処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

男性論 ECCE HOME

2014-03-28 14:18:01 | 

著者  ヤマザキマリ

発行  文芸春秋 文春新書

 

                 

 

実に小気味のいい本である。著者が、映画『テルマエ・ロマエ』の原作者であることを知らずにいた。

大体が、テレビで流れる映画『テルマエ・ロマエ』のCMカットは、何やら騒々しく、俳優の阿部寛を好きでなかったこともあり、さらには原作がマンガと知るに及んで、関心外ではあった。

しかしながら、この自身に満ちた論述に触れて、タダモノでない気配を感じるに至る。類例の少ない日本人女流作家ではなかろうか。

終章の、興業収入58億円の映画『テルマエ・ロマエ』の原作使用料が100万円という騒動の下りの当事者の言い分は、興味を惹かれる。あまり知られていない業界の遣り口を世に曝したという点において功績大である。

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ニューオリンズから

2014-03-16 16:38:31 | ジャズ

ニューオリンズのGHBジャズ・ファウンデーションから待望のCDが届いた。『 HYMNS & SPIRITUALS 』

 約50年前、ジャズにドップリ浸かっていた頃、苦労してやっと手に入れたLP「the  At Vespers 」 に瓜二つのCDケース。嬉しいね。

いまや絶滅種のニューオリーンズ・ジャズ。今のジャズ・メンによる半世紀前と同じ賛美歌集CD。船便で届いた外箱を開けて目にしたデザインに、「味なことを」とニヤリ。自分を取り巻く空気が、あの学生時代に一瞬に返ったね

  

時代は、グループ・サウンズ一色の時代。どこへ行ってもテケテケの国籍不明の同音同曲のバンドばかり。

だから、かえって、大人のダンパー(今でもこういう言い方するかな?)によく呼ばれた。

毎年末には盛り場のホールに出向いちゃバイト稼ぎをしたものだった。銀座の風月堂も常連。

ちなみに我らがバンドの名前は、カウント・オブ・ディキシー。

  

  (ニューオリーンズで発行されているクラブ雑誌『ジャゾロジー』)

日本のニューオリは西高東低。いまでも神戸には、ライブが賑わいをみせ、2次会3次会の大人の夜に彩を添えている。羨ましい。東京は、ジャズ喫茶自体が息絶え絶えというのに。

昔の仲間は、そろそろリタイアに入ってきた。なら、爺さんバンドでもやる気になってみるのも悪くはないか。

 

 

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里山資本主義

2014-03-13 10:35:05 | 

 藻谷浩介/NHK広島取材班

角川oneテーマ21

                               

なるほど刺激的な本である。

高度成長経済の右肩上がりの時代に青春を過ごしてきた世代には、というより私には文明感が一変するルポが続く。どれも合点がいく。いちいちに「やっぱりそうか」「エッ、そんなに進んでいるのか」と納得するばかり。

自分から出来そうなこともありそうだ。しかし、ならば「やるか」とはならない自分が情けない。でも一人でも多くの人がこの本を読めば、やがて時代が目に見えて変わっていくのではなかろうか。

著者藻谷浩介は、減速する経済の主因が減り続ける人口にあることを分析・表出して広く世に知られるが、たまに観る報道番組での健在振りは頼もしい限りである。また、同チーム取材班のNHK広島:井上恭介、夜久恭裕両氏の”安心の原理”を志向する意思と情熱は素晴らしい。籾井某の騒動には振り回されず、いい仕事を続けて貰いたい。切に願う。

 

 

 

 

 

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