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マチンガのノート

読書、映画の感想など  

オープンダイアローグに関する懸念

2020-03-13 00:07:41 | 日記

「オープンダイアローグとは何か」斎藤環著

 

開かれた対話というオープンダイアローグだが、いくら相手の話を遮ったりせず聞いても、

聞き手である医療関係者が、当事者の親族などの経済的に貧しく少しでも金銭をケチろうとする姿勢や

直接的、間接的に脅すような態度とそれに影響される当事者について知らなければ、

いくら聞いても想像も理解もできず、上手くいかないのでは無いだろうか。

本書の著者である斎藤環氏は、不登校や引きこもりができる、それなりに常識と理解と経済的余裕のある

家庭に関わってきたので、貧しくすさんだ環境の人のことに関しては、あまり知らなさそうである。

社会経済的に恵まれない人の話を理解するには、脅しや脅迫のもと育った人に関して

理解するだけの経験と知識が必要だろう。

しかしながら、大学で医学や心理学、看護について学んだ関係者は、それなりに豊かで恵まれているので、

恵まれず荒んだ家庭や環境について知る機会は少なそうである。

オープンダイアローグが有効に機能するには、貧しく荒んだ環境に育った人も入学させて、

様々な環境の学生や教員が増えるような政策が必要だろう。

それがなければ、格差社会の日本でいくらオープンダイアローグをしても、あまり有効には機能しなさそうである。