畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載287「浅葱(アサヅキ)」(その1)

2023-02-13 04:38:32 | 野菜

       浅葱(アサズキ) (その1)

 昔、昔の事になったが、小学生だった私は気が弱いのか、優しいのか一人で山の畑で働く母が何となくかわいそうで、たいした手伝いにもならないのに毎日のように付いていった。他の子度たちのようにパッチ(めんこ)や、くぎ打ち、ビー玉などの子供らしい遊びに親しんだ記憶はない。

 さて、そのころの畑はと言えば耕運機さえ無い時代。前年の畝を平鍬で半分を削り、次の畝の半分も削って合わせて新しい畝にしていたように思う。もちろん、土の塊は平鍬の頭でたたいて細かくしていたのだろうが。時たま頼まれるのが、その古い畝の畝間を三本鍬で土を起こすこと。コツもいらない単純な仕事である。

 そんな鍬の使い方だから、畑によってはアサズキやウシノンビルが絶えず毎年繁茂していた。ちなみに、耕運機やトラクターで耕すと消滅してしまうようだが。特に隣接した同じ村の人の畑はアサズキがびっしりと生え、寝転がっても服に土がつかないほどだった。しかし、それだけ密生すると大きな玉、球根には育たなかった。種類もあるのかもしれないのだが。

          (続く)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする