今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

テクラ・バダジェフスカ(『乙女の祈り』の作曲家)の忌日

2009-09-29 | 人物
今日:9月29日はテクラ・バダジェフスカ(ポーランド:作曲家『乙女の祈り』)の1861年の忌日。
テクラ・バダジェフスカは、ポーランド出身の女性作曲家・ピアニストだといっても、彼女のことは、ポピュラーなピアノ曲で、よくオルゴールの曲としても使われている「乙女の祈り」の作曲家だということぐらいしか知らない。
この曲は、ピアノの音色を生かしたメロディの美しい小曲であり、ピアノなど習いはじめた人の多くがベートーヴェンの「エリーゼのために」などと共に最初にあこがれる曲であるようだ。
彼女は、1834年(?。生年は正確には不明のようだ)、ポーランドの首府(首都)ワルシャワ生まれで、本格的な音楽教育は受けていないそうだが、当時パリにあった「レビュー・エ・ガゼット・ミュジカーレ」という音楽雑誌は毎号付録として小品のスコア(総譜・楽譜)をつけていたが、1859年、どういう偶然か彼女が18歳の時に作曲したという『乙女の祈り(仏語:La prière d'une vierge)』の楽譜が掲載され、これが評判を呼び、あっと言う間に世界中にその名が知られるようになったという(以下参考の※:「おんがく日めくり | YAMAHA」参照)。
1861年、わずか27歳?で世を去ったために、彼女に関する作品や資料の大半が消失したというが、この曲他、30曲あまりの小さなピアノ曲を残していることがわかっているようだ。
2007年に、キングレコードからバダジェフスカの作品集がリリースされているが、収録曲のほとんどが初録音であるという。以下参照。ここでは収録曲17曲が試聴出来る。
ピアノ作品集〜乙女の祈り、ほか ユリヤ・チャプリーナ【CD】(解説付き:試聴可)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2597212
又、以下では、ピアニスト瀬田敦子(以下参考の※:ピアニスト瀬田敦子Official Website)のピアノ演奏が聞ける。
YouTube -La prière d'une vierge Atsuko Seta
http://www.youtube.com/watch?v=loJY25HOIr4&feature=related
このバダジェフスカの「乙女の祈り」のメロディを大幅にアレンジしたものが、1960年に、同名の「乙女の祈り」でザ・ピーナッツの歌唱によりカヴァーされている。
当時、ザ・ピーナッツはオリジナル楽曲をあまり歌わず、専ら外国カヴァー曲を歌唱していたが、前年(1959年)に発表されたベートーヴェンの「エリーゼのために」のメロディをアレンジした「情熱の花」と同じく、作詞は、音羽たかし、編曲は宮川泰によるものであった。
「ララララーラー…私の胸に」で始まる「情熱の花」は、NHK紅白歌合戦【第10回】などでも歌われ、広く知られているが、ザ・ピーナッツの歌う「乙女の祈り」の場合は「情熱の花」ほどCDなどへの収録も少なく、余り知られておらず、聞いたことの無い人が多いのではないか。以下で試聴できるので 聞いてみるとよい。良い歌だよ。
ピーナッツの"ザ・ヒット・パレード" [生産限定盤] CD (試聴可)
http://www.neowing.co.jp/detailview.html?KEY=KICS-1431
キングレコードからリリース(発売)されたバダジェフスカの作品集【CD、17曲】の解説書にもあるように、彼女の曲には「乙女」「祈り」と題された曲が多い。「乙女の祈り」「乙女の感謝」「第2の乙女の祈り」「母の祈り」さらに「乙女の祈り」のアンサーソングと言われる「かなえられた祈り」(乙女の祈りへの返歌)など。解説では、彼女の曲は、どれも美しいメロディが用いられており、透明かつ上品で、不思議な癒しの効果があり、心が洗われるかのようだというので、これらの曲を試聴してみたが、最後の「乙女の祈り」は前奏部分の非常に重々しいところで終わってしまい、代表曲の「乙女の祈り」や他の曲とは大分違うな~と思い、もう少しフルに聞きたいと検索するとそれが見つかった。余り聞けない希少な曲だが、以下でその MIDIが聞ける(94.バダジェフスカ 「かなえられた祈り」のところを参照)
ソクラテスの海>MIDIのページ1
http://elleander.web.fc2.com/midi2/midix.htm
これを聞くと、確かに出だしは、短調でやや重々しいものの、すぐにまた美しいメロディへと移っていく。「乙女の祈り」と同じくシンプルな変奏曲である。
「乙女の祈り」は彼女が18歳のときの作品というから正に彼女自身が乙女のときの作品である。そんな乙女の「祈り」とは何か・・・?
彼女の作品には「信仰」などといった曲もあるので、クリスチャンとしての平和や宗教的な祈りなども考えられなくもないが、19世紀の時代に生きた乙女の祈りといえば、やはり、恋愛ごとに決まっているだろう。そして、出来れば、裕福な家庭の、優しく、立派な男らしい男性との幸せな結婚を祈り、夢見て」いただろうと推測できる。そんな「乙女の祈り」のアンサーソングが「かなえられた祈り」。素敵な男性と巡り合い、幸せな結婚への祈りが叶(かな)う。「かなえられた祈り」の重々しい前奏部分はそのような結婚への期待と不安を表現しているのだろうが、それは、やがて明るいメロディーへと変化する。結婚への不安も解消し幸せな結婚生活が実現していったのだろう。
広辞苑など日本の辞書で乙女とは、“年若い女性。未婚の少女。生娘(きむすめ)。処女。穢れを知らない女性。”をいうが、今の時代、耳元で吐息混じりに「乙女・・・」などと囁かれたら、青梅の酸っぱい香りが鼻腔を掠める人と言えば、もう、私等のようないい年をした年代の男性だろう。
そんな熟していない青梅の酸っぱい香りのする乙女の定義がまだ健在な頃、大正時代に編まれた吉屋信子少女小説花物語』は、少女の繊細な心模様を数々の花に托した54の短編からなる連作集だ。すべて題名は「鈴蘭」「月見草」「白萩」といった花の名前にし、その花をモチーフにしたはかない少女の物語の世界は、女子が女子に憧れ、寄り添い、ひいては女子が女子に恋さえし、男はほんの添え物で、殆ど無用の存在にしかすぎない。この連載を継続するうちに、少女同士の関係が破綻する話が増え、さらに自殺や心中へと至る話も増えたことから、識者や同性の女性からさえも批判を集めもしたという。しかし、後年は、全編から一貫して読み取れる、少女期を「女性の人生で最も美しい時代」とする価値観や、「女性が男性の脇役に留まらずに同性と友情を育みながら自我を形成する姿は、従来から存在していた様々なモラル(moral、Yahoo!百科事典 参照)を超えたものであると評価されている。
しかし、「露出はアタシらにとってのファッションの一部!」などと言わんばかりに、身にまとっている衣服の面積は小さくなり一方で、今や、おへそは丸出し、しゃがめばお尻の左右の境界線さえも見えるほどのヒップボーンのショートパンツやスカートを履いている現代の女の子たちを見ていると、私らの年代の者には、まるで饐(す)えた臭いのする果実ぐらいにしか感じない。
戦後、栄養がよくなると、精神面の成長に比べて、肉体的な成育は早まり、特に女性の身体は立派になった。その分、への目覚めも早く、早い子は小学校の高学年に、又、中学生にもなると「処女」を喪失する子が多く居るなどと聞かされるとぞっとする。そして、出来ちゃっった婚が、普通のようにマスコミなどでも報道される時代となり、挙句の果てに、バツイチなんて言葉が、流行語のように使われている。今の「少子化」の時代には、結婚しても子供をつくらないよりは、お国の為になっているので、子供手当を支給するからと・・・・・・このような現実を奨励する方がよいのかね~?
いずれにしても私たちの年代の者には、今の若い未婚の女性からは、懐かしい「乙女」なんて言葉は脳裏を過ぎりもしないのだが・・・。
今の時代の「少女(乙女)の祈り」・・・て、どんなことを祈っているのだろうね~?
(画像は、キングレコード【1960.02】のザ・ピーナッツ「乙女の祈り」のジャケット)
参考:
※:おんがく日めくり | YAMAHA
http://www.yamaha.co.jp/himekuri/view.php?ymd=19990929
乙女の祈り - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%99%E5%A5%B3%E3%81%AE%E7%A5%88%E3%82%8A
※:ピアニスト瀬田敦子Official Website
http://www.page.sannet.ne.jp/atsuko1/
ザ・ピーナッツ♪乙女の祈り
http://homepage.mac.com/infant/home/090.html
曲の性格や表情を暗示するために用いる用語【曲想一覧表】
http://www.nasuinfo.or.jp/freespace/mukudori/expression.htm
変奏曲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%89%E5%A5%8F%E6%9B%B2
テクラ・バダジェフスカ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%80%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AB
吉屋信子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E5%B1%8B%E4%BF%A1%E5%AD%90
吉屋信子「花物語」の変容過程をさぐる
http://www.mimasaka.ac.jp/intro/bulletin/2001/yokokawa/yoko.html
asahi.com(朝日新聞社):吉屋信子は終わらない 少女たちのはかなくも凛とした世界
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200807200088.html
できちゃった結婚 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%A1%E3%82%83%E3%81%A3%E3%81%9F%E5%A9%9A
バツイチ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%81
民主党:子ども1人当たり月額2万6000円支給へ 「子ども手当法案」参議院に提出
http://www.dpj.or.jp/news/?num=12437
子ども手当法案
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g16902013.htm
ヒップハング - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B0

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