<遊去の話>

「遊去の部屋」「遊来遊去の雑記帳」に掲載した記事と過去の出来事についての話です。「遊去のブログ」は現在進行形で記します。

ヘビの話

2018-07-31 10:09:04 | 「遊来遊去の雑記帳」
バックオーライ   <2002.8.2>
先日、いつものように散歩していたら珍しい光景に出くわしました。コロを連れて道路の端を歩いているとちょうど道の側面からヘビが体を半分くらい出してだらっとしているのです。その道路は両側が田んぼになっていて、道路と田んぼとの間には田の水の排水溝があって、その上部より50cmほど高いところに道路の面があります。この50cmの段差はコンクリートで固められているのですが、その途中にポツリポツリと間隔をおいて塩ビのパイプが顔を出しています。直径は7cmくらいです。そこからシマヘビが体を半分くらい出して排水溝の上のところまでだらりと垂れていたのです。ちょうどコンクリートの中から体が出ているように見えました。あまりにも大胆なポーズなので私は死んでいるのかなと思って道路の上から覗き込みました。その瞬間に、ヘビもハッと気が付いたようで、体をくねくねと波打たせるとするする塩ビのパイプの中へバックして行ったのです。
 私はそこに佇んだまま考え込んでしまいました。一体、どうやってバックしたのでしょう。ヘビにはウロコがあるから後ろ向きにはすべらないはずなのですが、どうなっているのでしょうか。逆にいえば、後ろにすべらないからこそ前に進むことができるのだとも言えると思うのですが。
 とりあえず、『ヘビはバックもできる』とヘビに関する知識を訂正し、その原理を考えながら家に帰りました。

インベーダー  <2002.8.18>
 夕方、コロの夕飯のどんぶりを持って玄関に行ったら、土間に黒っぽいヘビがいました。一瞬判断を迷ってしまいました。というのは左手にコロのどんぶりを持っていたからです。見た瞬間に『外に追い出さなくては』と思ったのですが、追い出すためには玄関の戸を開けなければなりません。戸を開けに行ったらヘビは横に逃げるだろうし、それでは戸を開けても何もなりません。ということは先に横にあった杖を持ってヘビを牽制するか、しかし、ヘビを玄関の戸のところに追い込んでも、左手にどんぶり、右手に杖では戸を開けることができない、この場合先にどんぶりを下に置いて左手を自由にしてから右手を伸ばして杖を取った方がいいか、だけど、どんぶりにはスープがいっぱい入っているからさっとは降ろせないぞ、その間にヘビは動くだろう、勢いよく動き出したヘビを杖で押さえるのはちょっとむずかしいな、箒の方がいいか、しかし、上を掃く箒でヘビを押さえるのは嫌だなあ、外の箒は…、玄関の外か。この間、1秒か2秒。そして、とにかく、どんぶりを下に降ろそうとした刹那、ヘビが動き出したので体勢が崩れ、杖に手を伸ばしたが僅かに届かず、つかみ直そうとしたときにはヘビは下駄箱の下に突進していて、杖をつかんだときにはもうすでにもぐりかかっていました。下駄箱の裏は戸が閉めてあるものの下には隙間があって、それは台所につながっています。そこに入られたら、ごみ箱やら洗濯機やら棚などがいっぱいあるのでもうお手上げです。つまり最悪の結果になりました。ヘビが家の中に入ってきたのを見たのは今回が初めてでした。台所のどこかにヘビがいると考えるとちょっと気味が悪く嫌な気分になりましたが、もしかするとこれまでにも家の中にヘビが侵入してきたことはあったのかも知れない、ただ、気付かなかっただけなのかもしれないと思うと少し気が楽になりました。ヘビが出口を知っていてくれるといいのですが…。

★コメント
 ヘビは苦手です。できることなら出会いたくないものだと思います。どうしてそうなのか分かりませんが、ヘビには恐怖心があるようです。マムシ以外のヘビなら怖がることはないように思いますが、ダメですね。
 大蛇伝説というのは各地にあります。この近くにも一つあり、里人が困っているところに旅の僧が現れ、話を聞き、11面観音像を彫って堂に祭ったところ出没が治まったということです。ところが、数年前、山中にあるそのお堂のそばを通りかかると老人がいたのでしばらく立ち話をしました。その老人は、この山で大蛇を直接見た人を知っていると言いました。その人はかなりの老人ですがまだ生きているそうです。若いときに山仕事で山に入ったときに見たそうで、それ以来山に行けなくなったということです。
 私はその辺りの山は歩き回ってきましたが、もちろん大蛇を見たことはありません。マムシやヤマカガシなどは見ていますが、それも数回程度で、少ないと思います。それよりイノシシやシカを見ることの方が多いです。果たして大蛇はいるのか。老人から聞いた話を元に物語を書き始めたのですが、ヘビとなるとどうも気が乗らず中断しています。おそらくこのままになりそうです。
2018年7月31日
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