今日（10月10日）は、「マグロの日」
日本鰹鮪漁業協同組合連合会が1986(昭和61)年に制定。
726（神亀3）年のこの日、山部赤人が聖武天皇の御供をして明石地方を旅した時、鮪漁で栄えるこの地方を、「・・・藤井の浦に 鮪(しび)釣ると 海人船騒き 塩焼くと 人ぞ多(さは)にある 浦を吉(よ)み うべも釣りはす・・・」と歌(『万葉集』巻六・938段)に詠んだとされていることからだとか。山部赤人が明石地方を旅したときに詠んだとされているこの歌のことは、以下参考に記載の「千人万首」の山部赤人を参照されると良い。
10月10日と言えば、以前は「体育の日」であったが、この「体育の日」は、2000（平成12）年からは「ハッピーマンデー制度」の適用により、10月の第2月曜日となっった。制定当時この日が「体育の日」と同じであったので、丈夫な体をつくるためにも、マグロをたくさん食べて貰う日としても、適当ということから、この日を「マグロの日」制定したそうだ。このことについては、以下参考に記載の※１０月１０日はマグロの日が詳しそうだ。
マグロ（鮪）は、スズキ目に含まれる サバ亜目・ サバ科 マグロ属の魚の総称である。狭義にはそのうちの1種であるクロマグロを指し、これは一般に「本マグロ」と呼ばれている。マグロにはタンパク質が豊富で、他の栄養素も多く、マグロを食べると身体にはよいだろうが、本マグロなどは高すぎて我々の口にはなかなか回って来ないよ。明石で獲られていた鮪(しび＝まぐろ)はキハダマグロだというから、これならいつも食べている。
日本人は古くからマグロを食用とし、縄文時代の貝塚からもマグロの骨が出土しているというが、日本最古の古典、『古事記』下巻顕宗即位前の条にもまぐろに関する歌がある。袁祁命（おけのみこと、後・第23代の顕宗天皇）が天下を治めようとしている頃のこと。平群臣（へぐりのおみ）の祖先で、志毘臣（しびのおみ）が歌垣に参加し、袁祁命が求婚しようとしていた乙女、大魚（おうお）の手をとったことから、志毘臣と、同じく歌垣に参加していた袁祁命との間で、悪口、揶揄などの歌合戦となった。ここで、王子（みこ）が詠よんだ歌がある。
「大魚（おふを）よし鮪突（しびつ）突つく海人（あま）よ 其（し）が散（あ）れば 心恋（うらこほ）しけむ 鮪突（しびつ）く鮪（しび） 」【110】
訳：鮪（しび）を突く海人（あま）よ。それが離れて行ったら、うら悲しいだろう。鮪（しび）を突く志毘（シビ）よ。〔シビ（鮪）はマグロのこと。大魚（おふを）よしは、 「鮪」の枕詞。大魚（オフヲ）を指している 〕
この歌のことなどは、前に、5月27日「ツナの日」（毎月27日）で書いたので詳しいことを知りたい人はそちらで見てください。→ここ
当時は、日本の近海でマグロを鯨のように銛（もり）で投げたり突いたりして獲っていたのだろう。しかし腐敗しやすいこともあって高級魚としての扱いは受けなかった。江戸時代の豊漁の際、腐敗を遅らせるためにマグロの身を醤油づけにした「ヅケ」が握り寿司のネタとして使われ出したのが普及のはしりという説がある。近代以降もマグロは戦前までは大衆魚で、主として赤身の部分が生食されていた。脂身の部分である「トロ」はことに腐敗しやすいことから不人気で、もっぱら加工用だったが、冷凍保存技術の進歩と生活の洋風化に伴う味覚の濃厚化で、1960年代以降は生食用に珍重される部位となった。日本かつお・まぐろ漁業協同組合HPによると、マグロの身が他の魚には見られない赤い色をしているのは肉の色素と血の色素に含まれる鉄分によるもので、それが、貧血傾向にある若い女性には欠かせない栄養魚といわれる由縁だそうだ。
日本で主に刺身として食べられているのは、クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなどである。
マグロは古くから一般にはえなわ漁で捕獲されてきた。太平洋戦争後は、日本近海のマグロ漁獲高の減少がすすみ、またマグロ需要の増加を受けて、より遠くでマグロ漁を行う必然性が出てきた。今で言うマグロ遠洋漁業でる。そして、日本の延縄船がインド洋、オーストラリア南方から大西洋まで進出。欧米各国はマグロの激減を延縄漁に原因を求めており、マグロ漁の全世界的な禁止を提案している。日本は、今、世界で取れるマグロの、実に3分の1を消費する世界一のマグロ消費大国であり、国内からの遠洋漁業だけではとうてい需要をまかないきれず、世界各国から冷凍マグロが大量に輸入されている。以下参照。
マグロについて：漁獲量と消費量
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/consumption/index.htm
日本鰹鮪漁業協同組合連合会が、10月10日を「マグロの日」として設けたのは、「どうすれば、消費の落ち込んだマグロを食べて貰えるか」と言うことから、この日を決めて宣伝活動をしようということになったらしいが、今では、日本のマグロ人気は非常に高く需要が高い。しかし、以前は圧倒的に日本のみにマグロの需要が多かったが、近年の日本食・「sushi」ブームの影響などで欧米他世界でマグロが食べられるようになった。そのため、世界各地で、マグロ類の資源量が過剰な漁獲によって、著しく減少しており、これが問題となり、国際的な資源保護が叫ばれている。
世界には、特定の海域や魚種を対象とした、5つのマグロ資源管理のための国際機関があり、それぞれ独自に管理に取り組んでいる。マグロ漁業国であり、市場国である日本はこのすべての国際条約機関に加盟している。これらの国際条約機関はそれぞれ毎年会合を開き、漁獲量やルールが守られているかどうかを議論しているが、これらの機関の管理方法には統一した基準が無く、情報も共有されていない。
そこで、日本の水産庁の主催により、世界の5つのマグロ類資源管理機関が、今年、2007[平成17）年1月22日から26日まで、神戸国際会議場（神戸市）で開かれた國際会合に初めて一同に会し、今後のマグロ資源の管理方法などについて話しあわれた。（同会議で話し合われた内容等については、以下参考に記載の※水産庁/マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の結果についてを見られたい）
マグロ資源が減っているのに、比較的安価なトロが今もあふれている日本。一般の消費者が資源の状況を実感するのは、とても難しい状況であるが、「マグロの日」に、ただ、マグロのトロが好きだから、好きなだけ喰べる・・・というのではなく、20年、30年後も、おいしいマグロを食べることのできる世界であるためには、現代に生きる私たちの責任は何か？・・・考えてみる必要もあるのではないか。
このような問題は、何も、マグロだけに限ったものではない。これからの時代は深刻な食糧不測問題が予測されているのだよ・・・。え？・・・もう、私は年だから、そんな先のことどうでも良いって・・・。それでは、あなたの可愛い孫たちが大変だよ・・。以下参照。
マグロについて：消費者はどうしたらいいの？
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/consumer.htm
（画像は、トロの握り寿司。フリー百科事典Wikipediaより）
参考：
マグロ-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD
日本かつお・まぐろ漁業協同組合
http://www.japantuna.net/
※１０月１０日はマグロの日
http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurisan/koramu/maguro.htm
マグロをめぐる問題：資源管理について(ＷＷＦジャパンHP)
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/problem/management.htm
水産庁/マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の結果について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/19/012901-01.html
日本マグロ白書
http://www.maguro-jp.com/
OPRT（社団法人 責任あるまぐろ漁業推進機構）
http://www.oprt.or.jp/top.html
日本神話の御殿 - 各種データベース
http://nihonsinwa.at.infoseek.co.jp/data/index.htm
5月27日「ツナの日」（毎月27日）
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/9c606cece5d5d30d48b66c06e497d4e2
山部赤人 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
千人万首
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin.html
日刊水産経済新聞
http://www.suikei.co.jp/
医学・健康情報サイト /マグロ
http://www.j-medical.net/food/f-maguro.html
神戸国際会議場
http://www.molsci.jp/discussion_past/2002/KICC.html
日本鰹鮪漁業協同組合連合会が1986(昭和61)年に制定。
726（神亀3）年のこの日、山部赤人が聖武天皇の御供をして明石地方を旅した時、鮪漁で栄えるこの地方を、「・・・藤井の浦に 鮪(しび)釣ると 海人船騒き 塩焼くと 人ぞ多(さは)にある 浦を吉(よ)み うべも釣りはす・・・」と歌(『万葉集』巻六・938段)に詠んだとされていることからだとか。山部赤人が明石地方を旅したときに詠んだとされているこの歌のことは、以下参考に記載の「千人万首」の山部赤人を参照されると良い。
10月10日と言えば、以前は「体育の日」であったが、この「体育の日」は、2000（平成12）年からは「ハッピーマンデー制度」の適用により、10月の第2月曜日となっった。制定当時この日が「体育の日」と同じであったので、丈夫な体をつくるためにも、マグロをたくさん食べて貰う日としても、適当ということから、この日を「マグロの日」制定したそうだ。このことについては、以下参考に記載の※１０月１０日はマグロの日が詳しそうだ。
マグロ（鮪）は、スズキ目に含まれる サバ亜目・ サバ科 マグロ属の魚の総称である。狭義にはそのうちの1種であるクロマグロを指し、これは一般に「本マグロ」と呼ばれている。マグロにはタンパク質が豊富で、他の栄養素も多く、マグロを食べると身体にはよいだろうが、本マグロなどは高すぎて我々の口にはなかなか回って来ないよ。明石で獲られていた鮪(しび＝まぐろ)はキハダマグロだというから、これならいつも食べている。
日本人は古くからマグロを食用とし、縄文時代の貝塚からもマグロの骨が出土しているというが、日本最古の古典、『古事記』下巻顕宗即位前の条にもまぐろに関する歌がある。袁祁命（おけのみこと、後・第23代の顕宗天皇）が天下を治めようとしている頃のこと。平群臣（へぐりのおみ）の祖先で、志毘臣（しびのおみ）が歌垣に参加し、袁祁命が求婚しようとしていた乙女、大魚（おうお）の手をとったことから、志毘臣と、同じく歌垣に参加していた袁祁命との間で、悪口、揶揄などの歌合戦となった。ここで、王子（みこ）が詠よんだ歌がある。
「大魚（おふを）よし鮪突（しびつ）突つく海人（あま）よ 其（し）が散（あ）れば 心恋（うらこほ）しけむ 鮪突（しびつ）く鮪（しび） 」【110】
訳：鮪（しび）を突く海人（あま）よ。それが離れて行ったら、うら悲しいだろう。鮪（しび）を突く志毘（シビ）よ。〔シビ（鮪）はマグロのこと。大魚（おふを）よしは、 「鮪」の枕詞。大魚（オフヲ）を指している 〕
この歌のことなどは、前に、5月27日「ツナの日」（毎月27日）で書いたので詳しいことを知りたい人はそちらで見てください。→ここ
当時は、日本の近海でマグロを鯨のように銛（もり）で投げたり突いたりして獲っていたのだろう。しかし腐敗しやすいこともあって高級魚としての扱いは受けなかった。江戸時代の豊漁の際、腐敗を遅らせるためにマグロの身を醤油づけにした「ヅケ」が握り寿司のネタとして使われ出したのが普及のはしりという説がある。近代以降もマグロは戦前までは大衆魚で、主として赤身の部分が生食されていた。脂身の部分である「トロ」はことに腐敗しやすいことから不人気で、もっぱら加工用だったが、冷凍保存技術の進歩と生活の洋風化に伴う味覚の濃厚化で、1960年代以降は生食用に珍重される部位となった。日本かつお・まぐろ漁業協同組合HPによると、マグロの身が他の魚には見られない赤い色をしているのは肉の色素と血の色素に含まれる鉄分によるもので、それが、貧血傾向にある若い女性には欠かせない栄養魚といわれる由縁だそうだ。
日本で主に刺身として食べられているのは、クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなどである。
マグロは古くから一般にはえなわ漁で捕獲されてきた。太平洋戦争後は、日本近海のマグロ漁獲高の減少がすすみ、またマグロ需要の増加を受けて、より遠くでマグロ漁を行う必然性が出てきた。今で言うマグロ遠洋漁業でる。そして、日本の延縄船がインド洋、オーストラリア南方から大西洋まで進出。欧米各国はマグロの激減を延縄漁に原因を求めており、マグロ漁の全世界的な禁止を提案している。日本は、今、世界で取れるマグロの、実に3分の1を消費する世界一のマグロ消費大国であり、国内からの遠洋漁業だけではとうてい需要をまかないきれず、世界各国から冷凍マグロが大量に輸入されている。以下参照。
マグロについて：漁獲量と消費量
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/consumption/index.htm
日本鰹鮪漁業協同組合連合会が、10月10日を「マグロの日」として設けたのは、「どうすれば、消費の落ち込んだマグロを食べて貰えるか」と言うことから、この日を決めて宣伝活動をしようということになったらしいが、今では、日本のマグロ人気は非常に高く需要が高い。しかし、以前は圧倒的に日本のみにマグロの需要が多かったが、近年の日本食・「sushi」ブームの影響などで欧米他世界でマグロが食べられるようになった。そのため、世界各地で、マグロ類の資源量が過剰な漁獲によって、著しく減少しており、これが問題となり、国際的な資源保護が叫ばれている。
世界には、特定の海域や魚種を対象とした、5つのマグロ資源管理のための国際機関があり、それぞれ独自に管理に取り組んでいる。マグロ漁業国であり、市場国である日本はこのすべての国際条約機関に加盟している。これらの国際条約機関はそれぞれ毎年会合を開き、漁獲量やルールが守られているかどうかを議論しているが、これらの機関の管理方法には統一した基準が無く、情報も共有されていない。
そこで、日本の水産庁の主催により、世界の5つのマグロ類資源管理機関が、今年、2007[平成17）年1月22日から26日まで、神戸国際会議場（神戸市）で開かれた國際会合に初めて一同に会し、今後のマグロ資源の管理方法などについて話しあわれた。（同会議で話し合われた内容等については、以下参考に記載の※水産庁/マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の結果についてを見られたい）
マグロ資源が減っているのに、比較的安価なトロが今もあふれている日本。一般の消費者が資源の状況を実感するのは、とても難しい状況であるが、「マグロの日」に、ただ、マグロのトロが好きだから、好きなだけ喰べる・・・というのではなく、20年、30年後も、おいしいマグロを食べることのできる世界であるためには、現代に生きる私たちの責任は何か？・・・考えてみる必要もあるのではないか。
このような問題は、何も、マグロだけに限ったものではない。これからの時代は深刻な食糧不測問題が予測されているのだよ・・・。え？・・・もう、私は年だから、そんな先のことどうでも良いって・・・。それでは、あなたの可愛い孫たちが大変だよ・・。以下参照。
マグロについて：消費者はどうしたらいいの？
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/consumer.htm
（画像は、トロの握り寿司。フリー百科事典Wikipediaより）
参考：
マグロ-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD
日本かつお・まぐろ漁業協同組合
http://www.japantuna.net/
※１０月１０日はマグロの日
http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurisan/koramu/maguro.htm
マグロをめぐる問題：資源管理について(ＷＷＦジャパンHP)
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/tuna/problem/management.htm
水産庁/マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の結果について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/19/012901-01.html
日本マグロ白書
http://www.maguro-jp.com/
OPRT（社団法人 責任あるまぐろ漁業推進機構）
http://www.oprt.or.jp/top.html
日本神話の御殿 - 各種データベース
http://nihonsinwa.at.infoseek.co.jp/data/index.htm
5月27日「ツナの日」（毎月27日）
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/9c606cece5d5d30d48b66c06e497d4e2
山部赤人 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
千人万首
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin.html
日刊水産経済新聞
http://www.suikei.co.jp/
医学・健康情報サイト /マグロ
http://www.j-medical.net/food/f-maguro.html
神戸国際会議場
http://www.molsci.jp/discussion_past/2002/KICC.html
