よし坊のあっちこっち

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日本は誰が守るのか

2007年11月22日 | アメリカ通信
来年の大統領選は、民主党候補ではやはりヒラリーが強そうだ。そのヒラリーがこの前の演説で気になる事を言った。これからのアメリカの最重要国は中国である、と。地球儀を見ると、太平洋を挟んで対峙しているのがロシアであり中国である。他の国は日本も含め雑魚なのである。従って、今も昔もアメリカにとっての最重要国はロシアであり中国だ。彼らとキチンと話が出来る事がアメリカの国益に繋がるという認識が基本であり、主義は違っても歴史的にこの延長線上でことの処理をしてきた。かつて、アメリカは日本を最重要国と事有る毎に表明してきたが、それは厳しい東西冷戦下で前線基地を持つ必要性が急務だったからだ。あの、ニクソンの日本頭越しの電撃的米中国交回復は、アメリカの基本戦略をまざまざと見せ付けた良い例である。ヒラリーの発言は、時代の変化と共に、将来のパートナーを公言したわけだ。あからさまに公言できる時代となったと言うべきかも知れぬ。

もう一つは、すっかり影を潜めてしまったあの駄目ブッシュの「悪の枢軸」の話。あれだけ鳴り物入りで始ったイラク戦争も今ではすっかり色褪せ、かわいそうなのは今でも戦死している兵隊であろう。そのブッシュは、イラク失点の汚名挽回とばかり、北朝鮮問題に入れ込み、しかも手軽に片付けようとしている。手軽に、というのは、あれだけ「悪の枢軸」の3羽ガラスのひとつに数えていたのに、例の核開発封じ込めの目処がついたので、「悪の枢軸」から外そうというもの。がっちり中国とパートナーを組んでしまったのは、アメリカの国益に繋がるからに他ならない。日本がいくら、拉致問題を忘れるなと叫んでも、アメリカにとっては取るに足らぬ出来事である。

地球儀を見れば一目瞭然。太平洋の北西にポツンと浮かんでいる、或いは、ユーラシア大陸の東の果てに浮かんでいる、そう、極東とはよく言ったもんだが、それが日本。極東と表現するのがピッタリ。何を間違ったか、果敢にもパールハーバーを攻撃した事で、日本と言うのはどえらい国だという「間違った」印象をアメリカ及び世界に与えてしまった。そして戦後復興の過程で、勤勉と器用さで「技術」というチカラをたまたま見せ付ける事が出来たので今日までチヤホヤされてきた。日本及び日本人も本気で思い込んでしまったのではないか。日本は凄いのだ、と。再び地球儀を見よう。吹けば飛ぶような小さな国だ。全く凄さを感じないのだ。

大陸の果てに、盲腸のような朝鮮半島がある。その韓国と日本は明らかにアメリカの軍事前線基地なのである。そして、一朝事が起こった時、アメリカはそのどちらもあっさりと捨てるだろう。もし優先順位をつけるとしたら、心情的には先に捨てるの日本だろう。何故なら、韓国はベトナムを戦った戦友だからだ。そう思う。

日本はそろそろ考え時だ。世界の舞台でリーダーシップを、等と考えない事だ。なまじ経済大国になったが故にアジアのリーダーシップを、世界のリーダーシップをと煽られ続け、その気になったものの何も出来ずの今である。極東の島国をどう守るのかを考えるのは我々の義務だ。

アメリカにとっては、日本で国防論議が世論レベルで活発になるのは困るはずだ。なにせ、パールハーバーの亡霊があるからだ。そう、日本は何をしでかすか分からない民族と今も思っているから。今の所、日本に大きな兆しが無いから、安心しているアメリカだが、一たび国防論議から戦術核保有論議までが日本国内で沸いてくれば、アメリカの背筋はゾクッとするはずだ。日本の国防論議はもちろん日本自身の為にするものだが、副産物としてアメリカに大きな一石を投ずる。それでおたおたするアメリカを眺めるのも面白い。

アメリカは助けてはくれない。しからば、日本は本気で国防力を持たなければ。そうなると、憲法論議は必然。

最後に日本とアメリカの話。
日本のある家にドロボーが入った。そこの主人は格闘の末、ドロボーを殺した。世間曰く、「なにも殺さなくてもよかったに」。 これがアメリカなら、「よくやった、殺して当然だ」となる。この温度差は大きい。