はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

『ショパン国際ピアノコンクール 世界最高峰のステージから』

2022年01月24日 | ショパンコンクール

2022/01/24

 

NHKBSで昨日放送された『ショパン国際ピアノコンクール 世界最高峰のステージから』という番組を見ました。

この番組がよかったんですよ!

審査員の海老彰子さん、小説『葬送』を書いた平野啓一郎さん、音楽ライターの高坂はる香さんが登場しました。

海老さん、「87人の皆さんが棄権することなくハイレベルの演奏をされたので、この人を落として、この人を入れるというのが心が張り裂けそうな感じだった」とおっしゃってました。

本来は順位のつけられない芸術のことで、また各人のレベルが高いので大変だったでしょうね。

 

練習曲の解説がとても興味深かったです。

「ショパンの練習曲は、ハノンなどと違ってどれだけ音楽的な表現ができるかを把握した人は、一定以上のものがゲットできる」

ショパンの練習曲は難曲かつ本当に美しい曲が多いですね。

コンクールでは弾きやすいものを選びそうなのに、難度の高い2曲を選ぶ人が多かったのです。

作品25-6「3度のエチュード」は、3度の和音のトレモロ。いかに力を抜いて演奏するかだそうです。

韓国のキム・スヨンさん、沢田蒼梧さん、カナダのJ J・ジュン・リ・ブイさん、ヴィクトリア・ウォンさんの演奏は指の動きが軽くて、見入ってしまいました。


作品10-1は、右手の大きなアルペッジォと左手のコラールのような荘厳な音型。

ポーランドのシモン・ネーリングさん、今井理子さん、京増修史さん、中国のウー・ユチョンさんの演奏。鍵盤の上を這いまわる手の動きを見ていたら、よくあんなふうにできるなあと感心。


英雄ポロネーズの聴き比べもおもしろかった。
ショパンが弾くとしたら、案外音が小さく、それほど速くないとか。

平野さんのおっしゃるように、ショパンの意図とは別に曲の持つポテンシャルがあり、スタインウェイのような近代的な楽器で大きなホールで弾いたら、やはり音の出し方は変わってくるというのは、ほんとうにそう思いますね。

ピアノ選びはどんなふうだったのか。
 
今回イタリアのFAZIOLIが大躍進でしたね。
2015年のショパンコンクールの記録映像を見たことがあるのですが、FAZIOLIはあまり選ばれなかったように思います。
 
今回聴くと、明るくて、ホールによく映える音ですね。特に高音がきれいに響きます。
 
SHIGERU KAWAIも上位入賞者に好まれてましたね。
 
残念なのはYAMAHAです。
今回どうしたんでしょう。YAMAHAもKAWAIも本社は浜松。
 浜松出身の私は子どもの頃から、身近な会社として、まずYAMAHAだったのでとても親しみを感じているのですが。
 

エヴァ・ゲヴォルギアンさん、ガルシア・ガルシアさん、レオノーラ・アルメリーニさん、進藤実優さん、古海行子さんらの演奏を聴くと、熱心に聴いていた頃を思い出して、もう懐かしさを感じます。

午前3時に起きて、予備予選の反田さんの演奏を寝ぼけながら初めて聴いたら、その美しさにビックリして、「この人は優勝するに違いない」と思って、すっかり目が覚めたこと。

敗退していった人たちも含めて、みんな一流のピアニストなんだと、改めて感じたのでした。



平野啓一郎さんの『葬送』はドラクロワとショパンの交流を軸に芸術の時代を描く巨編。 
 
 
 
 
 
素晴らしい力作ですので、 興味のある方は読んでみてください。
 


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