完全に潰れた秀紀を介抱しながら、雪と淳は家に向かって歩いた。
意識の無い人間は重たく、特に雪にとっては骨の折れる帰り道だ。
「おじさん!しっかりして下さい、もうすぐ家ですよ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/a4/40a728f6f6501e43730183dd607b733c.jpg)
ようやく家の前の通りまで来ると、いつもひっそりとした路地がどこかざわついているのに気がつく。
パトカーが走り去り、人々は「もうこんな所に住めない」と怯えた調子で囁いている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/87/2f1d62d21634f6c4f670f8ead0a46bc2.jpg)
不穏なものを感じた雪だが、次の瞬間秀紀が口を押さえて俯いた。
「うっぷ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/e6/977d46a9df3a1071613acd6e6688bf03.jpg)
吐きそうになる秀紀をなんとか宥める。
雪と淳はそのまま家の前まで彼を担いで行き、どうしようかと暫し思案した。
しかし試しにノブを回すとドアが開いた。
これ幸いと彼らは秀紀を担いだまま部屋に入り、彼を敷きっぱなしの布団に寝かせる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/43/232ff7e240244dd16cfaf05446228ad4.jpg)
戸締まりもせずに出かけるなんて‥と言いながら、雪と淳は部屋を出た。
外から秀紀の家の鍵を掛け、その鍵は雪が預かることにした。
「まさか雪ちゃんと秀紀兄さんがお隣さん同士だったとはな」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/37/30783a0a953a2805be8c631dff57b001.jpg)
ドアの前で二人立ち話を始める。雪は頭を掻きながら、
「はい、私もビックリです。ははは~不思議ですね~!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/d4/3b489c589fccaeecbfcbbed300580985.jpg)
そう言って笑うと、先輩もニッコリと笑顔を返した。
しかし続く言葉が見つからなくて、暫し二人の間には沈黙が落ちる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/a7/fff155a47674241656c5fa4c9c8a0499.jpg)
場を繕うように雪が乾いた笑いを引きずると、淳はそんな雪の姿を不思議そうに眺めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/c0/83dc46f9f1ebef32d62a036a29d57667.jpg)
雪の頭の中をぐるぐるしている考えには思い及ばず、淳は暗くなった空を見上げて口を開いた。
「もうこんな時間だな。疲れただろうし、今日はもう入って休むといいよ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6e/640eb93af398443c1bed0e773a6080ed.jpg)
じゃあな、と言ってそのまま去ろうとする先輩に、雪は当惑した。
義理堅い彼女の思考回路が、猛スピードで回転する。
本当にこのままさよならでいいのか?ここまでわざわざ来てくれたのに‥。
おじさん運ぶの重かっただろうに‥。冷たいコーヒーでも飲んで行って下さいとかなんとか言うべきなんじゃ?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/3c/5e4bdfb10efed40d5cb6bc0547cea399.jpg)
もちろんコーヒーだけ‥コーヒーだけだけど‥。
とにかく本当にこのままさよならするの?
考えた末、「あの‥」と雪は先輩に声を掛けた。
「その‥ですから、コーヒーでも‥飲んで‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/10/da78a6e77489202f3061b48016666e69.jpg)
たどたどしく言葉を紡ぐ雪を、淳は不思議そうな顔で見つめた。
何も言わず、そのまま成り行きを見守る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/85/b84db72034bc26bfd53c1d7af3f7fdca.jpg)
「だからコーヒーを‥コーヒーだけ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/7e/57a3d0abf20d4904e6e149f95973af28.jpg)
彼氏を部屋に入れるということへの躊躇いと、礼儀や義理に対する雪の思いが交錯し、どうにも言葉に詰まった。
そのまま俯いた雪を先輩は暫し見ていたが、やがて彼女の思いを汲んで「ハハ!」と笑った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/39/945a366b1f440433ea96338e5cab5dbb.jpg)
雪の髪の毛をクシャッと撫でながら、
「今度な」と言葉を掛ける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/7e/794e6c1471e7b2d2b3de0ede43628d2a.jpg)
先輩は雪の方を優しい眼差しで見つめながら、
「おやすみ」と言って笑った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/5f/5835bbd691c897c0a9f89544517e25e9.jpg)
そんな彼の反応に、雪はホッとして頷く。
そのまま手を振って去って行く先輩に、雪が手を振り返し、小さくなっていく彼の後ろ姿を見送った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/3c/fee082e9acaad5bd6b8685f7bbe4f713.jpg)
彼の姿が見えなくなると、雪は胸を撫で下ろして息を吐いた。
変な緊張が今も体に残ってガチガチだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/32/5872a8cc5efdecfe80e842f75fa58681.jpg)
秀紀の部屋の中からは、呑気に彼の高いびきが聞こえてくる。
誰のせいでこんなに疲れているのやら‥。雪は家に入ると、大きな音を立ててドアを閉めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/14/f2e34c246bbc62d2d7a727e8f9be459d.jpg)
翌日、雪が買い出しから戻ってくると、秀紀がゴミ出しの為外に出て来たところに出くわした。
見るからに二日酔いで、口からは魂が抜け出てきそうである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/51/ee958d29228763a71be4217ffea09c67.jpg)
雪は秀紀に声を掛け、昨日のことを言及したが、秀紀はあまりよくは覚えていないようだった。
雪は秀紀の反応を見て、どっと疲れが出た気がする‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/cc/cc20db4ee6a740a1f1cad37a1acd3e9c.jpg)
実は雪は秀紀のために、もやしスープを作るための買い出しに出かけていたのだった。
もやしスープは二日酔いの時に飲むと、胃にいいとされているスープだ。
「もやしスープ作りますけど飲みます?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/5e/cd08b2f770a0988c6a150b065abbfea7.jpg)
秀紀はムカムカする胃を押さえながら、雪の提案にすぐさま乗った。
二人が部屋に帰ろうと、一歩踏み出した時だった。
「失礼します、ちょっとお尋ねしてよろしいですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/8c/c7e5d2506d363daed8e561f2affb5510.jpg)
そう言って話しかけてきた男は、ポケットから手帳を取り出した。
「XX署の者です」と言って見せられたのは、警察手帳だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/af/0194034761871db6825fc2113c2d137b.jpg)
刑事は、二人にこの近所に住んでいるのかと尋ねた。
雪が肯定すると、「もしかして昨日この界隈で不審人物を見かけませんでしたか?」と続けた。
「何かあったんですか? 昨日パトカーを見かけましたけど‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/80/39c93db675bdf35fe0ae36dfba3f9723.jpg)
思わず雪が質問すると、
刑事は「この周辺で暴行事件がありまして」と淡々と答えた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/d7/3b1eceb5b6a566248f89bdb2eb427789.jpg)
もう一度刑事は二人に不審人物を見かけなかったかと聞いたが、二人は首を横に振った。
その反応を見て、刑事は踵を返す。
「ではもし何か思い出しましたら、XX署までご連絡下さい」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/68/f3c694b641e72fc5480a6e5080d479ca.jpg)
そうして刑事が立ち去ろうとした矢先、甲高い女の声が上方から響いた。
「あの!ちょっと待って下さい!そこのメガネの人!その人変態です!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/fb/547be7a0ff6a5d84ba31020cc74c3623.jpg)
「あたしのこと覗き見してたんです!早く捕まえて下さい!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/2b/1b51817cc406400ed601cc51c7ca108a.jpg)
女は雪と秀紀の向かいの家から、顔を出して声を上げていた。
秀紀を指さしながら、必死の形相で訴えている。
秀紀が驚愕し、雪がそれを聞いて当惑する‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/c7/45b2a6d7507688c2092fc248a4a7ca0b.jpg)
青天の霹靂とも言えるこの彼女の訴えが、この先の秀紀の運命を大きく動かすことになる。
彼と彼の周りの人々が、徐々に大きな騒動に巻き込まれていく‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<義理堅い彼女の提案>でした。
雪が秀紀に作ってあげようとしたもやしスープ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/34/3e600b7bb8e019197f7ee124e3c574a4.jpg)
シンプルな味で美味しそうですね~。
それにしても雪の優しさ、義理堅さに胸が熱くなります。いい子やな~。
次回は<墓穴>です。
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意識の無い人間は重たく、特に雪にとっては骨の折れる帰り道だ。
「おじさん!しっかりして下さい、もうすぐ家ですよ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/a4/40a728f6f6501e43730183dd607b733c.jpg)
ようやく家の前の通りまで来ると、いつもひっそりとした路地がどこかざわついているのに気がつく。
パトカーが走り去り、人々は「もうこんな所に住めない」と怯えた調子で囁いている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/c7/bce723b83b4e5a1a50245409e1fc6ae6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/87/2f1d62d21634f6c4f670f8ead0a46bc2.jpg)
不穏なものを感じた雪だが、次の瞬間秀紀が口を押さえて俯いた。
「うっぷ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/e6/977d46a9df3a1071613acd6e6688bf03.jpg)
吐きそうになる秀紀をなんとか宥める。
雪と淳はそのまま家の前まで彼を担いで行き、どうしようかと暫し思案した。
しかし試しにノブを回すとドアが開いた。
これ幸いと彼らは秀紀を担いだまま部屋に入り、彼を敷きっぱなしの布団に寝かせる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/43/232ff7e240244dd16cfaf05446228ad4.jpg)
戸締まりもせずに出かけるなんて‥と言いながら、雪と淳は部屋を出た。
外から秀紀の家の鍵を掛け、その鍵は雪が預かることにした。
「まさか雪ちゃんと秀紀兄さんがお隣さん同士だったとはな」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/37/30783a0a953a2805be8c631dff57b001.jpg)
ドアの前で二人立ち話を始める。雪は頭を掻きながら、
「はい、私もビックリです。ははは~不思議ですね~!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/d4/3b489c589fccaeecbfcbbed300580985.jpg)
そう言って笑うと、先輩もニッコリと笑顔を返した。
しかし続く言葉が見つからなくて、暫し二人の間には沈黙が落ちる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/a7/fff155a47674241656c5fa4c9c8a0499.jpg)
場を繕うように雪が乾いた笑いを引きずると、淳はそんな雪の姿を不思議そうに眺めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/a5/dccacea6560780a4279f22938a13717b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/c0/83dc46f9f1ebef32d62a036a29d57667.jpg)
雪の頭の中をぐるぐるしている考えには思い及ばず、淳は暗くなった空を見上げて口を開いた。
「もうこんな時間だな。疲れただろうし、今日はもう入って休むといいよ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6e/640eb93af398443c1bed0e773a6080ed.jpg)
じゃあな、と言ってそのまま去ろうとする先輩に、雪は当惑した。
義理堅い彼女の思考回路が、猛スピードで回転する。
本当にこのままさよならでいいのか?ここまでわざわざ来てくれたのに‥。
おじさん運ぶの重かっただろうに‥。冷たいコーヒーでも飲んで行って下さいとかなんとか言うべきなんじゃ?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/3c/5e4bdfb10efed40d5cb6bc0547cea399.jpg)
もちろんコーヒーだけ‥コーヒーだけだけど‥。
とにかく本当にこのままさよならするの?
考えた末、「あの‥」と雪は先輩に声を掛けた。
「その‥ですから、コーヒーでも‥飲んで‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/10/da78a6e77489202f3061b48016666e69.jpg)
たどたどしく言葉を紡ぐ雪を、淳は不思議そうな顔で見つめた。
何も言わず、そのまま成り行きを見守る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/85/b84db72034bc26bfd53c1d7af3f7fdca.jpg)
「だからコーヒーを‥コーヒーだけ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/7e/57a3d0abf20d4904e6e149f95973af28.jpg)
彼氏を部屋に入れるということへの躊躇いと、礼儀や義理に対する雪の思いが交錯し、どうにも言葉に詰まった。
そのまま俯いた雪を先輩は暫し見ていたが、やがて彼女の思いを汲んで「ハハ!」と笑った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/39/945a366b1f440433ea96338e5cab5dbb.jpg)
雪の髪の毛をクシャッと撫でながら、
「今度な」と言葉を掛ける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/7e/794e6c1471e7b2d2b3de0ede43628d2a.jpg)
先輩は雪の方を優しい眼差しで見つめながら、
「おやすみ」と言って笑った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/5f/5835bbd691c897c0a9f89544517e25e9.jpg)
そんな彼の反応に、雪はホッとして頷く。
そのまま手を振って去って行く先輩に、雪が手を振り返し、小さくなっていく彼の後ろ姿を見送った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/77/0827a7791ebba4150220786e10672987.jpg)
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彼の姿が見えなくなると、雪は胸を撫で下ろして息を吐いた。
変な緊張が今も体に残ってガチガチだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/32/5872a8cc5efdecfe80e842f75fa58681.jpg)
秀紀の部屋の中からは、呑気に彼の高いびきが聞こえてくる。
誰のせいでこんなに疲れているのやら‥。雪は家に入ると、大きな音を立ててドアを閉めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/14/f2e34c246bbc62d2d7a727e8f9be459d.jpg)
翌日、雪が買い出しから戻ってくると、秀紀がゴミ出しの為外に出て来たところに出くわした。
見るからに二日酔いで、口からは魂が抜け出てきそうである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/51/ee958d29228763a71be4217ffea09c67.jpg)
雪は秀紀に声を掛け、昨日のことを言及したが、秀紀はあまりよくは覚えていないようだった。
雪は秀紀の反応を見て、どっと疲れが出た気がする‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/67/bdfd10bc97a4ec4c14fa3206dda5892a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/cc/cc20db4ee6a740a1f1cad37a1acd3e9c.jpg)
実は雪は秀紀のために、もやしスープを作るための買い出しに出かけていたのだった。
もやしスープは二日酔いの時に飲むと、胃にいいとされているスープだ。
「もやしスープ作りますけど飲みます?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/5e/cd08b2f770a0988c6a150b065abbfea7.jpg)
秀紀はムカムカする胃を押さえながら、雪の提案にすぐさま乗った。
二人が部屋に帰ろうと、一歩踏み出した時だった。
「失礼します、ちょっとお尋ねしてよろしいですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/8c/c7e5d2506d363daed8e561f2affb5510.jpg)
そう言って話しかけてきた男は、ポケットから手帳を取り出した。
「XX署の者です」と言って見せられたのは、警察手帳だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/af/0194034761871db6825fc2113c2d137b.jpg)
刑事は、二人にこの近所に住んでいるのかと尋ねた。
雪が肯定すると、「もしかして昨日この界隈で不審人物を見かけませんでしたか?」と続けた。
「何かあったんですか? 昨日パトカーを見かけましたけど‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/80/39c93db675bdf35fe0ae36dfba3f9723.jpg)
思わず雪が質問すると、
刑事は「この周辺で暴行事件がありまして」と淡々と答えた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/d7/3b1eceb5b6a566248f89bdb2eb427789.jpg)
もう一度刑事は二人に不審人物を見かけなかったかと聞いたが、二人は首を横に振った。
その反応を見て、刑事は踵を返す。
「ではもし何か思い出しましたら、XX署までご連絡下さい」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/68/f3c694b641e72fc5480a6e5080d479ca.jpg)
そうして刑事が立ち去ろうとした矢先、甲高い女の声が上方から響いた。
「あの!ちょっと待って下さい!そこのメガネの人!その人変態です!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/fb/547be7a0ff6a5d84ba31020cc74c3623.jpg)
「あたしのこと覗き見してたんです!早く捕まえて下さい!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/2b/1b51817cc406400ed601cc51c7ca108a.jpg)
女は雪と秀紀の向かいの家から、顔を出して声を上げていた。
秀紀を指さしながら、必死の形相で訴えている。
秀紀が驚愕し、雪がそれを聞いて当惑する‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/c7/45b2a6d7507688c2092fc248a4a7ca0b.jpg)
青天の霹靂とも言えるこの彼女の訴えが、この先の秀紀の運命を大きく動かすことになる。
彼と彼の周りの人々が、徐々に大きな騒動に巻き込まれていく‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<義理堅い彼女の提案>でした。
雪が秀紀に作ってあげようとしたもやしスープ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/34/3e600b7bb8e019197f7ee124e3c574a4.jpg)
シンプルな味で美味しそうですね~。
それにしても雪の優しさ、義理堅さに胸が熱くなります。いい子やな~。
次回は<墓穴>です。
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ホント色気ないよなーって笑える。
フツー(他のマンガ)だったら、期待半分でドキドキしたり内心チョッピリガッカリな自分にハッ♪ともするだろうに、先輩が帰った姿を確認してこの顔。笑
分かるけどね。急に人を入れられない(状態の)部屋に住み続けた私にゃ痛いほど、雪ちゃんの気持ちが。
きとんと!きとんと!
いつ男が来てもいいよーに、お部屋はいつもきとんとしときましょー!
こんな風に家でも作りますし、ソウルでももちろん食べられますけど、これにご飯を入れたコンナムルクッパブの本場と言えば、何と言っても全州です。
2、3年前に全州で食べましたが、絶品でした。
http://www.seoulnavi.com/food/912/
食文化の発達した全羅道にあって食文化の都と目される全州は、他にビビンパやマッコルリでも有名です。また、歴史的にも重要な都市で、韓屋村など観光名所も綺麗に整備されていて、ソウルから足を伸ばして訪れるのにはいいところですよ。
http://www.seoulnavi.com/special/5004299
ところで、「うあはん×ユジョン」は、書いていいんすか?生々しくなっても知りませんよ…笑
こんな人本当にいるんでしょうか。
一人暮らしの女の子の家の前まで来て、「コーヒーでも」と言われて断るオトコが。
みんなそらそーだろとばかりに鼻息荒く上り込んでくるものなんじゃあないんですか。
それとも、そういう人についぞ一度も巡り会えなかった私が不幸なだけでしょうか。
どう思います、青さん(といきなり振る)
うあはん×ユジョン、近日公開待ってます。でも伏字とピー音ざんまいでワケわからなくなるんじゃ…。
“今度な”と去ってゆく先輩カッコイイ~
先輩のこういうとこ、とても好きです
ほんとにこんな男いるんですか?
こんな余裕な男性っているんですか…?青さんっ!
これはたぶん、余裕じゃないです。イケメンだからと言って買いかぶってはいけません。
イケメンは、女の子に隙を見せてはいけないのです。弱みを握られてはいけないのです。
例え心の中のケモリンが叫んでいたとしても、グッとこらえて去っていった理由は、一つしか考えられません。
「女の子をリードして、カッコよくキメるだけのテクと自信が、ない…っ!」
これです。性欲に任せてガオガオーっと突っ走った末に肝心のソレがアレでは、今まで築き上げてきたええカッコがすべて崩れ去ってしまいます。
「なーんや、天下のユジョンもその程度?」と言われてしまうのを、彼は何よりも恐れているのです。
そもそも、女の子のほうから誘いを受けてるのに断ったりなんかしたら、「ほな何かい、ワシじゃ不満やっちゅうことかいな?ん?」と、相手を傷つけてしまうリスクがあるのに、それを敢えてしてますよね。それはきっと、相手のことを思ってというよりも、自分の都合を優先させた結果です。
早い話がポイポイ王子、自分からリードしてソレをしたことがないんです。完全DTか、相手任せのシロートDTか、あるいはおねーさまにリードされての受け身の経験しかないか、まあそんなところでしょう。
てか、雪ちゃんの場合、コーヒーと言ったらホントにコーヒーだけだろうから、そんな生殺しみたいなマネされて鼻息荒くなった自分を曝すのがイヤだったから、とか。
今度な、って。まったく。ハッ
IMF危機のあおりで主人の会社が倒産して、なけなしのお金で開いた粉食店が、やっと軌道に乗った頃でした。幸いなことに、近くの高校の学生たちがよく立ち寄ってくれて…。私も主人も生きていくために必死に働いていましたし、今よりも多少は若かったんで、男子生徒の中には、チヤホヤしてくれる子もいました。いえ、ごく一部の子たちだけだったと思いますけど(笑)。
ところが、散々苦労して、ようやく少しは楽な生活ができるかと思った矢先に、主人が店で倒れて、そのまま亡くなってしまったんです。韓国の男には珍しく、店先に出るのもいとわない優しい人だったんですが、働き詰めで苦労が過ぎたんでしょうかねえ。
そのことがショックで、しばらく店を休んでいたんですが、私も生きていかないといけなかったので、また店を再開して、一人で切り盛りするようになりました。ただ、その頃には近所にチェーンの粉食店もいろいろできて、商売は以前よりも厳しくなっていました。
そんなときです。客足が鈍ってきていた私の店にしばしば食べに来ては、励ましの声をかけてくれた学生がいました。「たぶん相当に裕福な家の学生なのに、どうしていつもこんなお店へ?」と思ったのですが、「こっちのほうが落ち着く」と言ってくれました。お得意様となってくれたその学生に、正直私も少なからず好意を抱いていたと思います。
そんなある日、閉店の時間になって、その学生が店にやってきたんです。何か悩んでいる様子でした。
いつも来てくれるなじみの客ですから、私も閉店を延ばして、話し相手になってあげようと思ったんです。
それが、それぞれの心の中のことを語り合っているうちに、お互い情が移ったんでしょうか、いつしか手が触れ、そして、あんなことに…。
ええもちろん、付き合うとかそういったことではありません。私ももう十分におばさんでしたし…。あの時、お互いの辛い思い、寂しい思いが、たまたま同調したのでしょう。
私とその学生との間にあったのは、それだけのことでした。でも、一夜限りとはいえ、その縁を学生は忘れずにいてくれました。
いよいよ粉食店が立ち行かなくなり、店を閉めた後どうして生きていこうかと途方に暮れていたその時、あの学生が声をかけてくれたのです。「もしよかったら、ウチで家政婦をしませんか?」って…。一見冷たいように見えますけど、ああ見えて実は、義理堅くて情の深い若者なんだと思いますよ。
私が今ここで家政婦をしているのは、そういう事情があってのことです。
こんな話で、よろしかったでしょうか。つまらない話を聞かせてしまったかもしれません。
ちなみに、ここまで生々しくはありませんでした。イケメンぶりはよく似ていますけど(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=nOuSfzd8uEc
と真夜中に大笑いしてしまいました。
そして青さん、サイドストーリー「ユジョン×うあはん 閉店後の情事(仮)」をお聞かせ頂き、ありがとうございます!!すばらしい!
うあはんの語り口調がいいですね~!ユジョンは高校生かなぁ‥。
この経験を経て紳士ユジョンが作り上げられていくんですね‥。(だからユジョン×うあはんは妄想だっつーの!)
うあはん最初の出で立ちからして欲求不満全開ですよね~…(;゜∀゜)
何しゃべってるかわかりませんが、うあはんが一方的に襲いかかっているようで…衝撃的映像…!
深夜にある意味ラブシーンを見たわけですが、引ぎみの感情しか生まれませんでしたわ。笑
そう、しかしユジョン×うあはんもあのようにうあはんリードで…!←これ重要ポイントなんで!って妄想でした
彼、クォンサンウですね…?!
母の影響で知ってます~
そうかー。コーヒー焼酎とは豆を焼酎にひたすんですね~。ではブルマンには何酒を入れるのでしょう?←まだ気になってる。