今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

いいかんぶつの日

2010-11-20 | 記念日
日本記念日協会で今日・11月20日の記念日をみると「いいかんぶつの日」があった。
記念日の由来には、“海産物や農産物を干したり乾燥させたりして出来るのが、昆布、かつお節、干ししいたけ、切干大根などの「かんぶつ(干物・乾物)」。日本の伝統的な食文化である「かんぶつ」を味わい、楽しみ、学ぶ日にと、日本かんぶつ協会が制定。日付は干物の「干」の字が「十」と「一」で成り立ち、乾物の「乾」の字は「十」「日」「十」「乞」から成り立っていることから、これらを組み合わせると「11月20日にかんぶつを乞う」と読むことができるため。」・・・とあった。ま~、色々記念日を考えるね~。
「かんぶつ」は漢字では干物とも乾物とも書く。干物は“ひもの”とも言うが、英語に直すと“Dried fish”。一般的に魚などの魚貝類の身を干して乾燥させ、保存性をもたせたものである。生物の魚などは常温で置いておくと急速に腐敗するがこれは主として微生物の繁殖が原因であるが、干物は、干して乾燥させ、かなりの水分を除くことで微生物が繁殖しにくいようにしている。同時に殆どが塩分に漬けているが、これは濃い食塩水の中では微生物が生育しにくくなること、又、塩の脱水効果により魚から水分が出て乾燥も進みやすくする利点もある。だから、塩が強い干物は、あまりカラカラに干さなくても保存がきき、生干しでも3、4日はもち、もう少しよく乾燥させれば一週間以上も保存することができるがその分、乾燥度の高いものほど身が硬くなる。
身を開き、内臓を取り除いてから干す加工法が一般的だが、いわしなど小型の魚はそのまま干して「丸干し」として食用に供するものもある。
乾肉(ほしにく)や、乾燥野菜なども「かんぶつ」の一種であるが、このような完全乾燥させたものは“乾物”(英語ではGroceries〔グロサリー〕)として、区別して扱われることが多い。
干物は風通しを特に重要視するため、乾燥した空気が吹き込む冬場の物が美味しいとされている。また、夏場は日光に当てると煮立ってしまい美味しさを損ねる為日陰干しが美味しいと言われている。実際には天日干しと言っても1時間程度干すだけであとは影にて干す事が多いようだ。全国の海辺では土産品としてよく使われている。冒頭掲載の写真では天日で干しているが、その時間も短時間で、干したあと1時間程度で直ぐに販売されるようだ。
干物も最近は保存性を高めるためにあまりひどく干したものは食味が悪くなるので一般に好まれず、生(なま)干しのものが好まれるようになった。そのため、乾燥という手段は貯蔵性を増すというより、原料から別のうま味をもった食品をつくるための手段とされるようになった。
干物の一種に一汐と呼ばれるものがある。これは漁師達が自分で食べる用に、とれたての魚を船上で開いて海水(汐)につけ、港に帰ってくるまで、乾かす程度に干したものが始まりだという。保存を目的に作る干物よりも薄塩で、魚の味わいがより楽しめる。こうすることによって、魚の水分がある程度減ってもうまみの成分量は変わらず、うまみが凝縮され、魚の持つうまみがより引き出されるので美味しいのだと聞いている。
炊きたてのご飯においしい干物。昔からこれほど簡単で身近な食べ物はそうはない。普通の家庭だけでなく、私など仕事で良く出張をしたが、そんな時宿泊したホテルや旅館の朝食でも和食には必ず「干物」が出てきた。
昔から余り肉食をしない日本人にとって、魚は動物性タンパク質の供給源として、またカロリー源としても重要な栄養食品であった。また、魚のタンパク質は体内では合成されない必須アミノ酸の一つ「リシン(リジン) 」を多く含んでおり、穀類、特に米を主食としている日本人は、このリシンが不足がち」になるので、「米と魚」の組み合わせは、必須アミノ酸のバランスが理想的で抜群に相性が良いそうだ。
私など、子供の頃には流通や保存の問題もあり、生の魚は臭うので大嫌いだったが、干物は塩漬けして魚の水分を出す過程で魚の生ぐさみも消えいるので食べることができた。今では、スーパーなどでも新鮮な生干しのものが豊富に販売されており、今でも、刺身以外の魚が余り好きではない私などは大変重宝している。
干物と言えば、2007(平成19)年度のユーキャン新語・流行語大賞の本選でのベスト10入りを逃したものの候補語60語にノミネートされた流行語に「干物女(ひものおんな)」があった。
干物女とはひうらさとるの漫画『ホタルノヒカリ』の主人公・雨宮蛍の生活ぶりから出来た言葉だそうだ。
この漫画は日本テレビでテレビドラマ化され、好評につき、今年(2010年)7月から続編の「ホタルノヒカリ2」も放送いるようだが、私自身は、漫画もドラマも見ていないが、ユーキャン新語・流行語大賞の説明では、“主人公・雨宮蛍は20代にして恋愛を放棄。平日は毎日会社から帰ってマンガを読んで一人手酌で酒を飲み、休日は布団の中でうだうだ過ごすのが幸せという女性”のことだそうだ。その主人公の女性がお酒のつまみとして魚介類の干物をよく口にしていたので“干物女”ということらしい。

上の画像はひうらさとるの「ホタルノヒカリ(1)」(講談社)
ひうらさとる公式サイトによれば、作者が、この連載漫画を書こうと思ったのは、まわりの20代の女の子を見ていると、“マイペースで口では「彼氏ほしいですよー結婚しなきゃヤバイですよねー」といいつつ焦りや具体的な行動があまりみられない。趣味などの自分の世界は確立しているけど、それを必要以上に自己主張することもなく、仕事を含む生活スキルはそこそこのラインをキープしているのでこれまた必要以上にきりきりがんばりすぎない。”といった印象を受け、そして、「今の女子たちは恋愛に対するボルテージがかなり下がっているんだ!」という事実に軽い衝撃を受けたことからだという。
こんな、職場ではOLらしさを装っているがプライベートでは男っ気もなくだらだらとした気ままな1人暮らしをしている・・・、心もカラカラに乾いた干物のような感じのキャラクターに同世代の女性が共感を受けているのだという。
我々のような古い世代のものにはなんとも空虚な生き方にしか思えないのだが・・・。しかし、ネットで、色々調べてみると非婚眺望また非婚の女性が確かに増えているようだ。
非婚とは結婚していない、または結婚しないことを意味しており、 従来用いられてきた「未婚」に対して、「自らの意志で結婚を選択しない」という意味をより強く込めるために「非婚」が用いられているようだ。
この「非婚化」は先進国において顕著のようであるが、日本も戦後の経済成長と共に女性の社会への進出も著しく、経済力もつけ高学歴で自由と独立を求める女性に非婚眺望が増えたとしてもそれはある種当然の成り行きであったのかもしれない。
私などの年代の者は、結婚していて当たり前、未婚や離婚は珍しい時代に育ったが、どんな形で結婚をしようが、結婚をした以上は相手のことを気遣いどんな苦労があったとしても、夫も妻もご互いにそれを耐え忍んで送らなければならなくなる。今の時代のように、自由な生き方を望む人が多くなると男性にとっても女性にとっても、ある種自由を束縛される結婚生活は煩わしい存在なのかもしれない。
現在当たり前のように思われている一夫一婦制の結婚と言う制度が確立したのは、実はほんの100年前ほど前からのことであり、それ以前は一夫多妻も認められていたのだ。
一夫一婦制の考えが日本にもたらされたのは江戸時代、キリスト教の伝来した時といわれており、キリスト教の貞操観念が重視されたものである。しかし、その考えはすぐには広まらず、江戸時代には妻の他に妾を囲うことは、上流の武士社会や富裕な町人層では普通に行われていたことであり、こうしたいわゆる蓄妾制(妾を囲っておくこと)は明治時代に入ってからも続いていたが、法的にも1870 (明治3)年に制定された「新律綱領」では妻とを同等の二親等として登録を認められていた(日本で初めての本格的な戸籍制度・壬申戸籍は、1872〔明治5〕年施行)が、これは、家制度を存続維持させるためにはどうしても跡取りが必要であったからだ。
しかし、文明開化の時代、近代国家を建設ためには西洋の習慣を取り入れなくてはならない、一夫多妻は人倫にもとるからやめようという動きも出、1871(明治4)年の廃藩置県の直後、宮中でも女官総免職の動きがあったようだ。そして、戸籍法上からは1882(明治15)年に妾が削除され、1898 (明治31)年に民法によって一夫一婦制が確立することとなる。
明治以前の宮中の女官は江戸城の大奥と同じように隠然たる勢力をもち、明治維新後の政府も手を焼いていたようだ。その後段々是正はされたが、古い形式の階級と格式だけは残り、尚侍・典侍・掌侍・命婦など7つの職名があり、公家華族や京都士族、社寺家出身の処女でなければならなかった。それが、「東宮殿下の御成婚を間近に控えた宮内省が、この機会に長い伝統の下に置かれた従来の女官姓を根本的に改革し、新時代に適応する制度を設けんとし・・・」(1923=大正12年8月26日付け大阪毎日新聞)て、宮中伝統のお局(つぼね)制度を廃止して普通の宮内官と同じように通勤し、古めかしい職名と彼女らにつけられた源氏名も辞めて本名で呼ぶことにした。古くは女官は天皇の側室候補の意味もあった。新聞報道では宮内省の方針のように発表されているが、これは皇太子のイニシアチブによる改革であったという(アサヒクロニクル「週間20世紀」1923年号より)。つまり、天皇がお局制度を拒否したのは、ここに言う当時の東宮(皇太子)裕仁殿下(昭和天皇)が最初だったのである。
今で言うところの”家”を中心とした家制度は明治時代から第二次世界大戦が終わるまでのものであり、この家意識は、戦後、1947(昭和22)年に民法が大規模に改正(戸籍の構成単位が家から夫婦へ) されたものの、高度経済成長期までは旧来型の「結婚」という制度によって“家”は保たれてきたが、高度経済成長期の急激な都市化・核家族化はこうした家意識を急激に希薄化させていくことになった。
そして、今、離婚・非婚が増え、なしくずしのシングルも急増しているが、結婚というものに対する価値感も変化し、我々の年代のような者とは違って「人は必ず結婚しなくてはならない。」という意識から「どうして、結婚しなくてはならないのか。」という疑問さえ投げかけられるようになっているようだ。
しかし、家制度をなくすのはよいが、家庭を形成する結婚と言うものまでなくして、今後はどんな形のものが出来るのか・・・?
明治~今までに定着した家制度以前のもっと古い時代(平安時代)の日本には「通い婚」といった合理的な結婚の方法もあった。通い婚とは、結婚後に双方の同意に基づきそれぞれ別々の住まいにて居住し、必要時において何れかの居宅に通い合う夫婦形態を言っている。つまり、会いたいときだけ会いに行くという形式のものである。
今の時代は結婚もせず、同棲しているだけの人も殖えているようだが、これなら、同棲をする必要も無い。ものぐさな「干物女」といわれる女性にも受け入れられるのでは・・・。
少子高齢化の時代に、非婚化を解決せずに少子化を改善するにはこのような合理的な結婚もあってよいのかもしれない・・・なんて考えてしまうのだが・・・。
何か「かんぶつ」の話が「干物女」・・・いや、今の非婚化女性の話にまで飛んでしまったが・・・m(_ _;)m ゴメン!!。
(冒頭の画像は、天日干し風景。Wikipediaより)
干物大百科
http://www.himono.info/
干物(乾製品)について
http://www.hi-ho.ne.jp/~fish/question/himono/
干物の栄養成分的特徴
http://www.hi-ho.ne.jp/~fish/question/himono/nutrition.html
北國屋干物大学
http://www.interq.or.jp/kansai/ascent/index_f.html
IZU NET:干物の作り方
http://www.izunet.jp/taberu/himono/index.htm
干物- Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%B9%B2%E7%89%A9/
干物 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B2%E7%89%A9
日本乾物協会
http://www.j-kanbutsu.jp/
リシン - [コスメ・ビューティ用語集]All About
http://kw.allabout.co.jp/glossary/g_cosme/w005990.htm
新語・流行語大賞(公式サイト)
http://singo.jiyu.co.jp/index.html
ひうらさとる公式ページ
http://www.satoru-h.com/top.html
通い婚(かよいこん)とは - 結婚・ウェディング用語辞典
http://www.kekkon-soudanjyo.jp/glossary/matchhunting/post_79.html
明治の初めまで日本も一夫多妻制だった!? - [結婚式] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/225488/2/
日テレドラマ「ホタルノヒカリ」公式サイト
http://www.ntv.co.jp/himono/check/index.html
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html



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2 コメント

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Unknown (リリピィ)
2010-11-20 17:46:37
こんばんは (^^)
干物から干物女。。。(^_^;)
それにしても結婚制度って、新しいんですね。
ずっと昔の通い婚は有名だけど、間は知らなかったです (^_^;)
話を戻して、干物は、良いですよね。
栄養もあるし、美味しいし。
昔の人の知恵ってすごいなと思います。
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リリピィさんへ (よーさん)
2010-11-21 11:33:28
リリピィさんこんちは!
ブログ見てくれて有り難う!
干物は美味しいですよね。
猟師さんはわざと干物にして喰べるとも言いますからね。
本当に日本人の知恵は凄いですよね。
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