処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

風華国楽

2018-04-30 06:36:42 | 舞台・演劇

今年は、日中両国が平和友好条約を結んで40周年になる。その佳節を記念しての公演。主催する民主音楽協会の創立55周年の意義も含んでいる。

巡演は2カ月で50都市、中野サンプラザでの最終公演の前日、相模女子大学グリーン・ホールでの公演に出掛けた。

 

想像を遥かに超えた癒しの舞台だった。

中国古来の楽器である琴、楊琴、二胡、鼓、阮(琵琶)、笛で、四季の移ろいを謳いあげる。幕開けは三台の大太鼓。場内の空気が一変する。春夏秋冬夫々の季節に4曲づつ。日本の『花は咲く』『島唄』『少年時代』『世界に一つだけの花』も選曲宜しく配置されている。

中国でヒットしている『小さいリンゴ』では、簡単な振り付けと合いの手で場内が盛り上がる。

アンコールの最後は『母』。各都市で繰り返しで習熟して来たであろう一体感の演出はなかなかのもの。

国交回復後、民音が中国から招いた芸術団の公演は2000ステージを超え、観賞客数は312万という。政治における外交関係は往々にして右顧左眄する。しかし、こうした草の根の文化の交流の蓄積が、それらを包み込んで揺るぎない友好関係を築きゆく。その信念と粘り強い努力に心から敬意を称したい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モリタート Moritat = jazz for biginners 3

2018-04-27 08:02:57 | ジャズ

1956年にリリースされたソニー・ロリンズの代表アルバム”サキソフォン・コロッサス”。

管楽器はサックスだけ。他のパーソネルはピアノ、ベースとドラムス。管楽器がトランペットの時もある。これをワン・ホーン・ジャズという。モダン・ジャズの最盛期に一世を風靡したユニットである。

       

このアルバムの、ロリンズの温かさに満ちたプレイと青ジャケはモダン・ジャズの代名詞。目にしただけで一挙に憧憬と自意識と優越感に満たされる。収録の5曲どれもいい。が、最も気に入っているのは”モリタート”、『三文オペラ』の劇中歌。アメリカでのタイトルは ”マック・ザ・ナイフ”だ。

動画:ソニー・ロリンズ・ジャパン1981

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天才

2018-04-25 05:06:24 | 

著者 石原慎太郎

出版 幻冬舎文庫

頁数 222頁

初版 2016年1月

  

 

2016年発売のベスト・ワン。年間90万部が売れた。なぜ石原慎太郎が田中角栄を書いたのかに興味があって、文庫になるのを待って読んでみた。

慎太郎が、角栄の立場で自分史を書いているのだが、読む方にとっては不思議な感覚。あくまで小説(フィクション)でありながら、事実に沿って進行する。圧巻はロッキード裁判と創誠会発足の下りか。

著者自身による、”長い後書き”と氏に一人称書き小説化を進めた森元孝(早大教授)による ”解説”で、上梓の意図がよく判る。

角栄は、アメリカに頼らない資源外交に突き進んだためにメジャーの虎の尾を踏み、姦計に嵌められた。アメリカの国策によって葬りさられた。未曾有の天才、紛れもない愛国者の存在の歴史的事実を改竄してならない、と言うのが慎太郎の意図のようだ。「アメリカにNO!と言え」と我が国民に檄を飛ばしてきた主義主張と軌を一にする作品であろう。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

居酒屋

2018-04-20 21:57:49 | ドーナツ盤

『 居酒屋 』動画

                                註:"ドーナツ盤"カテゴリーについて

  歌:木の実ナナ&五木ひろし 

      

    詞:阿久悠  曲:大野克夫  年:1982

 

 もしも嫌いでなかったら 何か一杯飲んでくれ

 そうねダブルのバーボンを 遠慮しないでいただくわ

 名前きくほど野暮じゃない まして身の上話など

 そうよたまたま居酒屋で 横にすわっただけだもの

 絵もない花もない歌もない 飾る言葉も 

 洒落もない そんな居酒屋で

 外へ出たなら雨だろう さっき 小雨がパラついた

 いいわやむまで此処にいて 一人グイグイのんでるわ

 それじゃ朝までつき合うか 悪い女と知り合った

 別に気にすることはない あなたさっさと帰ってよ

 絵もない花もない歌もない 飾る言葉も 

 洒落もない そんな居酒屋で

 
 

利用可能な翻訳がありません

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

めだかの館

2018-04-18 08:13:17 | 身辺雑記

めだかがこんなに奥深いとは知らなかった。

《めだかを日本の文化に!!》と日夜取り組まれている めだかの館 を訪れる機会があった。めだかを錦鯉、金魚に次ぐ第三の観賞魚にしたい、その運動の総本山である。

      

この『めだか型録』は毎年4月に出版され、通算17号目になる。今年の最新号は、”改良メダカ系統図”を掲載。めだか文化の定着に欠かせない改良めだかの進化や作出者(交配者)の歴史を残すことを目的としている。

・品種について ・改良めだか年表 ・固定種ナンバー ・系統図 など、コアファンにとっては貴重な資料が並ぶ。

また、写真が素晴らしい。総てスタッフが撮ったものという。水中を泳ぐ魚は、難しい。こんなにハッキリと、様々な角度から。

 

少し情報過多のきらいもあるが、このカタログ自体の作りも素晴らしい。非常に高級感のある体裁。画像がよく映える。素人にも年季の行った愛好家にも使い勝手のよい冊子になっている。

昨年、偶々”楊貴妃めだか”12尾を戴いた。専ら家人が面倒をみている。餌やり・水草の手入れ・水替えなどだ。

あれから1年、教えてくれる人が居て、棕櫚の革(網)を丸めて浸しておいた。何と卵が付着している。大変だ、死なしてはならない。このめだか図鑑をバイブルにして育ててみよう。

  

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワルツ・フォー・デビー Waltz for Debby = Jazz for biginners 2 =

2018-04-17 08:17:30 | ジャズ

ピアノ・トリオの最高傑作、『ワルツ・フォー・デビー』(ビル・エヴァンス・トリオ

エレガントでセンシティブ、内省的な楽想などから、エヴァンスはジャズではないと断言する人も少なくない。発祥もその後の展開もジャズの本質は黒人音楽。白人であることを根拠に、エヴァンスのはジャズはない、と決め込んでいるのかしら。

半世紀も前、渋谷の駅近く、宮益坂を下った先の突き当たりに《エヴァンス》というジャズ喫茶があった。その名の通り、マスターがエヴァンス狂で、エヴァンスのレコードしか置いていない。そんな店で、ジャズか否かを口角泡を飛ばしていたのだから、若かった。

 

曲名にあるデビーはエヴァンスの2歳の姪の名。イントロはワルツのテンポで可愛らしく、すぐにフォー・ビートに変わる。この演奏を歴史に残したのは、スコット・ラファロのランニング・ベース。このレコーディングの11日後、交通事故で夭折した。享年25歳。エヴァンスは半年間に渡り失意のどん底に沈んだ。

夜明け間近の高層マンションの最上階。開け放たれた窓を微風が吹き抜ける。こんなシチュエイションでエヴァンスが聴けたら最高だろうな。

動画ワルツ・フォー・デビー】真正のビル・エヴァンス・トリオ

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山水

2018-04-15 06:56:46 | 投宿

3月初旬、日本で一番大きな村の十津川村を訪ねた。

旅行ガイドのネットのキャッチは ”静響の宿 ”と謳っている。採ったルートは新大阪駅からの車。3時間半かかった。奈良の最南部、和歌山・三重の県境。

山間の渓谷とそれに沿った道路は、8年前の集注豪雨の惨禍が未だに癒えず、彼処で修復が行われていた。到着は18時前、エンジンを止めると、いきなり静寂の世界。聞こえるのは裏手を流れる川瀬の音だけ。みる間に闇が濃くなっていった。

入宿の手続きは初老のおじさん、オーナーかな。食事は食事処で。他に泊り客は西欧人カップルと工事関係者らしき一人。

食事は思いのほか豪華。料理長が、一品毎に卓側に来て説明。勿論郷土の食材が誇りを帯びて出される。

  

4人が一部屋一人。一人分は20畳もありそう。オフ・シーズンにしても随分と贅沢。エアコンに加え石油ストーブの備えも。なるほど夜中に点けたのだった。

部屋の中は、一つ一つが、オールド・ファッション。時代に置いて行かれた物々。

風呂は、廊下の突き当たりの階段をおりる。脇の戸口を出たところには家族風呂もある。

 

まあ、風情のあること。料理と湯、温泉宿の本筋で二重丸。

 

翌日が今回の遠出出張の本番。一村を対象の《希望の種子展》の開会式。会場は廃校中学の体育館、村長はじめ村の名士が参列、アット・ホームに進行。

仕事を終えての帰路、谷瀬のつり橋で肝試し。我ら同行4人全員アウトでした。意気地のないこと。

 出張での鄙びた温泉宿の泊りは二度目になった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

妻に捧げた1778話

2018-04-10 07:34:41 | 

著   者  眉村 卓

出 版 社  新潮新書

頁    数   208頁

定    価   730円

 

  

目下評判の本。

夫婦の愛の形は、夫婦の数だけ在る。その膨大な中の一つの愛の軌跡である。

余命いくばくかの終末期の妻に、作家の夫は、妻だけに一日一話の作品を書く。枚数、内容にルールを設けたのは、妻への気遣いと作家としてのプライドか。

書いた原稿は5年間で1778本。ここに紹介されているのはそのうちの19本。それぞれに著者の《自己注釈》が添えられている。これが素晴らしい。夫にしか分からない妻の思い、心の揺れ、病への希望と絶望、書かれた作品の感想、夫への感謝。それらを夫が綴っているのだ。そして、それを気遣い、汲み上げ、応える夫の思い。心打たれる。

読後、まず、「さて・・」となる。自分はどうするか。どうなるか。何をすべきか。

何ともならんだろうと思う。それでいいのかとも思う。複数の出版社からロング・テイルで売れている。団塊の世代が思案しているのだろうか。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モーニン MOANIN' = jazz for biginners 1 =

2018-04-07 07:45:44 | ジャズ

親子以上に齢の離れた若い同僚が、「ジャズを知りたいが、どこから入ればいいのか、何を聴けばいいのか判らない」と呟いていた。「今読んでいる漫画に描かれているジャズの世界に魅かれる」とも。どうやらそれがきっかけらしい。

で、50年余自己流で聴いてきたジャズを、ガイドになればと、ひとまず一曲をチョイスして送ったのだった。

で考え直し、いい機会なのでこの先このブログでやってしまえということにした。

きょうびのジャズに親しんでいない。私のジャズ感は古い。構うもんか。百人百色がジャズだ。

第1番目に選んだのが『モーニン』。1961年初来日のアート・ブレイキーとジャズ・メセンジャーズが巻き起こしたファンキーは我が国の音楽史に残るブームになり、ジャズの裾野が一挙に広がったのだった。記念碑的アルバムである。

     

我らが聴きまくった時代はLPレコ-ド。これしか無かった。アルバムの表紙は、名だたるカメラマンやデザイナー、イラスト・レイターが制作を手掛け、それ自体が芸術作品。裏には、ライナー・ノーツ。曲名やアーティストの紹介・解説が書かれている。ここから学ぶ知識が、ジャズ理解への大きな力になった。※このフォトのカッコイイこと。

1枚1800から2500円程度。バイトで凌いでいる身にはこれが高くて買えない。まさに垂涎の的、幻の名盤である。専ら、中古盤専門店で時間を掛けて棚(ボックス)を渉猟して、当たった時の幸福感は最高だった。

今の時代はYoutube。《動画モーニン》のお奨めはこれ

”モーニン”とは。

作曲者のボビー・ティモンズは黒人教会の牧師の家に生まれ、幼い頃からゴスペルに親しんでいた。

で、文字の読めない黒人にゴスペルの歌詞を教えるために使われていた「コール・アンド・レスポンス(一人が歌の一節を歌い、その他大勢がそのあとに付けて歌う方法)」の手法をイントロに使った曲を作曲。そして、人種差別に苦しむ黒人たちの嘆きやうめきを象徴した「moanin’」という題名を付けたという。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おお! 懐かしや!

2018-04-05 05:19:48 | 身辺雑記

先日目にした新聞広告である。

JTのタバコの定価改定のお知らせである。 

      

タバコは二十歳からはじめた。住んでいた街の通りをくわえたばこで歩いて、目撃者が母親に注進、怒られた記憶がある。「吸うのはいいけど、歩きながらのタバコはやめなさい」と。

吸ったのは、はじめは《ハイライト》、次が『ショート・ホープ》、あとは専ら《セブン・スター》。

    

 

入学した大学ではバンドに入った。親父のような先輩たちが吸っていたのが、これら《バット》、《エコー》、《わかば》。安いタバコでヘビー・スモーク。定価は30円位だったか。

まだ、あったんだ。一挙に50年以上も前のヤニと猥雑と議論と怠惰、それに音楽漬けの時代に立ちかえったのだった。

その後、社会に出て寮生活。ここの先輩の一人は英語が堪能、翻訳が仕事。両切りピースのヘビー・スモーカー。彼の部屋(和室6畳)の鴨居にはパチンコで取ったピースが周囲グルリと置かれていた。

            

 

1984年、ヨーロッパに出向いた折に覚えたのがパイプタバコ。ニコチンが無く香りを楽しみ、胸まで吸いこまないなどの説明を聞いて始めた。今では月に1パウチ。1日一回の喫煙。今は「ボルクム・リーフ」を吸っている。

図らずも、タバコ遍歴になった。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする