ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

金槌の使い方に思う

2021年04月12日 | 日記

 白のハナミズキ

 日曜大工とは言わずとも、どこのお家でも金槌はあるに違いない。金槌、こんな便利なものを私たちは何気なく使っているが、最近は大工さんでもを使わなくなった。釘打ちにはエアタッカーでブシュブシュと打ち込む。
 ところで、金槌をどういう風に使うとよく力が伝わるのかというのは、調べると相当高度な数式が必要になるようだ。ネット上には研究成果がアップされていて、数式に弱い私には手に負えないが、しかし使い方次第で金槌も力が分散して、非効率的になるのだということは理解できる。
 どういうふうに打ち下ろせば、釘に力が効率的に伝わるのか。
 基本は支点をどこに置くかということに尽きるのだろう。打点時のエネルギー量は、金槌の重さと打ち込む速さによって決まって来るが、実際にはどういう軌道を通るか、その際の支点がどこにあるかによって、力量は違ってくる。遠心力が加わるからである。
 紹介されている論文では、基本形として、座ってハンマーを振り下ろす時の力量が説明されている。これだと腰が座標軸の0位置に固定されるが、私たちが実際場面で使う金槌は椅子に座ってすることはない。中腰か、片膝をついてか、あるいは立ってと色々な場面がある。それに肘の動きとか、肩の動きが加わるから、座標軸を腰に置くことはほとんど意味がなくなる。
 力学的には支点の移動をつぶさに把握し、それを累計すれば、打点にかかる強度を測定できることになるが、、、?

 なんでこんなことを言うのかというと、ゴルフとか野球とかテニスとか、各種のボールスポーツの力学がここに集約できるからである。

 私は高校時代、野球をやっていた。バッティングについては、誰も教えてくれないし、見様見真似、先輩のアドバイスや流布している言い分などを参考にして、なんとかこなしていた。もちろんこなせはしないし、側から見れば酷いものだったと思う。
 力を込めて打ったボールは遠くへ飛ぶことはわかる。ところがある時、左で打ってみた。するとほとんど力を入れずに打ったボールが鋭くライナーで飛んでいったことに驚いた。その時は左右のバランスがよくない欠点が、左で打った時、偶然矯正されたのだと思ったが、その後もずっと府に落ちないままだった。今でも不思議だ。
 最近、ユウチューブで元プロ選手が色々技術的なアドバイスをしているのを見ることがあるが、なるほどと思う反面、どうもしっくりこない。何が問題なのか。結局力学的な説明がなされていないと言うことではないか、と思う。バットがボールに当たった瞬間、力学上、どのような力が伝わっているのか、ということが説明されていないのである。バットスイングは、金槌と違って肘と肩と腰の動き、それにバッター自身の回転運動が加わっている。その時の支点は複雑微妙に移動しているはずだ。それをどう活かすかという問題意識がないように思うのである。
 野球だけではない。ゴルフにしてもそうだ。テニスは動きながらのスイングだから余計複雑になる。指導者たちには、この力学をよく理解してもらいたいものである。
 実はボールゲームだけはない。私は今趣味でランニングを楽しんでいるのだが、このランニングのフォームも運動力学が関わっている。一般的にはストライド走法、ピッチ走法とに分けているが、基本は体を前に移動するために、いかに効率的に地面に力を伝えるか、が問題となる。この時も脚から体全体の支点をどこに置くかが最大の問題となる。移動している中での行為なので一筋縄ではいかないが、運動神経の発達した人はこの支点の捉え方が本能的に上手な人なのだと思う。
 でも理屈がはっきり理解できれば誰でも上手にできるようになるはずだ。そうした理解と指導がもっと浸透するといいように思う。スポーツマンに限らず、膝や肘、腰の痛みや故障はそうした理解でだいぶ防げるのではないのか。痛みを加齢によるせいと諦めずに、力学的な理解・指導によって、ある程度解決できそうな気がする。金槌なら誰でも上手に打てるのだから。【彬】

 

 

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