城山三郎 著 新潮文庫 刊
昭和51年の初版時に読み、今回は2度目。右肩上がりの経済を支えた日本の商社の実態を知り、衝撃を受けたものだった。もっとも、この時代は、商社に限らず、どこもある種の熱気に覆われていた。結果、日本は第二位の経済大国となったのだった。
そこに働く人間の典型を描いて分かりやすい。デフォルメされてないから嘘っぽくない。「いるいるこんなの」とか「あいつににそっくりだこの男」といちいちに思い当たる。作家の人間観察の鋭さと構成の旨さの技であろう。
主人公は、商社の本流とは程遠い地方の閑職にありながら、あの激しい日々だ。文字通り ”毎日が日曜日” のブログ主としては身の置き所が無い。この本を手に取ったのは、刺激の潜在的な欲求の故かしらん。くわばらくわばら。
一般紙のこの映画の広告欄に、あまたの著名人が、競って激賞の辞を寄せている。が、それほどの印象を持つには至らなかった。「イーストウッドなら、こ程度の映画は、普通に造ってしまうだろう。大体が大騒ぎをし過ぎる」というのが正直な感想。というより、所詮、これも宣伝の範囲内か。
頑固じじいが子供や動物によって、頑なな心を次第に溶かしていくのはよくある話。先の無い老人が、若い世代のために心を砕くのもよくある話。我慢に耐えて一気に逆転というのもよくある話。
それらを、今日のアメリカの諸問題をちりばめて、妙に道徳臭くなく、さらっとコンパクトにまとめ、その上、緊張感のある作品に仕上げたところにイーストウッドの手腕の凄さがある。
イーストウッド自身は、今後は監督業のみと宣言したが、親父の映画の音楽を担当して来た息子は、「そうとも限らないのではないか。内容によると思う」と。
『ローハイド』のロディ・イェーツ時代からのファンとしては、もっとヨレヨレのイーストウッドになってもファンです。気骨の老優の姿を見たい。
グラン・トリノ それにしてもスッゲーナー!!
サザンテラスのビル群(モバイル撮影)
新宿のtokyu handsにしばしば出かける。というより、仕事の帰途、乗り換えの際に立ち寄って買い物をする。
今回は、めだかのグッズ。水槽に入れた藻の傷みが激しいので、その改良方法がないか。替わりの格好なものはないものか。いろいろ選んだ。
で、薄暮の外に出て、眼前のビル群に焦点が合わず立ちすくむ。白灯下の店内で極小の字を見続けた反動。正面の建物の遠近がつかめない。不思議な感覚のひと時ではあった。歳のせいか。
先週、東京の空を覆った虹。サザンテラスから。(同)
《コルプス・デル・ムニ テンプラニーリョ ベンディミア・セレクシオナダ 》
Corpus Del Muni Tempranillo Vendimia Seleccionada
生 産 国 : スペイン
生 産 地 : カスティーヤ・リヨン
ワイナリー : ボデガス・デル・ムニ
ヴィンテージ : 2006
タ イ プ : 赤、 ミディアム・ボディ
葡 萄 種 : テンプラニーリョ100%
価 格 : 1180円
葡萄栽培農家としての長い歴史を経て2000年に自社瓶詰めを始めた生産者。
別名【超激安モンスター!!】創設わずか5年で実に15の栄冠を獲得し、そのうち
スペイン最高賞【Best Wine】に7度も輝く。
フルーティな香りはイチゴ等の果実を想わせ、肉付きの良い味わいが口中に広がる。
「こんな凄いワインは、一生でそう何回も出会えるもんじゃありません」。ネットにこんな紹介もありました。
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混雑を避けてGW連休前に東京国立博物館に出かけた。比較的空いているウィーク・デイの遅い午後を狙ったのだが、結果は、20分待ち。
しかし、待機列は大方が年配者のために騒がしくなく、覚悟の割には順当に入場出来てホッとする。
素晴らしい作品群だった。日本人の繊細な美意識と敬虔な信仰心、そしてそれらを至宝の像として後世に伝える情熱と技術。いずれの国の歴史展や考古展を観て痛感するのは、遠い過去から現代に近づくに従い、人類は愚かになり、怠惰になり、尊大になったという事実。
日常の喧騒や煩雑から離れて、一瞬、この思いに立ち返られるのが、こうした展覧会の貴重な価値の一面でもあるだろう。精々、あちらの美術展こちらの博物展とアンテナを張っては、せっせと通う努力をしよう。
それにしても、興福寺が、歴史、由緒、芸術等これほど立派な寺院(変な表現ですが)とは思わないで居た。大いに勉強になった。
6月7日まで。
CD club盤
海原純子医師が、「一人の時聴くのはまずこのCD」という評に刺激されて買ってみました。「このセンセ、どのくらいジャズが分かるのかしら」という不遜な気持ちもありました。が、結果は、センセを見直すことになりました。
センセがシャンソン歌手として公演のキャリアが豊かでCDも出されているとは・・・。自らの不明を恥じています。
気合を入れて聞きました。
で、海原ドクターの感性を全面的に信じます。お説の通りでした。
お詫びに、今後はドクターの公演を聴きに行く努力をすることにします。
1、Last Night When We Were Young
2、Blue Moon
3、The Boy Next Door
4、I Must Have That Man
5、But Beautiful
6、Thou Swell
7、When Your Lover Has Gone
8、Easy Living
9、In A Sentimental Mood
10、Stompin' At The Savoy
11、I Get Along Without You Very Well
12、Waltz for Debby
Vocal : Cheryl Bentyne
Piano : Kenny Barron
Bass : Ray Drummond
Record : April 20 and 21,NY.