ボランティア先の枇杷の実を収穫しました。
ベリーダンスを間近で見る機会があった。
ベリーダンスというとヌードの腰振りダンスだと誤解されがちだが、中東を起源とする王族達が楽しんだ、バレエに匹敵する身体芸術である。日本では一時、若い女性達が美容のために学ぶ人が多くいたものだ。
とにかく女性が裸で踊るのだから、眼は自然と胸やお尻の動きにいく。そしてその柔軟で激しい動きにため息がでる。しかし今回は、舞台ではなく目の前のフロアでの演技であったため、ボディではなく、足の指に眼がいった。
ダンサーの足の指、特に親指は外反母趾ではないかと思うほど、フロアの平らな床面をガシッと掴み、指関節がもりあがるのだ。ターンするのにも、後傾するにも、この親指が支点となって自在な動きができるのだろう。3人のダンサーが登場したが、いずれもこのような強い足指の動きで、キュッキュッ音が聞こえるかのようだった。
バレエではトウシューズを履く。おそらくシューズの中の指は、ベリーダンサーと同じように強靭に鍛えられているのだろう。
知り合いのマラソンランナーが、足指の動きの大切さを話していたことがあった。親指と小指でグランドを掴むように走ること、そしてスナップを効かせること、が大切だというのだった。しかしこれを強要するとおかしな動きになって怪我をするという。なるほど、知り合いの運動選手は皆、足の指が発達し、長い。使い方がうまくいっているからなのだろう。
真実は細部に宿る、と名言を吐いた人がいたが、人目を惹き付けるボディや臀部、美脚ではなく、末端の足の指先が重要な働きをしているのだということを実感した次第であった。【彬】