Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

脱出

2016-12-24 01:00:00 | 雪3年4部(突撃〜時の流れ)
「うわああああー!」



ようやく手にした鞄を抱え、蓮は脱出を図ろうと猛ダッシュした。

しかし狭い通路を抜けることが出来ず、結局捕まってしまったのだった。

「離せぇぇぇ!」「ったく!ネズミみてーな奴だ!」

「ちょっと目を離したスキにこんな所に‥」



「どうやって倉庫の場所が分かった?!」

「はなせぇぇぇぇ!」



蓮は死に物狂いで逃げようと身体をよじるが、大の男三人に捕まえられては無駄な抵抗だった。

倉庫内に殴打の音が響く。

「うわあ!うわあぁ!」



「お母さ〜〜〜〜ん!」



蓮の悲鳴が倉庫の中で響くが、それが外に漏れることはなかった。

相変わらず雪達三人は無言でソファに座っている‥。






頬杖をつく雪の姿を、淳はじっと見つめていた。

先日佐藤から送られて来たメールの文面が脳裏に浮かぶ。

今赤山から頼まれて静香さんの勉強見てるんだ。

赤山は本当に親切だよな。皆に気を配って




淳はその事実を未だ雪の口から直接聞いていない。

けどそのことが、彼女を悩ませる一因になっていることは確かだと淳は踏んだ。

その上で、雪が居るこの場で静香の話題を亮に振る。

「お前、ここを出て行く時は静香も連れて行くんだよな?」






突然出された静香の話題に、雪の心臓がドキリと跳ねる。

亮はというと、暫し無言のままただ前を向いていたが、



やがてふいっとそっぽを向いてそっけなくこう言った。

「アイツのこといくつだと思ってんだよ。好きなように生きて行くさ」



「‥‥‥‥」



静香のことを厄介払いしたい淳の気持ちは、分からないでもない。

けれどやはりそう直接的に言われると、胸の中がモヤモヤと煙る。亮は苛つきながら言葉を返した。

「いらん心配せずに無視してりゃいいって言ったろ。

テメーは自分の彼女の心配だけしてりゃいいんじゃないスか?」
「俺に関してはいい。ただ雪に‥」

「そんなに心配ならオレから言っとくからよ。ダメージには‥」

「あー大丈夫ですよ!私と静香さんのことは気にしないで下さい!」






雪が放ったその一言に、淳も亮も突然口を噤んで雪の方を見た。

思わず「あ」と固まる雪‥。



「いやその‥あの人は河村氏のお姉さんってだけで‥

私とはあまり関わり無いですから!心配しなくても大丈夫ですって!はははは‥」




そう言って場を和まそうとするものの、二人は一向に笑わなかった。

雪の言葉の裏にある真実を、二人は敏感に感じ取っている。



は‥



口元を引き攣らせながらの作り笑いも何も生みはしなかった。

痺れを切らした亮が話題を変える。

「おい、もう五分経ったぞ。突撃すっか?」



その時だった。

ガシャーン!






突然階上で大きな音がした。雪達三人は目を丸くして音のした方を見る。

そこでは傷だらけになった蓮が、泣きながら叫んでいた。

「離せぇ!」



「こっから飛び降りてやる!離せよぉ!」

「二階からで死ねるかよ」「だから飛び降りるんだっつの!」



「離せ!離さんかぁぁ」



今にも窓から飛び降りようとする蓮を、男達は必死に引き止めていた。

蓮はジタバタと暴れながら、まるで小さな子供のように泣き叫ぶ。

「お家に帰るぅぅぅ!」「コイツまじやばいな‥」

「おい、お前の姉さんが来てるんだ。ちゃんと帰れるから」「嘘だぁぁ!」



「まったくなんて奴だ!」「蓮!」



バン!と扉が開き、雪達三人が部屋に突入した。

窓枠に足を掛けながら暴れる蓮を始め、皆雪達の方を向く。






傷だらけになった弟の姿を見て、思わずあんぐりと口を開ける雪。

蓮もまた目を丸くして姉を見た。

「姉ちゃん?」



「蓮?!」



聞き覚えのある声が窓の外から聞こえたので身を乗り出すと、

そこにはなんと両親と恵の姿が見える。

「ヤダ!あれ蓮じゃない?!」「そこで何をやっとる?!」「危ないよー!」



赤山家を始めその周辺の人々を巻き込んでの事態に、蓮もさることながら男達もまた青くなっていた。

「クソッ親が来たぞ」「穏便に済ませろ」



蓮の姿を、雪はその場でじっと見つめている。

「これでも警察呼ぶか?あーっオレの腕がぁ〜」

「もうそのくらいにして下さい!」



その真っ直ぐな視線に耐え切れなくて、

蓮は所在なさげに俯いた。



姉から視線を外しながら、ボソボソと口を開く。

「あ‥姉ちゃん‥その‥どうやってここが分かっ‥」







雪は何も答えずに、ただそっと蓮の手を取った。

「行こう」



たった一言そう言って、姉は優しく弟の手を引く。

「うん‥」



そして事件は収束した。

雪は蓮の手を引いて、ようやくこの会社の門を出ることが出来たのだが、

そこには怒り心頭の両親が待ち構えていた‥。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<脱出>でした。

ようやく会社から出ることが出来ましたねぇ〜。

しかし蓮よ‥「お母さ〜ん!」とか「お家に帰るぅ!」とか‥。子供か!

雪がしっかりしてる分、蓮のおこちゃま度が半端ない‥。恵、本当に蓮でいいのか‥?!


次回は<蓮の吐露>です。

皆さま、メリークリスマス

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2 Comments

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メリークリスマスƪ(˘⌣˘)ʃ (うめやん)
2016-12-24 17:59:58
yukkanenさんメリークリスマスです(´∀`)
とうとう蓮の落ちる底が見えて来ましたね、、あとは這い上がる展開だと信じたい。。まだ若いから大丈夫!(笑)

静香も同じく、淳の干渉無しで這い上がってくれるかな、、?
静香の場合淳が関わると話が絶対こじれるので雪と佐藤先輩のみで進んでもらいたいですよね。

亮もそれに応じて静香のおんぶに抱っこから卒業できると良いのですが、、
返信する
Unknown (Yukkanen)
2016-12-27 00:00:13
うめやんさん
メリクリでしたね〜^^
確かに蓮はまだ20歳ですからね!これからこれから!(必死のフォロー)
その点静香はもう27歳ですから‥うう‥ここから‥か‥?佐藤先輩フォローがんばれ!
返信する

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