よし坊のあっちこっち

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映画三昧ーNetflixで広がる映画ドラマの世界

2022年04月04日 | 映画
Netflixの出現は、ハリウッド映画やアメリカのドラマは何だったんだろう、と思わせる程のインパクトがある。

Netflixのお陰で、今までは観る機会も到底無かった国々の映画やドラマが気軽に鑑賞できるから、映像ファンにとっては誠に堪えられない時代になった。とりわけドラマに良質な作品が多い。しかも、ポーランド、シリア、イスラエル、エジプト、南アや、ブラジル、アルゼンチン等など、違った風景や背景のドラマが、実にエキサイティングなのである。

かつて日本在住の映像専門家であるデイブ・スペクターが日本のドラマの質の低さは世界レベルで最低のレベルだとコメントしていたが、全く同感である。兎に角人気優先でキャスティングし、ドラマの筋書きもイマイチに加え、小道具が貧相の一言に尽きる。特に刑事ものは、ドンパチに加え、殺人現場が出てくるが、殆ど嘘っぽいから白けるのだ。無残に殺されても殆ど血が出ていないとか。兎に角ドラマに重みがない。ある番組では事件で死んだ遺体のことを刑事や関係者が「ご遺体」と呼ぶ。もっとリアルに真面目にやれと言いたくなる。やるなら、日常の中の凄みを見せなきゃ価値がない。

異なった国のドラマを観てると違った価値観に遭遇する、それが実に楽しいのだ。今日も明日も、Netflix三昧といこうか。


Cold Caseと遺伝子系図捜査(Investigative Genetic Genealogy)

2022年04月04日 | アメリカ通信
今、米国の犯罪捜査で、30~40年前のCold Case(迷宮入り事件)が次々と解決され、その数はこの数年で150件に達している。この目覚ましい成果を可能にしたのが、従来のDNA鑑定データと米国人がFamily Tree作成で利用する民間DNA解析データのコラボという、極めて興味深い捜査手法なのである。

1986年英国で初めて事件解決の突破口を開いたDNA鑑定は、犯罪捜査では欠かせないものになった。だが、弱点がひとつある。採取された犯人のDNAを当局にある犯罪者DNAデータベースで照合するのだが、データベースにない人物が犯人なら、照合はお手上げとなる。捜査は別の角度からの捜査となり、時間が経てばお蔵入り(Cold Case)となる。DNA鑑定が主流となった現在でもお蔵入りはあるが、それが無い時代では多くのお蔵入り事件があった。

近年のDNA解析テクノロジーは個人が民間企業からKitを購入し、自分のDNAを調べてもらうことで、自分の先祖を辿ることが容易に出来るようになった。欧米人は元来自分及び家族の先祖をFamily Treeという形で記録するのが好きだが、これに科学的根拠が明らかなDNAで裏付けが可能となった。こうして、DNAで先祖を辿るFamily Tree作りに拍車がかかり、FamilyTreeDNA社やGEDMatch社には貴重なDNAデータが蓄積されることとなった。これらが犯罪捜査に活用されるのである。

遺伝子系図捜査への突破口を開いたMetro Denver Crime StoppersとUnited Data Connect社による事件解決例を紹介したい。

1980年1月、マサチューセッツからデンバーのラジオ局に卒業前のインターンとして来たヘレン・プルジンスキーが来て一か月も経たないうちに職場からの帰途、何者かに拉致され、翌朝近くで死体で見つかった。そしてお蔵入りとなった。
2017年遺伝子系図捜査がのろしを上げる。2019年デンバーの捜査官がヘレン殺害犯人のDNAデータをGEDMatchにアップロード、犯人のDNAと部分的に抵触する人物約3000人を抽出。これらに対する聞き取り調査を開始、Family Tree情報などを開示してもらいながら絞り込んでいき、二人の兄弟にたどり着く。そして弟のDNAが犯人のものと見事に符号し、逮捕となった。