畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載19『カタハ』

2015-05-21 12:55:05 | 山菜
  カタハ  

 秋は山の畑への行き帰りに杉林を覗くのが楽しみだった。
「カタハ」とこの辺りで呼ぶ「スギヒラタケ」が見つかるからだ。
杉の切り株や、雪で折れて、横たわる杉の木に、白く折り重なるような形で出ている。

 味噌汁の実が一般的食べ方だが、炒めても美味しいと言う。
ある日、「カタハ」採りを思い付き、廃道に近い状態になった山道を登った。
その道の脇に杉林があるのだ。思ったとおり、人が入った気配は無い。

 切り株のみならず、雪折れの太い杉にも白いカタハが出ている。
斜面の下方から採る。ふと何かの気配を感じて上を見た。
すると子兎が目を丸く見開き、私を見つめていた。
見つからないための知恵なのか、恐怖心なのか動かない。

 そっと捕まえ、家に連れ帰った。越後野兎は飼っても育たないと聞く。
しばらく子供たちと見た後、一緒に山道に放しに行った。離された子兎はすぐ藪には入らず、
道をゆっくり走り、そして見えなくなった。

 さて、そんな、もっとも中毒とは無縁で、安全と言われていた「カタハ」も、
急性脳症との因果関係が取り沙汰され、食べてはならないキノコになってしまった。
「人が採らんくなって馬鹿良いぜ」なんてつわものも居るが、
頭の弱い私は避けた方が良いようだ。
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山菜を食べましょうか

2015-05-21 04:19:08 | 山菜

 長岡のフレンチレストランの皆さんを招待し、山菜で一献交わすことになりました。
食のプロ達をお招きするなんて、恐れも知らぬスベルべ夫婦です。

 スベルべは何時も通りに朝から始動し、「根曲がり竹」「木の芽」「ワラビ」「タラの芽」を収穫。
そして、帰宅して朝食後、再度山に入り独活を採ってきました。

 小鉢に入った緑色の物が「木の芽」でほろ苦くて美味しい。
そして、メーンは「鯛のお造り」でした。



 自慢の太いゼンマイを使った煮物。
採ったばかりの「根曲がり竹タケノコ」と冷凍保存の枝豆の緑。そして雪の下ニンジンです。



 左から、「ワラビのお浸し」「トウナの煮菜」「山ブドウの寒天寄せ」「独活の胡麻和え」、
そして、「ワラビの粕漬け」と続きます。



 水の入った器は「独活の根元部分」で土に潜っていてモヤシ状態。
向こうは山盛りの「焼きタケノコ」でイカは珍味高知からの到来物の「スルメ烏賊の赤ちゃん」です。



 二人で、お客さんが来訪する時刻ぎりぎりまで仕事をしていたので大わらわ。
でも、山菜の天麩羅なんて揚げたての熱々が美味しいから、良かったのかな。

 「トーちゃん、天麩羅用にタケノコの皮を剥いて」なんて言われ、客人の前で剥きました。
「イタドリ」「独活」「タラの芽」「タケノコ」「アンニンゴの果穂」「葛の新芽」など。

 「先ずは乾杯」とばかりにビールで宴会開始。
夜明けとともに行動を開始して、一日の締めくくりとしては最高の宴のスタートです。

             (続く)
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