市内にあるAGDAO生鮮市場の魚エリアで新鮮な「生あみ」を見付けました。
「あみ」の正式名称は「アキアミ」で、エビ目・サクラエビ科に分類されるエビの一種です。
この「アキアミ」は日本を含む東南アジアの内湾域に生息する小型のエビで、食用や釣り餌などに利用されています。
一般的に「あみ」と呼ばれていますが、サクラエビに近いれっきとしたエビの仲間だそうです。
「あみ」は塩辛にされることが多く、日本では獲れたての新鮮な「あみ」を使った塩辛が産地周辺で流通していて、酒の肴・お茶漬・おかゆ・チヂミ・チャーハン・塩焼きそば・パスタ・炒めものなどに利用されています。
他にも佃煮、干物、かき揚げなどにも使われていて、朝鮮半島ではキムチの風味付けの一つとして、アキアミの塩辛が重要な食材となっています。
この透き通った「アキアミ」はとっても小さい姿なのに、甲殻類独特の香ばしくて力強い滋味でいっぱいで、そんな小さな海の味のかたまりを江戸前風の「佃煮」にしてみました。
酒とみりんと醤油、そして「出汁昆布」を入れ、更に「はちみつ」を加えて甘辛く炊き上げて生あみの佃煮を作りました。
温かいご飯に良く合い、酒の「肴」にも最適で、昔懐かしい「おにぎり」の具にしてみたところ、思い出の<おふくろの味>が口の中いっぱいに広がって満足の一品となりました。
フィリピンには「Bagoong」(バゴーン)と言う魚やエビを原料として、塩を混ぜて発酵させた「うま味調味料」があります。
そして「アキアミ」を使ったものを「バゴーン・アラマン」と呼んでいます。
マニラのあるルソン島の北西部のイロカノ地方ではこのバゴーンが有名で、そこでは単純にアラマンと呼んでいるそうです。
「バゴーン」はペースト状で味噌に良く似ていて、作る過程で砂糖を加えたもの、油を入れたもの等バリエーションがあります。
この「バゴーン」と同じ調味料はフィリピン以外でも、ベトナム、ミャンマー、ラオス、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアでもポピュラーな食材です。
ダバオのフィリピン料理レストランでも、このバゴーンはグリーンマンゴ・サラダにディップとして出て来たり、「ピナクペット」(野菜炒め)の隠し味に使ったり、フィリピンスタイルの炒飯に入れたり利用範囲はかなり多いようです。