処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

日中友好音楽のつどい

2018-08-31 18:19:56 | 舞台・演劇

今年は日中両国の国交回復46周年、平和条約締結40周年の佳節に当たる。

その意義を込めたライブが催され、両国の友好を願う一人として参加をしてきた。

  

 

83年前、24歳の中国青年が藤沢村の鵠沼海岸で水死する出来事があった。その人は、お隣中国の国歌=義勇軍行進曲を作曲した音楽家・聶耳(ニエアル)だった。

1954年、藤沢市民の有志によって記念碑が建てられたが、台風によって破損、65年に郭沫若の揮毫「「聶耳終焉之地」で再建、その後記念広場の整備や解説碑や石碑の建立・序幕式などが行われ、現在に至っている。

地元藤沢市では、中国が生んだ偉大な音楽家の死を悼んで、折に触れて様々な催しを行ってきた。この日も、台風接近で、参加者は少なかろうとの当方の予想を裏切る盛況。参加者は高齢者が圧倒的。

中国側からのプロの歌舞団の合間に、日本の爺さん婆さんの合唱団や余興チームの演目も。聞けば、毎年訪中しては、各都市の舞台に出て交流を深めているという。

外交や政治ではない。こうした市井の交わりの不断の積み上げが、理解を促し信頼感を醸成し、やがては平和世界への構築へと広がり行くのだろう。印象に残る集いではあった。

聶耳

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

異邦人

2018-08-21 22:49:53 | ドーナツ盤

 『異邦人』(動画

  註:"ドーナツ盤"カテゴリーについて

 70年代のシンガーソングライター久保田早紀の作品。彼女はこの曲でニューミュージックの伝説的存在となった。

三洋電機のテレビのCMソングとして社を挙げてのプロモーションの展開の結果、2か月後にはヒットチャートの1位、その翌月には月のチャートの1位となった。

シングルレコードの総売り上げは144万枚。

  

久保田早紀は、突然のビッグ・ヒットに戸惑うとともに、その後の芸能界生活に馴染めず、5年後に引退をする。

80年に洗礼を受けていた彼女は、85年結婚、今はキリスト教のミュージック・ミッショナリーとして教会やコンサートなどで活動を展開している。

   作詞作曲:久保田早紀    年:1979

     子供たちが空に向かい両手をひろげ

     鳥や雲や夢までも つかもうとしている

     その姿は きのうまでの何も知らない私

     あなたに この指が届くと信じていた

     空と大地が ふれ合う彼方

     過去からの旅人を 呼んでいる道

     あなたにとって私 ただの通りすがり

     ちょっとふり向いてみただけの 異邦人

     市場へ行く人の波に 身体を預け

     石だたみの街角を ゆらゆらとさまよう

     祈りの声 ひづめの音 歌うようなざわめき

     私を置きざりに 過ぎてゆく白い朝

     時間旅行が心の傷を

     なぜかしら埋めてゆく 不思議な道

     サヨナラだけの手紙 迷い続けて書き

     あとは哀しみをもて余す 異邦人

     あとは哀しみをもて余す 異邦人

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

堕落論

2018-08-15 08:42:56 | 

著者 坂口安吾

出版 集英社文庫

頁数 257

2009年8月6日第15冊

 

   

3、40年前、時々読んでは元気を貰っていた。久し振りの安吾。

敗戦により日本は天地がひっくり返り、価値観が180度変わってしまった。その混沌の世に、安吾は、『生きよ、堕ちよ』と鼓舞したのだった。彼の心は、人間への限りない愛情に貫かれている。その飾らぬ直截な叫びが、読む者の心に響く。そして希望になる。

「戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄のごとくではあり得ない。人間は可憐であり脆弱であり、それゆえ愚かものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる」。ここを立松和平は「『堕落論』の中で最も美しい文章であると指摘している。

『続堕落論』『日本文化私感観』『恋愛論』は、作品として社会評論として一級の仕上がり。骨太、掘り下げ、喚起と申しぶん無い。

反面、小説(だろうと思うが)の類はいまいち。意図は想像できるが、上手く表現出来ていない嫌いがある。しかしそれを差し引いても安吾の評価は変わらない。『堕落論』読むべし。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス = Jazz For Biginners 9 =

2018-08-10 20:12:03 | ジャズ

 《 Clifford Brown with Strings  》

クリフォード・ブラウン夭折のトランぺッター。彼が25歳で交通事故死しなければ、帝王マイルス・デイヴィスの現在の存在や位置も違ったものになっていたかも知れない。

 

クリフォードのベストとして、この《ウイズ・ストリングス》を挙げるファンはそう多くは無かろうと思う。何しろ、彼は、モダン・ジャズの最隆盛期1950年代後半を牽引したハード・バッパーであるから。

しかし、ストリングスつまりクラシックの弦楽器との競演盤は彼の偉大さを語って余りある。スロー・バラードを艶のある高音で素直に綺麗に奏でる。これは生半の技量で出来ることではない。しかも誰もが知るポップスを。これもジャズです。

下記のURLは、ともに後藤雅洋氏の手になるものです。本業はジャズ喫茶経営。 クリックでお分かりの通り、その店は四谷駅そば、㈱東弘とは斜の背中合わせの位置です。

『アエラ・ドット』'08.1.10

サライ』'15.9.29

なお、以下は当ブログの過去の1ページです。ご参考に。

 『クリフォード・ブラウン・エマーシー・イヤーズ』

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

網元 おおば

2018-08-06 17:43:09 | 舌鼓

箱根まで我が家から車で1時間20分。喧騒を逃れて、温泉と自然に浸りによく通う。最近は大所のホテル・旅館の日帰り湯も多くなり、都合が良い。

 

芦ノ湖畔で最も好きなのが湖尻地区。開発を忘れられたかように静かなのがいい。”網元おおば”は、その水際に建つ。ごく普通の観光地のレストラン、というより食堂だ。

 

ここの逸品は公魚(ワカサギ)。毎年10月1日に皇室に献上しているとか。戦後、時の首相吉田茂が芦ノ湖に鳥居を建立奉納。その御礼に皇室(宮内庁)に地元のワカサギを献上したのが始まりという。

 

恥ずかしながら、”公魚”と書くとは知らなかった。皇室に届けるから芦ノ湖のワカサギを公魚と書くようになり、それがやがて年月を経て各地も公魚と綴るようになったのかしらんと勝手に想像。

 

美味。これまで各地でワカサギを食べてきたが、格段の違い。同じ芦ノ湖産でも全然違う。なるほど、献上品に相応しい。

 

ランチのご飯をお蕎麦に替えて、家人と二人、てんぷらとフライを頼む。ともに1,080円。

 

逆走台風の去った翌日、邦人も外国人も観光客が少なく、快適な一日になった。

 

窓に写る芦ノ湖の海賊船。この一大観光地を運営する小田急電鉄はオリ・パラまでに100億円を投入して箱根の整備・拡充を図るという。現行3隻が4隻に。1隻2億円。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クレオパトラの夢 = Jazz For Biginners 8 =

2018-08-01 11:07:50 | ジャズ

  Cleopatra's Dream 》

バド・パウエルの代表曲。この曲名気に入っています。テンポは速いがメロディアスで、日本のバド・ファンが多い理由でしょう。

ジャズ・ファンでなくとも一度や二度聞いたことがあると思います。

オリジナル・ナンバー

 パーソネル

  • バド・パウエル(Bud Powell) – ピアノ
  • ポール・チェンバース(Paul Chambers) – ベース
  • アート・テイラー(Art Taylor) – ドラム

 

 

30年ほど前、TBSテレビが深夜番組『リューズ・バー』を放送していました。ホストは作家の村上龍。起用したオープニング・ナンバーがこの曲。番組としては不評だったようですが、何とか都合をつけては観ていたものです。

近年リリースされる復刻版のジャケットは、残念ながらこれではないのですが、シリーズの『シーン・チェンジズ』vol.1の第1曲が「クレオパトラの夢」。相応しい!!

ちなみに、バックの男の子はバドの子供だそうです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする