2020/03/05
文京区小石川に、こんにゃく閻魔と呼ばれる浄土宗の源覚寺があります。えんま通り商店街に入り口があります。
ここは文京シビックセンターにも近いので時々通っていました。
えんま堂
こんにゃく閻魔とはおもしろい名前です。
こんな謂れがあります。
宝暦年間(1751年-1764年)に一人の老婆が眼病を患い、ここの閻魔大王像に日々祈願していたところ、満願の夜、老婆の夢に閻魔大王が現れ、「我、日月にも等しい両眼のうち一つをえぐり取って汝に授くべし(=我が片眼を汝に与えよう)」と告げたという。
老婆の眼はたちまちに治り、以来この老婆は感謝のしるしとして自身の好物である「こんにゃく」を断って、ずっと閻魔大王に供え続けたという。
以来この閻魔王像は「こんにゃくえんま」「身代わり閻魔」の名で人々から信仰を集めている。現在でも眼病治癒などのご利益を求め、閻魔像にこんにゃくを供える人が多い・・・・とのこと。
閻魔大王像の左目が黄色く濁っていることから、こんな伝説ができたようです。
こんにゃくのお供えが山盛り。
こんにゃく芋
こちらには、他にもおもしろいものがあるのです。
塩地蔵尊
これは塩でできたお地蔵様か!と思ったのですが、お地蔵様の上に塩を積んでいって、すっかりお顔が見えなくなってしまったらしいのです。体の悪いところに塩をつけて祈ると治るということです。
嘉永5年建立のお百度石
夏目漱石の「こころ」、樋口一葉の「にごりえ」にも「こんにゃく閻魔」は登場するそうです。
江戸時代にタイムスリップしたようで、どこかユーモラスに感じられるお寺です。