処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

真夏の夜のジャズ = Jazz for Biginners 12 =

2018-09-30 16:20:15 | ジャズ

今回は趣を変えて映画。

  

『真夏の夜のジャズ』。原題は『 Jazz on a Summer's Day』。1958年の〝第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバル”のドキュメント映画である。これは必見。監督がスチール・カメラマンのバート・スターンだけに、その映像の美しいこと。

セレブでファミリーでノスタルジックでスタイリッシュのジャズが五体を打つ。これを観ずしてジャズ・ファンと名乗る莫れ。アマゾン価格6800円。

以下はアマゾン・レビューから。

”コンサート・ドキュメンタリーと、ポップ・カルチャーのタイム・カプセル。バート・スターンの『真夏の夜のジャズ』には、1958年ニューポート・ジャズ・フェスティバルの模様が、まさにその音楽のように、一見リラックスしているが、衝動的ですらあるアプローチで記録されている。スチール・カメラマンのスターンは、ナレーションをかぶせるようなドキュメンタリーのお約束を避け、リッチな色彩の映像でとらえた演奏と観客のセレブなムードを、ヨットのアメリカズ・カップ準備の様子と並列に取り入れながら、意図的にフェスティバルの大舞台と小さな会場のジャムセッションを行き来する。その課程で、アメリカン・ジャズが、その発展の歴史において、最も黄金に輝く瞬間を、彼は記録しているのだ。多様で、冒険心にあふれ、まだ広く受け入れられていた時代のジャズ。60年代に表面化する政治的・社会的混乱を数年後にひかえながらも、人種的偏見などないコミュニティーによって演奏され、まだロックやユース・カルチャーの影響を受けていなかったジャズ。スターンがフィルムを回していたのは、まさにジャズの牧歌的幸福に満ちた時代だったというのは大げさだが、まんざら嘘でもない”

『真夏の夜のジャズ』(動画) ※要注意:切れ切れではなく一挙視聴をお薦めです。

曲順と演奏は次の通り。

①曲と映像の融合が素晴らしい ②このモンクの出来は指折りではなかろうか ④⑤オーディエンスを巻き込む乗りは彼女ならでは ⑧マリガン若いねえ ⑩ギンギンのロックン・ロール ⑪鬼気迫る ⑫~⑮アメリカの至宝 ⑯~⑱神に抱かれて

  1. トレイン・アンド・ザ・リヴァー(ジミー・ジュフリー・スリー)
  2. ブルー・モンク(セロニアス・モンク・トリオ)
  3. ブルース(ソニー・スティット&サル・サルヴァドール)
  4. スウィート・ジョージア・ブラウン(アニタ・オデイ)
  5. 二人でお茶を(アニタ・オデイ)
  6. ロンド(ジョージ・シアリング・クインテット)
  7. オール・オブ・ミー(ダイナ・ワシントン)
  8. アズ・キャッチ・キャン(ジェリー・マリガン・クァルテット)
  9. アイ・エイント・マッド・アット・ユー(ビッグ・メイベル・スミス)
  10. スウィート・リトル・シクスティーン(チャック・ベリー)
  11. ブルー・サンズ(チコ・ハミルトン・クインテット)
  12. レイジー・リヴァー(ルイ・アームストロング・オールスターズ)
  13. タイガー・ラグ(ルイ・アームストロング・オールスターズ)
  14. ロッキン・チェア(ルイ・アームストロング&ジャック・ティーガーデン)
  15. 聖者の行進(ルイ・アームストロング・オールスターズ)
  16. 神の国を歩もう(マヘリア・ジャクソン)
  17. 雨が降ったよ(マヘリア・ジャクソン)
  18. 主の祈り(マヘリア・ジャクソン)
 
  アニタ・オ・ディ
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越冬つばめ

2018-09-27 16:57:47 | ドーナツ盤

 『越冬つばめ』(動画)

                           註:"ドーナツ盤"カテゴリーについて

 

  森昌子41番目のシングル。

  第25回レコード大賞最優秀歌唱賞受賞(1983年)。

  

 詞 : 石原信一  曲 : 篠原義彦  編曲 : 竜崎孝路  年 : 1983年

 

       娘ざかりを 無駄にするなと 

    時雨の宿で 背を向ける人

    報われないと 知りつつ抱かれ

    飛び立つ鳥を 見送る私

    季節背いた 冬のつばめよ

    吹雪に打たれりや 寒かろうに

    ヒュルリヒュルリララ

     ついておいでと泣いてます

     ヒュルリヒュルリララ

     絵にかいたような倖 せなんて

      爪の先ほども 望んでません

     絡めた小指 互い噛めば

      あなたと痛み 分け合えますか

      燃えて燃え尽き 冬のつばめよ

      なきがらになるなら それもいい

    ヒュルリヒュルリララ

      忘れてしまえと 泣いてます

      ヒュルリ ヒュルリララ

      古い恋ですか 女です

     ヒュルリ ヒュルリララ

      ついておいでと 泣いてます

      ヒュルリ ヒュルリララ

        ききわけのない 女です

 

 

 

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ラウンド・ミッドナイト = Jazz for Biginners 11 =

2018-09-22 20:23:16 | ジャズ

 ピアニストのセロニアス・モンク作曲の代表曲。いまやジャズのスタンダード・ナンバーとして多くのミュージシャンやファンに愛されている。

ラウンド・ミッドナイト』(youtube)

   

かつては、" ラウンド・アバウト・ミッドナイト” とタイトルされていたが、いつの間にかこう呼称されるようになった。

モンクは、紛れもないジャズの巨人。個性的なプレイがモンクのモンクたる所以である。間の取り方と拍子が他と異なる。一度聴いたら絶対忘れない。フラッと入ったカフェやジャズ喫茶などで流れていればすぐ判る。

大昔、名前は忘れたが、高名なジャズ評論家が、33回転レコードのモンクを45回転で聞くとバド・パウウェルに聴こえた、と評していた。

偉大かつ異形の巨人ゆえ、百人百論。懇切丁寧な評論以下2点。参考にして下さい。

後藤雅洋『「ジャズは個性の音楽」を体現した唯一無二のスタイルと存在感』

ブログ『何故その不思議な音楽が人の心に入り込むのか? 』

  

   イラスト:和田誠

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山藤章二・はじめての八十歳

2018-09-16 14:04:57 | 

出版社  岩波書店

定 価  1512円

頁 数  150頁

 

  

『週刊朝日』巻末の 世相風刺漫画 ”ブラック・アングル” で同誌のファンを増やしたのは、もう40年位前になろうか。

暫く健筆を見かけないと思っていたら、膝の手術で長期の入院。その時期に、いつの間にか「わからないことだらけ」になっていた身の回りや世間のものごとについて、好き勝手に書いたという。

あとがきで曰く。「この本、読者はどう思われるか知らないが、書いている私は面白かった、どうやってオチをつけるんだ、と毎日のように頭を痛めた。おかげ様でこうして社会復帰の真似事も出来た(出来てないか)」

著者は言う。「人生は砂時計。砂が落ちはじめたら、もう果てるまでも守るしかないー最近わりと気に入っている私の箴言だ」

去年、『終わった人』を、じじい世代の友達と回し読みをして大いに共鳴・共感・共有したものだった。この本も回そう!著者と出版社には悪いが、年金世代だもの。

 

 

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A列車で行こう = Jazz for Biginners 10 =

2018-09-07 21:43:59 | ジャズ

《 Take the "A" Train 動画

 

    

10回目は、デューク・エリントン・オーケストラ。#デューク・エリントン

カウント・ベイシーと並ぶアメリカを代表するジャズ・オーケストラ。ここでは、代名詞ともいうべき「A列車で行こう」を取り上げた。あまたある動画の中でも冒頭の動画が秀逸。

”デューク”は日本語で公爵のこと、”カウント”は、伯爵を指す。建国浅いアメリカ人には、長い歴史のヨーロッパへの憧れがあり、国王や貴族に対しての尊敬の念が強い。で、こうして自ら貴族を呼称したと、ウソかホントか分らない話を、半世紀も前にバンドの先輩から聞いたことがある。

エリントンのデビューから10数年はアメリカの禁酒法時代に重なる。ハーレムの高級クラブ ”コットン・クラブ”での演奏は人気に人気を呼んだ。蠢くギャングとの関係も想像に難くない。

ジャズは後進国アメリカが世界に誇れる数少ない文化。エリントンはまぎれもないその代表選手。作曲家・ピアニスト・バンドリーダーとしても傑出している。

上記WIKIの「エリントン」に紹介されている代表曲はすべて聴いて欲しいと思う。

 イラスト:和田誠

東京『コットン・クラブ』のエリントン・バンドのブログも。

 

 

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不死身の特攻兵

2018-09-03 21:01:41 | 

著者 鴻上 尚史

出版 講談社現代新書

頁数 292頁

  

この夏、メディアで結構取り上げられていた。本人自身も出たり書いたり。

佐々木友次。9回出撃して9回生還した特攻兵の名である。覚えた。これが著者の意図である。

あの軍律厳しき日本軍隊にあって、一介の兵士にそんなことが出来るのか。本人の最晩年に会えて話が聞けた。その内容を残した。それがこの本の全て。

戦後生まれの我が少年時代、巷には傷痍軍人が辻々で物乞いをする日常。特攻隊や予科練は、最高にかっこいい英雄だった。あれから60年、日本人の太平洋戦争観が変わって来、軍首脳の無能振り、軍隊の惨状などのホントの姿を国民が知っている。

この夏、昭和天皇の自戒らしきツイートの存在が明らかになった。平成天皇が代替わりの時に昭和天皇の戦争責任に言及すべきだとの論も散見する。

著者は後半、「同調圧力」を取り上げる。日本は、一億火の玉となって戦争に突入した。学者もジャーナリズムも政治家も止めることが出来なかった。特攻の誕生も根は同じ。

先頃の日大アメフト問題も同型だろう。戦後72年、日本人の属性、言い換えれば民族の特性は聊かも変わっていないのだ。

朝日新聞(8/23付)のインタビューで著者は「結局、同調圧力を求める人たちは、右にも左にもいます。この状況を何とかしない限り、この国が本当に、健全に一人ひとりが思考することは難しいと分ってもらえる人がいいですね」と語っている。

 

 

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