第二次世界大戦の直前、ナチスドイツはオーストリアに侵攻して支配しました。
それに反発して、国を離れた一家がいました。
それが、フォン・トラップ一家でした。
一家の父ゲオルグは、オーストリア海軍の潜水艦の船長でしたが、音楽をこよなく愛した一家は、聖歌隊としてヨーロッパでは名が知られていました。
彼らの物語は、戦後ドイツで映画化され、アメリカではミュージカルになり、そして1965年には「サウンド・オブ・ミュージック」としてふたたび映画化され、世界中の人に親しまれています。
国を出た彼らは、その後アメリカへ移民として渡った後、屈指の合唱団として有名になりました。
映画とは異なって、トラップ一家の子供は10人、それに家族同様の神父が一緒に生活をしていました。
そしてバーモント州のストウに家を建て、暮らし始めたのです。
映画でもおなじみの母マリアは1987年に亡くなっていますが、マリアとゲオルグ両親の意思は子供から孫たちへと引き継がれています。
2001年に起きた9.11テロ事件の翌年、グランドゼロそばの教会で疲れ切った消防士達を美しい歌声で慰めた少年少女たちがいました。
彼らこそトラップ一家の次男の孫、フォン・トラップ・チルドレンで、幼いながら世界公演の日々を続けています。
そのトラップ一家の意思を引き継いだ4人の孫たちの合唱団Von Trappsが先日市内のSM Lanangプレミアムのアトリウムで素晴らしい歌声を聴かせてくれました。
「ドレミの歌」はもちろん、懐かしい「エーデルワイズ」の歌声を聴きながら、50年近くも前の思い出が蘇って来たり、美しいクリスマス・イルミネーションとツリーの下で歌ってくれたクリスマスソングの数々で観客を魅了させてくれました。