には、羨ましいナイスミドル。勿論、身を削る苦労と不断の努力の賜物とは承知しているが、それにしても素敵な人生の円熟期と脱帽するしかない。

      

                         ポストカード(パリの街角)

 

しばらくの間、氏の作画法をまねしてみよう。

 

玉村豊男ライフ・アート・ミュージアム

 

 

 

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Private Jazz Data Base #3 第3位

2008-11-05 23:29:38 | ジャズ

My Funny Valentine

 

なんといってもやっぱり、チェット・ベーカーだろう。

モノセックスのヴォーカルは一度聴いたら忘れられない。クスリ漬けで決して幸せな生涯とは言えなかった。ために日本人好みの’薄幸’のイメージが先行し、人気は衰えない。トランペットも超一流。世代によってはマイルス・デイビスよりファンが多いのではなかろうか。

 

              Chet Baker Foundation (youtube)

 

   < 歌詞 >

  

   僕のお茶目なヴァレンタイン
   愛しく おかしな ヴァレンタイン
   君はとっても微笑ましい
   容姿は不格好で 写真向きじゃないけど
   君はお気に入りの芸術作品だよ
   ギリシャ彫刻にはほど遠い体
   しまりのない唇
   知的じゃない会話
   でも 髪の毛一本変えないで
   僕のことを愛しているなら
   ずっとそのままでいて ヴァレンタイン
   僕には毎日がヴァレンタイン・デイだよ

 

 この曲には他にも、ビル・エバンス、スタン・ゲッツ、カイ・ウィンディングなどの名演      

 もある。ウィントン・マリサリスもいい。ヴォーカルなら、シナトラ、サラ・ヴォーンもか

 かせない。

 

 

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黒瀬

2008-11-03 21:27:19 | 舌鼓

鮨割烹

 

          

 

約1年前にリニューアル開店。

内装は必ずしも鮨割烹に相応しいかとなると、ちょっと難がある気がする。

前の店が如何様な業態だったのかによるわけで、これは当店の責任ではなかろう。よく工夫してここまで仕上げたと言うべきか。

料理は、申し分ない。味から言えば、もっと料金は高くていいのではと思える。

 

        

 

大間の本マグロとは恐れ入った。炙りたての子持ちの生ししゃも、超美味。漁獲のタイミングがあって、入らない時が多いそうな。ラッキーだった。

 

ビールはハートランド。店長のこだわりでしょ。選んだお酒は富山の加苗米(かのうまい)。なかなかだった。

黒瀬

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