処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

大阪ハムレット

2009-01-31 12:16:54 | 映画

 

     

 

「 生きるべきか死ぬべきかって、生きとったらそれでええやん 」のキャッチ・コピーが秀逸である。映画の内容も、それに相応しく、笑いあり涙ありの人情家族劇。

 

キャラクターの設定が巧みで、キャスティングもピタリ。特に少・中学生の兄弟三人の際立つ個性は、思わず感情移入になる。

原作は『漫画アクション』の連載だが、大阪の下町に住む家族のドタバタがイキイキ描かれているのは、シナリオの力だろう。見事なものだ。

 

松坂慶子の肝っ玉母さんぶりは、まるで往年の京塚昌子。家族をありのまま受け止める愛情と存在感には、唸るしかない。大阪生まれの大阪育ちの浪花のおばさんになりきっている。

あの凄みのある美しい松坂慶子は、今は昔。感慨無量である。

 

            

                                        シネスイッチ銀座

    

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長唄・筝曲

2009-01-28 20:30:24 | 舞台・演劇

時々お世話になっているレストランが主催する新春特別企画「長唄・筝曲 人間国宝の会」に臨む。誘いがあった時点で、自身とは余りの異次元世界のゆえお断りしたのだが、尊敬する先輩が行くと聞き、ともに観賞した次第。

結果的に、大いに楽しめた。食わず嫌いはいけませんな、やっぱり。

一般的には、今どきの超マイナーな芸能。そのうえ高額なこともあり、観客はまばらと思いきや、宴会場を仕立てた会場にはおよそ200名。

 

                 

 

出演は人間国宝、長唄の’東音 宮田哲男’、 筝曲の’二代目の米川文子’。同じ邦楽の世界に生きながら、競演は初めてという。

 

プログラムは

 合奏 「黒髪」  唄 東音 宮田 哲男

           三弦 米川 文子

 対談トーク   葛西聖司(司会)、宮田、米川

 筝曲演奏「六段の調べ」     米川

 長唄演奏「酒」           宮田、三味線2名

 

家元制度とか流派の世界なのだが、東音というのは東京音楽学校、すなわち芸大出の芸術家を、区別して称するのだという。

 

ブログ主のような素人が途中で席を立たなかったのは、司会を務めたNHKアナウンサーの葛西聖司によるところが大きかった。

 

         

 

日本の古典芸能を、実によく勉強しており、その豊富な知識を、巧みな話術で分かり易く解説してくれる。退職の暁には、どこぞの大学教授になっても通用するのではないかしら。

 

「黒髪」から

  ♪ 黒髪の、結ぼれたる思いには、解けて寝た夜の枕とて、

       ひとり寝る夜の仇枕、袖は片敷く妻じやというて

    愚痴な女子の心も知らず、しんと更けたる鐘の声、ゆうべの夢の今朝覚めて

        床し懐かしやるせなや、積もると知らで、積もる白雪 

 

「酒」から

    おもしろや、酒なくてなんの己が桜かな

       春の木陰で酒盛りすれば、花が散りこむ盃に、散れや花、飲めや酒 

 

 

 

 

 

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南国酒家

2009-01-26 22:02:45 | 舌鼓

町田店。駅の至近にあり、便利なのでよく使う。

        

          

                   携帯撮影による店内の模様

 

昨年11月にリニューアル・オープン。サービス券が切れる前にと出かけてみる。

 

私的な印象だが、改装は after より before の方がよかったかな。全体的にゆったり感がなくなった。料理の種類も少なくなったような気がする。お気に入りの’うずら肉のレタス包み’が消えてしまったのが、何より淋しい。

 

見知ったウエィター、ウエィトレスの姿も見られない。オーダーするにも、料理や飲み物が出てくるのも時間がかかる。

 

そうか、リストラのためのリニューアルだったかと、帰り際に合点がいったのだった。

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新日本フィル演奏会

2009-01-24 17:56:32 | 音楽

"OTTAVA  1st.Anniversary あの名曲シリーズ"

指揮:久石 譲

演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団

会場:サントリーホール

 

     

        新日本フィルハーモニック交響楽団                   久石 譲

 

 

プログラム : バーバー     弦楽のためのアダージョ

         ベートーヴェン  交響曲第5番ハ短調「運命」

         チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調

 

超有名な名曲のフルコースを一流のオーケストラで楽しむ贅沢なコンサート。

映画音楽の作曲家と思ってきた久石譲だが、実は、ヴァイオリンもピアノもこなすし、2000年からは指揮もとっているクラシックの王道の音楽家であることを、当日の会場で渡されたプログラムで知った。

 

第1曲目のバーバーのアダージョ。低音から静かに立ち上がってくる数秒で、鳥肌が立つ経験をした。小刻みな震えをも覚えた。ここでもう来た満足感に満たされた。

 

続く、”第5”の2曲。普段、CDのアラカルトで済ましてる身には、”通し”は新鮮である。全体的に、このオーケストラの音なのかホールの構造なのか、音がマイルドな印象を受けたがどうだろうか。

 

あっという間の2時間だった。終わっての感想は、月並みだが、「時々はナマで聴かなくちゃ」

 

 

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勇気凛凛ルリの色

2009-01-22 21:22:45 | 

浅田 次郎著、講談社文庫刊      

 

                

 

当代屈指のストーリーテラーの世相雑感集。『週刊現代』連載シリーズの文庫化第1冊。

 

作者の異色の職歴や多彩な人生経験と筋立ての上手さで、読者には書いてることの真偽が判らない。ノンフィクションの筈が、筆致の巧みさで、どこまでがホントでどこまでがウソなのか煙に巻かれてしまうと言うわけだ。「恐怖について」など眉に唾付け読んでいる。

 

こんないい加減でいいのかと不謹慎さに不快感を催す部分が多々あるが、これは作者もあとがきで書いてるように、書き方の作戦のうちだろう。

 

ともあれ、虚実取り混ぜた(とブログ主は思っているが)作者の数々の体験談は、面白い。三島由紀夫や山口瞳など大作家への畏敬の念もストレートに伝わってくる。

 

 「サチコの死について」は日常の事実のニュース報道からの一文ではあるが、慟哭無しには読み得ない。作者の、読者の、世間の憤りと無念の想いが立ち上ってくる。

 

「タイトルについて」で、”職場でも酒場でも、団塊の世代のと思しき男に’ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団! 勇気凛々ルルの色’と書いたメモを差し出して、ちょっと読んでくれませんか、と言ってみよう。すると、読むのではなく、節をつけて歌いだす”という下りは、思わずニタッとしたのだった。

 

最後に、夫々の章に、初出の掲載日を記した方がいい。世相がテーマだけに、時が経てば経つほど、読者には親切になる。これは版元への要望になるが。

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ニューオリンズ

2009-01-20 23:46:45 | 映画

1947年製作、アメリカ

 

          

 

サッチモことルイ・アームストロングと彼のバンドの面々の演奏が堪能できるだけでもハッピーなのに、ビリー・ホリディが彼等をバックに何曲も歌うのだ。こんなことがあっていいのか。

ものほんのキッド・オーリー(トロンボーン)やバーニー・ビガード(クラリネット)やズティ・シングルトン(ドラムス)があたかもライブのごとくそこで奏で喋っている。

ワーナーの’ジャズ・マスターズ ヴィンテッジ・コレクション’のDVDでしか拝むことのできなかったビリー・ホリディがサッチモとデュエットしている。こんなことがあっていいのか。

 

ジャズの、ニューオリンズでの誕生から次第に受け入れられて全土へ広がっていく歴史が、ジャズメンの追放や楽旅などの物語の展開にそって、容易に理解できる。

今とは較べようのないほどの人種差別の激しい時代に、商業ベースのこうした映画をよくも作ったものだと関心する。それほどにジャズの魅力が席捲したということか。

 

クラシック歌手の彼女とジャズの世界の彼とが最後に目出度くハッピー・エンド。サッチモが出たらもうすべてハッピー。満足度100%。

 

 <ビリー・ホリディが歌う「ニューオリンズ」の歌詞(日本語字幕より)>

 

       ♪ この気持ちわかる?

          ニューオリンズが恋しいわ

         昼も夜も一日恋しいわ

          間違いないこの気持ちは

         日に日に大きくなっていく

          離れていれば離れているほど

 

        苔に覆われた蔦や高いサトウマツ

           マネシツグミの声さえ恋しいわ

       ゆったりと流れるミシシッピ川

           春に向かって急ぐその姿がみたいわ

 

       マルディグラの楽しい思い出も

           クレオールの調べが漂っている空気も

      6月に咲く花の夢を見るわ

          そしてニューオリンズがまた懐かしくなる

     それだけじゃないわ

         大事な人も恋しい

     ニューオリンズよりとても恋しいわ ♪

 

日本未公開、DVD

 

 

 

 

 

 

 

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MIDNIGHT SMOKE by Galleria

2009-01-16 22:39:37 | パイプ

  

アメリカ産

       

         キャラメルの香りとマイルドな喫味

 

 アロマティックタイプ

 キャラメル・フレーバー

 ブラック・キャベンデッシュ

 50g

 950円

 加賀屋(店頭)

 

パイプ・タバコはどれも粋なネーミングをするのには感心する。

 

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Chinese Posters

2009-01-14 23:35:34 | 

秋山 孝 著, 朝日新聞出版 刊

200頁, 1890円

 

            

 

「中国におけるポスターと国民生活との密接な関係は、世界でも類がなく、もはや単なるポスター・イラストレーションの域を越え、それらが作られた時代を知り、研究する貴重な資料である」という著者が収集したのは300枚。

そのうちの1949年の中華人民共和国成立から2008年の四川大地震までのポスター168枚が紹介されている。

 

ポスターは中国共産党の最大最強のプロパガンダであった。その威力は想像を絶する。しかしそれは過去の話。

78年以来改革開放の道をひた走る速度に比例して、中国共産党の威令は年年歳歳衰えつつある。今やネット人口は億単位の中国。ポスターが国策に役割を果たせる時代は、再び来ることはないだろう。それだけに、貴重な資料ではある。

 

                        

  1951年「侵略者アメリカは必ず失敗する」              1967年「毛沢東思想万歳!」

 

 

                     

     1969年「偉大な領袖毛主席万歳!」       1982年「社会主義の新しい風ーサービス」

 

 

                 

    1994年「敬愛する少平同志」         2008年「汶川の傷」

    個人崇拝を禁じた少平のポスターは珍しい     四川地震のキャンペーン

 

 

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地球が静止する日

2009-01-11 23:36:01 | 映画

原題:THE DAY THE EARTH STOOD STILL

 

       

 

1951年、ロバート・ワイズ監督作品「地球静止する日」のリメイク。

地球を破壊し続ける人類から地球を守るために、宇宙の彼方から人類抹殺にやってきた異星人と、地球人との戦いの物語。

 

なぜ人類を壊滅しなければならないのか。その理由がオリジナルは「戦争」、本編では「環境破壊」を続ける愚かな生物だから、となっている。

 

その先兵がキアヌ・リーブス。無表情な演技で異星人らしい。対する宇宙生物学者がジェニファー・コネリー。かつてのアイドルだが、人気を保って俳優業をここまで続けているのは立派。でも齢をとった事は否めない。女優はつらい。

 

どこかで観たことある子役は、ウィル・スミスの息子だった。なかなか複雑な役柄をこなしていた。これから大成するかしら。

 

冒頭の緊張感溢れた展開は次第に萎んでしまい、映画的興趣には乏しいが、テンポが速いのと映像が優れているので、飽きないのが利点か。

 

  マイカル・シネマズ  80点

 

オフィシャルサイト

 

 

 

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VELOCE

2009-01-10 22:03:36 | 身辺雑記

      

 

ウィークデーの午後、時間の調整で、本でも読むかと入る。 時間は15時過ぎ。

 驚いたことに約200の椅子の9割方の席が埋まっていた。

 

おじさんたちは大抵一人。本か新聞を読んでいる。皆なカジュアル。リタイア組だ。

おばさんたちは複数。いずれも仲間連れ。話が盛り上がっている。

客層は、殆どがアラシックス。若者は数える程。近くに大学があるのにだ。

 

仕事の帰りなどに利用するのは20時とか21時だが、いつも3割か4割程度しか客は居ない。 だから、この違いには驚いた。

 

いわゆる団塊の世代。経済的にゆとりがあり、時間も余りある。

この人達を如何に市場に取り込むか。労働力を生かすか。知恵を出させるか。生甲斐を持たせるか。これからの日本の大きなカギだろう。

政治も、財界も、マスコミも、それが出来ていない。

 

    

 

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