今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

こころの看護の日

2006-07-01 | 記念日
今日(7月1)は、「こころの日」
日本精神科看護技術協会が1999(平成11)年に制定。
1987(昭和62)年、「精神衛生法」が「精神保健法」に改正された。1988(昭和63)年7月1日の「精神保健法」の施行日にちなんで、1998(平成12)年より7月1日を「こころの日」と位置づけ、精神疾患や精神障害者に対して正しい理解を図り、こころの健康の大切さを再認識してもらうための取り組もうというもの。 「精神保健法」は2003(平成15)年に改正され、現在は「精神保健福祉法」となっている。
精神福祉の歴史的背景を見ると、西欧においては、18世紀後半-19世紀はじめ 、 ピネル(Pinel)という人が、フランス革命の頃、精神病者を鉄鎖から解放したことが精神障害者を人間として尊重することの始まりといわれているそうだ。 ビネルは、18世紀末、近代精神医学の黎明期に、初めて分類した人で、彼は迷信からはなれて、精神病を自分の目で観察し、実証体系的に記述した。19世紀後半-20世紀はじめ 、クリフォード・ビアーズという、アメリカ人が、1908(明治41)年「わが魂に出会うまで」という自叙伝を発表し、重症うつ病で精神病院へ入院した時の体験から、患者のおかれている悲惨な入院環境、非人間的処遇の実態を指摘して、精神病への理解と精神病院改革を世に訴え、精神衛生運動を始めた。これが今日の精神保健福祉の拡がりをつくっていったと言われており、アメリカでは、1963(昭和38)年、ケネディ教書(精神病及び精神薄弱に関する大統領教書)が発表され、精神障害者らのための積極的な福祉施策がとられるようになったそうだ。
日本では、1900(明治33)年、精神病者を地方長官の許可を得て、私宅や病院などに監置できるという法律「精神病者監護法」が出来た。そして、1919(大正8)年、都道府県が精神病院を設置できるという法律「精神病院法」が出来たが、 実際には病院の設置はほとんど進まなかったようだ。 戦後の1950(昭和25)年、「精神衛生法」が出来、都道府県の公立の精神病院の設置義務が課せられ、自傷他害のおそれのある精神障害者の措置入院と保護義務者の同意による同意入院の制度ができた。そして、私宅監置が廃止されることになった。そして、1955(昭和30)-1970(昭和45)年 に、精神病院が大増設された。1963(昭和39)年、「ライシャワー事件」が起こり、精神衛生法改正のきっかけとなった。この事件では、当時のライシャワー駐日アメリカ大使が統合失調症(精神分裂病)の少年に刺されて負傷した。これにより、日本の精神障害者の不十分な医療体制が大きな社会問題となった。その結果、翌年6月に精神衛生法の一部改正が行われた。又、1984(昭和59)年には、「宇都宮病院事件」が起こった。この事件では、精神科医療で無資格者による診察やレントゲン撮影が行われたり、看護助手らの暴行により患者が死亡したり、医師や看護婦等の医療従事者の不足する我が国の精神科医療の実態が浮き彫りにされた。精神科医療の根底を揺るがす事件として、国内のみならず外国からも我が国の精神医療体制の改革の要求が高まった。そして、冒頭のように、1987(昭和62)年9月、「精神衛生法」が「精神保健法」に改正され、翌1988(昭和63年)の今日(7月1日)から施行されたのである。その後、1993(平成5)年に「障害者基本法」が成立し、精神障害者も障害者として明確に位置づけられることになった。しかし、その後も、いくつかの精神科医療機関での不祥事が発生しており、何度かの法改正がなされ、現在に至っている。
「精神保健福祉法」正確には・・・「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の第1条、法律の目的には、「この法律は、精神障害者等の医療及び保護を行い、その社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、並びにその発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによって、精神障害者等の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とする。」とあり、この法律の目的の前半の部分については、昔に比べて、非常に、改善されているのであろう。ただ、最も大事な、後半部分の「その発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努める」ことについては、余り、目に見えた施策はなされていないのではないかという気がする。
このところ毎日のように報道されている数多くの事件、・・あの痛ましい2001(平成13)年の「池田小学校事件」以降も、ある種の精神障害者と思われる人たちによる幼児殺害事件や、その他親殺し、子殺し、残虐な死体のバラバラ事件などが多発している。凡そ、戦前戦後の食べるものもなく、餓死した人がものすごくいた時代でも、殺人事件などまれであった日本で、今は、猟奇的な事件が後を絶たない。あのような異常な犯罪は、少なくとも正常な精神のものには出来ないことであり、裁判などで弁護士がわざわざ何かというと、精神障害を持ち出すまでもなく、少なくとも人をあやめた時点での精神状態が異常であったことは間違いないないのである。正常な人間が人など殺せない。戦争においても、その時において、人間は狂気が宿っているのである。このような凶悪な犯罪でなくても、今、街を笑いながら歩いている一目正常に見える普通の人たちの中にも、医者からは精神障害と診断されなくても、もう、その一歩手前の状態の人たちが溢れ返っており、何かがあると、ぷっつんとなって、精神異常になる人が多いのではないだろうか。考えれば、恐ろしい社会になったものだ。
不眠症、心身症、うつ病、依存症、摂食障害、ひきこもり、虐待、リストカット、そして自殺。・・これらを引き起こす原因は医学的には精神障害だということになるのだろうけれども、本当は根本的な原因は、「こころ」の病にあるのであり、この「こころ」の病は、本人も家族も気がつかないあいだに患い進行しているのだろう。
現代社会を特徴づけるものに、社会に蔓延するストレスが言われる。会社では仕事に追われ、家でもゆったり過ごせない。暇があると、忙しく新聞を読み、喫茶店で雑誌を読み漁り、パチンコをし、タバコを吸い、友達と喋り続けている。休日に家族と行楽地に行っても、多くの人の波にもまれてあわただしく時間を過ごし、家に戻ってやっとほっとする。本当に息つくところがない。眠っていても夢をみることが多い。ストレスから解放されようとして、毎日酒を飲む人も多い。このようなストレスが現代人を疲労困憊させ、そのような親の生活態度が子供にも伝染し、子供もストレスを感じやすい環境の中で生活している。
見渡せば、周り中、ストレスの原因だらけではあるが、先ほども言ったように戦後の食べるものもなく、餓死するほどに貧困であった時代、その時代の人に、ストレスがなかったとでも思っている人がいるのだろうか・・・。子どもにしても、食べたい盛りに食べるものもなく、遊ぶものもない。着ている物はつぎはぎだらけの服。当然、ストレスはあったのである。それでも、正常に成長してきた。我が家も非常に成功していた商売が、戦後の混乱期に詐欺に会い、事業が破綻、借金まみれになり、家・家財道具など全ての財産が担保に差し押さえられ押収された。そして、一時は、一家心中を考えるまでの貧乏のどん底を経験してきた。しかし、それを乗り越えたのは、忍耐力や精神力であり、又、神や仏を信じるこころであった。私の目から見れば、戦後の経済成長とともに、金権主義がはびこり、全てお金でしか判断できなくなり又、戦後の誤った教育によって、道徳心もなくなり、宗教心もなくなくした。自分のことしか考えない自己中心主義がはびこり、人を思いやるやさしいこころもなくし、人を批判することばかりしている。家族制度も崩壊させ、親と子の間にまで距離感を作り、おじいさんやおばあさんは疎外され、病気になっても、看病すらしない人が多くなり、中には、孤独死する人まで現れる始末。そして、職場内や隣近所などの共同体との強調や和を持つことすらも煩わしいとし、協力し合うこともしない。そして、豊かな時代に、甘やかされて育った人間には、少しの嫌なことや困難なことにも耐える精神力はなく、無気力でいて、そのくせ、すぐ切れる。・・・それが今の日本の現状ではないのか。私には、このような、環境の中で、いくら、医療的な側面から精神障害を除去しようと思っても、難しいのではないかと考える。これから、ますます、精神異常の人が増え、異常な犯罪が多発しそうな気がする。もう少し、原点に帰って、「こころ」の病の問題について真剣に取り組んでいくことの方が重要と思う。
(画像は、こころの日のロゴマーク。 日本精神科看護技術協会 HPより)
参考:
社団法人 日本精神科看護技術協会 日精看の歩み
http://www.jpna.or.jp/info/ayumi.html
看護ネット
http://www.kango-net.jp/
精神保健と法律
http://www.cmh.ne.jp/m-health/houritu.html
精神保健福祉法とは?
http://www.med.net-kochi.gr.jp/seishin/index02.html
[PDF] フランスの分類と自然史博物館
http://www.lib.keio.ac.jp/publication/medianet/article/pdf/0110570.pdf
アンチ・スティグマ・キャンペーン(1)~総論~
http://www.nisseikyo.or.jp/home/mental/2/m9/mental_9_01.html
宇都宮病院事件(報徳会・宇都宮病院)(事件史探求)
http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage296.htm
「重大な犯罪行為をした精神障害者」問題目次
http://www.seirokyo.com/archive/folder1/shokuhou/goudou/goudou_2.html
重大な触法行為をした精神障害者の処遇に関する法律案(仮称)
http://www.seirokyo.com/archive/folder1/shokuhou/seihu_yotou.html
現代文明の中の苦しみ
http://www.geocities.jp/kurusiminobara/rose1/top.html
快眠のコツ・快眠サイエンス
http://www.nishikawa-living.co.jp/ss/kotsu/01.html
現代人の意識構造・心の病
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=21148


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1 コメント

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ひさびさにBBSきたら・・・ (hitomityan&sizukutyan)
2006-07-01 14:53:18
ひさびさにここのBBSきたら血盟lv5になったんですね^^;おめでとうございます。

というか私瞳&雫は、かなりまえに引退してます。

また、いずれ、BBS見にきますねw

http://www.adfka.com/8876/yahoo.htm
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