よし坊のあっちこっち

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セキュリティ・コントラクターという名の戦争屋

2007年06月19日 | アメリカ通信
セキュリティ・コントラクターと言うと、そこいらにいるビルの警備やイベントの警備をする保安警備会社の類を連想してしまうが、表になかなか出て来ない民間戦争屋の事で、それが今、アメリカのニュースの片隅に顔を出している。

事の発端は、2004年にイラクのファルージャで4人のアメリカ人民間保安要員が、待ち伏せ襲撃に会い、黒焦げの死体が町に吊るされた事件があり、その遺族達が所属会社を相手取って訴訟を起こしたのである。
軍人は戦闘で命を落としても国を相手取って訴訟などしないことになっているのと同様、この手の民間会社でも、ルールは同じらしい。遺族達はそのルールを破ってまで訴訟に踏み切ったのであるが、事の性格上、裁判所も両者の和解を必死に促しているらしい。こういう変則的な話が出てくるということは、理由をでっち上げてイラクに突入し、明らかに失敗してしまった今回の戦争のいびつな面が出ているような気がする。

アメリカの歴史の中で、この民間戦争屋は独立戦争以来の伝統らしく、当然そこに社属する人は退役軍人や、かつて特殊部隊にいた連中が多いらしい。いわば戦争の影の部分に属するから、今まで表に出るデータが少なく、一般には実態がよく分からないようになっている。
常に危険と隣り合わせだから、報酬も高額である。経験にもよるのだろうが、一日600ドルというデータがある。

イラクでのこれまでの戦死者が約3500人で4000人に近づきつつあるが、民間戦争屋の戦死者は現在約1000人とのこと。ブッシュが舞台から退場した時、その数は何人になっているのだろうか。